テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
199 / 303
第8章 空へ

第176話 浮島

しおりを挟む
「なぁアル、浮島には俺達冒険者を慰めてくれるお宝はあるのかな?」

「おや?シンさんはいつから冒険者に?」

「何を言ってんだよ、男はいつだって人生という名の大海原を突き進む冒険者だろ♪」

「あはははははは、そうですかシンさんもこういう事には人並みに興味があったのですねぇ」

「それでどうなんだ、お宝とか古代文明の遺跡とかあるのか?」


「残念ながら浮島に関して分かっている事はほとんどありません、およそ10年毎にバルゴ王国の上空を通過する、という事以外はほぼ謎です。

浮島がいつから存在して、何処から来て何処に行くのか。一応記録ではバルゴ王国が出来る以前から存在していたみたいですけど、その記録もたまたま発見された個人の日記に書かれていた物なんです。

あの浮島には古代人が住んでいるとか、神が住む神殿があるとか、ドラゴンが住んでいるとか

おとぎ話のような事は色々言われていますけど、それらを実際に見たという記録はありません、王都に行けばもう少し詳しい事も分かるかもしれませんけど」


「いいじゃないか、謎だらけの空に浮かぶ島♪誰も行った事が無いなら、お宝があっても手付かずって事だからな。アルは浮島を直接見た事あるのか?」

「ありますよ、20年ほど前に海の上を飛んでいく浮島を見ました、と言っても岸から遠くて豆粒みたいでしたけど」

「なるほど、やっぱこういうのは詳しそうな人、、、じゃなくてエルフに聞くのが1番だな、長命種だから浮島を何回も見てるかもしれんし

そうと決まればパイ生地じゃなくて、サクサク生地をさっさと作るぞ!」



サクサク生地が完成したら商業ギルドに

れっつらごー♪



◇     ◇     ◇



そんなこんなで、サクサク生地をサクッと完成させて

やって来ました商業ギルド!




「という訳で、浮島について教えて下さいミリーさん♪」

「どういう訳かは知らないけれど、次は浮島大会でもするのかしら?本当にシン君と居ると退屈しないわ

この間もお花見大会やってたんでしょ?
凄く盛り上がったらしいじゃない、ガゼルさんが新しいお酒の楽しみ方が出来たって喜んでたわよ♪

わざわざ、夏に綺麗な花を咲かせる植物を聞きに来たぐらいだから(笑)」



おぅふ!

なんか知らんけど定期的に大会をする事になってやしませんか(汗)

しかし親方は花見が相当気に入ったんだな、夏なら川に川床作っても良いかもしれん

酒を美味しく飲む為だって言ったら親方が無料で作ってくれるだろうしな



「えぇーと、今のところ次の大会は未定です。とりあえず浮島についての情報が欲しいんですよね、長命種のエルフなら浮島の記録もあるんじゃないかと思ったのですが」

「寿命が長い分、人族と比べれば実際に浮島を見たエルフは多いでしょうね、里の長老達の中にはバルゴ王国が建国される前から生きてる方もおられるわ

でも、浮島の詳しい情報となるとほぼ無いわね。100年ほど前にとある国が本気で浮島に行こうと計画していたけれど、、、」

「おぉ!やっぱりそういう事を考えた国がありましたか、それでどうやって浮島に行ったんですか?」

「ロープの先にフックを付けて、魔法で飛ばして浮島に引っ掛ける方法だったの。ロープを飛ばす為に相当な人数のエルフも協力したから記録が残ってるのよ」

「案外単純な方法だったんですね、それで浮島には行けたんですか?」

「もし行けていたら記録が残ってるわよ。ロープを飛ばして浮島に引っ掛けるまでは良かったの

でもその後がねぇ」



ミリーさんが何とも言えない複雑な表情をしているという事は


「もしかして、ミリーさんもその計画に協力したんですか?」

「ええ、かなりの依頼料を貰ったらしくて里のエルフ総出で協力したから、当時子供だった私も駆り出されてね

そして浮島のルート上にある1番高い山からロープを飛ばしたの、その長さは約1200メートル、フックが無事に浮島に引っ掛かり

いざロープを登ろうとしたんだけど、50メートルも登れなかったと思うわ、装備が重過ぎたのね

浮島は未知の領域、どんなに軽装にしてもそれなりの装備が要るわ、それに加えて地上に帰還する為の装備も必要だし、それらを背負って1200メートルもロープを登るなんて、、、ねぇ?」



そもそもロープを登る訓練はしなかったのだろうか?

しなかったんだろうなぁ、少なくとも本番を想定した訓練はしなかったはず、もししていれば

1200メートルもほぼ垂直にロープを登るのが現実的じゃない事ぐらいは分かっただろう





その後もミリーさんから色々と話を聞いたけど、浮島に関して新しい情報は無かった。

だがしかし

分からない事があれば直接聞けばいいじゃない♪


そうと決まればさっさと我が家に帰ってお供え物を用意しなければ!






つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。  運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。  憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。  異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

処理中です...