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第8章 空へ
第208話 想イ想ワレ
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今日はいよいよ、アレサンドロ・ヴァン・スコーピオン公爵の4女
ペトルーシュカお嬢様とお見合いの日だ。
俺は気合いを入れて毎度お馴染み、海上自衛隊第3種夏制服を着て池田屋商会の本店でペトルーシュカお嬢様が来るのを待っている
今日は従業員一同にも制服を着て貰っていて、商会の役職者は俺と同じ幹部制服
一般従業員は士・曹用の制服を着て貰い
見廻組も警備の為に全員集合させて万全の態勢だ。
貴族と会う時の護衛はいつもはケイトなんだけど、今日はニィナが護衛として俺に付いている
珍しくニィナがどうしてもって言うので許可したんだけど、凄く心配だ。
あんまり言いたくないけどニィナは俺の奴隷だ、奴隷というのは家畜と同じかそれ以下の存在と考えるのが一般的で
だからなのか、ニィナを嫌らしい目で見て大金を積んで「売れ」と言う馬鹿な奴が定期的に現れるので
そんな奴には雷魔法でバチバチッと気絶させてごみ捨て場にポイしている
そして貴族にとって奴隷というのは家畜以下の存在という認識の奴が多いから、そんな奴等は奴隷に対して『失礼』などという概念はそもそも存在しない
だから今日のお見合い相手のペトルーシュカお嬢様が、ニィナに対して失礼な発言をしたら、俺はブチ切れてしまうだろう。
ちなみに、俺は男女平等の考えだから理由さえあれば相手が女性であろうと遠慮無く殴る主義だ。
まあいざとなれば回復魔法で怪我を治せるからこそ出来る事なのだが。
奴隷には奴隷の証である奴隷紋が身体の何処かに刻まれる。
だから服の下とか見えない場所に奴隷紋がある場合、普通は見ただけで奴隷かどうかを判断は出来ない
当然ながら、奴隷紋を直接確認する以外にも奴隷かどうかを見極める方法はある
奴隷紋は魔法で作った物だから特有の魔力を帯びていて、一定以上の魔力を持っていれば簡単に察知する事が出来るらしい
俺は何故か察知出来ないんだけど、生活魔法しか使えないし
魔法の基礎も全然知らないからそういうのが関係しているのかもしれない
こうやって改めて考えると、最初に出会った貴族がアストレア様とゲオルグ様で本当に良かったよ。
「なぁニィナ、今日の護衛はケイトと代わっても良かったんだぞ」
「私ではお役に立てないでしょうか?」
「護衛ならニィナが居てくれるのが1番良いけどさ、相手は公爵家のお嬢様だから、ニィナに失礼な事を言うかも知れないだろ」
「私は何を言われても気にしません、お気遣い感謝致します。」
「まあそうなんだろうけど、俺は他人に興味が無い分、大切な人が傷付けられるのは我慢出来ないよ」
「ふふっ、嬉しいけど困った主様。ねぇ周りを見て。あなたが居なくなったら困る人達がこんなに沢山居るのよ、この人達を見てもまだ他人って言えるのかしら?」
「それは、、、」
ニィナに言われて商会の中を見渡す
面倒くさい男のアルに、俺がスカウトしたライラとアリアの兄妹
猫耳のミーナ、キツネ耳のスージィー、犬耳のマックス、他にも沢山の従業員が居る
そして今ここには居ないけど、露店で働いてるニック、スナック、アンさんの他にも、こども園や製麺所、宿屋で働いてる人達
その皆を他人と呼ぶのは、、、
もう出来ないな、皆俺の大切な愉快な仲間だから
「もう他人じゃなくなった人達がこんなに沢山居るじゃない、だから私の為だけに無茶はしないで
最初は皆奴隷として仕方なくあなたに従っていたかもしれない、お腹一杯美味しい食事が食べられるからだったかもしれない
でもね
あなたは私達を奴隷とか、種族が違うとか関係無くきちんと向き合って接してくれたわ、ここに居る皆はそれが何より嬉しかったのよ
だから、皆あなたの為に頑張ろうって思ってくれてる、それはあなたが他人に興味を持っていた何よりの証拠
たとえ今ここであなたの奴隷で無くなったとしても
ほとんどがあなたの為に残ってくれるわ」
「そこは、、、嘘でも全員って言う所じゃないの?」
「私はあなたの奴隷だもの、嘘は吐けないわ」
「じゃあしょうがないか」
「ええ、しょうがない事なの♪」
「ふふっ」
「「あははははは♪」」
「ねぇ、それよりお嬢様の事は大丈夫なの?」
「うーん、やっぱり怒ってる?」
「どうしてそう思うの?」
「お見合いの事はちゃんとメリルに話したんだけど、それ以来なんか機嫌が悪い、、、のかな?女心が分からない俺でもそう感じるんだから、ニィナなら当然分かってるんだろ?」
「お嬢様は頭が良いから今回のお見合いの必要性も理解されてるはず、でも、理解出来ても納得出来るかは別だから」
「お見合いが終わったらフォローしないといけないか、出来ればニィナにも援護して欲しいんだけど」
「それじゃあ、野菜のお菓子で良いわよ」
「また難しい注文を、、、トマトのゼリーとニンジンのケーキで良いかな?」
「ふふっ、ダメ元だったけれど言ってみるものね♪分かったわ、お藤お母さんにも援護をお願いしておくわね」
「ありがとうございます。なぁニィナ」
「なにかしら?」
「いつものニィナも好きだけど、今のニィナの方が俺は好きだよ」
「っ?!、、、あっ、主様!ふっ、不意打ちは、だだだだ駄目でございます(照)」
あらら、喋り方が元に戻っちゃったよ、普段から普通に喋ってくれて良いんだけどな
もし、1番最初に出会ったのがニィナだったら、、、
という考えはメリルにもニィナにも失礼だよな
想いの答えは必ず伝える、だからもう少しだけ待っていて欲しい
今はお見合いを無事乗りきるのが先だ!
「ご主人様、スコーピオン公爵家の紋を掲げた馬車が来ました!」
ついに来たか、緊張するなぁ
「全員整列、出迎えの準備を!」
「「「「「はっ!」」」」」
つづく。
ペトルーシュカお嬢様とお見合いの日だ。
俺は気合いを入れて毎度お馴染み、海上自衛隊第3種夏制服を着て池田屋商会の本店でペトルーシュカお嬢様が来るのを待っている
今日は従業員一同にも制服を着て貰っていて、商会の役職者は俺と同じ幹部制服
一般従業員は士・曹用の制服を着て貰い
見廻組も警備の為に全員集合させて万全の態勢だ。
貴族と会う時の護衛はいつもはケイトなんだけど、今日はニィナが護衛として俺に付いている
珍しくニィナがどうしてもって言うので許可したんだけど、凄く心配だ。
あんまり言いたくないけどニィナは俺の奴隷だ、奴隷というのは家畜と同じかそれ以下の存在と考えるのが一般的で
だからなのか、ニィナを嫌らしい目で見て大金を積んで「売れ」と言う馬鹿な奴が定期的に現れるので
そんな奴には雷魔法でバチバチッと気絶させてごみ捨て場にポイしている
そして貴族にとって奴隷というのは家畜以下の存在という認識の奴が多いから、そんな奴等は奴隷に対して『失礼』などという概念はそもそも存在しない
だから今日のお見合い相手のペトルーシュカお嬢様が、ニィナに対して失礼な発言をしたら、俺はブチ切れてしまうだろう。
ちなみに、俺は男女平等の考えだから理由さえあれば相手が女性であろうと遠慮無く殴る主義だ。
まあいざとなれば回復魔法で怪我を治せるからこそ出来る事なのだが。
奴隷には奴隷の証である奴隷紋が身体の何処かに刻まれる。
だから服の下とか見えない場所に奴隷紋がある場合、普通は見ただけで奴隷かどうかを判断は出来ない
当然ながら、奴隷紋を直接確認する以外にも奴隷かどうかを見極める方法はある
奴隷紋は魔法で作った物だから特有の魔力を帯びていて、一定以上の魔力を持っていれば簡単に察知する事が出来るらしい
俺は何故か察知出来ないんだけど、生活魔法しか使えないし
魔法の基礎も全然知らないからそういうのが関係しているのかもしれない
こうやって改めて考えると、最初に出会った貴族がアストレア様とゲオルグ様で本当に良かったよ。
「なぁニィナ、今日の護衛はケイトと代わっても良かったんだぞ」
「私ではお役に立てないでしょうか?」
「護衛ならニィナが居てくれるのが1番良いけどさ、相手は公爵家のお嬢様だから、ニィナに失礼な事を言うかも知れないだろ」
「私は何を言われても気にしません、お気遣い感謝致します。」
「まあそうなんだろうけど、俺は他人に興味が無い分、大切な人が傷付けられるのは我慢出来ないよ」
「ふふっ、嬉しいけど困った主様。ねぇ周りを見て。あなたが居なくなったら困る人達がこんなに沢山居るのよ、この人達を見てもまだ他人って言えるのかしら?」
「それは、、、」
ニィナに言われて商会の中を見渡す
面倒くさい男のアルに、俺がスカウトしたライラとアリアの兄妹
猫耳のミーナ、キツネ耳のスージィー、犬耳のマックス、他にも沢山の従業員が居る
そして今ここには居ないけど、露店で働いてるニック、スナック、アンさんの他にも、こども園や製麺所、宿屋で働いてる人達
その皆を他人と呼ぶのは、、、
もう出来ないな、皆俺の大切な愉快な仲間だから
「もう他人じゃなくなった人達がこんなに沢山居るじゃない、だから私の為だけに無茶はしないで
最初は皆奴隷として仕方なくあなたに従っていたかもしれない、お腹一杯美味しい食事が食べられるからだったかもしれない
でもね
あなたは私達を奴隷とか、種族が違うとか関係無くきちんと向き合って接してくれたわ、ここに居る皆はそれが何より嬉しかったのよ
だから、皆あなたの為に頑張ろうって思ってくれてる、それはあなたが他人に興味を持っていた何よりの証拠
たとえ今ここであなたの奴隷で無くなったとしても
ほとんどがあなたの為に残ってくれるわ」
「そこは、、、嘘でも全員って言う所じゃないの?」
「私はあなたの奴隷だもの、嘘は吐けないわ」
「じゃあしょうがないか」
「ええ、しょうがない事なの♪」
「ふふっ」
「「あははははは♪」」
「ねぇ、それよりお嬢様の事は大丈夫なの?」
「うーん、やっぱり怒ってる?」
「どうしてそう思うの?」
「お見合いの事はちゃんとメリルに話したんだけど、それ以来なんか機嫌が悪い、、、のかな?女心が分からない俺でもそう感じるんだから、ニィナなら当然分かってるんだろ?」
「お嬢様は頭が良いから今回のお見合いの必要性も理解されてるはず、でも、理解出来ても納得出来るかは別だから」
「お見合いが終わったらフォローしないといけないか、出来ればニィナにも援護して欲しいんだけど」
「それじゃあ、野菜のお菓子で良いわよ」
「また難しい注文を、、、トマトのゼリーとニンジンのケーキで良いかな?」
「ふふっ、ダメ元だったけれど言ってみるものね♪分かったわ、お藤お母さんにも援護をお願いしておくわね」
「ありがとうございます。なぁニィナ」
「なにかしら?」
「いつものニィナも好きだけど、今のニィナの方が俺は好きだよ」
「っ?!、、、あっ、主様!ふっ、不意打ちは、だだだだ駄目でございます(照)」
あらら、喋り方が元に戻っちゃったよ、普段から普通に喋ってくれて良いんだけどな
もし、1番最初に出会ったのがニィナだったら、、、
という考えはメリルにもニィナにも失礼だよな
想いの答えは必ず伝える、だからもう少しだけ待っていて欲しい
今はお見合いを無事乗りきるのが先だ!
「ご主人様、スコーピオン公爵家の紋を掲げた馬車が来ました!」
ついに来たか、緊張するなぁ
「全員整列、出迎えの準備を!」
「「「「「はっ!」」」」」
つづく。
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