280 / 305
第8.5章 雨季から夏のなんやかんや
第249話 続・キャラバンシティ幹部会合 その3
しおりを挟む
「まさか流行り病が伝染性の病では無かったのには驚いたわ」
「ミリーさんそれってどういう理由で伝染するって判断してたんですか?」
「えっと、たしか30年くらい前かしら、夏の暑さに耐えてこそ屈強な兵士になれるという考えから、国王命令で夏に各領地で新兵訓練を行った事があるの
そしたら訓練中に体調を崩して倒れる人が続出、調べたらほぼ全ての領地で同じような状況だと分かって、国は伝染病と判断して今に到るってわけ」
「あぁ~、それは1番あかんやつですね。新兵って事はおそらく多少気分が悪くても言えなくて我慢したんでしょう。
夏の暑さに脱水、他にも悪条件が重なった結果、多くの人が限界を迎えて倒れたってところですかね」
「原因が分かってる今なら冷静に対応出来たでしょうけど、何も分からなかった当時はこのまま一般市民にも病が蔓延するんじゃないかって、王都では暴動まで起こって大変だったわ」
「懐かしいわねぇ、私はまだ子供だったけれどよく覚えているわ
あの時は離れた場所に一瞬で連絡出来る通信の魔道具が開発されたばかりで、戦争で使えるかの運用試験も兼ねていたはず。
新兵訓練を隠れ蓑にしてね。
幸か不幸か、通信の魔道具を使って被害状況を素早く把握出来たお陰で、流行り病の対処に追われて戦争どころではなくなったのよ」
「それにしても30年かかって対処法すら確立されてないのはおかしい気もしますが」
「病の研究は神殿の領分だから私からはなんとも言えないわね」
「神殿ですか、、、アストレア様、ちなみに病を治す魔法は存在しますか?」
「あるにはあるけれど、命に関わる病を治せるほど高度な魔法を使えるのは神殿でも数名しか居ないわ。
魔力の消費も激しくてホイホイ使えないから、回復魔法で体力を回復させて自然治癒に頼るのが一般的ね」
やはり魔法で怪我や病気が治せると、薬で治療する研究は進まないのだろうか?
薬があっても材料の入手や製薬に時間や労力がかかり過ぎると、金を払って魔法で治す方が結果的に安く済むなら薬の研究が進まないのは仕方ない
というよりも、病の研究をしているっていう『神殿』が怪しさ満載過ぎる
これはあかん方のテンプレまっしぐらやで(泣)
「これからは病もシンさんに頼れば何とかなるでしょ♪『パチン、パチパチ』はい、シンさんの番よ」
「あっ、はい!『パチン、パチパチパチ』アストレア様、今回はたまたま知っていただけですので頼られても困るのですが」
「心配しなくてもシンさんが知らない事は、誰にもどうする事も出来ないんだから問題無いわよ♪『パチン、パチ』」
「問題だらけだと思いますけど、あっ?!、、、パスです」
「ねぇシンさん、夏のお花見大会をやらないのは少し勿体ない気もするんだけど」
「大会は自由に出来ますけど今回はそういう訳には行かないので、それに個人でお花見するのは自由ですから。
オリビエさん、頼んでいた物は出来てますか?」
「勿論よ、設置の方も任せておいて!お花見大会に負けないくらい盛り上げて見せるから!」
「よろしくお願いします。」
パチン、パチパチパチ
「、、、パスです」
パチン、パチ
「パッ、パス(汗)」
パチン、パチパチパチパチ
「むむっ?!、、、参りました。」
「ふふっ、このリバーシというのは面白いわね、ルールは簡単なのに奥が深くて良いわ♪」
まさか、今日初めてリバーシを知ったアストレア様に負けてしまうなんて、、、
試作していたリバーシが完成したから会合の話し合いをしながら、片手間にプレイしていたとはいえ強過ぎやろ
俺が弱いだけか?
「あぁー!!メリルさんそこは駄目、そこに置かれちゃうと全部真っ白になっちゃうぅ~(泣)」
リバーシでメリルと対戦していたミリーさんは、どうやらパーフェクトゲームで負けたみたいだ
メリルは我が家で何回もリバーシで遊んでるからミリーさんが負けるのも仕方ない
「シンさん、リバーシの一般販売はしばらく待って貰えるかしら」
「アストレア様がそう仰るなら構いませんけど、何か問題があるのでしょうか?」
「皮肉な事にリバーシが楽し過ぎるのよ」
なっ、なんですとぉー?!
リバーシが楽しいなら良いじゃないか!と思ったら大問題がありました。
現在のキャラバンシティは景気が良い、今まで売れなかった物が高値で売れるようになったり、移住者が増えたり
キャラバンシティを拠点に活動する商会が増えた事で雇用も増え、そんなこんなで一般市民もお祝い事等特別な時には多少の贅沢を出来るまでになった
そして、生活に余裕が出来たら次に求めるのは何か、『娯楽』だ
娯楽の少ないこの国で娯楽といえば『酒』『女』『ギャンブル』は最早、三種の神器並に重要な物と言えるかもしれない
でだ、ルールも簡単で男女の差も身分の差も関係無く勝負が出来るリバーシは、ギャンブルの種目としては最高だろう
せっかくまともに生活出来るようになったのに、ギャンブルで人生を破滅させる人が大量に出るのはほぼ確定らしい
まぁリバーシが無かろうとギャンブルで人生を破滅させる人は沢山居るから、気休め程度にしかならないけど
まずは貴族の間で流行らせてから各地で定期的に大会を開催して、公営ギャンブルにするのが目標らしいです。
毎度の事ながらスケールが大きくなり過ぎて、おっさんにはよう分からんです。
貴族のなんやかんやはアストレア様にお任せするとして、俺は夏を楽しむんだ♪
俺達の夏は
まだまだこれからだぁーー!
つづく。
「ミリーさんそれってどういう理由で伝染するって判断してたんですか?」
「えっと、たしか30年くらい前かしら、夏の暑さに耐えてこそ屈強な兵士になれるという考えから、国王命令で夏に各領地で新兵訓練を行った事があるの
そしたら訓練中に体調を崩して倒れる人が続出、調べたらほぼ全ての領地で同じような状況だと分かって、国は伝染病と判断して今に到るってわけ」
「あぁ~、それは1番あかんやつですね。新兵って事はおそらく多少気分が悪くても言えなくて我慢したんでしょう。
夏の暑さに脱水、他にも悪条件が重なった結果、多くの人が限界を迎えて倒れたってところですかね」
「原因が分かってる今なら冷静に対応出来たでしょうけど、何も分からなかった当時はこのまま一般市民にも病が蔓延するんじゃないかって、王都では暴動まで起こって大変だったわ」
「懐かしいわねぇ、私はまだ子供だったけれどよく覚えているわ
あの時は離れた場所に一瞬で連絡出来る通信の魔道具が開発されたばかりで、戦争で使えるかの運用試験も兼ねていたはず。
新兵訓練を隠れ蓑にしてね。
幸か不幸か、通信の魔道具を使って被害状況を素早く把握出来たお陰で、流行り病の対処に追われて戦争どころではなくなったのよ」
「それにしても30年かかって対処法すら確立されてないのはおかしい気もしますが」
「病の研究は神殿の領分だから私からはなんとも言えないわね」
「神殿ですか、、、アストレア様、ちなみに病を治す魔法は存在しますか?」
「あるにはあるけれど、命に関わる病を治せるほど高度な魔法を使えるのは神殿でも数名しか居ないわ。
魔力の消費も激しくてホイホイ使えないから、回復魔法で体力を回復させて自然治癒に頼るのが一般的ね」
やはり魔法で怪我や病気が治せると、薬で治療する研究は進まないのだろうか?
薬があっても材料の入手や製薬に時間や労力がかかり過ぎると、金を払って魔法で治す方が結果的に安く済むなら薬の研究が進まないのは仕方ない
というよりも、病の研究をしているっていう『神殿』が怪しさ満載過ぎる
これはあかん方のテンプレまっしぐらやで(泣)
「これからは病もシンさんに頼れば何とかなるでしょ♪『パチン、パチパチ』はい、シンさんの番よ」
「あっ、はい!『パチン、パチパチパチ』アストレア様、今回はたまたま知っていただけですので頼られても困るのですが」
「心配しなくてもシンさんが知らない事は、誰にもどうする事も出来ないんだから問題無いわよ♪『パチン、パチ』」
「問題だらけだと思いますけど、あっ?!、、、パスです」
「ねぇシンさん、夏のお花見大会をやらないのは少し勿体ない気もするんだけど」
「大会は自由に出来ますけど今回はそういう訳には行かないので、それに個人でお花見するのは自由ですから。
オリビエさん、頼んでいた物は出来てますか?」
「勿論よ、設置の方も任せておいて!お花見大会に負けないくらい盛り上げて見せるから!」
「よろしくお願いします。」
パチン、パチパチパチ
「、、、パスです」
パチン、パチ
「パッ、パス(汗)」
パチン、パチパチパチパチ
「むむっ?!、、、参りました。」
「ふふっ、このリバーシというのは面白いわね、ルールは簡単なのに奥が深くて良いわ♪」
まさか、今日初めてリバーシを知ったアストレア様に負けてしまうなんて、、、
試作していたリバーシが完成したから会合の話し合いをしながら、片手間にプレイしていたとはいえ強過ぎやろ
俺が弱いだけか?
「あぁー!!メリルさんそこは駄目、そこに置かれちゃうと全部真っ白になっちゃうぅ~(泣)」
リバーシでメリルと対戦していたミリーさんは、どうやらパーフェクトゲームで負けたみたいだ
メリルは我が家で何回もリバーシで遊んでるからミリーさんが負けるのも仕方ない
「シンさん、リバーシの一般販売はしばらく待って貰えるかしら」
「アストレア様がそう仰るなら構いませんけど、何か問題があるのでしょうか?」
「皮肉な事にリバーシが楽し過ぎるのよ」
なっ、なんですとぉー?!
リバーシが楽しいなら良いじゃないか!と思ったら大問題がありました。
現在のキャラバンシティは景気が良い、今まで売れなかった物が高値で売れるようになったり、移住者が増えたり
キャラバンシティを拠点に活動する商会が増えた事で雇用も増え、そんなこんなで一般市民もお祝い事等特別な時には多少の贅沢を出来るまでになった
そして、生活に余裕が出来たら次に求めるのは何か、『娯楽』だ
娯楽の少ないこの国で娯楽といえば『酒』『女』『ギャンブル』は最早、三種の神器並に重要な物と言えるかもしれない
でだ、ルールも簡単で男女の差も身分の差も関係無く勝負が出来るリバーシは、ギャンブルの種目としては最高だろう
せっかくまともに生活出来るようになったのに、ギャンブルで人生を破滅させる人が大量に出るのはほぼ確定らしい
まぁリバーシが無かろうとギャンブルで人生を破滅させる人は沢山居るから、気休め程度にしかならないけど
まずは貴族の間で流行らせてから各地で定期的に大会を開催して、公営ギャンブルにするのが目標らしいです。
毎度の事ながらスケールが大きくなり過ぎて、おっさんにはよう分からんです。
貴族のなんやかんやはアストレア様にお任せするとして、俺は夏を楽しむんだ♪
俺達の夏は
まだまだこれからだぁーー!
つづく。
141
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる