テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
286 / 305
第8.5章 雨季から夏のなんやかんや

第255話 余波

しおりを挟む
「ぐぬぬぬ!!慰霊祭だからと完全に油断しました。シンさんが私の考えの斜め上を行く事は分かっていたはずなのに(泣)

此度の失態は我が人生において最大の汚点です!

命以外の私の全てを差し出しますので、どうかもう1度慰霊祭を開催して頂けるよう、伏してお頼み申し上げます。」

「待て待て待て!とりあえず土下座はやめい!」

「ならば、私の身体を好きにして下さい!」

「アホー!ここで服を脱ぐんじゃねぇー!」

トンッ

「あ゛っ・・・」

「手遅れになれば主様に危険が及ぶと判断して、一時的にアルさんには静かになって頂きました、勝手な行動をして申し訳ありません。」

「ありがとうニィナ、マジで助かったよ」


面倒くさい男のアルが興奮のあまり突然服を脱ぎ出した所を、ニィナが後ろからアルを『首トン』して意識を刈り取ってくれて助かった。

身体を好きにって言われても、俺にそっちの趣味は無い!

他人がどんな性癖を持っていても気にしないけど、確認はして欲しかった。


衝撃の慰霊祭から数日経ったけど、街は未だにお祭りで騒がしい

原因は女神様っていうか、ちーちゃんさんが降臨したせいなんだけど、幸いにも創造神様が降臨した所を見ていた人はおそらく居ない

ちーちゃんさんが降臨した時点でほとんどの人達は目を閉じたり、地面に頭を擦り付けるように必死にお祈りをしていたからだ。

たまたま見ていた人も居るかもしれんけど、2人目の女神様が出て来たなんて言っても誰も信じないだろう。


慰霊祭も無事に終わり、その後の祭りが盛り上がったのは言うまでもないのだが

翌朝事件が起きた。

誰かが酒場の酒をお供えしたんだけど、お供えした酒がうっすら光って消えて無くなったまでは良かった。

しかし、ほどなくしてお供えした酒が戻って来たんだ

神様へのお供えは気持ちさえあれば何でも良いと思うのだが、お供えされた酒は酒場で朝まで飲んでいた酔っぱらいがなんとなく置いた物なんじゃないかなぁ

気持ちゼロの酒場の酒はちょっと駄目だろう。

それで戻って来た酒を見て、女神様がお怒りになられた!って騒ぎになったんだよ

雷が落ちて街が灰になるとかなんとか騒いでいたけれど、ちょうど巡回警備をしていた見廻組二番隊の隊員が機転をきかせて商会から瓶ビールを持ってきてお供えしたら

瓶ビールは見事に消えて女神様に受け取って貰えた、という事は『女神様の機嫌が直った♪』

そんなこんなで女神様に謝罪と感謝の意味を込めて『祭り』をしている

今日で3日目だったかな?

この国での『祭り』は神聖な儀式という意味があるので、無理に止めさせるのもなぁ

そもそも街の人達が自主的にやってる事だから、迷惑にならない範囲で『祭り』をする分には文句は言えない。とりあえず1週間は女神像もそのままで様子見かな

ここでやっとアルの話に戻るんだけど、『慰霊祭』は当然ながら神聖な儀式だ。

それを俺が勝手に夏祭りと合体させて、真面目に楽しい催しにしたのが今回の慰霊祭

慰霊祭は神聖な儀式だから、親しい人が亡くなっていないのにわざわざ参加するのは良くない、そう判断したアルは慰霊祭の時は商会で仕事をしていた。

『流行り病予防大作戦』と『慰霊祭』のせいでいつもより事務仕事が多くなっていたのもあるんだろうな

熱心に仕事をしていたお陰で慰霊祭翌日の騒ぎまで、アルは女神様が降臨された事を知らなかった。

その後情報収集をした結果、俺が女神様降臨に関わっていると気付いて今にいたる。


このまま放置するとアルが何をするか分からない、主に俺の身体が危険にさらされてしまうので(汗)

新作のいちごパフェを対価に、創造神様かちーちゃんさんのどちらかに、一瞬だけでも光輝く姿をアルの前に現して貰えるようにお願いしておこう。


そろそろ夏も終わりかぁ

秋には未来への希望畑で作物の収穫、ウィスキー造り、秋のお花見大会

他にも、商会の男性従業員用の宿舎の確保とか、冬に向けての準備もあるし、、、

っていうか、いつから俺はこんなにも働き者になってしまったんだ!

元世界の時のように生活の為に仕方なく働いてる訳ではないし

パワハラが何かを理解してない馬鹿な上司も居ないから、精神的には絶好調だから何も問題無いけどな

我が家のみんなの笑顔を守る為にも、おっさんはこれからも頑張りまっせ♪





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...