8 / 37
第8話 クラウスとリネットとカイザーと時々ジュリア
しおりを挟む
side:リネット
シュナウザー侯爵家の庭で飼われている大きな黒い犬の『カイザー』と仲良くなって知った事がある。
護衛のジュリアさんが言うには、カイザーはクラウス様以外の男性には全く懐かず基本は無視してるらしい
ただし餌を持って来てくれた男性の言う事はちゃんと聞いて従順なんだそう。でも懐きはしないんだとか
そして女性の場合は、初対面の時に追いかけまわすけど、その後は軽く撫でさせてくれる程度には仲良くなれるらしい
それってもう、完全に相手を見て対応を変えてるよね?
カイザー頭良過ぎぃー!
だからなのか、庭でカイザーをワシャワシャしてる時に会った皆さんからは
「流石はリネット様♪」「カイザーも美女には優しいのか(悲)」「もふもふ、、、カイザーのもふもふをもふもふしたいぃぃぃぃぃぃ!」
まぁ色々な反応があったけど、基本的には初対面でカイザーと仲良くなった事で『只者じゃない』って感じで、一定の信頼を得られたっぽい。
ちなみにカイザーは、元々特殊な訓練をされた軍用犬で、敵と味方の識別がちゃんと出来るんだとか。
だから過去に屋敷に忍び込もうとやって来た不審者を、カイザーは容赦無く攻撃して倒したらしい。
カイザーに攻撃された不審者が可哀想な状態になったお陰で、シュナウザー侯爵家においてカイザーの地位は上の方に位置している(主に男性の意見)
『可哀想な状態』がどういうものか気になり、屋敷の警備を担当している人達に訊ねたら、その場に居た男性全員が股間を押さえて青い顔をしていた。
カイザーの体高から考えて、1番攻撃しやすい場所となると、、、
詳しく聞く事はしなかったけれど、まぁそういう事なのだろう。
「ねぇカイザー、私にもお腹を撫でさせてくれないかな、駄目?」
「わうっ」
「なんでリネット様は良くて私は駄目なんだよぉ(悲)」
私にお腹をワシャワシャされて気持ち良さそうにしていたカイザーだけど、ジュリアさんがカイザーのお腹を撫でようとしたら、プイッと横を向いてしまった。
カイザーのお腹を撫でられるのはクラウス様以外だと、メイド長と料理長の2人だけらしい。
これはもうカイザーが私の事をクラウス様の結婚相手と知って、、、る訳は流石に無いだろうから
他の使用人達と違うなっていうのは感じ取ってるんだろうなぁ
カイザーの頭が良過ぎだよ。
「カイザー、ブラッシングをするぞぉー!」
「わんっ♪」
ん?
急にカイザーの態度が変わったから声のした方を見ると、クラウス様がブラシを持ってこちらに歩いて来る。
「クラウス様おはようございます。」
「おはよう。リネットは早起きなのだな。もしかしてカイザーに追いかけられ、、、ては無いようだな。」
「はい、カイザーとはお友達になりましたから、親交を深めている最中です。」
「なるほど。カイザーよく聞け、リネットは俺の結婚相手だから変な奴が近付いて来たら守ってくれよ?」
「うぉん!」
ふふっ
カイザーがなんとなく誇らしげに見えるのは気のせいかな?
「カイザーも護衛は任せろと言っているし、これからカイザーの世話はリネットに頼んでも良いか?」
「勿論、、、と言いたい所ですが、犬を飼った事が無いので自信がありません」
「カイザーと仲良くなれたのなら問題は無いだろう。餌は当番の者が持って来るし、カイザーはこの通り放し飼いだから散歩も必要無い。後はリネットが暇な時に相手をしてやってくれれば良い。
俺も暇な時にしか相手をしてやれて無いからな。」
「そういう事でしたらお任せ下さい!これからよろしくねカイザー♪」
「わふっ♪」
「先ずはリネットにブラッシングして欲しいだとさ」
「え?!クラウス様はカイザーの言葉が分かるのですか?」
「これでもお互いの背中を預けて戦場を駆け回った戦友だからな、だいたいは分かるよ」
うーむ
クラウス様が何処まで本気で言ってるのかは分からないけど、カイザーの顔をムニムニして嬉しそうにしているクラウス様は、ちょっとだけ子供っぽいかも
孤児院に居た男の子達も、犬を見たら同じように犬の顔をムニムニして喜んでたっけ
「わぅ?」
ふふっ
今のは私にも分かったかも、『ブラッシングしてくれないの?』だ!
「よぉーしカイザー、今から思う存分ブラッシングしてあげるからね!」
「わんっ♪」
つづく。
シュナウザー侯爵家の庭で飼われている大きな黒い犬の『カイザー』と仲良くなって知った事がある。
護衛のジュリアさんが言うには、カイザーはクラウス様以外の男性には全く懐かず基本は無視してるらしい
ただし餌を持って来てくれた男性の言う事はちゃんと聞いて従順なんだそう。でも懐きはしないんだとか
そして女性の場合は、初対面の時に追いかけまわすけど、その後は軽く撫でさせてくれる程度には仲良くなれるらしい
それってもう、完全に相手を見て対応を変えてるよね?
カイザー頭良過ぎぃー!
だからなのか、庭でカイザーをワシャワシャしてる時に会った皆さんからは
「流石はリネット様♪」「カイザーも美女には優しいのか(悲)」「もふもふ、、、カイザーのもふもふをもふもふしたいぃぃぃぃぃぃ!」
まぁ色々な反応があったけど、基本的には初対面でカイザーと仲良くなった事で『只者じゃない』って感じで、一定の信頼を得られたっぽい。
ちなみにカイザーは、元々特殊な訓練をされた軍用犬で、敵と味方の識別がちゃんと出来るんだとか。
だから過去に屋敷に忍び込もうとやって来た不審者を、カイザーは容赦無く攻撃して倒したらしい。
カイザーに攻撃された不審者が可哀想な状態になったお陰で、シュナウザー侯爵家においてカイザーの地位は上の方に位置している(主に男性の意見)
『可哀想な状態』がどういうものか気になり、屋敷の警備を担当している人達に訊ねたら、その場に居た男性全員が股間を押さえて青い顔をしていた。
カイザーの体高から考えて、1番攻撃しやすい場所となると、、、
詳しく聞く事はしなかったけれど、まぁそういう事なのだろう。
「ねぇカイザー、私にもお腹を撫でさせてくれないかな、駄目?」
「わうっ」
「なんでリネット様は良くて私は駄目なんだよぉ(悲)」
私にお腹をワシャワシャされて気持ち良さそうにしていたカイザーだけど、ジュリアさんがカイザーのお腹を撫でようとしたら、プイッと横を向いてしまった。
カイザーのお腹を撫でられるのはクラウス様以外だと、メイド長と料理長の2人だけらしい。
これはもうカイザーが私の事をクラウス様の結婚相手と知って、、、る訳は流石に無いだろうから
他の使用人達と違うなっていうのは感じ取ってるんだろうなぁ
カイザーの頭が良過ぎだよ。
「カイザー、ブラッシングをするぞぉー!」
「わんっ♪」
ん?
急にカイザーの態度が変わったから声のした方を見ると、クラウス様がブラシを持ってこちらに歩いて来る。
「クラウス様おはようございます。」
「おはよう。リネットは早起きなのだな。もしかしてカイザーに追いかけられ、、、ては無いようだな。」
「はい、カイザーとはお友達になりましたから、親交を深めている最中です。」
「なるほど。カイザーよく聞け、リネットは俺の結婚相手だから変な奴が近付いて来たら守ってくれよ?」
「うぉん!」
ふふっ
カイザーがなんとなく誇らしげに見えるのは気のせいかな?
「カイザーも護衛は任せろと言っているし、これからカイザーの世話はリネットに頼んでも良いか?」
「勿論、、、と言いたい所ですが、犬を飼った事が無いので自信がありません」
「カイザーと仲良くなれたのなら問題は無いだろう。餌は当番の者が持って来るし、カイザーはこの通り放し飼いだから散歩も必要無い。後はリネットが暇な時に相手をしてやってくれれば良い。
俺も暇な時にしか相手をしてやれて無いからな。」
「そういう事でしたらお任せ下さい!これからよろしくねカイザー♪」
「わふっ♪」
「先ずはリネットにブラッシングして欲しいだとさ」
「え?!クラウス様はカイザーの言葉が分かるのですか?」
「これでもお互いの背中を預けて戦場を駆け回った戦友だからな、だいたいは分かるよ」
うーむ
クラウス様が何処まで本気で言ってるのかは分からないけど、カイザーの顔をムニムニして嬉しそうにしているクラウス様は、ちょっとだけ子供っぽいかも
孤児院に居た男の子達も、犬を見たら同じように犬の顔をムニムニして喜んでたっけ
「わぅ?」
ふふっ
今のは私にも分かったかも、『ブラッシングしてくれないの?』だ!
「よぉーしカイザー、今から思う存分ブラッシングしてあげるからね!」
「わんっ♪」
つづく。
6
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
実はわたし、お姫様でした!~平民王女ライラの婿選び~
鈴宮(すずみや)
恋愛
王都の隣町で宝石商の娘として暮らしていたライラ。実はライラは、若くして亡くなったこの国の王太子、クラウスの実の娘だった。
クラウスが亡くなったことをキッカケに、次期王位後継者として強引に城へ引き取られることになったライラ。平民出身の彼女にとって王宮暮らしは窮屈だし、礼儀作法を身に着けるのも後継者教育も苦労の連続。おまけにクラウスの妃であるゼルリダは、継子であるライラに冷たく当たる。
そんな中、ライラは次期王配に相応しい人物を婿に選ぶよう、祖父である国王から厳命を受ける。けれど、王配候補の貴族たちも一筋縄ではいかない癖のある人物ばかり。
果たしてライラは、素敵なお婿さんをゲットできるのか?
※不定期、のんびり更新を予定しています。
【完結】人嫌いの竜(少女)は、人を愛することが出来るのか!?
かのん
恋愛
ここから出して。北の塔に閉じ込められて十年目。毎日、毎日、同じような日々が続いていく。キャロルは空を見上げ自由を願う。だが、目の前にあるのは魔力を吸い取られ続けると言う地獄。
そんなある日キャロルは自由を手に入れる。
これは先祖返りの竜の少女キャロルと、呪いを受けた皇帝との恋の物語。
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
【完結】シャーロットを侮ってはいけない
七瀬菜々
恋愛
『侯爵家のルーカスが、今度は劇団の歌姫フレデリカに手を出したらしい』
社交界にこんな噂が流れ出した。
ルーカスが女性と噂になるのは、今回に限っての事ではない。
しかし、『軽薄な男』を何よりも嫌うシャーロットは、そんな男に成り下がってしまった愛しい人をどうにかしようと動き出す。
※他のサイトにて掲載したものを、少し修正してを投稿しました
「これは私ですが、そちらは私ではありません」
イチイ アキラ
恋愛
試験結果が貼り出された朝。
その掲示を見に来ていたマリアは、王子のハロルドに指をつきつけられ、告げられた。
「婚約破棄だ!」
と。
その理由は、マリアが試験に不正をしているからだという。
マリアの返事は…。
前世がある意味とんでもないひとりの女性のお話。
断罪されてムカついたので、その場の勢いで騎士様にプロポーズかましたら、逃げれんようなった…
甘寧
恋愛
主人公リーゼは、婚約者であるロドルフ殿下に婚約破棄を告げられた。その傍らには、アリアナと言う子爵令嬢が勝ち誇った様にほくそ笑んでいた。
身に覚えのない罪を着せられ断罪され、頭に来たリーゼはロドルフの叔父にあたる騎士団長のウィルフレッドとその場の勢いだけで婚約してしまう。
だが、それはウィルフレッドもその場の勢いだと分かってのこと。すぐにでも婚約は撤回するつもりでいたのに、ウィルフレッドはそれを許してくれなくて…!?
利用した人物は、ドSで自分勝手で最低な団長様だったと後悔するリーゼだったが、傍から見れば過保護で執着心の強い団長様と言う印象。
周りは生暖かい目で二人を応援しているが、どうにも面白くないと思う者もいて…
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる