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014 報奨
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「お疲れ様、壊滅できたかい?」
「あぁ、全員な」
「助かるよ、君には褒美をやらないとね」
「何を与えるつもりだ?」
「爵位と金、かな」
「公爵の上が有るのか?」
エルド国の法では貴族の権力と継承について
継承権第1位となる物は継承される爵位と同じ権力を持つ
とされ、公爵家未満の爵位で今当主の奴よりアビスの方が権力が上なのだ
実質、アビスは公爵家当主の同然の物を持つと言う事
それに公爵未満の爵位を授けようと意味は無い、公爵以上で無くては
否、そうゆうと語弊がある
公爵よりも上、常人の知識内に存在し得ない爵位しか与えられないのだ
「そう、王爵って言うんだけどね」
「文字通り王族と同じ権力という事か?」
「うん、他国の王族とも同然の扱いだよ
国から離したくない人物に与える最高位の物だよ」
「俺の場合は建前にならぬか?」
「そうだね、普通は何事にも自由になるし喜ぶべき事なんだけど
君の場合は、そんなの無くても自由だもんね
まぁ、極力味方でいてくれませんかってお願いみたいな物かな」
「金は幾ら出すつもりだ?」
「ん~、一生遊んで暮らせるくらいかな
君の母親が国家資金をドンドンと稼いでくれるからね
貯金は増える一方、結構出せるけど」
「否、王紋が欲しい」
「ふむ、面白い あげるよ」
「助かる」
その夜、アビスは再び神と出会う
私室に突如として現れた神は満足気に微笑んでいた
適当な椅子に座り足を組んだ
「どうした」
「殺戮を見せてくれたからね、褒美でもってね♡♡」
「やけに御機嫌だな、そんなに見ていて愉しいか?」
「ふふっ、イイじゃーん 人それぞれ違うでしょー」
「そうか、で褒美とは?」
「新しいスキルでもあげようかなって、ほい!!」
『ステータスを受け取りました
受取完了、全基礎数値+25000《絶対隠蔽》《限界突破》を獲得しました』
「どれほど強くなれと?」
「幾らでも、君の圧倒的なまでの殺戮が好きだから」
「そうか、じゃあな」
「ふふっ、またね?」
神は部屋の暗闇へと消えていく
途轍もない物を下界の妖魔へ投げ与えて
入れ替わるようにメアリーが部屋に来る
「誰と話されているのですか?」
普通は男女分けられているのだが、アビスとメアリーは隣室となっている
神との会話を聴いて来たのだろう、しかし
幾ら隣室とは言え、壁の厚い寮の部屋
常人に一切聞こえるような声では無いのだ、アビスに強化されたメアリーでさえ
『声』という事実しか分からない、だがメアリーは神から放たれる色欲を感じ取った
アビスが女性と部屋で話しているのだ、恋慕する1人の女として見逃せない
アビスが取られぬように確認に足を運ぶのは必至なのだ
「神だ」
「女神…? もしかして、アフロディーテ様ですか?」
「さぁな、名前は知らない」
普通は神と話したと言っても信じる筈も無い
だがメアリーはアビスに対して恋慕から通り越して崇拝にまで片足を入れている
それもアビスの圧倒的なまでの格に、メアリーの本能が服従しようとしているから
心根からの信仰、『好き』の範疇に収まらぬほどにメアリーは溺れている
そう、もはやアビスの言う事は全て正しいと言う思考しか無い
神と話していたと言われれば思い込むのだ、本当に話していたのだと
実際それが事実なのだが、なんでも信じるという事には変わりない
何故そこまで至るのか?
簡単だ、未だ異空間で眠る狼の所為でアビスも『死』を司るとは言え神である
否、メアリーの場合 死というものに触れる事を嫌っていない
死神=神 なのだ、メアリーにとって 人間にとって神を信仰するのは当たり前だろう
自身より遥かに上位の存在へ敬意を払い助けて貰う、俗に言う神頼み
だが、神自体を感じたことのある奴は極小数
しかし、そういう奴らこそ神の本当の力を知り得ているのだ
想像以上の力は信仰心を深めるのに充分なのだ
メアリーは長時間近距離で神に触れている、信仰心は深まるばかりだ
(はぁ、良かったです 神と話されていただけなのですね、神と話すとは流石アビス様です)
「やけに俺を疑っていたようだが、どうした?」
アビスは確かに好意には鈍い、鈍感すぎる
だが、原因が幾ら好意であれ疑念ならば感知は容易
目敏く見付けている、一瞬でそこまで感じ取ってしまうのがアビスだ
「い、いえ 足音もしないのに部屋から声が聞こえたので」
「そうか」
アビスは問い詰めて反応を見るだけで、原因が分かるほどの眼を持つ
だが、現任が好意なら問い質したところで感知できない
そこで直ぐに諦められるほど、判断力に優れていると言うべきか
「あの、夕食一緒に行きませんか?」
「あぁ」
離れない、とでも言いたいが如くメアリーはアビスの腕を抱く
当然、彼の魅力的な体のラインが押し付けられる訳だ
普通の男子なら、混乱しても可笑しくは無い
だが、戦闘の天才 アビス
女体に態々反応し隙を晒すほど阿呆では無い
人並みに欲は有れど、それを抑制する程の物を持つ
罠を避けるには、それが必要だからだ
標的に近付き女体で誘惑、人間の警戒心の弱まる排泄行為
その隙を狙い薬物を盛り眠らせる、その後は煮るなり焼くなりやり放題だ
更に、扇情的な装備で戦いに来れば戦功を上げるのは容易いのだ
確かに、目の前の相手の注目を集めて極端に防護面積の少ないそれは危険だが
自衛が可能、欲を言えば効果的な行動も可能な実力者が行えば効果は絶大
周囲の男兵士は視線を本能的に誘導されてしまう
味方の兵士には演習などで慣れさせておけば余程の変態でない限り意識下から除外できる
視線、所謂 意識が逸れた相手を殺すのは容易い事なのだ
それに、その女が1体1で相手をする場合
視線が吸い込まれるのは、その乳房と腿
ある程度まで行けば相手の視線を読むくらい戦闘をしない女性でも可能な事
上なら脚、下なら剣 相手の意識外から攻撃を加えられるのだ
それこそが、罠だ
それに引っ掛からない様にするには、一切の性欲を捨て去ること
男から言わせれば難しいと言われるような事だろう、だが出来ないと死ぬ
そうゆう世界なのだ、戦場とは
常に己を一定に保ち、それでいて己ではなく他者として自分を見る
最適な判断を下し即実行する、それが出来なければ『死』
迷う暇なぞ有りもしない、惑わされている暇も無い
完全に自を御せて、真の戦闘者なのだ
「アビス様~♪」
「お前もご機嫌だな」
「気にしなくて良いんですよ~」
果たして、メアリーは自分を御せているのだろうか…?
「あぁ、全員な」
「助かるよ、君には褒美をやらないとね」
「何を与えるつもりだ?」
「爵位と金、かな」
「公爵の上が有るのか?」
エルド国の法では貴族の権力と継承について
継承権第1位となる物は継承される爵位と同じ権力を持つ
とされ、公爵家未満の爵位で今当主の奴よりアビスの方が権力が上なのだ
実質、アビスは公爵家当主の同然の物を持つと言う事
それに公爵未満の爵位を授けようと意味は無い、公爵以上で無くては
否、そうゆうと語弊がある
公爵よりも上、常人の知識内に存在し得ない爵位しか与えられないのだ
「そう、王爵って言うんだけどね」
「文字通り王族と同じ権力という事か?」
「うん、他国の王族とも同然の扱いだよ
国から離したくない人物に与える最高位の物だよ」
「俺の場合は建前にならぬか?」
「そうだね、普通は何事にも自由になるし喜ぶべき事なんだけど
君の場合は、そんなの無くても自由だもんね
まぁ、極力味方でいてくれませんかってお願いみたいな物かな」
「金は幾ら出すつもりだ?」
「ん~、一生遊んで暮らせるくらいかな
君の母親が国家資金をドンドンと稼いでくれるからね
貯金は増える一方、結構出せるけど」
「否、王紋が欲しい」
「ふむ、面白い あげるよ」
「助かる」
その夜、アビスは再び神と出会う
私室に突如として現れた神は満足気に微笑んでいた
適当な椅子に座り足を組んだ
「どうした」
「殺戮を見せてくれたからね、褒美でもってね♡♡」
「やけに御機嫌だな、そんなに見ていて愉しいか?」
「ふふっ、イイじゃーん 人それぞれ違うでしょー」
「そうか、で褒美とは?」
「新しいスキルでもあげようかなって、ほい!!」
『ステータスを受け取りました
受取完了、全基礎数値+25000《絶対隠蔽》《限界突破》を獲得しました』
「どれほど強くなれと?」
「幾らでも、君の圧倒的なまでの殺戮が好きだから」
「そうか、じゃあな」
「ふふっ、またね?」
神は部屋の暗闇へと消えていく
途轍もない物を下界の妖魔へ投げ与えて
入れ替わるようにメアリーが部屋に来る
「誰と話されているのですか?」
普通は男女分けられているのだが、アビスとメアリーは隣室となっている
神との会話を聴いて来たのだろう、しかし
幾ら隣室とは言え、壁の厚い寮の部屋
常人に一切聞こえるような声では無いのだ、アビスに強化されたメアリーでさえ
『声』という事実しか分からない、だがメアリーは神から放たれる色欲を感じ取った
アビスが女性と部屋で話しているのだ、恋慕する1人の女として見逃せない
アビスが取られぬように確認に足を運ぶのは必至なのだ
「神だ」
「女神…? もしかして、アフロディーテ様ですか?」
「さぁな、名前は知らない」
普通は神と話したと言っても信じる筈も無い
だがメアリーはアビスに対して恋慕から通り越して崇拝にまで片足を入れている
それもアビスの圧倒的なまでの格に、メアリーの本能が服従しようとしているから
心根からの信仰、『好き』の範疇に収まらぬほどにメアリーは溺れている
そう、もはやアビスの言う事は全て正しいと言う思考しか無い
神と話していたと言われれば思い込むのだ、本当に話していたのだと
実際それが事実なのだが、なんでも信じるという事には変わりない
何故そこまで至るのか?
簡単だ、未だ異空間で眠る狼の所為でアビスも『死』を司るとは言え神である
否、メアリーの場合 死というものに触れる事を嫌っていない
死神=神 なのだ、メアリーにとって 人間にとって神を信仰するのは当たり前だろう
自身より遥かに上位の存在へ敬意を払い助けて貰う、俗に言う神頼み
だが、神自体を感じたことのある奴は極小数
しかし、そういう奴らこそ神の本当の力を知り得ているのだ
想像以上の力は信仰心を深めるのに充分なのだ
メアリーは長時間近距離で神に触れている、信仰心は深まるばかりだ
(はぁ、良かったです 神と話されていただけなのですね、神と話すとは流石アビス様です)
「やけに俺を疑っていたようだが、どうした?」
アビスは確かに好意には鈍い、鈍感すぎる
だが、原因が幾ら好意であれ疑念ならば感知は容易
目敏く見付けている、一瞬でそこまで感じ取ってしまうのがアビスだ
「い、いえ 足音もしないのに部屋から声が聞こえたので」
「そうか」
アビスは問い詰めて反応を見るだけで、原因が分かるほどの眼を持つ
だが、現任が好意なら問い質したところで感知できない
そこで直ぐに諦められるほど、判断力に優れていると言うべきか
「あの、夕食一緒に行きませんか?」
「あぁ」
離れない、とでも言いたいが如くメアリーはアビスの腕を抱く
当然、彼の魅力的な体のラインが押し付けられる訳だ
普通の男子なら、混乱しても可笑しくは無い
だが、戦闘の天才 アビス
女体に態々反応し隙を晒すほど阿呆では無い
人並みに欲は有れど、それを抑制する程の物を持つ
罠を避けるには、それが必要だからだ
標的に近付き女体で誘惑、人間の警戒心の弱まる排泄行為
その隙を狙い薬物を盛り眠らせる、その後は煮るなり焼くなりやり放題だ
更に、扇情的な装備で戦いに来れば戦功を上げるのは容易いのだ
確かに、目の前の相手の注目を集めて極端に防護面積の少ないそれは危険だが
自衛が可能、欲を言えば効果的な行動も可能な実力者が行えば効果は絶大
周囲の男兵士は視線を本能的に誘導されてしまう
味方の兵士には演習などで慣れさせておけば余程の変態でない限り意識下から除外できる
視線、所謂 意識が逸れた相手を殺すのは容易い事なのだ
それに、その女が1体1で相手をする場合
視線が吸い込まれるのは、その乳房と腿
ある程度まで行けば相手の視線を読むくらい戦闘をしない女性でも可能な事
上なら脚、下なら剣 相手の意識外から攻撃を加えられるのだ
それこそが、罠だ
それに引っ掛からない様にするには、一切の性欲を捨て去ること
男から言わせれば難しいと言われるような事だろう、だが出来ないと死ぬ
そうゆう世界なのだ、戦場とは
常に己を一定に保ち、それでいて己ではなく他者として自分を見る
最適な判断を下し即実行する、それが出来なければ『死』
迷う暇なぞ有りもしない、惑わされている暇も無い
完全に自を御せて、真の戦闘者なのだ
「アビス様~♪」
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