232 / 303
第8章 空へ
第209話 レサト・グラフィアス
しおりを挟む
開けたままにした池田屋商会の扉から馬車が停車するのが見えた。
だけど公爵家のお嬢様が乗ってるわりには護衛が少ないような気がする
それにスコーピオン公爵家の紋の他にも見覚えのある紋が描かれていて、俺はあの紋何処かで見たような気がするんだけど、、、
商会の前に停車した馬車から最初に護衛らしき男が出て来たけど、商会の出入り口を警備している見廻組を見て警戒しているようだ。
隣に居るニィナをそっと見るけど全く反応無し
見廻組で充分対応可能か
まあニィナが反応するのはAランク以上の冒険者とか、ケイトと同等以上の実力を持った奴だろうからそんな奴がゴロゴロ居たら困る
ニィナが鍛えた見廻組は、個々の戦闘力はギリギリBランク冒険者程度らしいけど、集団で相手を制圧する戦法だから、Aランク冒険者でも2~3人ならどうにか出来る
そもそも、鍛えたからって短期間で全員Bランク冒険者相当の実力になるって、どんな鍛え方しとんねん!
池田屋商会の防衛能力が上がって嬉しいけども
さて、護衛に続いて馬車から下りて来たのは30歳くらいの男
あの男、何処かで会ったような、、、
俺が誰だったか思い出そうとしている間に男は護衛と共に商会の扉をくぐり、俺の前にやって来た。
「おおっ!シン殿、やはり貴方だったか久し振りだな」
「あ?!思い出した、あなたはグラフィアス商会の、、、えぇーと名前聞いてませんでしたね(汗)」
「あはははは、あの時は名乗らせて貰えずシン殿達は行ってしまわれたからな」
「あの時は急いでいましたので失礼致しました。改めて、私が池田屋商会会長のシン・ナガクラと申します。」
「今度はこちらもきちんと名乗らせて貰うよ、私はグラフィアス商会会長のレサト・グラフィアスです。まあシン殿と会った時はまだ会長では無かったのですがね(笑)」
俺とグラフィアス商会の出会いは
昨年サウスビーチに行った帰り道で偶然遭遇した、ケイトの闇の元凶、ラウール・サグェが護衛していた商会だ。
あの時は色々迷惑をかけてしまったので、キャラバンシティに来たらお互い利になる商売の話でもしようと言って別れたんだよな
「レサト殿、つかぬ事をお聞きしますが、馬車にスコーピオン公爵家の紋があるということは、レサト殿は公爵家の方なのでしょうか?」
「いやいや、ただの御用商会だよ。ペトルーシュカ様が池田屋商会の会長とお見合いをすると聞いて、シン殿の事を思い出してね
ペトルーシュカ様の荷運び役として同行させて貰ったんだ。」
「そうなのですね、私は商会の会長をやってはいますが商人としては若輩者、未だ勉強中の身ですから以前お会いした時もグラフィアス商会がスコーピオン公爵家の御用商会とは知らず、失礼な対応をしてしまい申し訳ありませんでした。」
「気にしないでくれ、御用商会と言っても公爵領の周辺でしか知られていないのだから
それに引き替え池田屋商会は今や王国中に名が知れ渡るほどの大商会ですからな、以前した約束もあるし商売の取引が出来れば公爵領にとっては莫大な利になると思って来たのですよ♪」
「あの時はグラフィアス商会が公爵家の御用商会とは知りませんでしたから、レサト殿が欲しがるような物があると良いのですが」
「ははは、欲しい物なら幾らでもあるよ、まずシン殿や従業員が着ている服だな、こんなデザインの服は見た事が無い
商会の警備をしている者達もそうだ、全員かなりの実力者なのだろう?それもあれほどの数を揃えるとは恐れ入ったよ。
私の護衛が1対1でなんとか勝てるかどうかの相手ばかりだと嘆いていたからね(笑)」
「そっ、そうですか、ハハハ(汗)」
レサト殿の隣で顔色を悪くしてばつが悪そうにしている護衛さん、なんか申し訳ない。
「おっと、大事な話を忘れていたよ、ペトルーシュカ様なのだがいったん宿に入って、身なりを整えてからこちらに来られるそうだ
少しばかり時間がかかると思う、それまでゆっくり話せないだろうか?」
「喜んで♪おーいアル、ペトルーシュカお嬢様が来られるまでここを任せて良いか?」
「かしこまりました。」
むむむ、何故かアルがニヤニヤして俺を見ているのだが、こんな時まで面倒くささを発揮しないで欲しい
「アル、何か問題か?」
「いえいえ、シンさんがグラフィアス商会の会長とお知り合いだったとは、人脈までも私の想像の斜め上を行く事に喜びが溢れてしまいました♪」
「レサト殿とは本当に偶然知り合っただけだよ」
「ふふふ、私はシンさんが言う偶然にとても興味をそそられるのですよ、偶然だけで大商会の会長にまでなったシンさんの隅々までね♪
レサト殿との事は是非後で詳しく教えて頂きたいですねぇ♪」
「はいはい、後でちゃんと教えてやるからここは頼んだぞ」
「かしこまりました♪」
はぁ~、最近は忙しくてアルに会う機会も減ってたんだけど、その分面倒くささがパワーアップしている気がするよ(悲)
「レサト殿お待たせしました、私の部屋に参りましょう。」
「シン殿、あの御方はサダルスウド侯爵領の領都、サウスビーチの商業ギルドマスター、アルヴェロヴェール様に見えるのですが、、、」
「ええ、仰る通りです。もしかして知り合いでしたか?良ければ同席させますけど」
「おっ、お気持ちだけで結構です!アルヴェロヴェール様に私ごときの為に、お時間を頂くなどと失礼な事は出来ません!」
「いやいや、商業ギルドのギルドマスターだった頃ならいざ知らず、今はマスターでは無いんですから、そこまで遠慮しなくても良いと思いますよ」
「むむむ、シン殿のその反応からするとご存知無い?それも仕方無いのか、この街はミリアリア様が居るし、南部地方とは管轄が違うし、、、」
レサト殿がなにやらブツブツ言い出したのだけど、優秀だけど面倒くさい男のアルは実は凄い奴だったのではなかろうか?
優秀だから凄いのは当然なんだけど、、、
そこはかとなく
面倒くさい予感がするぅーー(泣)
つづく。
だけど公爵家のお嬢様が乗ってるわりには護衛が少ないような気がする
それにスコーピオン公爵家の紋の他にも見覚えのある紋が描かれていて、俺はあの紋何処かで見たような気がするんだけど、、、
商会の前に停車した馬車から最初に護衛らしき男が出て来たけど、商会の出入り口を警備している見廻組を見て警戒しているようだ。
隣に居るニィナをそっと見るけど全く反応無し
見廻組で充分対応可能か
まあニィナが反応するのはAランク以上の冒険者とか、ケイトと同等以上の実力を持った奴だろうからそんな奴がゴロゴロ居たら困る
ニィナが鍛えた見廻組は、個々の戦闘力はギリギリBランク冒険者程度らしいけど、集団で相手を制圧する戦法だから、Aランク冒険者でも2~3人ならどうにか出来る
そもそも、鍛えたからって短期間で全員Bランク冒険者相当の実力になるって、どんな鍛え方しとんねん!
池田屋商会の防衛能力が上がって嬉しいけども
さて、護衛に続いて馬車から下りて来たのは30歳くらいの男
あの男、何処かで会ったような、、、
俺が誰だったか思い出そうとしている間に男は護衛と共に商会の扉をくぐり、俺の前にやって来た。
「おおっ!シン殿、やはり貴方だったか久し振りだな」
「あ?!思い出した、あなたはグラフィアス商会の、、、えぇーと名前聞いてませんでしたね(汗)」
「あはははは、あの時は名乗らせて貰えずシン殿達は行ってしまわれたからな」
「あの時は急いでいましたので失礼致しました。改めて、私が池田屋商会会長のシン・ナガクラと申します。」
「今度はこちらもきちんと名乗らせて貰うよ、私はグラフィアス商会会長のレサト・グラフィアスです。まあシン殿と会った時はまだ会長では無かったのですがね(笑)」
俺とグラフィアス商会の出会いは
昨年サウスビーチに行った帰り道で偶然遭遇した、ケイトの闇の元凶、ラウール・サグェが護衛していた商会だ。
あの時は色々迷惑をかけてしまったので、キャラバンシティに来たらお互い利になる商売の話でもしようと言って別れたんだよな
「レサト殿、つかぬ事をお聞きしますが、馬車にスコーピオン公爵家の紋があるということは、レサト殿は公爵家の方なのでしょうか?」
「いやいや、ただの御用商会だよ。ペトルーシュカ様が池田屋商会の会長とお見合いをすると聞いて、シン殿の事を思い出してね
ペトルーシュカ様の荷運び役として同行させて貰ったんだ。」
「そうなのですね、私は商会の会長をやってはいますが商人としては若輩者、未だ勉強中の身ですから以前お会いした時もグラフィアス商会がスコーピオン公爵家の御用商会とは知らず、失礼な対応をしてしまい申し訳ありませんでした。」
「気にしないでくれ、御用商会と言っても公爵領の周辺でしか知られていないのだから
それに引き替え池田屋商会は今や王国中に名が知れ渡るほどの大商会ですからな、以前した約束もあるし商売の取引が出来れば公爵領にとっては莫大な利になると思って来たのですよ♪」
「あの時はグラフィアス商会が公爵家の御用商会とは知りませんでしたから、レサト殿が欲しがるような物があると良いのですが」
「ははは、欲しい物なら幾らでもあるよ、まずシン殿や従業員が着ている服だな、こんなデザインの服は見た事が無い
商会の警備をしている者達もそうだ、全員かなりの実力者なのだろう?それもあれほどの数を揃えるとは恐れ入ったよ。
私の護衛が1対1でなんとか勝てるかどうかの相手ばかりだと嘆いていたからね(笑)」
「そっ、そうですか、ハハハ(汗)」
レサト殿の隣で顔色を悪くしてばつが悪そうにしている護衛さん、なんか申し訳ない。
「おっと、大事な話を忘れていたよ、ペトルーシュカ様なのだがいったん宿に入って、身なりを整えてからこちらに来られるそうだ
少しばかり時間がかかると思う、それまでゆっくり話せないだろうか?」
「喜んで♪おーいアル、ペトルーシュカお嬢様が来られるまでここを任せて良いか?」
「かしこまりました。」
むむむ、何故かアルがニヤニヤして俺を見ているのだが、こんな時まで面倒くささを発揮しないで欲しい
「アル、何か問題か?」
「いえいえ、シンさんがグラフィアス商会の会長とお知り合いだったとは、人脈までも私の想像の斜め上を行く事に喜びが溢れてしまいました♪」
「レサト殿とは本当に偶然知り合っただけだよ」
「ふふふ、私はシンさんが言う偶然にとても興味をそそられるのですよ、偶然だけで大商会の会長にまでなったシンさんの隅々までね♪
レサト殿との事は是非後で詳しく教えて頂きたいですねぇ♪」
「はいはい、後でちゃんと教えてやるからここは頼んだぞ」
「かしこまりました♪」
はぁ~、最近は忙しくてアルに会う機会も減ってたんだけど、その分面倒くささがパワーアップしている気がするよ(悲)
「レサト殿お待たせしました、私の部屋に参りましょう。」
「シン殿、あの御方はサダルスウド侯爵領の領都、サウスビーチの商業ギルドマスター、アルヴェロヴェール様に見えるのですが、、、」
「ええ、仰る通りです。もしかして知り合いでしたか?良ければ同席させますけど」
「おっ、お気持ちだけで結構です!アルヴェロヴェール様に私ごときの為に、お時間を頂くなどと失礼な事は出来ません!」
「いやいや、商業ギルドのギルドマスターだった頃ならいざ知らず、今はマスターでは無いんですから、そこまで遠慮しなくても良いと思いますよ」
「むむむ、シン殿のその反応からするとご存知無い?それも仕方無いのか、この街はミリアリア様が居るし、南部地方とは管轄が違うし、、、」
レサト殿がなにやらブツブツ言い出したのだけど、優秀だけど面倒くさい男のアルは実は凄い奴だったのではなかろうか?
優秀だから凄いのは当然なんだけど、、、
そこはかとなく
面倒くさい予感がするぅーー(泣)
つづく。
176
お気に入りに追加
868
あなたにおすすめの小説
ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる