テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
199 / 305
第8章 空へ

第176話 浮島

しおりを挟む
「なぁアル、浮島には俺達冒険者を慰めてくれるお宝はあるのかな?」

「おや?シンさんはいつから冒険者に?」

「何を言ってんだよ、男はいつだって人生という名の大海原を突き進む冒険者だろ♪」

「あはははははは、そうですかシンさんもこういう事には人並みに興味があったのですねぇ」

「それでどうなんだ、お宝とか古代文明の遺跡とかあるのか?」


「残念ながら浮島に関して分かっている事はほとんどありません、およそ10年毎にバルゴ王国の上空を通過する、という事以外はほぼ謎です。

浮島がいつから存在して、何処から来て何処に行くのか。一応記録ではバルゴ王国が出来る以前から存在していたみたいですけど、その記録もたまたま発見された個人の日記に書かれていた物なんです。

あの浮島には古代人が住んでいるとか、神が住む神殿があるとか、ドラゴンが住んでいるとか

おとぎ話のような事は色々言われていますけど、それらを実際に見たという記録はありません、王都に行けばもう少し詳しい事も分かるかもしれませんけど」


「いいじゃないか、謎だらけの空に浮かぶ島♪誰も行った事が無いなら、お宝があっても手付かずって事だからな。アルは浮島を直接見た事あるのか?」

「ありますよ、20年ほど前に海の上を飛んでいく浮島を見ました、と言っても岸から遠くて豆粒みたいでしたけど」

「なるほど、やっぱこういうのは詳しそうな人、、、じゃなくてエルフに聞くのが1番だな、長命種だから浮島を何回も見てるかもしれんし

そうと決まればパイ生地じゃなくて、サクサク生地をさっさと作るぞ!」



サクサク生地が完成したら商業ギルドに

れっつらごー♪



◇     ◇     ◇



そんなこんなで、サクサク生地をサクッと完成させて

やって来ました商業ギルド!




「という訳で、浮島について教えて下さいミリーさん♪」

「どういう訳かは知らないけれど、次は浮島大会でもするのかしら?本当にシン君と居ると退屈しないわ

この間もお花見大会やってたんでしょ?
凄く盛り上がったらしいじゃない、ガゼルさんが新しいお酒の楽しみ方が出来たって喜んでたわよ♪

わざわざ、夏に綺麗な花を咲かせる植物を聞きに来たぐらいだから(笑)」



おぅふ!

なんか知らんけど定期的に大会をする事になってやしませんか(汗)

しかし親方は花見が相当気に入ったんだな、夏なら川に川床作っても良いかもしれん

酒を美味しく飲む為だって言ったら親方が無料で作ってくれるだろうしな



「えぇーと、今のところ次の大会は未定です。とりあえず浮島についての情報が欲しいんですよね、長命種のエルフなら浮島の記録もあるんじゃないかと思ったのですが」

「寿命が長い分、人族と比べれば実際に浮島を見たエルフは多いでしょうね、里の長老達の中にはバルゴ王国が建国される前から生きてる方もおられるわ

でも、浮島の詳しい情報となるとほぼ無いわね。100年ほど前にとある国が本気で浮島に行こうと計画していたけれど、、、」

「おぉ!やっぱりそういう事を考えた国がありましたか、それでどうやって浮島に行ったんですか?」

「ロープの先にフックを付けて、魔法で飛ばして浮島に引っ掛ける方法だったの。ロープを飛ばす為に相当な人数のエルフも協力したから記録が残ってるのよ」

「案外単純な方法だったんですね、それで浮島には行けたんですか?」

「もし行けていたら記録が残ってるわよ。ロープを飛ばして浮島に引っ掛けるまでは良かったの

でもその後がねぇ」



ミリーさんが何とも言えない複雑な表情をしているという事は


「もしかして、ミリーさんもその計画に協力したんですか?」

「ええ、かなりの依頼料を貰ったらしくて里のエルフ総出で協力したから、当時子供だった私も駆り出されてね

そして浮島のルート上にある1番高い山からロープを飛ばしたの、その長さは約1200メートル、フックが無事に浮島に引っ掛かり

いざロープを登ろうとしたんだけど、50メートルも登れなかったと思うわ、装備が重過ぎたのね

浮島は未知の領域、どんなに軽装にしてもそれなりの装備が要るわ、それに加えて地上に帰還する為の装備も必要だし、それらを背負って1200メートルもロープを登るなんて、、、ねぇ?」



そもそもロープを登る訓練はしなかったのだろうか?

しなかったんだろうなぁ、少なくとも本番を想定した訓練はしなかったはず、もししていれば

1200メートルもほぼ垂直にロープを登るのが現実的じゃない事ぐらいは分かっただろう





その後もミリーさんから色々と話を聞いたけど、浮島に関して新しい情報は無かった。

だがしかし

分からない事があれば直接聞けばいいじゃない♪


そうと決まればさっさと我が家に帰ってお供え物を用意しなければ!






つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...