8 / 26
第7話 ルーファウス・ブルーム その2
しおりを挟む
side:ルーファウス
夕食の準備が出来たのでリビングに来ると、いつも使っている6人掛けのテーブルが片付けられ、代わりに2人用の小さいテーブルが置かれ2人分の食事が並べられている。
あのテーブルは夫婦や親しい者同士が、テラス等でお茶を飲む時に使う物なのだが、、、
まさか私にフィオナ嬢とあの近距離で食事をしろと言うのか?!
こんな事を考えるのはポーラしか居ないが、意図が全く分からん。
まぁ私よりフィオナ嬢の方が落ち着かないだろうな。
カチャ、、、カチャ、、、、、、カチャ、、、、
深く考えてもしょうがないので普通に食事をする事にしたのだが、懸念した通りフィオナ嬢は戸惑っているのか、落ち着き無くチラチラ私の方を見てくる
ただこちらに話しかけて来る様子が無いのは正直に言ってほっとしている。
今までの女性達は食事中もペチャクチャとお喋りが止まらなかったし、食事の内容についてもあれこれと文句を付ける始末
苦手であったり見慣れぬ食材があれば、すんなりと受け入れるのが難しい事ぐらいは分かる。だがしかし、もっと言い方というものがあるだろう?と思わずにはいられない。
だからこそ静かにしてくれているだけで好感度が持てる。
ん?!
・・・私の見間違いか?
今フィオナ嬢がナイフで切ったステーキをパンに挟もうとして、急に止めたように見えたのだが、、、
フィオナ嬢がほっとしたような表情に見えるのは、普段からそういう食べ方をしているが私の前ではマナー違反になると考えたのだろうか?
パンに具材を挟んで食べる『サンドイッチ』という料理がある事は承知しているが、あれは軽食であってメイン料理では無かったように思う。
うーむ
ただの世間知らずが故の行動かもしれないが、フィオナ嬢には少しだけ興味が沸いてきた♪
◇ ◇ ◇
夕食が終わりフィオナ嬢が部屋で休んだ頃を見計らってポーラを自室に呼び出した。
「夜分に呼び立ててすまないな」
「問題ありません。明日は休日ですから」
「そうか、まぁ手短に済ませるよ。今日の私のフィオナ嬢に対する言動で直すべき所はあるだろうか?」
「全てを見ていた訳ではありませんが、特に直すべき事は無いと思います。
しかし、坊っちゃんからそのような事をお聞きになるとは、フィオナ様の事が気に入ったのですね♪」
「坊っちゃんは止めろと言ってるだろポーラ(恥)私を何歳だと思っているんだ!」
「ふふっ、私にとってはいつまでも可愛い坊っちゃんですよ。」
「まったく、子供扱いはほどほどにしてくれ」
「かしこまりました♪御主人様の言動で直す所はありませんが、もう少し御自身の素直な気持ちをフィオナ様に伝えても宜しいかと」
「素直な気持ちねぇ、、、ティーカップより遥かに重い椅子を自ら運ぶ貴女はとても興味深い!などと言う訳にもいかんだろう」
「フィオナ様なら問題無いと思いますよ」
「さすがの私もそれは駄目な事くらい分かる。とにかくだ、明日から私は昼間は仕事で留守にするから、フィオナ嬢の事は頼んだぞ」
「はい、お任せ下さい。御用件は以上でお済みでしょうか?」
「ああ、今日はもう用は無い、お疲れ様ポーラ、ゆっくり休んでくれ」
「坊っちゃんも夜更かしせずに早くお休み下さい。では失礼致します。」
「おいポーラ!坊っちゃんは止めろと」
バタンッ
まったくポーラのやつ、いつもはドアを閉める時に音など立てないのに、、、
久し振りにポーラが楽しそうだったからまぁ良いか。
フィオナ・フォルティエス、なかなか興味をそそられる娘ではあるが、今までの女性達とは根本的な何かが違い過ぎて比較する事が出来ないが
まだ1ヶ月あるんだ、ゆっくりと知って行けば良いだろう。
街へ行く機会があれば若い娘が喜びそうなケーキでも買って、フィオナ嬢への土産にするとしよう。
つづく。
夕食の準備が出来たのでリビングに来ると、いつも使っている6人掛けのテーブルが片付けられ、代わりに2人用の小さいテーブルが置かれ2人分の食事が並べられている。
あのテーブルは夫婦や親しい者同士が、テラス等でお茶を飲む時に使う物なのだが、、、
まさか私にフィオナ嬢とあの近距離で食事をしろと言うのか?!
こんな事を考えるのはポーラしか居ないが、意図が全く分からん。
まぁ私よりフィオナ嬢の方が落ち着かないだろうな。
カチャ、、、カチャ、、、、、、カチャ、、、、
深く考えてもしょうがないので普通に食事をする事にしたのだが、懸念した通りフィオナ嬢は戸惑っているのか、落ち着き無くチラチラ私の方を見てくる
ただこちらに話しかけて来る様子が無いのは正直に言ってほっとしている。
今までの女性達は食事中もペチャクチャとお喋りが止まらなかったし、食事の内容についてもあれこれと文句を付ける始末
苦手であったり見慣れぬ食材があれば、すんなりと受け入れるのが難しい事ぐらいは分かる。だがしかし、もっと言い方というものがあるだろう?と思わずにはいられない。
だからこそ静かにしてくれているだけで好感度が持てる。
ん?!
・・・私の見間違いか?
今フィオナ嬢がナイフで切ったステーキをパンに挟もうとして、急に止めたように見えたのだが、、、
フィオナ嬢がほっとしたような表情に見えるのは、普段からそういう食べ方をしているが私の前ではマナー違反になると考えたのだろうか?
パンに具材を挟んで食べる『サンドイッチ』という料理がある事は承知しているが、あれは軽食であってメイン料理では無かったように思う。
うーむ
ただの世間知らずが故の行動かもしれないが、フィオナ嬢には少しだけ興味が沸いてきた♪
◇ ◇ ◇
夕食が終わりフィオナ嬢が部屋で休んだ頃を見計らってポーラを自室に呼び出した。
「夜分に呼び立ててすまないな」
「問題ありません。明日は休日ですから」
「そうか、まぁ手短に済ませるよ。今日の私のフィオナ嬢に対する言動で直すべき所はあるだろうか?」
「全てを見ていた訳ではありませんが、特に直すべき事は無いと思います。
しかし、坊っちゃんからそのような事をお聞きになるとは、フィオナ様の事が気に入ったのですね♪」
「坊っちゃんは止めろと言ってるだろポーラ(恥)私を何歳だと思っているんだ!」
「ふふっ、私にとってはいつまでも可愛い坊っちゃんですよ。」
「まったく、子供扱いはほどほどにしてくれ」
「かしこまりました♪御主人様の言動で直す所はありませんが、もう少し御自身の素直な気持ちをフィオナ様に伝えても宜しいかと」
「素直な気持ちねぇ、、、ティーカップより遥かに重い椅子を自ら運ぶ貴女はとても興味深い!などと言う訳にもいかんだろう」
「フィオナ様なら問題無いと思いますよ」
「さすがの私もそれは駄目な事くらい分かる。とにかくだ、明日から私は昼間は仕事で留守にするから、フィオナ嬢の事は頼んだぞ」
「はい、お任せ下さい。御用件は以上でお済みでしょうか?」
「ああ、今日はもう用は無い、お疲れ様ポーラ、ゆっくり休んでくれ」
「坊っちゃんも夜更かしせずに早くお休み下さい。では失礼致します。」
「おいポーラ!坊っちゃんは止めろと」
バタンッ
まったくポーラのやつ、いつもはドアを閉める時に音など立てないのに、、、
久し振りにポーラが楽しそうだったからまぁ良いか。
フィオナ・フォルティエス、なかなか興味をそそられる娘ではあるが、今までの女性達とは根本的な何かが違い過ぎて比較する事が出来ないが
まだ1ヶ月あるんだ、ゆっくりと知って行けば良いだろう。
街へ行く機会があれば若い娘が喜びそうなケーキでも買って、フィオナ嬢への土産にするとしよう。
つづく。
応援ありがとうございます!
366
お気に入りに追加
1,694
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる