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第8章 空へ

第198話 組合となんやかんや

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「すぅ、すぅ、すぅ」


泣き疲れたのかミリーさんは俺の膝を枕にして寝てしまった。

ミリーさんにはお世話になってるし、泣いて頼まれたら組合に入るしかないか。

年2回行われる大きな会合に俺が出席すれば、月1回の定例会には代理人でも良いって話だし


そもそも、組合が多過ぎやねん!

商人組合、露店組合、服飾組合、布組合、穀物組合、トマト組合


服飾と布組合は別々にせんでも一緒でええやろ

それは許すとしても

トマト組合って、トマトだけなんで独立して組合作っとんねん!

それやったら、小麦とかトウモロコシも組合作ったらな可哀想やろ!!


とまあこんな感じで池田屋商会に関係する組合だけでこれだけあるんだもの、そりゃあミリーさんも嫌になって泣いちゃうって

ガゼル親方の工房だと、銅や鉄といった取り扱う材料それぞれに組合が存在して、プラスで工房組合、職人組合、薪組合、ハンマー組合etc...

組合作り過ぎーー(泣)



コンコン、ガチャ

「ミリアリア様ぁ~、アストレア様が来られましたよぉ、、、」

「こんにちはウェンディさんお邪魔してます」

「えぇーっと、、、シン殿ごゆっくりどうぞぉ」

「ん?、、、ちゃうちゃう!ウェンディさんが想像するような『ムフフ』な状況じゃないですから、ドア閉めなくていいですから(汗)」

「シン殿くらいの立場なら愛人が沢山居るのは普通ですから、私は気にしませんよぉ」

「いやいやいや!俺が気にしますから、、、そうだ!最近素敵になったウェンディさんと一緒に居たいなぁ」

「もう、シン殿はしょうがないなぁ、最近素敵になった私が一緒に居てあげます♪」



ほっ

良かった、、、のだろうか?

あのままウェンディさんに部屋から出て行かれると、誤解されたままの噂が広がる可能性があったから仕方ないのだけど

未だに俺の膝を枕にしてミリーさんが寝てるし、左腕はウェンディさんががっつり掴んでるし

事態は悪化してる気がする

そういえばさっきまで俺の左側に座って居たニィナは何処に行ったんだ?


居たよ、窓際で優雅にお茶とお菓子を堪能してるけど、ニィナってこういう時絶対助けてくれないんだよな

なんとなく俺が困ってるのを見て楽しんでる気もするけど、楽しんでくれてるならまあいいか



「ウェンディ、いつまで待たせるの?、、、あら♪シンさん来てたのね」


開いたままの部屋のドアから顔を覗かせたのはアストレア様だった

ウェンディさんはアストレア様が来られた事を伝えに来たのを忘れてたよ(汗)



「こんにちはアストレア様、ミリーさんに用事ですか?」

「用って程でも無いんだけど、、、お邪魔だったかしら♪」

「アストレア様、邪魔とか全く無いですから!」

「ふぁ~~、、、あれ?アストレア様じゃないですかこんにちは、私いつの間にか寝てたのね、シン君ごめんね」

「いえ、謝る事ではないですよ」

「ふふふ、ミリアリアとシンさんがいつの間にそんなに仲が良くなったのか気になるわぁ♪」

「シン君との仲は良いですけどアストレア様の思ってるような関係ではありませんよ、言わば盟友ですね」




ミリーさんとは仲は良いけど不思議と恋人とかそういう仲にはなりそうもない、俺もミリーさんも今の所そういう相手を求めてないって言うのが1番の原因だろうけど



「盟友ねぇ、今はそういう事にしておきましょ♪それはさておき、ここに元気な姿のシンさんとニィナさんが居るって事は、浮島から無事に帰って来れたのね?」

「はい、みんな無事に帰って来ました。アストレア様の都合が良ければ、このまま浮島の報告会をしようと思うのですが、どうでしょう?」

「是非、浮島の事を聞かせて頂戴♪ドラゴンは連れて帰って来なかったみたいで残念だけど、それに代わるお土産話はあるんでしょ?」

「ソウデスネ、アハハハ(汗)」



もう少しでドラゴンと一緒に帰って来るところだったし、いずれドラゴンが遊びに来る可能性は高いんだけど

絶対に言わないでおこう


アストレア様ならドラゴンにお願いして、どこかの馬鹿な貴族にドラゴンブレスを放つくらいは笑顔でやりそうだからな


馬鹿な貴族が灰になろうがどうでもいいんだけど、俺は平穏な毎日を過ごしたいんだよ



それより、カスミが頑張って書いてくれた報告書で浮島報告会だ!





つづく。
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