テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
259 / 305
第8.5章 雨季から夏のなんやかんや

第229話 恋ぞつもりて悩みになりぬる

しおりを挟む
「うぉーーーー!!

終わった、終わりましたよシンさん!

さあ、一緒にアストレア様の元に参りましょう♪」


商業ギルドでミリーさんの仕事を代わりにしていたアルが、異常なまでの気合いとスピードで仕事を終わらせてくれたのは、とてもありがたく素直に感謝しているのだが


「待て待てー!なんでアルも一緒にアストレア様の所に行く事になっとんねん!」


貴族が関わる問題はアルと一緒の方が俺も助かるけど、アルに苦手意識を持っているメリルとニィナの機嫌が少し悪くなって、そのしわ寄せが全部俺に来るんだよ(泣)


「今更何を言っているのですか、流行り病の原因と対処法という、国の威信をかけて研究しても未だに解決されていない問題なのですよ。
アストレア様とじっくり話し合う必要があるに決まっているではないですか」


マジかー!

うすうす気付いてはいたけど、流行り病(熱中症)は思ってた以上に重要案件だった(汗)

しかし、この国には鑑定スキルを持った奴は、、、居ても結局原因と対処法は分からんか

俺の鑑定でも病名しか出なかったし、対処法も元世界の知識があったお陰だもんなぁ

こういうのは取り引きの手札として下手に持ってるより、無償公開してさっさと王国中に広めて価値を下げないと、利権争いで血が流れてもおかしくない

細かい事はアストレア様とアルに丸投げだけどな!


「それじゃあ、みんなでアストレア様の所に行きますか」


ザーーーーーーーーーーー!!


「・・・雨の勢いが凄いな」

「はい、雨季ですので」


雨季だから仕方ないとはいえ、雨の中行くの面倒だなぁ


「もう!おでん屋さんの時は雨でもはりきって出掛けてたんだから、雨なんて関係ないでしょ?早く行くよ!」

「わっ?!メリルさん待って!雨具出すからちょっとだけ待ってー(汗)」

「どうせ、雨だから行くの面倒とか思ってたんでしょ?おにいちゃんはほっとくとすぐに面倒くさがるんだから(怒)」


アハハハ、仰る通りで返す言葉も御座いません(汗)

それにしても危なかった

もう少しでメリルに背中を押されて、雨の中ビショビショに濡れながら行く所だったよ

メリルも含めてこの街の人達って街の中を移動するだけなら基本的に雨具を使わないんだよな

フランス人じゃないんだから

フランス人皆が傘とか雨具を使わないかは知らないけれど、元世界で俺が知り合ったフランス人は豪雨の時以外は傘を使わなくて

「日本人は濡れるの嫌いなんだね~♪」

って言われた事がある

まあこの街の人達は単純に雨具を買う金があるならパンを買うし、濡れても乾かせばいいだけだし、雨の日は基本外に出ないからな

そんな事より今は自分の為の雨具だよ、カッパでも良いんだけど今日は気分を変えて和傘で行こう♪

ただでさえ雨で憂鬱なんだから、せめて素敵柄の和傘を見ながら少しでもテンションを上げたい

バサッ、と

ギュッ!

ムニッ♪


「あのぅ、メリルさんにニィナさん、あまり近くに来られると歩き難いのですが」

「近くに行かないと濡れちゃうから」

「お嬢様の言う通りです。」


普通の傘より大きいとはいえ、そりゃあ1本の傘に3人入ればギュッと寄らないと濡れるよ

俺としては普通に1人1本のつもりだったんだけど、、、まあ両手に華で全力で嬉しいけども

今は快適な移動を優先したい


「シンさん、イチャイチャするのも良いですけど、早く行かないと日が暮れてしまいますよ♪」


ぐはぁ!!

なんてこった、あのアルにイジられてしまった

しかも、まったく言い返す余地が無い(悲)

でも、今は雨季だしそういう日もあるだろう

ニィナは俺の護衛としていつも一緒にいるから慣れてるけど、メリルとこうやって歩くのは初めてかな?

ニィナは分かり易く嬉しそうだけど、メリルの表情はちょっと分かり難い、でも機嫌は良さそうだ♪


俺はこの先もずっとメリルとニィナ、2人の笑顔を見ていたい

しかし、恋愛レベルが中2の俺ではいったいどうすれば、、、





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

処理中です...