4 / 46
第1章 進級
第1章 第1話 進級
しおりを挟む
これで第34回豊桜中学校の進級式を終わります。
「やっと終わった・・・」
校長の話はいつも長い。
俺たちはようやく中学3年生になる。
髪が少し延びてきたなと俺は思う。
講堂をでて、新しい教室に入った。
ここの中学校は生徒の人数が多すぎるのでクラス替えも余程の事が無い限り、席替えもしない。
だから一人でもムカつくやつや面倒くさいやつをつくってしまうと・・・。
隣の教室で漫画のようなドーン!という音が聞こえた。
そう、隣の教室は荒れているやつ専用なのだ。
俺はまともでよかったなと思う。
自分の席に座り、教科書等を引き出しに入れようとしたとき、遅れて教室のドアが開いた音がした。
その子は恥ずかしそうにさっさと俺の隣に座った。
「・・3年もよろしくね 三島君・・・」
「そうだね・・・よろしく」
俺は彼女がなんでこんなにも人見知りで恥ずかしがり屋なのかが分からない。
まぁ、人それぞれの性格があるから、いつもは考えるが、今年はその事をもっと真剣に考えてみようと思う。
彼女の名前は花園杏 俺とは3年間隣の席だ。
俺は、花園さんと呼んでいる。
別にお互いを下の名前で呼び会う中でもなく、というか、俺にも彼女にもそんな勇気などないと思っている。
俺はない。
ところで、彼女は2年生の時にいじめられていた。
その現場を偶然にも見てしまった俺は生活委員長として、ひとまず、いじめを止めた。
これは隣の席だからかも知れない。
隣の席以外に接点がない俺らは出来る限り仲良くするように努めた。
なにやら、同じ吹奏楽部の部員から反感を買ったらしい。
最初は、泣いて落ち込んだりしていた彼女も今ではすっかり笑顔を見せるようになった。
いつの間にか彼女は当然のように俺に話しかけていた。
吹奏楽部で何があったのかは勿論の事、俺の夢の話まで聞かれて、本当は一人だけにしか話さないと決めていたのに、有名小説家が夢だと話したら、目をキラキラさせて、俺の方を見ていた。
俺は別に下心があって、彼女といるんじゃない。
彼女がいじめられないようにしているだけだ。
なのに、なんで夢の話やらなんやらをしなければいけないのか、と内心後悔している。
まぁ、花園さんといる時間も後1年だけだから頑張ろうと思う。
こうして、中学3年生、隣の席の花園さんといる時間が再び始まったのだった。
「やっと終わった・・・」
校長の話はいつも長い。
俺たちはようやく中学3年生になる。
髪が少し延びてきたなと俺は思う。
講堂をでて、新しい教室に入った。
ここの中学校は生徒の人数が多すぎるのでクラス替えも余程の事が無い限り、席替えもしない。
だから一人でもムカつくやつや面倒くさいやつをつくってしまうと・・・。
隣の教室で漫画のようなドーン!という音が聞こえた。
そう、隣の教室は荒れているやつ専用なのだ。
俺はまともでよかったなと思う。
自分の席に座り、教科書等を引き出しに入れようとしたとき、遅れて教室のドアが開いた音がした。
その子は恥ずかしそうにさっさと俺の隣に座った。
「・・3年もよろしくね 三島君・・・」
「そうだね・・・よろしく」
俺は彼女がなんでこんなにも人見知りで恥ずかしがり屋なのかが分からない。
まぁ、人それぞれの性格があるから、いつもは考えるが、今年はその事をもっと真剣に考えてみようと思う。
彼女の名前は花園杏 俺とは3年間隣の席だ。
俺は、花園さんと呼んでいる。
別にお互いを下の名前で呼び会う中でもなく、というか、俺にも彼女にもそんな勇気などないと思っている。
俺はない。
ところで、彼女は2年生の時にいじめられていた。
その現場を偶然にも見てしまった俺は生活委員長として、ひとまず、いじめを止めた。
これは隣の席だからかも知れない。
隣の席以外に接点がない俺らは出来る限り仲良くするように努めた。
なにやら、同じ吹奏楽部の部員から反感を買ったらしい。
最初は、泣いて落ち込んだりしていた彼女も今ではすっかり笑顔を見せるようになった。
いつの間にか彼女は当然のように俺に話しかけていた。
吹奏楽部で何があったのかは勿論の事、俺の夢の話まで聞かれて、本当は一人だけにしか話さないと決めていたのに、有名小説家が夢だと話したら、目をキラキラさせて、俺の方を見ていた。
俺は別に下心があって、彼女といるんじゃない。
彼女がいじめられないようにしているだけだ。
なのに、なんで夢の話やらなんやらをしなければいけないのか、と内心後悔している。
まぁ、花園さんといる時間も後1年だけだから頑張ろうと思う。
こうして、中学3年生、隣の席の花園さんといる時間が再び始まったのだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる