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第8章 空へ
第192話 やる気スイッチ、オン!
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エルフの研修生、コニーとフラニーに喜んで貰う為、やる気スイッチが入った俺は
朝食を食べてさっそくガゼル親方の工房にやってきた。
毎度の事だけど、この時間は仕事の真っ最中で親方に声をかけても聞こえないんだよ
今も作業場からリズミカルなハンマーの音が聞こえる、邪魔はしたくないけどさてどうするか
トントントントン
「朝から良い匂いがすると思ったらやっぱりシンさんだったのね♪ニィナさんもいらっしゃい」
「オリビエさんお邪魔してます、やっぱり匂いますか?」
「ええ、ウィスキーみたいに少しずつ熟成されてるから3年後が楽しみよ♪」
「ソウデスカ、あははは(汗)」
俺が工房に来ると匂いを嗅ぎ付けてなのか、いつも直ぐに2階からオリビエさんが降りて来てくれるのは良いのだけど
以前から言われているように、俺の身体から出てる匂いって何なんだろう?ドワーフにしか分からないらしいけど
深く考えてもしょうがないか
「シンさんとニィナさんのその様子だと、全員無事に浮島から帰って来れたのね?」
「はい、昨日無事に帰って来ました、でも浮島にドラゴンが居て死ぬかと思いましたよ(笑)」
「ふふふ、ドラゴンに会ったのに無事なのも凄いけど、その事を笑って話せる人も珍しいわよ。ドラゴンもシンさんの匂いに気を取られたのかしら?」
「まあ、当たらずとも遠からずって感じですね、アハハハハ(汗)」
さすがに焼き肉のタレでドラゴンの気を逸らしたとか、格好悪くて言い難いよ
「それで今日はどんな御用かしら?」
「実は浮島で見つけた魔道具が料理を作るのに役立つ物だったんで、新しい料理の為に道具を作って欲しくて来ました」
「新しい料理?!それはお酒に合う料理なのかしら?」
「勿論お酒に合う物もありますし、新しいお菓子も作ろうと思ってます。」
「まあ素敵♪それなら最優先でやらなくっちゃ!
どんな道具が必要なのかしら?」
「えぇーと、パンを焼く時に使う物で、こんな感じの金属製の箱にスライドさせてはめ込むフタも付けて欲しいのと、大きさの違う物を幾つか作って頂きたいんです」
「あら、本当に箱なのねぇ」
俺が作って欲しいのは食パンを焼く時に生地を入れる型だ、その絵をオリビエさんに見せている
フタを閉めて焼けば、四角い食パンに
フタを外して焼けば、山形の食パンになる
元日本人としてはふわふわの食パンでカツサンドが食べたいじゃないか!
俺ならスキルの「店」で食パンも買えるけど、自分で作った焼きたてパンの方が絶対美味しいはず!
それにチート能力に頼り過ぎるのもよくないだろう。
「ねぇシンさん、パンを焼くなら水漏れは気にしなくて良いのかしら?」
「ええ、大きな隙間があるのは困りますけど、水漏れは気にしなくていいです」
「それなら直ぐに出来るからちょっと待っててちょうだい
おじいちゃーん、仕事よー!」
ドタドタドタドタ
「こらっ!ワシはいつからお前のおじいちゃんになったんじゃ!」
オリビエさんに呼ばれて2階から降りて来たのは長老のジャックおじいちゃん
「良いじゃないの、スミレちゃんにおじいちゃんって呼ばれてから気に入ってるんでしょ(笑)」
「ふんっ、可愛い幼子(おさなご)に言われるのと、生意気な小娘に言われるのとでは全然違うわ!
おう♪シン殿ではないか生意気な娘がいつも世話になっとるの、仕事というのはシン殿か?」
「はい、そうです。オリビエさんが持ってる絵の道具を作って欲しいんです」
「この絵よ」
「どれどれ、、、箱じゃな、何に使うんじゃ?」
「それにパン生地を入れて焼くんです、今までよりふわふわのパンを作ろうと思いまして」
「ふわふわのパン?シン殿が売っとるパンは既にふわふわだと思うんじゃが」
「まあそうなんですけど、先に他の誰かに今よりふわふわのパンを作られてしまうと、儲けの機会を失ってしまうので」
「なるほど、実に商人らしい考え方じゃの、だからこそ旨い酒も造れるというものか
よし!直ぐ作るから待っとれ」
トンテンカン、トンテンカン、トントトンテンカッカカッカーン♪
おおっ!
ジャックさんが作業場に行ったと思ったら、曲を奏でてるかのような軽快なハンマー音が聞こえて来た。
「ふふっ、驚くでしょ、あんなジジイでも金属加工の技術は凄いのよ
でも長老になってからは纏め役の仕事ばかりしてて凄く疲れた顔をしてたわ、今から思うと長老の仕事は向いて無かったのかもね
こっちに来てからは農具とか馬具作りで忙しいんだけど毎日楽しそうなの、シンさんの売ってくれるお酒もあるしね♪」
「まあ俺に出来るのは良い商品を売る事だけですけどね」
「それで充分よ♪」
「シン殿待たせたな、どうじゃ?」
はやっ!
オリビエさんと話していた短時間にもかかわらず、ジャックさんの手には大きさの違う型が幾つもあるではないか
これが長老の実力というやつなのか?!
ジャックさんから手渡された型を確認してみるけど、完璧やな♪
「ジャックさんありがとうございます。これなら美味しいパンが焼けそうです!」
「この程度なら朝飯前じゃよ」
「忘れる所でした!ドワーフの皆さんへのお土産は、浮島で手に入れた魔道具でお酒に合う料理を作って持って来ますので、楽しみにしてて下さいね♪
では失礼します。」
次は商業ギルドへ、れっつらごー!
つづく。
朝食を食べてさっそくガゼル親方の工房にやってきた。
毎度の事だけど、この時間は仕事の真っ最中で親方に声をかけても聞こえないんだよ
今も作業場からリズミカルなハンマーの音が聞こえる、邪魔はしたくないけどさてどうするか
トントントントン
「朝から良い匂いがすると思ったらやっぱりシンさんだったのね♪ニィナさんもいらっしゃい」
「オリビエさんお邪魔してます、やっぱり匂いますか?」
「ええ、ウィスキーみたいに少しずつ熟成されてるから3年後が楽しみよ♪」
「ソウデスカ、あははは(汗)」
俺が工房に来ると匂いを嗅ぎ付けてなのか、いつも直ぐに2階からオリビエさんが降りて来てくれるのは良いのだけど
以前から言われているように、俺の身体から出てる匂いって何なんだろう?ドワーフにしか分からないらしいけど
深く考えてもしょうがないか
「シンさんとニィナさんのその様子だと、全員無事に浮島から帰って来れたのね?」
「はい、昨日無事に帰って来ました、でも浮島にドラゴンが居て死ぬかと思いましたよ(笑)」
「ふふふ、ドラゴンに会ったのに無事なのも凄いけど、その事を笑って話せる人も珍しいわよ。ドラゴンもシンさんの匂いに気を取られたのかしら?」
「まあ、当たらずとも遠からずって感じですね、アハハハハ(汗)」
さすがに焼き肉のタレでドラゴンの気を逸らしたとか、格好悪くて言い難いよ
「それで今日はどんな御用かしら?」
「実は浮島で見つけた魔道具が料理を作るのに役立つ物だったんで、新しい料理の為に道具を作って欲しくて来ました」
「新しい料理?!それはお酒に合う料理なのかしら?」
「勿論お酒に合う物もありますし、新しいお菓子も作ろうと思ってます。」
「まあ素敵♪それなら最優先でやらなくっちゃ!
どんな道具が必要なのかしら?」
「えぇーと、パンを焼く時に使う物で、こんな感じの金属製の箱にスライドさせてはめ込むフタも付けて欲しいのと、大きさの違う物を幾つか作って頂きたいんです」
「あら、本当に箱なのねぇ」
俺が作って欲しいのは食パンを焼く時に生地を入れる型だ、その絵をオリビエさんに見せている
フタを閉めて焼けば、四角い食パンに
フタを外して焼けば、山形の食パンになる
元日本人としてはふわふわの食パンでカツサンドが食べたいじゃないか!
俺ならスキルの「店」で食パンも買えるけど、自分で作った焼きたてパンの方が絶対美味しいはず!
それにチート能力に頼り過ぎるのもよくないだろう。
「ねぇシンさん、パンを焼くなら水漏れは気にしなくて良いのかしら?」
「ええ、大きな隙間があるのは困りますけど、水漏れは気にしなくていいです」
「それなら直ぐに出来るからちょっと待っててちょうだい
おじいちゃーん、仕事よー!」
ドタドタドタドタ
「こらっ!ワシはいつからお前のおじいちゃんになったんじゃ!」
オリビエさんに呼ばれて2階から降りて来たのは長老のジャックおじいちゃん
「良いじゃないの、スミレちゃんにおじいちゃんって呼ばれてから気に入ってるんでしょ(笑)」
「ふんっ、可愛い幼子(おさなご)に言われるのと、生意気な小娘に言われるのとでは全然違うわ!
おう♪シン殿ではないか生意気な娘がいつも世話になっとるの、仕事というのはシン殿か?」
「はい、そうです。オリビエさんが持ってる絵の道具を作って欲しいんです」
「この絵よ」
「どれどれ、、、箱じゃな、何に使うんじゃ?」
「それにパン生地を入れて焼くんです、今までよりふわふわのパンを作ろうと思いまして」
「ふわふわのパン?シン殿が売っとるパンは既にふわふわだと思うんじゃが」
「まあそうなんですけど、先に他の誰かに今よりふわふわのパンを作られてしまうと、儲けの機会を失ってしまうので」
「なるほど、実に商人らしい考え方じゃの、だからこそ旨い酒も造れるというものか
よし!直ぐ作るから待っとれ」
トンテンカン、トンテンカン、トントトンテンカッカカッカーン♪
おおっ!
ジャックさんが作業場に行ったと思ったら、曲を奏でてるかのような軽快なハンマー音が聞こえて来た。
「ふふっ、驚くでしょ、あんなジジイでも金属加工の技術は凄いのよ
でも長老になってからは纏め役の仕事ばかりしてて凄く疲れた顔をしてたわ、今から思うと長老の仕事は向いて無かったのかもね
こっちに来てからは農具とか馬具作りで忙しいんだけど毎日楽しそうなの、シンさんの売ってくれるお酒もあるしね♪」
「まあ俺に出来るのは良い商品を売る事だけですけどね」
「それで充分よ♪」
「シン殿待たせたな、どうじゃ?」
はやっ!
オリビエさんと話していた短時間にもかかわらず、ジャックさんの手には大きさの違う型が幾つもあるではないか
これが長老の実力というやつなのか?!
ジャックさんから手渡された型を確認してみるけど、完璧やな♪
「ジャックさんありがとうございます。これなら美味しいパンが焼けそうです!」
「この程度なら朝飯前じゃよ」
「忘れる所でした!ドワーフの皆さんへのお土産は、浮島で手に入れた魔道具でお酒に合う料理を作って持って来ますので、楽しみにしてて下さいね♪
では失礼します。」
次は商業ギルドへ、れっつらごー!
つづく。
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