17 / 26
第16話 グラブジャムン・サルミアッキ公爵
しおりを挟む
side:グラブジャムン・サルミアッキ公爵
「貴様の娘はブルームの若造の所に行ったらしいな、上手くやっているのか?」
「そう急くな、予定通り到着していてもまだ2日しか経っていないんだぞ、何かあったとしても連絡が来るのは早くて明日だ。」
ブルーム公爵家に娘を嫁がせて縁を欲っしている家など腐るほどあるというのに、私の目の前に座る男、フォルティエス公爵家当主、ヘンリー・フォルティエスには焦りがまったく感じられない事に怒りを通り越して失望する。
これが余裕から来ているのなら構わんが、所詮ヘンリーは田舎の貧乏貴族、事の重大性に気付いていないだけだ。
「今までの女達を見ていると上手く行くとは思えんがな、奴は女に興味が無いのでは?」
「真相は分からんが、奴もブルーム公爵家を残す為に適当な相手を嫁に貰うくらいはするだろう。幸いにもフィオナは私の言う事を素直に聞く良い子だ、余計な事は絶対にせんからお飾りの嫁としてはちょうど良いはずだ。」
「おい待て!フィオナは確か二女の名前では無かったか?」
「ああ、それがどうした?」
「ブルーム公爵家には長女が行く筈だっただろう。何故変更した?」
「ルティーナが嫌がったからな、ブルーム公爵家は確かに名門だが当主のルーファウスは付き合いが悪い事で有名だし、婚約破棄も今まで何回もあった。わざわざルティーナを行かせて傷物にされてはかなわんよ。」
チッ!
これだから田舎者は嫌なんだ!
長女のルティーナはまったく利用価値の無い馬鹿な女でしかないが、フィオナは光魔法が使える貴重な存在
フィオナの魔力が弱くて実用性には乏しいらしいが、子供に光魔法を継承させるには問題は無い
だからこそ息子の第3夫人にして、子供に光魔法を継承させようという私の計画が台無しではないか!
それにしてもだ、長女のルティーナは目の前に居る無能の血を受け継いで馬鹿で無能なのは誰が見ても分かるのだが
二女のフィオナはどうだろう?
ヘンリーはフィオナの事を、自分の言う事を聞くしか能が無いと言っているが、果たして本当にそうなのか?
フィオナとは何度か会っているが、ヘンリーやルティーナの邪魔をしないように、ずっと後ろに控えて余計な事は絶対にしない娘、という記憶しか無い
自身の感情を押し殺し、全く目立たずその場に居るというのは、いかに貴族といえど、そうそう出来る者は居ないだろう。
フィオナが爪を隠した鷹なのか、ただの気の弱いだけの娘なのかはこの際どうでも良い
貴重な光魔法の使い手である事には変わり無いのだからな。
ルーファウスに気に入られず婚約破棄をされても、私が拾って息子の嫁として世話をしてやればフィオナも泣いて喜ぶだろう。
そうなれば我がサルミアッキ公爵家が王宮の華として帰り咲く事も夢ではない
王都の馬鹿共め待っていろよ
ふわぁっはっはっはっはっ!
「貴様の娘はブルームの若造の所に行ったらしいな、上手くやっているのか?」
「そう急くな、予定通り到着していてもまだ2日しか経っていないんだぞ、何かあったとしても連絡が来るのは早くて明日だ。」
ブルーム公爵家に娘を嫁がせて縁を欲っしている家など腐るほどあるというのに、私の目の前に座る男、フォルティエス公爵家当主、ヘンリー・フォルティエスには焦りがまったく感じられない事に怒りを通り越して失望する。
これが余裕から来ているのなら構わんが、所詮ヘンリーは田舎の貧乏貴族、事の重大性に気付いていないだけだ。
「今までの女達を見ていると上手く行くとは思えんがな、奴は女に興味が無いのでは?」
「真相は分からんが、奴もブルーム公爵家を残す為に適当な相手を嫁に貰うくらいはするだろう。幸いにもフィオナは私の言う事を素直に聞く良い子だ、余計な事は絶対にせんからお飾りの嫁としてはちょうど良いはずだ。」
「おい待て!フィオナは確か二女の名前では無かったか?」
「ああ、それがどうした?」
「ブルーム公爵家には長女が行く筈だっただろう。何故変更した?」
「ルティーナが嫌がったからな、ブルーム公爵家は確かに名門だが当主のルーファウスは付き合いが悪い事で有名だし、婚約破棄も今まで何回もあった。わざわざルティーナを行かせて傷物にされてはかなわんよ。」
チッ!
これだから田舎者は嫌なんだ!
長女のルティーナはまったく利用価値の無い馬鹿な女でしかないが、フィオナは光魔法が使える貴重な存在
フィオナの魔力が弱くて実用性には乏しいらしいが、子供に光魔法を継承させるには問題は無い
だからこそ息子の第3夫人にして、子供に光魔法を継承させようという私の計画が台無しではないか!
それにしてもだ、長女のルティーナは目の前に居る無能の血を受け継いで馬鹿で無能なのは誰が見ても分かるのだが
二女のフィオナはどうだろう?
ヘンリーはフィオナの事を、自分の言う事を聞くしか能が無いと言っているが、果たして本当にそうなのか?
フィオナとは何度か会っているが、ヘンリーやルティーナの邪魔をしないように、ずっと後ろに控えて余計な事は絶対にしない娘、という記憶しか無い
自身の感情を押し殺し、全く目立たずその場に居るというのは、いかに貴族といえど、そうそう出来る者は居ないだろう。
フィオナが爪を隠した鷹なのか、ただの気の弱いだけの娘なのかはこの際どうでも良い
貴重な光魔法の使い手である事には変わり無いのだからな。
ルーファウスに気に入られず婚約破棄をされても、私が拾って息子の嫁として世話をしてやればフィオナも泣いて喜ぶだろう。
そうなれば我がサルミアッキ公爵家が王宮の華として帰り咲く事も夢ではない
王都の馬鹿共め待っていろよ
ふわぁっはっはっはっはっ!
応援ありがとうございます!
276
お気に入りに追加
1,662
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる