343 / 636
第9章 新たなる旅立ち season2
第307話 ウィンウィン♪
しおりを挟む
ソレイユ様に引きずられるように連れて来られたのはソレイユ様の私室だった。
応接室ではなくて私室に連れて来られたという事は
それなり以上に信頼されている証と言えるから普通ならとても喜ぶべきだと思う。
だがしかし
なんやかんやで俺もこの国の貴族とは付き合いが多くなっている。だから俺を私室に連れて来た理由もなんとなく予想出来る。
ソレイユ様の性格を考えれば俺の予想はほぼ当たっているだろう。だから心の準備が出来る事に感謝だよ。
そして今はテーブルを挟んで、ソレイユ様、ゲオルグ様と向かい合ってソファに座って居るのだが、珍しく護衛のニィナが居ない
ここで護衛の必要は無いから良いけど、ニィナって俺に危険が無い時は遠慮せず休むんだもんなぁ
風呂とトイレ以外は基本的にずっと俺と一緒だから適度に息抜きはして欲しいけど、たまにひとりにされると寂しいのよ。
「改めて、シン殿よく来てくれた、元気そうで何よりだ!」
「はっ!サダルスウド侯爵閣下におかれまては」「シッ、シン殿?!ちょっと待ってくれ(汗)」
「はい?、、、えぇーと、久し振りなので挨拶ぐらいはキチッとした方が良いかと思ったのですが」
「そういう事だったか、シン殿の機嫌を損ねる事をしたのかと思って胆が冷えたぞ(汗)」
「私も驚いちゃったわ(笑)公式の場なら型通りの挨拶も必要だけど、今は私的な場だから楽にしてくれて良いのよ。
それと、シンさんの機嫌を損ねるような人が居たら遠慮せず言って頂戴ね♪」
「はっ、はい!」
ふぃーーーー(汗)
ゲオルグ様とは定期的に手紙のやり取りや贈り物をしたりはしていたけど、久し振りに会うからと丁寧な対応を心がけたのが裏目に出てしまった。
そのせいでソレイユ様はとっても素敵な笑顔でいらっしゃるんだもの
この笑顔を守る為にもお馬鹿な人達はこれからも中立派貴族の方達と力を合わせて対処せねば!
さもなくば、アストレア様とは違うベクトルで恐ろしい事態になる気がするよ
例えるならアストレア様が『爆炎』でソレイユ様は『ブリザード』って感じだろうか?
サウスビーチは気温が高くまだまだ夏の終わりは遠そうなのに、ゲオルグ様は背筋がとっても寒そうでいらっしゃる。
だがしかし
『馬鹿者共はワシに任せろ!』という意味が込められた熱い眼差しを向けられ
『後方支援はお任せを!』という意味を込めて俺はゲオルグ様を見つめ返す
ガシッ!
この瞬間、俺とゲオルグ様はお互いの心と心でしかと硬い握手を交わした。
「あら?殿方同士で見つめあって何か良からぬ企みでもしているのかしら」
「そっ、そんな事があるはずなかろう(汗)なぁシン殿!」
「そうですよソレイユ様!えぇーと、、、あっ!御二人とも以前会った時より肌艶が良くなりましたか?」
「ふふふっ、やっぱり分かるかしら?シンさんの言う通り最近お肌の調子が良くて美の秘訣を聞かれる事もあるのよ♪」
「以前シン殿が食べさせてくれた料理のお陰だろうな。レシピ通り作れるようになるまでに時間がかかったが、作れるようになると色々な食材でアレンジが出来るようにもなって、毎日の食事が楽しみになったからな。
特に寒天を使った果物のゼリーは良い♪
夏の暑さに慣れているとは言え、毎年少なからず食欲が落ちるのだが今年は井戸で冷やしたゼリーのお陰か身体の調子も良いのだ♪
まあシン殿が教えてくれた流行り病(熱中症)対策の効果もあったのだろうがな」
厳密には寒天とゼリーは違うんだけど、面倒だから両方ゼリーという事で問題は無いだろう。
しかし最初は気付かなかったけど、ソレイユ様とゲオルグ様は1年前と比べてあきらかに健康的な見た目なんだよな
以前が不健康って事では無かったんだろうけど、多少なりともバランスの整った食事になった事と夏バテが解消されたお陰だと思う。
俺は深く考えてレシピ登録してる訳では無いんだけど、それでも登録したレシピが役に立っているのなら嬉しいよ♪
「それにしても寒天はよく作れましたね。
レシピ登録した私が言うのも申し訳無いのですが、寒天は作るのに手間がかかる上に、雪が降るくらい寒い場所に持って行って凍らせる必要があるので完成しないと思ってましたから」
「わははははは、本当に苦労したぞ。だが苦労した甲斐はあった。
運良く北方には知り合いが居たから同じくシン殿がレシピ登録してくれた魚の干物を対価にして頼んだら快く引き受けてくれたのでな。
寒天も干物も長期間保存出来る上にほとんど味が落ちんのが良い!北方は冬の間は雪に閉ざされて往来が出来なくなってしまうから
そういう意味でもシン殿にはいくら感謝してもし足りんよ」
「もしかして、寒天作りは北方の人達への支援の意味もあったのですか?」
「ふふっ、さすがシン殿だ。我が家に仕える文官でも瞬時に気付いた者は居ないというのに
シン殿の言う通り、寒天作りは冬の間に食料不足になりがちな北方へ食料を送る口実だ。
無償で食料を送るのは簡単だが、それが毎年の事となると善意もいずれ負担となろう。しかしそれが商売としての対価なら話が変わる
シン殿が言うところのお互いが得をするウィンウィンな対等の関係というやつだよ♪
まあ寒天ゼリーの人気が凄くて充分過ぎるほどに儲けが出るという嬉しい誤算はあったのだがな(笑)」
やっぱウィンウィンな関係は最高って事やな!
つづく。
応接室ではなくて私室に連れて来られたという事は
それなり以上に信頼されている証と言えるから普通ならとても喜ぶべきだと思う。
だがしかし
なんやかんやで俺もこの国の貴族とは付き合いが多くなっている。だから俺を私室に連れて来た理由もなんとなく予想出来る。
ソレイユ様の性格を考えれば俺の予想はほぼ当たっているだろう。だから心の準備が出来る事に感謝だよ。
そして今はテーブルを挟んで、ソレイユ様、ゲオルグ様と向かい合ってソファに座って居るのだが、珍しく護衛のニィナが居ない
ここで護衛の必要は無いから良いけど、ニィナって俺に危険が無い時は遠慮せず休むんだもんなぁ
風呂とトイレ以外は基本的にずっと俺と一緒だから適度に息抜きはして欲しいけど、たまにひとりにされると寂しいのよ。
「改めて、シン殿よく来てくれた、元気そうで何よりだ!」
「はっ!サダルスウド侯爵閣下におかれまては」「シッ、シン殿?!ちょっと待ってくれ(汗)」
「はい?、、、えぇーと、久し振りなので挨拶ぐらいはキチッとした方が良いかと思ったのですが」
「そういう事だったか、シン殿の機嫌を損ねる事をしたのかと思って胆が冷えたぞ(汗)」
「私も驚いちゃったわ(笑)公式の場なら型通りの挨拶も必要だけど、今は私的な場だから楽にしてくれて良いのよ。
それと、シンさんの機嫌を損ねるような人が居たら遠慮せず言って頂戴ね♪」
「はっ、はい!」
ふぃーーーー(汗)
ゲオルグ様とは定期的に手紙のやり取りや贈り物をしたりはしていたけど、久し振りに会うからと丁寧な対応を心がけたのが裏目に出てしまった。
そのせいでソレイユ様はとっても素敵な笑顔でいらっしゃるんだもの
この笑顔を守る為にもお馬鹿な人達はこれからも中立派貴族の方達と力を合わせて対処せねば!
さもなくば、アストレア様とは違うベクトルで恐ろしい事態になる気がするよ
例えるならアストレア様が『爆炎』でソレイユ様は『ブリザード』って感じだろうか?
サウスビーチは気温が高くまだまだ夏の終わりは遠そうなのに、ゲオルグ様は背筋がとっても寒そうでいらっしゃる。
だがしかし
『馬鹿者共はワシに任せろ!』という意味が込められた熱い眼差しを向けられ
『後方支援はお任せを!』という意味を込めて俺はゲオルグ様を見つめ返す
ガシッ!
この瞬間、俺とゲオルグ様はお互いの心と心でしかと硬い握手を交わした。
「あら?殿方同士で見つめあって何か良からぬ企みでもしているのかしら」
「そっ、そんな事があるはずなかろう(汗)なぁシン殿!」
「そうですよソレイユ様!えぇーと、、、あっ!御二人とも以前会った時より肌艶が良くなりましたか?」
「ふふふっ、やっぱり分かるかしら?シンさんの言う通り最近お肌の調子が良くて美の秘訣を聞かれる事もあるのよ♪」
「以前シン殿が食べさせてくれた料理のお陰だろうな。レシピ通り作れるようになるまでに時間がかかったが、作れるようになると色々な食材でアレンジが出来るようにもなって、毎日の食事が楽しみになったからな。
特に寒天を使った果物のゼリーは良い♪
夏の暑さに慣れているとは言え、毎年少なからず食欲が落ちるのだが今年は井戸で冷やしたゼリーのお陰か身体の調子も良いのだ♪
まあシン殿が教えてくれた流行り病(熱中症)対策の効果もあったのだろうがな」
厳密には寒天とゼリーは違うんだけど、面倒だから両方ゼリーという事で問題は無いだろう。
しかし最初は気付かなかったけど、ソレイユ様とゲオルグ様は1年前と比べてあきらかに健康的な見た目なんだよな
以前が不健康って事では無かったんだろうけど、多少なりともバランスの整った食事になった事と夏バテが解消されたお陰だと思う。
俺は深く考えてレシピ登録してる訳では無いんだけど、それでも登録したレシピが役に立っているのなら嬉しいよ♪
「それにしても寒天はよく作れましたね。
レシピ登録した私が言うのも申し訳無いのですが、寒天は作るのに手間がかかる上に、雪が降るくらい寒い場所に持って行って凍らせる必要があるので完成しないと思ってましたから」
「わははははは、本当に苦労したぞ。だが苦労した甲斐はあった。
運良く北方には知り合いが居たから同じくシン殿がレシピ登録してくれた魚の干物を対価にして頼んだら快く引き受けてくれたのでな。
寒天も干物も長期間保存出来る上にほとんど味が落ちんのが良い!北方は冬の間は雪に閉ざされて往来が出来なくなってしまうから
そういう意味でもシン殿にはいくら感謝してもし足りんよ」
「もしかして、寒天作りは北方の人達への支援の意味もあったのですか?」
「ふふっ、さすがシン殿だ。我が家に仕える文官でも瞬時に気付いた者は居ないというのに
シン殿の言う通り、寒天作りは冬の間に食料不足になりがちな北方へ食料を送る口実だ。
無償で食料を送るのは簡単だが、それが毎年の事となると善意もいずれ負担となろう。しかしそれが商売としての対価なら話が変わる
シン殿が言うところのお互いが得をするウィンウィンな対等の関係というやつだよ♪
まあ寒天ゼリーの人気が凄くて充分過ぎるほどに儲けが出るという嬉しい誤算はあったのだがな(笑)」
やっぱウィンウィンな関係は最高って事やな!
つづく。
183
あなたにおすすめの小説
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
安全第一異世界生活
朋
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん)
新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる