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第8話 使用人と世間話
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side:フィオナ
朝、目を覚ますと
窓に掛けたカーテンの隙間から光が漏れているのが見える。
シャッ!
ベッドから下りて勢いよくカーテンを開けると、快晴だ♪
いつもより多少寝過ぎてしまったけど、馬車での移動の疲れや緊張もあったからしょうがないだろう。
でも1番はベッドの寝心地が良過ぎたからだ。
フォルティエス公爵家で使っていたベッドと布団もそれなりに良い物だったはずなんだけど、それは本当に『それなり』だったらしい。
ここに用意されたベッドと布団は堅過ぎる事も柔らか過ぎる事も無く、いつもなら朝までに1度くらいは目が覚めるのに、数ヵ月ぶりに朝まで熟睡出来たくらいだ。
さてと
部屋でゆっくりしている場合じゃ無い!
私はお客様じゃなくてルーファウス様と結婚して妻となるまでに、ブルーム公爵家のやり方を覚えなくてはならないんだから。
朝食の用意を手伝うには少し遅い時間だけど、厨房に行って挨拶くらいはしておくべきよね。
ルーファウス様の食の好みも教えて貰わなくちゃいけないし、前世の朧気な記憶だと
『美味しい料理を作って旦那の胃袋を掴む、それが愛され妻の秘訣!』
という事らしい。
まぁそれだけで愛さ妻になれると思えるほど私も世間知らずでは無いけれど、美味しい料理を作って嫌われる事は無いだろう。
昨日の内にポーラさんに教えて貰った屋敷で働いている方達は
庭師のスミスさん
メイド長のポーラさん
アリスさん
チュニーさん
以上の4人だ。
一般的な公爵家で働く使用人としては少ないけれど、ルーファウス様は1人で暮らしているし、屋敷でパーティーを開いたりもしないようなので充分なのだろう。
さっそく厨房に行くと予想通り朝食の準備はほぼ終わっているようで、メイド服を着た私と年が近そうな女性が1人いるだけだった。
ここでは専属の料理人は雇っておらず、メイドが交代で作るという事だから彼女が今朝の当番なのだろう。
「おはようございます。」
「えっ?!あっ、おっ、おはようございます、奥様!」
「突然来てごめんなさいね。まだ結婚して無いから私の事はフィオナで構わないわよ。それに屋敷の中でなら必要以上に畏まらないで貰えたら嬉しいかな」
「えっと、、、分かりましたフィオナ様。」
ふふっ
意外と、と言っては失礼になるかもしれないけれど素直ねぇ。
普通メイドはこちらから気軽に接して欲しいとお願いしても、なかなか聞いて貰えないんだけど
この辺はルーファウス様の意向なのかな?
「あなたのお名前を教えて貰える?」
「チュニー、14歳です。去年の4月からこちらで使用人として働いてます。」
今は4月だからここに来てちょうど1年という事になる。
「ねぇチュニー、今から少しだけ話をする時間はあるかしら?」
「えっと、ルーファウス様がリビングに来られるまでで良ければ」
「それで構わないわ、ありがとう。ちなみにルーファウス様の朝食のメニューは何かしら?」
「野菜ジュースとバナナです。」
「朝はいつもそんな感じなの?」
「そうですね、野菜ジュースに使う野菜と果物は日によって違いますけど、朝食は野菜ジュースと果物だけです。」
へぇー
凄く健康的な食事だと思うけど、騎士団で働いてるのにお昼までお腹空かないのかな?
「あっ!フィオナ様の食事は別にありますから。パン、オムレツ、チーズ、果物です。他にも食べたい物があれば作りますよ?」
ルーファウス様の食事情について色々と考えていたら、食事が足りなくて不満だと思われたのかな(笑)
「ありがとうチュニー充分よ。それよりルーファウス様の好きな料理が知りたいわ」
「ルーファウス様はあまり好き嫌いは仰有ら無いので、、、小松菜と桃はお好きみたいですけど、メイド長に聞いて来ましょうか?」
「後で自分で聞くから大丈夫よ。ルーファウス様もそろそろリビングに来られる頃かしら?」
「そうですね、もうすぐだと思います。」
「じゃあ私もリビングに行かなきゃ、チュニーお話出来て楽しかったわ♪それじゃねぇ」
「あっ、はい、お疲れ様でした。」
つづく。
朝、目を覚ますと
窓に掛けたカーテンの隙間から光が漏れているのが見える。
シャッ!
ベッドから下りて勢いよくカーテンを開けると、快晴だ♪
いつもより多少寝過ぎてしまったけど、馬車での移動の疲れや緊張もあったからしょうがないだろう。
でも1番はベッドの寝心地が良過ぎたからだ。
フォルティエス公爵家で使っていたベッドと布団もそれなりに良い物だったはずなんだけど、それは本当に『それなり』だったらしい。
ここに用意されたベッドと布団は堅過ぎる事も柔らか過ぎる事も無く、いつもなら朝までに1度くらいは目が覚めるのに、数ヵ月ぶりに朝まで熟睡出来たくらいだ。
さてと
部屋でゆっくりしている場合じゃ無い!
私はお客様じゃなくてルーファウス様と結婚して妻となるまでに、ブルーム公爵家のやり方を覚えなくてはならないんだから。
朝食の用意を手伝うには少し遅い時間だけど、厨房に行って挨拶くらいはしておくべきよね。
ルーファウス様の食の好みも教えて貰わなくちゃいけないし、前世の朧気な記憶だと
『美味しい料理を作って旦那の胃袋を掴む、それが愛され妻の秘訣!』
という事らしい。
まぁそれだけで愛さ妻になれると思えるほど私も世間知らずでは無いけれど、美味しい料理を作って嫌われる事は無いだろう。
昨日の内にポーラさんに教えて貰った屋敷で働いている方達は
庭師のスミスさん
メイド長のポーラさん
アリスさん
チュニーさん
以上の4人だ。
一般的な公爵家で働く使用人としては少ないけれど、ルーファウス様は1人で暮らしているし、屋敷でパーティーを開いたりもしないようなので充分なのだろう。
さっそく厨房に行くと予想通り朝食の準備はほぼ終わっているようで、メイド服を着た私と年が近そうな女性が1人いるだけだった。
ここでは専属の料理人は雇っておらず、メイドが交代で作るという事だから彼女が今朝の当番なのだろう。
「おはようございます。」
「えっ?!あっ、おっ、おはようございます、奥様!」
「突然来てごめんなさいね。まだ結婚して無いから私の事はフィオナで構わないわよ。それに屋敷の中でなら必要以上に畏まらないで貰えたら嬉しいかな」
「えっと、、、分かりましたフィオナ様。」
ふふっ
意外と、と言っては失礼になるかもしれないけれど素直ねぇ。
普通メイドはこちらから気軽に接して欲しいとお願いしても、なかなか聞いて貰えないんだけど
この辺はルーファウス様の意向なのかな?
「あなたのお名前を教えて貰える?」
「チュニー、14歳です。去年の4月からこちらで使用人として働いてます。」
今は4月だからここに来てちょうど1年という事になる。
「ねぇチュニー、今から少しだけ話をする時間はあるかしら?」
「えっと、ルーファウス様がリビングに来られるまでで良ければ」
「それで構わないわ、ありがとう。ちなみにルーファウス様の朝食のメニューは何かしら?」
「野菜ジュースとバナナです。」
「朝はいつもそんな感じなの?」
「そうですね、野菜ジュースに使う野菜と果物は日によって違いますけど、朝食は野菜ジュースと果物だけです。」
へぇー
凄く健康的な食事だと思うけど、騎士団で働いてるのにお昼までお腹空かないのかな?
「あっ!フィオナ様の食事は別にありますから。パン、オムレツ、チーズ、果物です。他にも食べたい物があれば作りますよ?」
ルーファウス様の食事情について色々と考えていたら、食事が足りなくて不満だと思われたのかな(笑)
「ありがとうチュニー充分よ。それよりルーファウス様の好きな料理が知りたいわ」
「ルーファウス様はあまり好き嫌いは仰有ら無いので、、、小松菜と桃はお好きみたいですけど、メイド長に聞いて来ましょうか?」
「後で自分で聞くから大丈夫よ。ルーファウス様もそろそろリビングに来られる頃かしら?」
「そうですね、もうすぐだと思います。」
「じゃあ私もリビングに行かなきゃ、チュニーお話出来て楽しかったわ♪それじゃねぇ」
「あっ、はい、お疲れ様でした。」
つづく。
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