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第43話 お仲間発見♪

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side:フィオナ


「ねぇ、フィオナさんはバッテラって知ってる?」

「酢で締めたサバを乗せた寿司ですよね」

「そうね、じゃあ串カツは?」

「えっと、肉や野菜を串に刺して衣を付けて油で揚げた料理です。」

「『串揚げ』って呼ばれてたりもするわよね」

じぃーーーーーーーーーーー


ミニーさんにすっごい見られてるぅー(汗)

考えてる事はたぶん私と同じだろうと思うけど、確信が持てる決定的な何かが欲しい。

となると何か、、、あっ!


「ミニーさんは、たこ焼きをポン酢で食べるのは、あり派ですか?」

「全然あり♪ついでに言うと、たこ焼きはつま楊枝じゃなくて割り箸、もしくはお箸で食べる派よ。」

「分かります。トロトロのたこ焼きはつま楊枝だと食べずらいですからね」

「そうなの!お好み焼もヘラから直接は食べずらいからお箸で食べたいんだけど、ヘラで食べるのを強要されて以来、お店で食べなくなっちゃったわよ(怒)」

「食べ方のこだわりを他人に強要してくる人ってたまに居ますよね。私も本当に親しい友人としかお好み焼屋さんには行きませんでした。」

「お話し中のところ申し訳ありませんが、ドミニクさんとフィオナ様はお知り合いだったのでしょうか?」


おっと

ミニーさんと話が盛り上がってしまって、ポーラさんの事をすっかり忘れていた。


「知り合いと言う訳じゃ、、、確認だけどフィオナさんは、大和撫子って事で良いのかしら?」


おおっ!

ミニーさんは絶妙なボカし加減をするなぁ。

今後、同じような状況に遭遇した時は使わせて貰おう!


「多少大袈裟な表現ではありますが、間違いありません。」

「予想通りで嬉しいんだけど、ポーラさんに教えて良い?信頼出来る人なのは保証するわよ」

「構いませんけど、信じてくれますかね?」

「普通は信じられない事なんだから問題無いでしょ♪じゃっ、2人とも奥にどうぞ~」


ミニーさんに案内されてお店の奥に行くと
そこは作業場になっていた。しかも作業場の隅には、4畳ほどの絶妙に落ち着く感じの畳の小上がりがあった。


「ミッ、ミニーさん、これ畳ですよね?しかも小上がり!」

「うふふっ、良いでしょ♪とにかくお茶でも飲みながらゆっくり話しましょうよ。麦茶とお煎餅しか無いんだけど我慢してね」

「もしかしてお煎餅もミニーさんの手作りですか?」

「そうよぉ、お醤油を3度塗りした濃い味のお煎餅なの。それじゃあポーラさんも食べながら聞いて下さい。実は私には前世の記憶があって、、、」


ーー30分後ーー


「ふぅー、まさか御二人が前世の記憶を持っていたなんて」


ミニーさんの話を聞き終わってポーラさんが息を吐いた。

私の予想通りミニーさんは前世で日本に住んでいた頃の記憶がある人だった。ポーラさんにした説明には『日本』等の国や地域の名称は覚えて無い事にしてある。

前世の記憶とはいえ、異世界の話はさすがに非現実的過ぎて医者に連れて行かれかねないから、その辺を上手く避けて説明をしてくれたミニーさんに感謝だ。


ミニーさんの記憶の大半は食べ物に関する事で日常の記憶は曖昧らしい。

しかも覚えている食べ物も味噌や醤油といった調味料に漬け物等々に偏っていて、焼き魚とか凄くシンプルな料理は覚えていても、オムライスやハンバーグにイチゴ大福といった料理やお菓子に関しては

そういう食べ物があったという記憶があるだけで、味や作り方は曖昧らしい。


「えっと、ポーラさんは私とミニーさんに前世の記憶がある事を信じてくれるんですか?」

「勿論です。わざわざこんな嘘を言う必要などありませんし、むしろフィオナ様の知識の出所が分かり納得しています。」

「信じて貰えて良かったわね♪それでフィオナさんはどれくらい覚えているのかしら?」

「私も食べ物に関する記憶が多いです。後は日常の記憶が少しですね。冷蔵庫がほとんどの家に1台はあったとか、冷めた料理を短時間で温める道具とか、魔法を使わない便利な道具が充実していたような気がします。」

「魔法を使わない道具ねぇ、気になるけど想像出来ないわね。」

「私も詳しい仕組みはさっぱり分からないので、再現は無理だと思います。あっ!そろそろ帰って食事の準備をしないと」

「料理を作るなら『和風顆粒だし』持って帰る?」

「えっ?顆粒だしがあるんですか?お湯に入れるとサッと溶けてお手軽に使える、アノ顆粒だしですか?」

「うふふっ、アノ顆粒だしよ♪水魔法の応用で、食材に含まれる水分を外に移動させられるのよ。『フリーズドライ製法』と効果は同じだと思うわ。」

「凄い!魔法にそんな応用方法があったなんて。ミニーさんにもっと色々教えて欲しいです!」

「私もフィオナさんにお菓子の事を聞きたいし、後日ゆっくりお話しましょう。」

「是非!」


ミニーさんが作ったという『和風顆粒だし』と『味醂』と、おまけで『めんつゆ』もお土産で貰い、それらを両手で抱えた私はウキウキでドミニク商店を後にしたのだった。





つづく。
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