47 / 67
第46話 ルーファウスの憂鬱 その7
しおりを挟む
side:ルーファウス
はぁ、疲れた。
今日は朝から騎士団本部に行って定例の報告会に出席して来たのだが、報告会とは名ばかりで実際は王都勤務の第1・2・3・4騎士団の連中の自慢話
もしくは地方勤務の騎士団を馬鹿にするだけの全く中身の無い無駄な、とても無駄な会だった。
騎士団本部から、所属する第13騎士団の団舎に戻って来ると、もうすぐ昼休みが終わる時間だった。
腹も減ったし昼食にするか
せっかくフィオナ嬢が弁当を作って持たせてくれたのだ、過ぎた事はさっさと忘れて弁当を食べよう。
パカッと弁当のフタを開けると、中身はサンドイッチだった。
タマゴサンド・ハムサンド・チキンサンドの3種類
ん?
よく見るとチキンサンドのチキンは、チキン南蛮だ♪
しかも
タルタルソースが密閉容器に入れられて別にされている。フィオナ嬢のこういう細やかな気配りはとても好ましく思う。
フィオナ嬢が我が家に来た初日はどうなる事かと思ったが、このままずっと我が家に居てくれると嬉しいのだがなぁ
もしフィオナ嬢に出て行かれると、メイドの3人から何を言われるか想像するだけで憂鬱だ。
色々考えても仕方無い、今はフィオナ嬢が作ってくれた弁当を楽しむとしよう。
いただきます。
あんっ、もぐもぐもぐもぐ
バンッ!
「ここに居たかルーファウス!戻って来てるならちゃんと俺に報告しねぇか!」
チッ、うるさい奴が来やがった。
「おいドノバン、俺のランチの時間を邪魔するんじゃねぇ」
「お前って俺に対して本当に口が悪いよな」
「ノックもせずに乱暴にドアをあけるような奴が、部下から慕われると思うのか?」
「俺は慕われる為に団長やってる訳でも無いから構わん。それよりフィオナ嬢の事だ。」
「お前に弁当はやらんぞ!」
「俺を食いしん坊のガキ扱いするな、、、っていうかそれはフィオナ嬢が作った弁当だな?なら俺にも食わせろ!」
「聞こえ無かったのかクソ団長。弁当はやらんと言っている。」
「チッ!いや、そうじゃねぇ、昨日フィオナ嬢が弟のドミニクがやってる店に来たらしいんだ。不快な思いとかしてなかったか?」
「それなら俺もフィオナ嬢から聞いている。店主と仲良くなったと嬉しそうだったぞ」
「仲良くなった?それは本当にドミニクの事で合ってるか?弟は女みたいな変な喋り方をするから、あいつと初めて合った奴は不快に思うか気味悪がるかなんだが」
「ポーラも一緒だったらしいからドノバン団長の弟のドミニクで間違い無いだろう。フィオナ嬢の心中は分からんが気にした様子は無かったな」
「そうか、フィオナ嬢は他の御令嬢達とは違うとは思っていたが、あの年齢で人を見た目だけで判断せずに付き合いが出来るとはなぁ、益々お前には勿体無い」
「うるせぇ!用件がそれだけならさっさと戻って仕事をしろよ」
「待て待て、話はまだ終わってない。ドミニクのやつがフィオナ嬢にプレゼントしたい物が沢山あるって、えらく張りきって色々作ってるんだが、大丈夫か?」
「どういう意味だ?毒を作ってる訳でも無いだろうに」
「そっちの心配は無い。ドミニクは見た目と喋り方が変わってるだけで、いたって平凡な性格だ。ただ、すこーしだけ変わった食べ物を作るのが好きなだけだ。」
「食べ物なら問題無い。珍しい食べ物ならフィオナ嬢も喜ぶだろうし、そういう所で意気投合したんだろうな」
「本当に問題無いかドミニクと一緒にお前の家に行くから、ちゃんとフィオナ嬢に伝えとけよな。
おっと!そろそろ仕事に戻るか、じゃあな~」
バタンッ
まったく、ドアはもっと静かに閉めろよな。
しかしまた団長が我が家に来るのか、、、考えただけでとても憂鬱だ。
つづく。
はぁ、疲れた。
今日は朝から騎士団本部に行って定例の報告会に出席して来たのだが、報告会とは名ばかりで実際は王都勤務の第1・2・3・4騎士団の連中の自慢話
もしくは地方勤務の騎士団を馬鹿にするだけの全く中身の無い無駄な、とても無駄な会だった。
騎士団本部から、所属する第13騎士団の団舎に戻って来ると、もうすぐ昼休みが終わる時間だった。
腹も減ったし昼食にするか
せっかくフィオナ嬢が弁当を作って持たせてくれたのだ、過ぎた事はさっさと忘れて弁当を食べよう。
パカッと弁当のフタを開けると、中身はサンドイッチだった。
タマゴサンド・ハムサンド・チキンサンドの3種類
ん?
よく見るとチキンサンドのチキンは、チキン南蛮だ♪
しかも
タルタルソースが密閉容器に入れられて別にされている。フィオナ嬢のこういう細やかな気配りはとても好ましく思う。
フィオナ嬢が我が家に来た初日はどうなる事かと思ったが、このままずっと我が家に居てくれると嬉しいのだがなぁ
もしフィオナ嬢に出て行かれると、メイドの3人から何を言われるか想像するだけで憂鬱だ。
色々考えても仕方無い、今はフィオナ嬢が作ってくれた弁当を楽しむとしよう。
いただきます。
あんっ、もぐもぐもぐもぐ
バンッ!
「ここに居たかルーファウス!戻って来てるならちゃんと俺に報告しねぇか!」
チッ、うるさい奴が来やがった。
「おいドノバン、俺のランチの時間を邪魔するんじゃねぇ」
「お前って俺に対して本当に口が悪いよな」
「ノックもせずに乱暴にドアをあけるような奴が、部下から慕われると思うのか?」
「俺は慕われる為に団長やってる訳でも無いから構わん。それよりフィオナ嬢の事だ。」
「お前に弁当はやらんぞ!」
「俺を食いしん坊のガキ扱いするな、、、っていうかそれはフィオナ嬢が作った弁当だな?なら俺にも食わせろ!」
「聞こえ無かったのかクソ団長。弁当はやらんと言っている。」
「チッ!いや、そうじゃねぇ、昨日フィオナ嬢が弟のドミニクがやってる店に来たらしいんだ。不快な思いとかしてなかったか?」
「それなら俺もフィオナ嬢から聞いている。店主と仲良くなったと嬉しそうだったぞ」
「仲良くなった?それは本当にドミニクの事で合ってるか?弟は女みたいな変な喋り方をするから、あいつと初めて合った奴は不快に思うか気味悪がるかなんだが」
「ポーラも一緒だったらしいからドノバン団長の弟のドミニクで間違い無いだろう。フィオナ嬢の心中は分からんが気にした様子は無かったな」
「そうか、フィオナ嬢は他の御令嬢達とは違うとは思っていたが、あの年齢で人を見た目だけで判断せずに付き合いが出来るとはなぁ、益々お前には勿体無い」
「うるせぇ!用件がそれだけならさっさと戻って仕事をしろよ」
「待て待て、話はまだ終わってない。ドミニクのやつがフィオナ嬢にプレゼントしたい物が沢山あるって、えらく張りきって色々作ってるんだが、大丈夫か?」
「どういう意味だ?毒を作ってる訳でも無いだろうに」
「そっちの心配は無い。ドミニクは見た目と喋り方が変わってるだけで、いたって平凡な性格だ。ただ、すこーしだけ変わった食べ物を作るのが好きなだけだ。」
「食べ物なら問題無い。珍しい食べ物ならフィオナ嬢も喜ぶだろうし、そういう所で意気投合したんだろうな」
「本当に問題無いかドミニクと一緒にお前の家に行くから、ちゃんとフィオナ嬢に伝えとけよな。
おっと!そろそろ仕事に戻るか、じゃあな~」
バタンッ
まったく、ドアはもっと静かに閉めろよな。
しかしまた団長が我が家に来るのか、、、考えただけでとても憂鬱だ。
つづく。
1,281
お気に入りに追加
2,837
あなたにおすすめの小説
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
嫌われ黒領主の旦那様~侯爵家の三男に一途に愛されていました~
めもぐあい
恋愛
イスティリア王国では忌み嫌われる黒髪黒目を持ったクローディアは、ハイド伯爵領の領主だった父が亡くなってから叔父一家に虐げられ生きてきた。
成人間近のある日、突然叔父夫妻が逮捕されたことで、なんとかハイド伯爵となったクローディア。
だが、今度は家令が横領していたことを知る。証拠を押さえ追及すると、逆上した家令はクローディアに襲いかかった。
そこに、天使の様な美しい男が現れ、クローディアは助けられる。
ユージーンと名乗った男は、そのまま伯爵家で雇ってほしいと願い出るが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる