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第7話、王妃の楽しみ
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side:とある国の王妃
そろそろ時間のようだけどナタリアはまだ来ないのかしら?
『コンコン』
「王妃様、ナタリアです。」
あら、噂をすればなんとやらね(笑)
「入って良いわよ」
『ガチャ』
「失礼致します。」
「そんなに畏まられると笑ってしまいそうになるわね」
「挨拶ぐらいはきっちりしておかないと、公式の場でついうっかり気安く話かけてしまうという事もあり得ますから」
「あら♪ナタリアが冗談を言うなんて珍しいわね、あなたが私と一緒に公式の場に出る時は護衛として無言で立って居るだけでしょう?」
「バレましたか(笑)」
「ふふっ、ナタリアとこんなに気軽に話せるようになったのは、タマゴサンドを差し入れて貰った時からだったわね」
「そうですね、タマゴサンドを差し入れた翌日、夜明けと同時に呼び出された時は何か無礼な事をして首を跳ねられるのかと思ったのですけど
まさか朝食にタマゴサンドを食べたいから、どうにかして手に入れて欲しい!と言われるとは思いませんでしたよ、それも涙目で(笑)」
「しっ、仕方無いでしょう(恥)スパイスを使って無いのにあれほど美味しい料理を食べたのは初めてだったのだから」
「薄味屋の料理は特別に美味しいので気持ちは分かりますし、結果的に王妃様の食の細さの原因がスパイスの刺激が合わない事だと判明したのは良かったです。」
「ええ、スパイスは生れた時から当たり前のように存在していた物ですから、それが私の身体に合わないなどと思いませんでした」
だからと言って、王妃である私が我が国の特産物であるスパイスが食べられないなんて事は絶対に言えないのが辛い所です。
そんな事が公になればスパイスを取り扱う全ての者達の生活が、成り立たなくなってしまいます。
今の所は単純に私が少食なだけとなっていますけど、いつまで誤魔化せるでしょうか
そのお陰と言えるかどうか分かりませんが、ナタリアが定期的に薄味屋で料理や甘味を買って来てくれて
それをメイド達と一緒に食べるのが楽しいのよね♪
食事の量が増えたからか身体の調子も良いし、このまま行けば少しくらいはスパイス料理を食べる事も出来るようになるかもしれません
「王妃様、話はこれくらいにして、今日も薄味屋で料理と甘味を買って来たので食べましょう」
「その前にメイドも呼ばないと後で恨まれてしまうわ(笑)」
『チリン、チリン♪』
『コンコン、ガチャ』
「お呼びでしょうか」
私がベルを鳴らすと部屋の外で待機していた専属メイドのフェイが扉を開けて用件を確認に来ました
「おやつの時間だからいつものようにエリスも呼んで一緒に食べましょう」
「かしこまりました♪」
ふふっ
フェイは嬉しそうですね、薄味屋はかなりの人気だと聞いています
大半の商品はほぼ予約で完売するほどの人気らしいですから、薄味屋に行って列に並んでもなかなか買えないのだとか
ナタリアがほぼ毎日どうやって薄味屋の商品を買えているのかは分かりませんが、強引な手段を使うような性格では、、、
あらあら♪
いつの間にか部屋に来ていたもう一人の専属メイドのエリスが、捨てられた子犬のような目で私を見ています
早く薄味屋の料理が食べたいのでしょうね(笑)
「皆揃ったし食べましょうか、ナタリア今日は何を買って来たの?」
「えっと、BLTサンドとプリンですね」
「どちらも初めての料理ね楽しみだわ♪では頂きます」
「「「頂きます♪」」」
幸せそうにBLTサンドにかぶり付く3人を見ていると、私のするべき事はこういう何気ない幸せを
全ての王国民が享受出来るようにする事なのでしょうね
つづく。
そろそろ時間のようだけどナタリアはまだ来ないのかしら?
『コンコン』
「王妃様、ナタリアです。」
あら、噂をすればなんとやらね(笑)
「入って良いわよ」
『ガチャ』
「失礼致します。」
「そんなに畏まられると笑ってしまいそうになるわね」
「挨拶ぐらいはきっちりしておかないと、公式の場でついうっかり気安く話かけてしまうという事もあり得ますから」
「あら♪ナタリアが冗談を言うなんて珍しいわね、あなたが私と一緒に公式の場に出る時は護衛として無言で立って居るだけでしょう?」
「バレましたか(笑)」
「ふふっ、ナタリアとこんなに気軽に話せるようになったのは、タマゴサンドを差し入れて貰った時からだったわね」
「そうですね、タマゴサンドを差し入れた翌日、夜明けと同時に呼び出された時は何か無礼な事をして首を跳ねられるのかと思ったのですけど
まさか朝食にタマゴサンドを食べたいから、どうにかして手に入れて欲しい!と言われるとは思いませんでしたよ、それも涙目で(笑)」
「しっ、仕方無いでしょう(恥)スパイスを使って無いのにあれほど美味しい料理を食べたのは初めてだったのだから」
「薄味屋の料理は特別に美味しいので気持ちは分かりますし、結果的に王妃様の食の細さの原因がスパイスの刺激が合わない事だと判明したのは良かったです。」
「ええ、スパイスは生れた時から当たり前のように存在していた物ですから、それが私の身体に合わないなどと思いませんでした」
だからと言って、王妃である私が我が国の特産物であるスパイスが食べられないなんて事は絶対に言えないのが辛い所です。
そんな事が公になればスパイスを取り扱う全ての者達の生活が、成り立たなくなってしまいます。
今の所は単純に私が少食なだけとなっていますけど、いつまで誤魔化せるでしょうか
そのお陰と言えるかどうか分かりませんが、ナタリアが定期的に薄味屋で料理や甘味を買って来てくれて
それをメイド達と一緒に食べるのが楽しいのよね♪
食事の量が増えたからか身体の調子も良いし、このまま行けば少しくらいはスパイス料理を食べる事も出来るようになるかもしれません
「王妃様、話はこれくらいにして、今日も薄味屋で料理と甘味を買って来たので食べましょう」
「その前にメイドも呼ばないと後で恨まれてしまうわ(笑)」
『チリン、チリン♪』
『コンコン、ガチャ』
「お呼びでしょうか」
私がベルを鳴らすと部屋の外で待機していた専属メイドのフェイが扉を開けて用件を確認に来ました
「おやつの時間だからいつものようにエリスも呼んで一緒に食べましょう」
「かしこまりました♪」
ふふっ
フェイは嬉しそうですね、薄味屋はかなりの人気だと聞いています
大半の商品はほぼ予約で完売するほどの人気らしいですから、薄味屋に行って列に並んでもなかなか買えないのだとか
ナタリアがほぼ毎日どうやって薄味屋の商品を買えているのかは分かりませんが、強引な手段を使うような性格では、、、
あらあら♪
いつの間にか部屋に来ていたもう一人の専属メイドのエリスが、捨てられた子犬のような目で私を見ています
早く薄味屋の料理が食べたいのでしょうね(笑)
「皆揃ったし食べましょうか、ナタリア今日は何を買って来たの?」
「えっと、BLTサンドとプリンですね」
「どちらも初めての料理ね楽しみだわ♪では頂きます」
「「「頂きます♪」」」
幸せそうにBLTサンドにかぶり付く3人を見ていると、私のするべき事はこういう何気ない幸せを
全ての王国民が享受出来るようにする事なのでしょうね
つづく。
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