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第11話 反省

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side:クラウス


ふぅー(汗)

やはり普通の女性と話をするのは難しい。

ジュリアの他にも一緒に戦った仲間達となら話が尽きる事も無いんだがな。


天幕でリネットと2人きりで話をしたが、終止緊張してしまいリネットに不快な思いをさせていないかだけが心配だ。

更に懸念としては

小説や演劇だと男女が2人きりになると艶っぽい展開になるのが定番になっているから、俺もそういう風にした方が良かっただろうか?

いや、待て

落ち着こう。

リネットは昨日屋敷に来たばかりで、新しい環境に慣れようと大変な時だ。

リネットが心身ともに余裕が出来るまでは焦る必要は無い、、、と思う。


そう言えば

初めて娼館に行った時に相手をしてくれた娼婦にも焦っては駄目だと叱られたっけ

まぁあの時は俺も若かったし初陣の直後という事もあったし、戦場の空気に当てられて精神的に少しおかしかった気もする。

相手の女性は20代後半くらいで背が低く髪の毛は赤茶色、ロウレシア帝国で赤茶色の髪の毛は珍しいなと思った記憶がある。

「わたしおばさんだから人気が無いのよ」なんて言いながら笑っていたのが印象的だったな。

自虐ネタなのかは分からなかったが、精神的におかしかった俺の笑いのツボにハマって、しばらく2人で爆笑していたっけ。

今思い出すと全く笑うような事でも無いし、むしろ笑わない方が良かったのかも?と思う。

いや、あれは精神的におかしかった俺の為に、彼女がしてくれた優しさだったのかもしれない。

初陣を無事に終えて帰って来ても、3割くらいは精神的に疲弊して2度と戦場に立てなくなる

それを考えれば、彼女のお陰で俺は精神的に落ち込む事も無かったのだから、どれだけ感謝しても足りないくらいだ。


「おーい、クラウス様ぁー!ぼーっとしてエロい事でも考えてるんですかぁー?」


おっと!

昔の思い出に浸っている場合では無かった。

今日はクソガキのような愛すべきかつての戦友達と、貯水池でバーベキューをするんだ。

きっかけはリネットにどんなデートがしたいか聞いたら『湖畔でピクニック』だった。

残念ながら近くに湖が無いから代わりに貯水池に来た訳だが、その前に


「キース!木に油をぶっかけて火を付けてんじゃねぇよ、危ねぇだろうが!罰としてお前は1週間トイレ掃除だ。」

「えぇー?!そりゃ無いっすよクラウス様ぁ~」

「俺とリネットの肝をヒヤっとさせた罪がトイレ掃除で許されるなら軽いだろうが」

「そうなんすけど、、、危険な行為だったのは確かなんでトイレ掃除、頑張らせて頂きます。」

「いやっほぉー♪」

「1週間トイレ掃除しなくて済む!」

「これってグレゴリオ隊長の監督不行き届きじゃないですか?」

「グレゴリオ隊長にもトイレ掃除を!」


全くこいつらはどんだけトイレ掃除が嫌なんだ。


「仕方無いな、監督不行き届きという事であれば俺にも責任がある。グレゴリオと護衛隊は全員俺と一緒に1ヶ月トイレ掃除だ!」

「げっ?!」「期間が延びたぁー(悲)」「最悪だ!」「グレゴリオ隊長のせいだ!」

「ゴルァ!勝手に俺のせいにしてんじゃねぇ、護衛隊は明日から庭の草むしりも追加だ!お前ら死ぬ気で草むしりやがれ!」

「「「「「えぇーーー」」」」」

「えぇー、じゃねぇ!」



ふふっ

バーベキューをするだけだってのに騒がしい奴等だ。

まっ、そんなアイツ等が俺は好きだがな♪





つづく。
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