上 下
63 / 67

第62話 嫁と姑は仲良しです♪

しおりを挟む
side:フィオナ


「ねぇフィオナさん、わさびについて詳しく教えてくれるかしら?」

「えっと、綺麗な緑色をした野菜で、すりおろして薬味として使います。食べると鼻の奥がツーンとする刺激が特徴ですね。
殺菌作用もあるので、もしかしたら『薬』として扱われているかもしれません。」

「そう、緑色で鼻の奥がツーン、、、それってグリーンスパイスの事かしら?」

「申し訳ありません。名称に関してはわさび以外に聞いた事が無いので分かりかねます。」


ソフィア様の言うグリーンスパイスがわさびかどうかは分からないけれど、見た目で名前を付けるならグリーンスパイスがわさびである可能性は充分あり得るだろう。


「フィオナさん、こんな事で謝る必要は無いわ。私達はもう家族なのだから、存分に甘えて頂戴。そうだわ!仲良くなる為には裸の付き合いが1番って聞くし、一緒にお風呂に入りましょう♪
お風呂の準備をお願いねルーファウス」

「母上がそう仰るだろうと思い風呂は既に準備してあります。着替えとタオルも用意してありますので、フィオナと一緒にごゆっくりどうぞ。」

「あらあら、ルーファウスがいつの間にか立派な大人になっていて嬉しいわぁ♪さぁさぁ、フィオナさん行くわよ!」

「あっ、ひゃいぃぃ(汗)」


私の腕を掴んでいたソフィア様は、そのまま私を引きずるようにしてお風呂場に向かって歩きだしてしまった。

厨房から出る時にルーファウス様とモニカ様が、こちらに向かって深々と頭を下げているのが見えたから

おそらくこれがソフィア様の通常運転って事なのだろう。

ただし

ミニーさんが笑顔で手を振っているのはちょっと違う気がしないでもない。

お風呂イベントは一気に心の距離を縮めるチャンスではあるから、頑張りますけどね。


チャポーン

はふぅ~、朝風呂が最高やぁ~♪


ムニッ

ん?

「ねぇねぇフィオナさん」

「なんでしょうかお母様、、、その前に密着する必要は無い気がするのですが」


何故かソフィア様はお風呂に入っても私の腕を離してくれず、今はソフィア様の程好く大きなお胸に私の腕が挟まれている状態だ。

柔らかい感触が気持ち良いとはいえ、リアクションに困るぅー(汗)


「えぇー?!せっかく可愛い娘が出来たんだから触れあいたいじゃない!でも嫌ならしょうがないけど、、、」


あらら

ソフィア様がしょんぼりして落ち込んでしまった。

お風呂に入る前とキャラも変わっちゃってるし、こっちがソフィア様の本来の性格なのかな?


「嫌という事は無いですけど、誰かと一緒にお風呂に入るという経験が無いのでどうしたら良いのか、、、あっ!以前モニカ様と一緒には入りましたけど、それくらいですね。」

「ふふっ、あの子は昔から強引な所があるから、でも優しい子だから仲良くしてあげてね」

「気軽に話せる知り合いは少ないので、私の方からお願いしてでも、モニカ様にはこれからも仲良くして欲しいくらいです。」


まぁモニカ様もソフィア様も母娘だけあって強引な所はソックリだけど、そういうの、私は嫌いじゃない♪


「あらあら、私にも気軽に話をしてくれて良いのよ?」

「えっと、少し時間がかかるかもしれませんけど、、、」

「全然構わないわよ、時間なんてこれから沢山あるんだから。あっ!せっかくだからモニカとルーファウスと一緒にお風呂に入れば良かったわね」


ええっ?!

モニカ様は良いけどルーファウス様と一緒にお風呂とか無理だぁー(恥)

いや、結婚して夫婦になったのに、一緒にお風呂に入るだけで恥ずかしがるのはどうかと思うけど、そういうのは2人きりの時にお願いします。


「えーーーっと、そうだ!お母様の背中を流して、もっと仲良くなりたいなぁ」

「あらあらあらあら♪もうっ、そんなに嬉しい事を言ってくれる娘は抱きしめちゃう!それっ♪」

ぎゅぅぅっ!

ひぃぃぃ(汗)



こうして嫁と姑の微笑ましいやり取りはその後、1時間ほど続いたとさ。





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖獣がなつくのは私だけですよ?

新野乃花(大舟)
恋愛
3姉妹の3女であるエリッサは、生まれた時から不吉な存在だというレッテルを張られ、家族はもちろん周囲の人々からも冷たい扱いを受けていた。そんなある日の事、エリッサが消えることが自分たちの幸せにつながると信じてやまない彼女の家族は、エリッサに強引に家出を強いる形で、自分たちの手を汚すことなく彼女を追い出すことに成功する。…行く当てのないエリッサは死さえ覚悟し、誰も立ち入らない荒れ果てた大地に足を踏み入れる。死神に出会うことを覚悟していたエリッサだったものの、そんな彼女の前に現れたのは、絶大な力をその身に宿す聖獣だった…!

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

義妹がすぐに被害者面をしてくるので、本当に被害者にしてあげましょう!

新野乃花(大舟)
恋愛
「フランツお兄様ぁ〜、またソフィアお姉様が私の事を…」「大丈夫だよエリーゼ、僕がちゃんと注意しておくからね」…これまでにこのような会話が、幾千回も繰り返されれきた。その度にソフィアは夫であるフランツから「エリーゼは繊細なんだから、言葉や態度には気をつけてくれと、何度も言っているだろう!!」と責められていた…。そしてついにソフィアが鬱気味になっていたある日の事、ソフィアの脳裏にあるアイディアが浮かんだのだった…! ※過去に投稿していた「孤独で虐げられる気弱令嬢は次期皇帝と出会い、溺愛を受け妃となる」のIFストーリーになります! ※カクヨムにも投稿しています!

二度目の結婚は異世界で。~誰とも出会わずひっそり一人で生きたかったのに!!~

すずなり。
恋愛
夫から暴力を振るわれていた『小坂井 紗菜』は、ある日、夫の怒りを買って殺されてしまう。 そして目を開けた時、そこには知らない世界が広がっていて赤ちゃんの姿に・・・! 赤ちゃんの紗菜を拾ってくれた老婆に聞いたこの世界は『魔法』が存在する世界だった。 「お前の瞳は金色だろ?それはとても珍しいものなんだ。誰かに会うときはその色を変えるように。」 そう言われていたのに森でばったり人に出会ってしまってーーーー!? 「一生大事にする。だから俺と・・・・」 ※お話は全て想像の世界です。現実世界と何の関係もございません。 ※小説大賞に出すために書き始めた作品になります。貯文字は全くありませんので気長に更新を待っていただけたら幸いです。(完結までの道筋はできてるので完結はすると思います。) ※メンタルが薄氷の為、コメントを受け付けることができません。ご了承くださいませ。 ただただすずなり。の世界を楽しんでいただけたら幸いです。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

毒家族から逃亡、のち側妃

チャイムン
恋愛
四歳下の妹ばかり可愛がる両親に「あなたにかけるお金はないから働きなさい」 十二歳で告げられたベルナデットは、自立と家族からの脱却を夢見る。 まずは王立学院に奨学生として入学して、文官を目指す。 夢は自分で叶えなきゃ。 ところが妹への縁談話がきっかけで、バシュロ第一王子が動き出す。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

処理中です...