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第46話 ルーファウスの憂鬱 その7

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side:ルーファウス


はぁ、疲れた。

今日は朝から騎士団本部に行って定例の報告会に出席して来たのだが、報告会とは名ばかりで実際は王都勤務の第1・2・3・4騎士団の連中の自慢話

もしくは地方勤務の騎士団を馬鹿にするだけの全く中身の無い無駄な、とても無駄な会だった。


騎士団本部から、所属する第13騎士団の団舎に戻って来ると、もうすぐ昼休みが終わる時間だった。

腹も減ったし昼食にするか

せっかくフィオナ嬢が弁当を作って持たせてくれたのだ、過ぎた事はさっさと忘れて弁当を食べよう。

パカッと弁当のフタを開けると、中身はサンドイッチだった。

タマゴサンド・ハムサンド・チキンサンドの3種類

ん?

よく見るとチキンサンドのチキンは、チキン南蛮だ♪

しかも

タルタルソースが密閉容器に入れられて別にされている。フィオナ嬢のこういう細やかな気配りはとても好ましく思う。

フィオナ嬢が我が家に来た初日はどうなる事かと思ったが、このままずっと我が家に居てくれると嬉しいのだがなぁ

もしフィオナ嬢に出て行かれると、メイドの3人から何を言われるか想像するだけで憂鬱だ。

色々考えても仕方無い、今はフィオナ嬢が作ってくれた弁当を楽しむとしよう。

いただきます。

あんっ、もぐもぐもぐもぐ


バンッ!


「ここに居たかルーファウス!戻って来てるならちゃんと俺に報告しねぇか!」


チッ、うるさい奴が来やがった。


「おいドノバン、俺のランチの時間を邪魔するんじゃねぇ」

「お前って俺に対して本当に口が悪いよな」

「ノックもせずに乱暴にドアをあけるような奴が、部下から慕われると思うのか?」

「俺は慕われる為に団長やってる訳でも無いから構わん。それよりフィオナ嬢の事だ。」

「お前に弁当はやらんぞ!」

「俺を食いしん坊のガキ扱いするな、、、っていうかそれはフィオナ嬢が作った弁当だな?なら俺にも食わせろ!」

「聞こえ無かったのかクソ団長。弁当はやらんと言っている。」

「チッ!いや、そうじゃねぇ、昨日フィオナ嬢が弟のドミニクがやってる店に来たらしいんだ。不快な思いとかしてなかったか?」

「それなら俺もフィオナ嬢から聞いている。店主と仲良くなったと嬉しそうだったぞ」

「仲良くなった?それは本当にドミニクの事で合ってるか?弟は女みたいな変な喋り方をするから、あいつと初めて合った奴は不快に思うか気味悪がるかなんだが」

「ポーラも一緒だったらしいからドノバン団長の弟のドミニクで間違い無いだろう。フィオナ嬢の心中は分からんが気にした様子は無かったな」

「そうか、フィオナ嬢は他の御令嬢達とは違うとは思っていたが、あの年齢で人を見た目だけで判断せずに付き合いが出来るとはなぁ、益々お前には勿体無い」

「うるせぇ!用件がそれだけならさっさと戻って仕事をしろよ」

「待て待て、話はまだ終わってない。ドミニクのやつがフィオナ嬢にプレゼントしたい物が沢山あるって、えらく張りきって色々作ってるんだが、大丈夫か?」

「どういう意味だ?毒を作ってる訳でも無いだろうに」

「そっちの心配は無い。ドミニクは見た目と喋り方が変わってるだけで、いたって平凡な性格だ。ただ、すこーしだけ変わった食べ物を作るのが好きなだけだ。」

「食べ物なら問題無い。珍しい食べ物ならフィオナ嬢も喜ぶだろうし、そういう所で意気投合したんだろうな」

「本当に問題無いかドミニクと一緒にお前の家に行くから、ちゃんとフィオナ嬢に伝えとけよな。
おっと!そろそろ仕事に戻るか、じゃあな~」

バタンッ

まったく、ドアはもっと静かに閉めろよな。

しかしまた団長が我が家に来るのか、、、考えただけでとても憂鬱だ。





つづく。
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