テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
224 / 305
第8章 空へ

第201話 お供えと思惑と創造神様と

しおりを挟む
今日は急にアストレア様からお願いされて王国十二家、アレサンドロ・ヴァン・スコーピオン公爵の4女

ペトルーシュカお嬢様とお見合いする事になってしまった。

お見合いして気に入らなければ断っても良いらしいが

どうなることやら




さて、寝る前に創造神様にお供えをしよう。

浮島で手に入れたミキサーとオーブンのお礼がしたくて、何をお供えしようか悩んでいたら遅くなってしまった。

それからゴレさんと無線で連絡がとれるのか確認もしたい



いつものように部屋の机に白い布を敷いてから、女神像を置いてその前にお供え物を並べていく

今日のお供え物は、浮島でゴレさん達に貰ったマンゴーとメロンを贅沢に使ったフルーツサンド、それぞれホイップクリームとカスタードクリームの二種類ずつ用意した。

今日はおまけでカツサンドも用意してある、せっかくふわふわの食パンが作れるようになったから、是非色んな味を楽しんで頂きたいからな



お供え物の準備が出来たのは良いんだけど、、、

俺の背中越しからお供え物を見つめる、我が家の腹ぺこ娘がひとり


「ねぇダンナ、お祈りが終わったらお供え物は食べて良い?」

「ケイトはさっきも夕食のデザートで食べただろ、まだ食べるのかよ」

「だって勿体ないじゃんかぁ、スミレも食べたいよね、、、ダンナ早くお祈りしないとスミレが寝ちゃいそうだよ」



「そうだな、スミレおいで」

「、、、うん」

「スミレは俺が抱っこするからケイトとカスミは俺の横に座ってくれ」

「あいよ~」「はい」



ケイト、カスミ、スミレの3人は創造神様のお供えに参加するのは初めてだ、創造神様の事を教えた時は驚くかと思ったんだけど

俺が神様と話せるくらいは驚く事じゃないらしい、もう俺は生涯びっくり人間扱いから逃れられないのかもしれない、、、


それはいいけど、我が家のみんなには俺と一緒にお供えに参加していれば、創造神様から神の加護とか貰えないかなぁって思っている

神獣であるフェンリルのリリーが神の加護的な存在なのかもしれないけど、我が家のみんなを守る手段はいくらあっても困らないからな。




「あー、あー、創造神様お供えを用意しました、お受け取り下さい。」


「「あっ?!」」


今日もお供え物はうっすら光って消えていく、ケイトとカスミは初めてだから驚くのも当然だな


「こんばんは、いつもお供えありがとうございます」

「やっほぉー、浮島から帰って来たんやね、楽しかったやろ?」

「色々ありましたけど、、、結果的にはとても楽しい所でした。本日は浮島の景品がとても良い物でしたので、お礼も兼ねたお供えにしてみました」


「これカツサンドや♪甘い食べ物もええけどこういうのもウチは好きなんよ、ありがとうなー♪」

「ちーちゃん!いつも言ってるけど先に食べないでよ」

「そない言うてもこのカツサンド熱々やからはよ食べんと冷めてしまうで、冷めても美味しいんがカツサンドの良いところやけど、せっかくやし熱々食べたいやん」

「もぉ!だからって話が終わるまでは待ちなさいよ、私だって早く食べたいんだから!」



カツサンドのカツは揚げたてをパンに挟んで直ぐに収納に入れたから、熱々でサクサクのままなんだけど

創造神様とちーちゃんさんは、本当に食べるのが好きなんだな




「そうそう、2番目以降の試練にも景品用意してるから近くに行った時は寄ってみたらええわ。お供えありがとうな、ほなばいばーい」

「はぁ、なんだかバタバタしてごめんなさいね」

「いえ、お気になさらず。お聞きしたいのですが、浮島に居るゴーレムと無線機で連絡はとれるでしょうか?」

「無線機、、、通信機能の事ね、う~ん、そういう機能は無いけどあとで付けておくわ

それじゃあ、私達はあなた達の事を見守っていますので、さようなら~、、、

あっ?!

ちーちゃんフルーツサンドも先に食べないでよ、カスタードクリームのやつ全部食べたら私本気で怒るからね!」


プツン・・・


えぇーと、次はもっと沢山お供え物を用意しておこう

俺のお供えが原因で神々の喧嘩が勃発して、その余波で世界が滅んだら申し訳ないからな(汗)


「ケイト、カスミどうだった、声聞こえた?」

「なぁ~んにも、ずっとダンナがひとりで喋ってただけ。でもお供えが消えちゃったよぉ(泣)」


ケイトよ、そこまで悲しまれると俺が何も食べさせてないみたいじゃないか


「カスミはどうやった?」

「私も何も聞こえませんでした」


あらら、カスミの耳がぺしょんとしてしまった、カスミは気にしぃやから接し方には気をつけてあげんとな

今度みんなを連れて教会でお供えしてみようかな

以前に教会行った時はうっすら創造神様の姿が見えたくらいやし、声だけならケイトとカスミにも聞こえるかもしれん

それにしても創造神様は最後に『あなた達の事は見守っています』って言ってたよな

こっちの考えはお見通しって事か、これからも頑張ってお供えしますので、末永くよろしくお願い致します。



「おにいちゃん、終わった?」

「ちょうど終わったところだよ」


考え事をしてたら部屋の外で待ってたメリルとニィナが入って来た、次はお藤さんも加えてみんなで教会に行ってみようかな

創造神様もこっちが無茶を言わなければ人数が増えても気にしなさそうだしな


「ねぇケイト、女神様の声聞こえた?」

「全然ダメ~、お嬢は聞こえるんだろ?」

「何となく聞こえるだけだよ」

「ねぇダンナ、王都の教会連中にお嬢が女神様の声が聞こえるって知られたら、聖女として連れていこうとするかもしれないけどどうするの?」

「お嬢様に危害を加える連中など、私があの世に送って差し上げます。」

「ニィナさん、あの世に送る前に相手と話し合ってからにしような。普通に断ったら諦めてくれないかな?」

「ん~、どうだろ、聖女なんて噂だけで見た事無いからどんな扱いなのか知らないんだよなぁ」

「いざとなったらアストレア様になんとかして貰うから大丈夫だろ、そんな事よりスミレが寝ちゃったからみんなも寝るぞー」

「「「「はーい」」」」

「みんなおやすみ」

「「「「おやすみなさーい」」」」






はぁ

異世界小説でよくある通り、教会を管理する組織ってのは凄く面倒くさそうだ

この国がどうなのかは実際に見てないから分からんけど、保険として後ろ楯となってくれる貴族は増やしておくべきか

まずはピスケス伯爵家と同じ中立派に所属する王国十二家の

ライブラ公爵

アリエス辺境伯

タウラス子爵


この3家の当主には一度会うべきだな、アストレア様の話ではこの3家は陰で色々と助けてくれてるらしいし

直接お礼もしたかったからちょうどいいや


その前に、俺にはお見合いを無事に乗りきるっていう試練が待ってるんだけど


我が家のみんなの笑顔を守る為

お見合いでも何でも、かかって来いやー!!





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

処理中です...