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第8.5章 雨季から夏のなんやかんや
閑話 配送夫の日常
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side:ポチ
ダックス兄さん、コリー姉さんと共に池田屋商会で配送夫として働き始めて10日以上が過ぎた。
10日以上、、、
10から先の数字はちょっと苦手だ(汗)勿論ペンと紙さえあれば100までだって書ける!
獣人はたいてい頭で色々考えるのが苦手だ。逆にその場の状況で素早い判断が必要な狩りは得意だ♪
だから今やってる配送の仕事は獣人向きでとてもありがたい。
体力は必要だけど池田屋商会から支給された街の地図を見ながら、配達先の商会に荷物を運ぶだけの簡単な仕事だ。
それを夜明けから日暮れ前までやって銀貨4枚も貰えるんだ♪
元々実家では物々交換ばっかりで現金収入は些細な税収くらい
銀貨も年に1度の服を新調する時に、母さんが財布から銀貨を出して支払いするのを見る程度
だから初めて報酬を貰った時は嬉しかったなぁ。
しかし
現金を持つと無駄遣いするからって理由で、コリー姉さんが口座を作ってそこにダックス兄さんと俺の報酬を振り込みで支払うように手続きしてしまい
更に口座はコリー姉さんが管理しているので、初めての報酬を貰って以降、銅貨以外の現金を見ていない
まぁ池田屋商会で働いてるとお金を使う事があんまり無いから全然困らない。
理由としては住む場所と食事と制服が無料だったから、凄く驚いたけどね
ダックス兄さんが言うには、衣食住を用意しなきゃいけない奴隷の代わりに俺達が雇われたのだとしたら、さほど驚く事じゃないらしい
それでも、仕事以外で着る服、下着、石鹸まで無料で支給されたのにはダックス兄さんもコリー姉さんも驚いてたっけ
池田屋商会ではとにかく清潔さを求められる。だから高価な石鹸も無料だし風呂も無料で入れる、、、というより雇われた初日に強制的に風呂に入れられた。
獣人の中には濡れるのを嫌がる人も居るからなのか、まず泡だらけのワイン樽に突っ込まれてから全身をワシャワシャ洗われた後に
大人が5~6人入れる大きな風呂に放り込まれた
なんとなく流木の気分が味わえたよ。
まあ支給された石鹸が、売れば1~2年は遊んで暮らせそうな高級品だったのには驚きを通り越して怖かった。
池田屋商会は真っ当な商会なのだろうかと(汗)
結論としては、池田屋商会は凄く真っ当な商会だった。
単純に人気商品の数が他の商会と比べて桁違いに多いのと、登録されたレシピの数もこれまた桁違いに多かった。
それもこれも会長の豊富な知識のお陰らしい、さすが将来は俺の義父になる予定の御方♪
いずれは俺も義父殿に認めて貰える立派な男になってみせますので、しばしお待ちを!
さてと、少し早いけど荷物も全部配達したし、商会に戻っておやつのプリン食べようっと♪
◇ ◇ ◇
side:コリー
池田屋商会に配送夫として雇われてから、、、
たくさん日数が過ぎたけれど、毎日楽しく仕事をして過ごしている。
池田屋商会に雇われてから驚いた事は数えきれないくらいあったけれど、1番驚いたのは石鹸と下着だったわ。
無料で支給された石鹸は超高級品だし、頭専用の石鹸はあるし、それを使ってお風呂に入った後に毛を乾かしたら、さらっさらのふわふわの毛になるし
同じく無料で支給された下着を着たら最高の着心地で、しかも仕事の時も下着のお陰で何処も擦れて痛くならないなんて、、、
私はもう池田屋商会の下着無しでは生きていけない身体になってしまった(泣)
これはなにがなんでも仕事をクビにならないように、死に物狂いで働かなければ!
と思っていたのに、今日は何故か配達の荷物が少なくて、おやつの時間には配達を終えてしまった
池田屋商会では荷物が多くても少なくても、1日の報酬は銀貨4枚で固定されてるから私は困らないんだけど
荷物が無いんじゃどうしようもないので仕方なく商会に戻る途中、同じく配達を終えたのだろうリヤカーを空にしたダックス兄さんを見つけた。
「おーい、ダックス兄さーん!」
「やあコリー、お疲れさんそっちも終わりか?」
「えぇ、今日はいつもより荷物が少なくて早く終わってしまったわ」
「ん?仕事が早く終わって残念そうだな、たくさん配達しても俺達の報酬は増えないぞ」
「逆に1個しか荷物を配達しなくても銀貨4枚は貰えるって事よね。」
「まあそうだな」
「それじゃあ駄目、荷物をたくさん配達しないと池田屋商会が儲からないのよ!池田屋商会が儲からないと新しい石鹸と下着を支給して貰えないじゃない(怒)」
「おっ、おう(汗)」
「私はもう池田屋商会以外では絶対に働きたくないの!だからダックス兄さんも池田屋商会の為に死に物狂いで働いて頂戴!分かった?」
「コリーに言われなくても、池田屋商会より良い条件で雇ってくれる所なんて無いからな。本店の食堂の飯も旨いし、俺も他の商会で働きたくないから頑張るよ」
「それなら良かったわ。それと、思ってたより生活に余裕があるから少しだけど実家に仕送りしようと思うの、どうかしら?」
「良いんじゃないか、池田屋商会で働いてるとほとんど金を使わないからな」
「それじゃあ手続きしておくわね。ダックス兄さん今日のおやつ何か知ってる?」
「プリンだったかな、ポチが朝から楽しみにしてたから」
「あの子プリン好きだものね。」
「よし!コリー勝負しようぜ、早く商会に着いた方が勝ち、負けたら相手におかわりのプリン1個奢りな。ヨーイ、ドン!」
「えっ?!今のはフライングじゃ、、、」
「わはははは、この勝負貰ったー♪」
「待てコラァ!!このクソ兄貴がぁーーーー(怒)」
◇◇◇◇◇
後に、キャラバンシティに昼下がりのおやつ習慣が一般的となり
おやつを食べに我先にと家に帰る人達の姿が街のいたる所で見られるようになるのだが
それはまだ先のおはなし。
ダックス兄さん、コリー姉さんと共に池田屋商会で配送夫として働き始めて10日以上が過ぎた。
10日以上、、、
10から先の数字はちょっと苦手だ(汗)勿論ペンと紙さえあれば100までだって書ける!
獣人はたいてい頭で色々考えるのが苦手だ。逆にその場の状況で素早い判断が必要な狩りは得意だ♪
だから今やってる配送の仕事は獣人向きでとてもありがたい。
体力は必要だけど池田屋商会から支給された街の地図を見ながら、配達先の商会に荷物を運ぶだけの簡単な仕事だ。
それを夜明けから日暮れ前までやって銀貨4枚も貰えるんだ♪
元々実家では物々交換ばっかりで現金収入は些細な税収くらい
銀貨も年に1度の服を新調する時に、母さんが財布から銀貨を出して支払いするのを見る程度
だから初めて報酬を貰った時は嬉しかったなぁ。
しかし
現金を持つと無駄遣いするからって理由で、コリー姉さんが口座を作ってそこにダックス兄さんと俺の報酬を振り込みで支払うように手続きしてしまい
更に口座はコリー姉さんが管理しているので、初めての報酬を貰って以降、銅貨以外の現金を見ていない
まぁ池田屋商会で働いてるとお金を使う事があんまり無いから全然困らない。
理由としては住む場所と食事と制服が無料だったから、凄く驚いたけどね
ダックス兄さんが言うには、衣食住を用意しなきゃいけない奴隷の代わりに俺達が雇われたのだとしたら、さほど驚く事じゃないらしい
それでも、仕事以外で着る服、下着、石鹸まで無料で支給されたのにはダックス兄さんもコリー姉さんも驚いてたっけ
池田屋商会ではとにかく清潔さを求められる。だから高価な石鹸も無料だし風呂も無料で入れる、、、というより雇われた初日に強制的に風呂に入れられた。
獣人の中には濡れるのを嫌がる人も居るからなのか、まず泡だらけのワイン樽に突っ込まれてから全身をワシャワシャ洗われた後に
大人が5~6人入れる大きな風呂に放り込まれた
なんとなく流木の気分が味わえたよ。
まあ支給された石鹸が、売れば1~2年は遊んで暮らせそうな高級品だったのには驚きを通り越して怖かった。
池田屋商会は真っ当な商会なのだろうかと(汗)
結論としては、池田屋商会は凄く真っ当な商会だった。
単純に人気商品の数が他の商会と比べて桁違いに多いのと、登録されたレシピの数もこれまた桁違いに多かった。
それもこれも会長の豊富な知識のお陰らしい、さすが将来は俺の義父になる予定の御方♪
いずれは俺も義父殿に認めて貰える立派な男になってみせますので、しばしお待ちを!
さてと、少し早いけど荷物も全部配達したし、商会に戻っておやつのプリン食べようっと♪
◇ ◇ ◇
side:コリー
池田屋商会に配送夫として雇われてから、、、
たくさん日数が過ぎたけれど、毎日楽しく仕事をして過ごしている。
池田屋商会に雇われてから驚いた事は数えきれないくらいあったけれど、1番驚いたのは石鹸と下着だったわ。
無料で支給された石鹸は超高級品だし、頭専用の石鹸はあるし、それを使ってお風呂に入った後に毛を乾かしたら、さらっさらのふわふわの毛になるし
同じく無料で支給された下着を着たら最高の着心地で、しかも仕事の時も下着のお陰で何処も擦れて痛くならないなんて、、、
私はもう池田屋商会の下着無しでは生きていけない身体になってしまった(泣)
これはなにがなんでも仕事をクビにならないように、死に物狂いで働かなければ!
と思っていたのに、今日は何故か配達の荷物が少なくて、おやつの時間には配達を終えてしまった
池田屋商会では荷物が多くても少なくても、1日の報酬は銀貨4枚で固定されてるから私は困らないんだけど
荷物が無いんじゃどうしようもないので仕方なく商会に戻る途中、同じく配達を終えたのだろうリヤカーを空にしたダックス兄さんを見つけた。
「おーい、ダックス兄さーん!」
「やあコリー、お疲れさんそっちも終わりか?」
「えぇ、今日はいつもより荷物が少なくて早く終わってしまったわ」
「ん?仕事が早く終わって残念そうだな、たくさん配達しても俺達の報酬は増えないぞ」
「逆に1個しか荷物を配達しなくても銀貨4枚は貰えるって事よね。」
「まあそうだな」
「それじゃあ駄目、荷物をたくさん配達しないと池田屋商会が儲からないのよ!池田屋商会が儲からないと新しい石鹸と下着を支給して貰えないじゃない(怒)」
「おっ、おう(汗)」
「私はもう池田屋商会以外では絶対に働きたくないの!だからダックス兄さんも池田屋商会の為に死に物狂いで働いて頂戴!分かった?」
「コリーに言われなくても、池田屋商会より良い条件で雇ってくれる所なんて無いからな。本店の食堂の飯も旨いし、俺も他の商会で働きたくないから頑張るよ」
「それなら良かったわ。それと、思ってたより生活に余裕があるから少しだけど実家に仕送りしようと思うの、どうかしら?」
「良いんじゃないか、池田屋商会で働いてるとほとんど金を使わないからな」
「それじゃあ手続きしておくわね。ダックス兄さん今日のおやつ何か知ってる?」
「プリンだったかな、ポチが朝から楽しみにしてたから」
「あの子プリン好きだものね。」
「よし!コリー勝負しようぜ、早く商会に着いた方が勝ち、負けたら相手におかわりのプリン1個奢りな。ヨーイ、ドン!」
「えっ?!今のはフライングじゃ、、、」
「わはははは、この勝負貰ったー♪」
「待てコラァ!!このクソ兄貴がぁーーーー(怒)」
◇◇◇◇◇
後に、キャラバンシティに昼下がりのおやつ習慣が一般的となり
おやつを食べに我先にと家に帰る人達の姿が街のいたる所で見られるようになるのだが
それはまだ先のおはなし。
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