テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
212 / 303
第8章 空へ

第189話 いつかまた会う、その日まで

しおりを挟む
「みんな、お宝は袋に詰めたかー?ってニィナ、カスミ、スミレはお宝は持って帰らないの?」

「はい、我々は主様と一緒に居られればそれで充分です。それにお世話になった方へのお土産は確保していますので問題ありません。」

「カスミとスミレも?」

「宝石を持っていても使い道が無いので、出来れば畑にあった野菜を少し譲って頂けないか、ゴレさんに聞いて欲しいです」

「スミレはメロンの方が好きー♪」



スミレはそうだよねー(笑)


そりゃあ宝石の使い道なんて売るかパーティーに付けて行くくらいだけどさぁ、お宝より野菜が欲しいとか欲が無さ過ぎやろ



「そういうダンナもお宝は持って無いじゃん」

「俺はこのオーブンとミキサーがあるからいいんだよ、宝石付きの宝箱もあるしな。
ケイトもあんまりお宝持って帰らないんだな」

「そりゃあダンナと一緒に居たら金は使わないから、記念品として少しあれば充分だよ」


うーむ、金に困ってないとお宝を見てもこんな感じになるのか


「メリルもお宝には興味無い?」

「自由に持っていって良いなら遠慮する理由は無いかな、将来外国に商会の支店を出す時の資金として、私は袋に入るだけ持って帰る!

王国の金貨や銀貨だと価値が低くなっちゃう可能性もあるからちょうど良いよ♪」


ははは、メリルはやっぱそうでなくっちゃな♪ちょっと安心したよ、俺も宝箱に入るだけ持って帰るか


おや?

あそこにあるのって

『鑑定』

ほぉほぉ♪


「ケイト良いもん見つけたぞ、これは持って帰れよ、ほれ」


俺は宝の山から見つけた物をケイトに放り投げる


「おっとっと、、、剣かぁ、こういう剣って実用性が無いんだよなぁ」

「そう言わずに鞘から抜いてみろよ、驚くぞ」

「そうなの?どれどれ、、、へぇー白っぽい刀身って珍しいね」

「その剣、俺の鑑定だとミスリル製だよ、しかも柄にハミングバードが彫られてるだろ、その効果で素早さが上がるらしいぞ」

「おとぎ話に出てくる伝説の剣じゃあるまいし、そんなとんでもない剣があるはずないよ」


俺もそう思うけど鑑定で出てるからなぁ、ケイトは鞘から剣を抜いてブンブン素振りして確かめてるけど、どうかな?


ヒュヒュン!

「うわっ?!本当に素早さが上がったよスゲェな浮島のお宝、あたしこれ持って帰る♪」

「良かったな、これでアイアンメイデンじゃなくてハミングバードって二つ名に変更だな♪」

「ダンナァ、それは言わないでよぉ(泣)でもハミングバードかぁ、えへへ♪」

「それじゃあみんな、忘れ物は無いな?それぞれのお宝は俺の収納に入れてと

ゴレさん、畑の野菜少し欲しいんだけだ良いかな?」

「畑の作物は好きなだけ持って行って良いよ、ボクしか食べないから、それに飽きちゃったしね

ねぇ、キミ達に付いて行ったら美味しい食べ物が食べれるの?さっきの凄く良い匂いはキミがやったんでしょ?」

「そうですけど付いて来るのは困るかなぁ、街にドラゴンが居たら騒ぎになりそうですし(汗)」

「むぅ、、、迷惑かけちゃうと女神様に叱られるからなぁ」


「ドラゴンさん落ち込まないで下さい、さっきの匂いの正体はコレです。コレなら沢山差し上げますので」


俺はスキルの「店」から目についたタレ各種を、片っ端から購入してドラゴンさんの前に並べていく


「わぁ♪微妙に容器が違うけど、全部味が違うの?」

「そうですね、あんまり期待されても困るんですけど、これなら生でも焼いた物でも、肉と野菜を飽きずに食べれると思います。」

「嬉しいなぁありがとう♪ねぇねぇ、人の姿をしてたら街に行っても大丈夫だよね、女神様にお願いして人化の魔法教えて貰うから、そしたら遊びに行くね♪」

「そっ、そうですか」



とりあえず今すぐ来るとかじゃなくて良かった。

新キャラはもうお腹いっぱいで要らないんだけど

異世界小説定番の、フェニックス、リヴァイアサン、妖狐、ヴァンパイア、ドリアード、リッチ等々

他にも各種ドラゴンが存在してるんだろうなぁ

だってここは

『テンプレな異世界』なんだから



今はいつ来るか分からないテンプレ展開より、我が家に帰るのが先だ!


「みんな、お宝も手に入れたしさっさと我が家に帰るぞ!」

「「「「「おー!」」」」」


急いで洞窟から出ると、辺りは薄暗くなり始めている


畑の野菜も急いで収納して、、、

よし!


「みんなハーネス付けるから集まってくれ、、、ニィナ、ケイト、そっちに先にパラシュート付けるけど準備は良いか?」

「ひぃぃぃ、良くは無いけど早くしてよぉ」

「それじゃあパラシュート装着っと」

ブワッ

「ケイト殿、女は度胸ですよ♪」

「だから、こんな度胸は要らないよぉーーーーーー(泣)」



あははは、ケイトはやっぱり高いところが苦手か



「よぉーし、ニィナとケイトも無事に飛んだし、俺達も行こうか」

「うん♪」「はい!」「あい!」


「ドラゴンさんにゴレさん、浮島探検楽しかったです、それじゃあ行きますね」

ブワッ

「気を付けてねぇ~♪」

「「「「ばいばーい♪」」」」



よし、ちょっと薄暗くて分かり難いけど、予測通り浮島はキャラバンシティの近くを通ってるな




「ご主人様!あそこを見て下さい」


カスミに言われた方向を見ると



ドラゴンさんと、ゴーレムのゴレさんが手を振っている

しかもその横には


ルファ、ベーやん、ガンマン、ルタ姐、イプ兄、ゼタ丸、イーさんも並んでこちらに手を振ってくれているじゃないか


まったく


ゴーレムなのにそんな事されたら、別れが寂しくなっちゃうだろ


「写真撮っておきますね『カシャカシャカシャカシャ』次に会えるのは10年後なんですよね・・・」

「カスミ大丈夫や、案外もっと早く会えるかもしれん」

「はい!」


ふふっ、カスミは知らんやろうけど、別れ際にゴレさんから渡された物がある


『50.6MHz』と彫られた石だ


これは無線機の周波数だろう、だからこの
周波数に合わせればゴレさんと連絡がとれるはず

だから、連絡すれば毎年来てくれるんじゃないかな

帰ったら無線機のアンテナ建てなくっちゃ♪

  
心の定義なんて曖昧だし、ゴーレムに感情があるのかも全然分からんけど

俺とゴレさんは確かに心を通わせたはず

だからゴレさん

次に会う時まで元気で


「ほな、またなぁーー!」






つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

Retry 異世界生活記

ダース
ファンタジー
突然異世界に転生してしまった男の物語。 とある鉄工所で働いていた佐藤宗則。 しかし、弱小企業であった会社は年々業績が悪化。 ある日宗則が出社したら、会社をたたむと社長が宣言。 途方に暮れた宗則は手持ちのお金でビールと少しのつまみを買い家に帰るが、何者かに殺されてしまう。 ・・・その後目覚めるとなんと異世界!? 新たな生を受けたその先にはどんなことが!? ほのぼの異世界ファンタジーを目指します。 ぬるぬる進めます。 だんだんと成長するような感じです。 モフモフお付き合いおねがいします。 主人公は普通からスタートするのでゆっくり進行です。 大きな内容修正や投稿ペースの変動などがある場合は近況ボードに投稿しています。 よろしくお願いします。

底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。  運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。  憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。  異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

処理中です...