351 / 636
第9章 新たなる旅立ち season2
第315話 少女の想いとおっさんの決断 その3
しおりを挟む
俺とニィナは商業ギルドのロビーの隅っこで、椅子に座ってクレアさんが来てくれるのを待っている。
商業ギルドに来るまでに街でジロサブロウについて少し聞き込みをしてみた。
1年ほど前までは職を転々としてはいたけど一応働いていたらしい
その当時からジロサブロウの酒好きは有名で、朝になると酒場横の路地で酔い潰れて寝ている所を見かけたと言う人も多かった。
だけど去年の夏を境にだんだん働かなくなり、クレアさんを働かせてジロサブロウは酒浸りの生活を送っているとの事だった。
あげくの果てに、あちこちから借金もして返済の目処も立たずジロサブロウの奴隷墜ちはほぼ確実らしい
やはりクレアさんのお母さんが亡くなった事がきっかけなのだろうか?
自分の稼ぎで酒浸りの生活をするなら文句は言わんけど、クレアさんに稼がせてしかも借金三昧とか典型的なクソ野郎やな!
「主様、クレアさんが来ました」
ニィナに言われて商業ギルドの入口を見ると、不安そうな表情をしたクレアさんがキョロキョロと中を見回している
「おーい、クレアさーん、こっちだよー!」
「あの、お待たせしました」
「来てくれてありがとうクレアさん、そこに座ってちょっと待っててね。すいませーん、お願いしまーす。」
俺はあらかじめお願いしておいた商業ギルドの職員さんを呼ぶ
「失礼致します。本日ナガクラ様とクレア様との商談の見届け役をする事になりました、商業ギルド職員のアカリと申します、以後お見知りおき下さい。」
「えっと、、、わたしはどうすれば(汗)」
「私の役目はどちらか一方が損をする事の無いように見届ける事です。
例えば、クレア様がナガクラ様に騙されて不利な契約を結ばされそうになっていたら助言をする、と言えば分かりやすいでしょうか?」
「はい、それなら分かります。」
「と言うのは建前で、本当はクレア様が不安だろうから側に付いていて欲しいと、ナガクラ様に頼まれただけです♪」
「え?」
「ちょっ、アカリさん、それは言っちゃ駄目なやつですよぉ(汗)」
「つい、大きな独り言が(笑)」
まったく、商業ギルドの職員がそんなんで良いのかよ
お茶目な女性は好きだけどさ。
「それじゃあ、時間が勿体無いんで仕事の話をしようか。昨日俺達がクレアさんの屋台で『つくね串』を買ったの覚えてる?」
「覚えてます。でもその前にナガクラ様は本当に借金取りでは無いんですか?」
「その事なら商業ギルドが保障します。ナガクラ様は借金取りではありません。ナガクラ様の経営しておられる池田屋商会は真っ当な商売で有名ですから、しっかり話を聞いて熟考する事をお勧めします。」
「まぁいきなり言われても困るとは思うんだけど、俺はあと数日したらキャラバンシティに帰らないといけないんだ。だから考える時間は限られていると理解した上で話を聞いて欲しい。」
「わっ、分かりました!」
「じゃあ続きを話そうか、昨日クレアさんから買った『つくね串』が凄く美味しくて、あれを作った人にウチの商会で働いて欲しくて探してたんだ。
あの『つくね串』はクレアさんが作ったの?」
「そうです、でも最初はジロサブロウに教えて貰ったから」
なるほど、となるとジロサブロウは前世で焼き鳥屋をやってたのかな?
クレアさんでもあれだけ美味しかったんだから、ジロサブロウの腕は相当なものだと思うんだけど
真面目に働いてたら借金なんてしなくても良いくらいには稼げただろうに、馬鹿な野郎だよ
「ジロサブロウはクレアさんのお母さんが連れて来たって言ってたけど、親しい仲では無かったの?」
「それは絶対にありません!お母さんはジロサブロウみたいなタイプが嫌いだったから、でも、、、」
むむっ?
「えっと、クレアさんは今、人生の分岐点に居ると俺は思ってる。今ここで選んだ事は良くも悪くもこれからの人生に大きな影響を与えるはず。
だからクレアさんが自分で考えて決断しなければいけない、それがたとえ後悔するような事になったとしても他人を恨む事が無いようにね
もし何か話そうと思っている事があるなら遠慮はしないで欲しいな」
「、、、えっと、わたしとお母さんは、お父さんが死んでから凄くお金に困ってたんです。だからお母さんはジロサブロウを連れて来たんだと思います。」
「んー?それはジロサブロウが援助してくれるとかそういう事?」
「ちゃんと聞いた事が無いから分からないけど、お母さんはジロサブロウの『つくね』を売ってお金を稼ごうとしてたんだと思うんです。
『つくね』を実際に作って知ったけど、仕込みが凄く大変なんです。お母さんが『つくね』の仕込みをする代わりにジロサブロウと一緒に商売をしようとしてたんじゃないかなって、何も証拠はありませんけど」
クソ野郎のジロサブロウなら、楽して儲けられると思って話に乗った可能性は充分ある
それがクレアさんのお母さんが流行り病で亡くなってしまったから、代わりに娘のクレアさんにって所か
誤算だったのは、少女の体力では『つくね』を大量に作るのは無理だった。
そのうち金が尽きて借金をしまくる、って考えると色々繋がる
だがしかし
俺は他人の過去に興味は無い!
「クレアさん、俺と一緒に王国で1番の焼き鳥屋を目指そう!」
「・・・は?」
つづく。
商業ギルドに来るまでに街でジロサブロウについて少し聞き込みをしてみた。
1年ほど前までは職を転々としてはいたけど一応働いていたらしい
その当時からジロサブロウの酒好きは有名で、朝になると酒場横の路地で酔い潰れて寝ている所を見かけたと言う人も多かった。
だけど去年の夏を境にだんだん働かなくなり、クレアさんを働かせてジロサブロウは酒浸りの生活を送っているとの事だった。
あげくの果てに、あちこちから借金もして返済の目処も立たずジロサブロウの奴隷墜ちはほぼ確実らしい
やはりクレアさんのお母さんが亡くなった事がきっかけなのだろうか?
自分の稼ぎで酒浸りの生活をするなら文句は言わんけど、クレアさんに稼がせてしかも借金三昧とか典型的なクソ野郎やな!
「主様、クレアさんが来ました」
ニィナに言われて商業ギルドの入口を見ると、不安そうな表情をしたクレアさんがキョロキョロと中を見回している
「おーい、クレアさーん、こっちだよー!」
「あの、お待たせしました」
「来てくれてありがとうクレアさん、そこに座ってちょっと待っててね。すいませーん、お願いしまーす。」
俺はあらかじめお願いしておいた商業ギルドの職員さんを呼ぶ
「失礼致します。本日ナガクラ様とクレア様との商談の見届け役をする事になりました、商業ギルド職員のアカリと申します、以後お見知りおき下さい。」
「えっと、、、わたしはどうすれば(汗)」
「私の役目はどちらか一方が損をする事の無いように見届ける事です。
例えば、クレア様がナガクラ様に騙されて不利な契約を結ばされそうになっていたら助言をする、と言えば分かりやすいでしょうか?」
「はい、それなら分かります。」
「と言うのは建前で、本当はクレア様が不安だろうから側に付いていて欲しいと、ナガクラ様に頼まれただけです♪」
「え?」
「ちょっ、アカリさん、それは言っちゃ駄目なやつですよぉ(汗)」
「つい、大きな独り言が(笑)」
まったく、商業ギルドの職員がそんなんで良いのかよ
お茶目な女性は好きだけどさ。
「それじゃあ、時間が勿体無いんで仕事の話をしようか。昨日俺達がクレアさんの屋台で『つくね串』を買ったの覚えてる?」
「覚えてます。でもその前にナガクラ様は本当に借金取りでは無いんですか?」
「その事なら商業ギルドが保障します。ナガクラ様は借金取りではありません。ナガクラ様の経営しておられる池田屋商会は真っ当な商売で有名ですから、しっかり話を聞いて熟考する事をお勧めします。」
「まぁいきなり言われても困るとは思うんだけど、俺はあと数日したらキャラバンシティに帰らないといけないんだ。だから考える時間は限られていると理解した上で話を聞いて欲しい。」
「わっ、分かりました!」
「じゃあ続きを話そうか、昨日クレアさんから買った『つくね串』が凄く美味しくて、あれを作った人にウチの商会で働いて欲しくて探してたんだ。
あの『つくね串』はクレアさんが作ったの?」
「そうです、でも最初はジロサブロウに教えて貰ったから」
なるほど、となるとジロサブロウは前世で焼き鳥屋をやってたのかな?
クレアさんでもあれだけ美味しかったんだから、ジロサブロウの腕は相当なものだと思うんだけど
真面目に働いてたら借金なんてしなくても良いくらいには稼げただろうに、馬鹿な野郎だよ
「ジロサブロウはクレアさんのお母さんが連れて来たって言ってたけど、親しい仲では無かったの?」
「それは絶対にありません!お母さんはジロサブロウみたいなタイプが嫌いだったから、でも、、、」
むむっ?
「えっと、クレアさんは今、人生の分岐点に居ると俺は思ってる。今ここで選んだ事は良くも悪くもこれからの人生に大きな影響を与えるはず。
だからクレアさんが自分で考えて決断しなければいけない、それがたとえ後悔するような事になったとしても他人を恨む事が無いようにね
もし何か話そうと思っている事があるなら遠慮はしないで欲しいな」
「、、、えっと、わたしとお母さんは、お父さんが死んでから凄くお金に困ってたんです。だからお母さんはジロサブロウを連れて来たんだと思います。」
「んー?それはジロサブロウが援助してくれるとかそういう事?」
「ちゃんと聞いた事が無いから分からないけど、お母さんはジロサブロウの『つくね』を売ってお金を稼ごうとしてたんだと思うんです。
『つくね』を実際に作って知ったけど、仕込みが凄く大変なんです。お母さんが『つくね』の仕込みをする代わりにジロサブロウと一緒に商売をしようとしてたんじゃないかなって、何も証拠はありませんけど」
クソ野郎のジロサブロウなら、楽して儲けられると思って話に乗った可能性は充分ある
それがクレアさんのお母さんが流行り病で亡くなってしまったから、代わりに娘のクレアさんにって所か
誤算だったのは、少女の体力では『つくね』を大量に作るのは無理だった。
そのうち金が尽きて借金をしまくる、って考えると色々繋がる
だがしかし
俺は他人の過去に興味は無い!
「クレアさん、俺と一緒に王国で1番の焼き鳥屋を目指そう!」
「・・・は?」
つづく。
200
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
平凡な村人だと思われていた俺、実は神々が恐れる最強存在でした〜追放されたけど、無自覚チートで気づけば世界の頂点〜
uzura
ファンタジー
平凡な村人・レオンは、勇者パーティの荷物持ちとして蔑まれ、ある日「役立たず」として追放される。
だが、彼の正体は神々が恐れ、世界の理を超越する“創世の加護”を持つ唯一の存在だった。
本人はまったくの無自覚——それでも歩くたび、出会うたび、彼によって救われ、惹かれていく者たちが増えていく。
裏切った勇者たちは衰退し、彼を捨てた者たちは後悔に沈む。
やがて世界は、レオン中心に回り始める。
これは、最弱を装う最強が、知らぬ間に神々を超える物語。
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる