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第8章 空へ
第163話 月日は流れて
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朝、目が覚めると
窓から射し込む光が部屋の中の見慣れた光景を照らしている
俺の右腕をうさぎ耳のカスミが、左腕を犬耳のスミレが掴んで気持ち良さそうに寝ていて、それを見ているだけで癒される
カスミとスミレの2人は獣人であり、とてもぷりてぃーな姉妹だ♪
そんなぷりてぃーなスミレの隣で寝ているのがメリル、元はスラムで暮らしていた人族の少女で、俺が雇った従業員第1号でもある
成人した現在は池田屋商会の副会長をしていて、とても頼りになる俺の右腕的存在だ♪
メリルの隣で寝ているのがケイト、メリルの護衛兼雑用係として雇った人族の女性だ。
Aランク冒険者で剣の腕前はピカイチ、肉と酒が好きで、何回注意しても腹を出して寝るのが治らない困った奴だ(笑)
反対側に視線を移して、うさぎ耳のカスミの隣で寝ているのは、お藤さん
本名は、熊耳藤(くまがみふじ)32歳の女性で、俺と同じ日本人の転生者だ。
幼い頃に日本人だった前世の記憶が甦り、前世の知識を利用してサウスビーチで婦人服店を経営していたのだが
なんやかんやあって、現在は池田屋商会の服飾&下着部門の責任者をしている。
そして、お藤さんに抱きしめられて寝ているのがニィナ、俺の護衛として雇ったダークエルフの女性
野菜と日本食が好きで、最近はぬか漬けに挑戦している
きゅうりは抜群に旨かったんだけど、トマトのぬか漬けは、、、アリなのか?ナシなのか?とても判断に迷う物も出てきたりする
そんな愉快な仲間達と共に俺はひとつ屋根の下、毎日楽しく過ごしている。
おっと!
同じ屋根の下では無いけど、我が家の裏庭にはニックとスナックという双子の兄弟がテント暮らしをして居るんだけど、、、
割愛しよう、全員説明してたら時間もかかるし面倒だからな。
さてさて、のんびりしている場合じゃ無い、今日はみんなで花見に行くんだ♪
気付けば季節はすっかり春
キャラバンシティの近くに春と秋にピンク色の綺麗な花を咲かせる、桜っぽい木が既に満開になっている
冬の間は何をしていたのかって?
ちゃんと仕事をしていたよ
味噌、醤油、日本酒の詳しい製法を書いた手紙をアストレア様に送ったり
牛のミルクを使った料理やチーズの作り方を勉強したり、砂糖が出回るようになったから新しいお菓子を試作したり
冬はやっぱり寒いから家から出なくてもいい仕事を中心にしてた。
街の人達も冬は畑仕事が出来ないし雪が積もる地域からは人が来ないし
山の動物も冬眠して狩れないから家に籠って内職するしか無くて
それにつられて俺も我が家で出来る仕事を中心にしていたら、あっという間に春だった(笑)
腹も減ったし朝食にしよう。花見に持って行くお弁当の準備もしないといけないから忙しいんだよ
「みんな、起きろー!」
「うにゅ~、ごしゅじんしゃま、おはよござるましゅ」
「はい、スミレおはよう」
ペチペチ
「ケイト朝だぞー」
「・・・んにゃ?」
今日もケイトの腹をペチペチ叩いて起こしてやる、ケイトはいつになったら腹を出して寝る癖が治るのやら
「メリル、カスミおはよう」
「ふぁ~、おにいちゃんおはよう」
「ご主人様、おはようございます!」
「お藤さん、おはようございます。ニィナもおはよう」
「あるじさまぁ~(泣)」
ありゃ?
ニィナが情けない声を出しているから何事かと思ったら、お藤さんが寝ぼけてニィナを抱きしめたまま開放してくれないだけか
ニィナよ
とりあえずお藤さんが起きるまで本当の母と思って温もりを堪能していなさい
我が家のみんなは誰かに『甘える』という事を基本的にしないからな
俺が暖かい目で見ているのに気付いたのか、ニィナも諦めたようだし
本気で嫌がってるなら助けてあげるけど、その必要は無さそうだ。
1階の厨房に移動して朝食作りだ
「「シン殿おはようございます!」」
「おう、コニー、フラニーおはよう」
俺が厨房に行くと、冬の終わりに研修生として眠れる森から来たエルフの女性
コニーとフラニーが元気に挨拶をしてくれる。
2人の名前がなんとなく似ているけれど血の繋がりは無い。本名は凄く長くて略したらたまたま似た名前になったらしい
2人の見た目は15~16歳の中高生っぽい、エルフだからあの見た目でも100歳を越えてるかもしれんが
俺は女性の年齢に興味が無いから何歳でも構わない
ただし人生の大先輩である可能性はあるから最低限の礼儀は忘れないようにしなければ
そんな2人は我が家に住み込みで働きながら人族の生活を学んだり、お藤さんの仕事を手伝ったりしている
今朝も練習で作った割烹着を着て、これまた練習で作った雑巾を手に掃除をしてくれている
さて
今日の朝食は簡単に
蒸し鳥、ベーコン、レタス、スクランブルエッグをコッペパンに好きなだけ挟んでマヨネーズをかけるだけのお手軽サンドイッチ
あとは飲み物と果物を置いておけば良いだろう
次はお花見用のお弁当作りだ。
先ずはタケノコの炊き込みご飯おにぎり
お弁当と言えば俺は『おにぎり』がないとお弁当って感じがしないんだ。
次に
エビフライ、鳥のから揚げ、たまご焼き、定番メニューの他は、おでん、串カツ、山菜の天ぷら、魚の煮付け等々
これ以外にも色々と事前に準備して収納に入れてある
「「アニキ、おはよう!」」
「会長、おはようございまーす。」
俺が弁当の準備をしていると、厨房の裏口から入って来たのはニックとスナックとアンさんだ
この3人は露店でクレープの販売をしていて、今ではクレープはキャラバンシティの名物になるくらいの人気商品だ。
最近ではトルティーヤっぽい物に肉と野菜を挟んだしょっぱい系も販売していて、新たな客層の獲得に成功、、、
したのは良かったんだけど、人気が出過ぎて大変らしい
ローテーションを組んでちゃんと休めるようにはしているのだが、人を増やさないと駄目か?
後日アルに相談してみよう。
「ニックにスナックも準備は出来てるか?」
「勿論だよアニキ♪昨日から兄ちゃんと準備してたからバッチリだよ」
「あの会長、わざわざ花を見に行く意味が分からないのですが。勿論花は綺麗ですし観賞用として部屋に飾ったりもしますけど、皆で行く事なのでしょうか?」
「まあ行けば分かる、としか説明のしようが無いんだけどな」
「、、、そうですか」
アンさんの疑問は当然だろう、花見って3対7くらいで、花を見る以外の事が目的だったりするからなぁ
準備も出来たし
お花見に、れっつらごー♪
つづく。
窓から射し込む光が部屋の中の見慣れた光景を照らしている
俺の右腕をうさぎ耳のカスミが、左腕を犬耳のスミレが掴んで気持ち良さそうに寝ていて、それを見ているだけで癒される
カスミとスミレの2人は獣人であり、とてもぷりてぃーな姉妹だ♪
そんなぷりてぃーなスミレの隣で寝ているのがメリル、元はスラムで暮らしていた人族の少女で、俺が雇った従業員第1号でもある
成人した現在は池田屋商会の副会長をしていて、とても頼りになる俺の右腕的存在だ♪
メリルの隣で寝ているのがケイト、メリルの護衛兼雑用係として雇った人族の女性だ。
Aランク冒険者で剣の腕前はピカイチ、肉と酒が好きで、何回注意しても腹を出して寝るのが治らない困った奴だ(笑)
反対側に視線を移して、うさぎ耳のカスミの隣で寝ているのは、お藤さん
本名は、熊耳藤(くまがみふじ)32歳の女性で、俺と同じ日本人の転生者だ。
幼い頃に日本人だった前世の記憶が甦り、前世の知識を利用してサウスビーチで婦人服店を経営していたのだが
なんやかんやあって、現在は池田屋商会の服飾&下着部門の責任者をしている。
そして、お藤さんに抱きしめられて寝ているのがニィナ、俺の護衛として雇ったダークエルフの女性
野菜と日本食が好きで、最近はぬか漬けに挑戦している
きゅうりは抜群に旨かったんだけど、トマトのぬか漬けは、、、アリなのか?ナシなのか?とても判断に迷う物も出てきたりする
そんな愉快な仲間達と共に俺はひとつ屋根の下、毎日楽しく過ごしている。
おっと!
同じ屋根の下では無いけど、我が家の裏庭にはニックとスナックという双子の兄弟がテント暮らしをして居るんだけど、、、
割愛しよう、全員説明してたら時間もかかるし面倒だからな。
さてさて、のんびりしている場合じゃ無い、今日はみんなで花見に行くんだ♪
気付けば季節はすっかり春
キャラバンシティの近くに春と秋にピンク色の綺麗な花を咲かせる、桜っぽい木が既に満開になっている
冬の間は何をしていたのかって?
ちゃんと仕事をしていたよ
味噌、醤油、日本酒の詳しい製法を書いた手紙をアストレア様に送ったり
牛のミルクを使った料理やチーズの作り方を勉強したり、砂糖が出回るようになったから新しいお菓子を試作したり
冬はやっぱり寒いから家から出なくてもいい仕事を中心にしてた。
街の人達も冬は畑仕事が出来ないし雪が積もる地域からは人が来ないし
山の動物も冬眠して狩れないから家に籠って内職するしか無くて
それにつられて俺も我が家で出来る仕事を中心にしていたら、あっという間に春だった(笑)
腹も減ったし朝食にしよう。花見に持って行くお弁当の準備もしないといけないから忙しいんだよ
「みんな、起きろー!」
「うにゅ~、ごしゅじんしゃま、おはよござるましゅ」
「はい、スミレおはよう」
ペチペチ
「ケイト朝だぞー」
「・・・んにゃ?」
今日もケイトの腹をペチペチ叩いて起こしてやる、ケイトはいつになったら腹を出して寝る癖が治るのやら
「メリル、カスミおはよう」
「ふぁ~、おにいちゃんおはよう」
「ご主人様、おはようございます!」
「お藤さん、おはようございます。ニィナもおはよう」
「あるじさまぁ~(泣)」
ありゃ?
ニィナが情けない声を出しているから何事かと思ったら、お藤さんが寝ぼけてニィナを抱きしめたまま開放してくれないだけか
ニィナよ
とりあえずお藤さんが起きるまで本当の母と思って温もりを堪能していなさい
我が家のみんなは誰かに『甘える』という事を基本的にしないからな
俺が暖かい目で見ているのに気付いたのか、ニィナも諦めたようだし
本気で嫌がってるなら助けてあげるけど、その必要は無さそうだ。
1階の厨房に移動して朝食作りだ
「「シン殿おはようございます!」」
「おう、コニー、フラニーおはよう」
俺が厨房に行くと、冬の終わりに研修生として眠れる森から来たエルフの女性
コニーとフラニーが元気に挨拶をしてくれる。
2人の名前がなんとなく似ているけれど血の繋がりは無い。本名は凄く長くて略したらたまたま似た名前になったらしい
2人の見た目は15~16歳の中高生っぽい、エルフだからあの見た目でも100歳を越えてるかもしれんが
俺は女性の年齢に興味が無いから何歳でも構わない
ただし人生の大先輩である可能性はあるから最低限の礼儀は忘れないようにしなければ
そんな2人は我が家に住み込みで働きながら人族の生活を学んだり、お藤さんの仕事を手伝ったりしている
今朝も練習で作った割烹着を着て、これまた練習で作った雑巾を手に掃除をしてくれている
さて
今日の朝食は簡単に
蒸し鳥、ベーコン、レタス、スクランブルエッグをコッペパンに好きなだけ挟んでマヨネーズをかけるだけのお手軽サンドイッチ
あとは飲み物と果物を置いておけば良いだろう
次はお花見用のお弁当作りだ。
先ずはタケノコの炊き込みご飯おにぎり
お弁当と言えば俺は『おにぎり』がないとお弁当って感じがしないんだ。
次に
エビフライ、鳥のから揚げ、たまご焼き、定番メニューの他は、おでん、串カツ、山菜の天ぷら、魚の煮付け等々
これ以外にも色々と事前に準備して収納に入れてある
「「アニキ、おはよう!」」
「会長、おはようございまーす。」
俺が弁当の準備をしていると、厨房の裏口から入って来たのはニックとスナックとアンさんだ
この3人は露店でクレープの販売をしていて、今ではクレープはキャラバンシティの名物になるくらいの人気商品だ。
最近ではトルティーヤっぽい物に肉と野菜を挟んだしょっぱい系も販売していて、新たな客層の獲得に成功、、、
したのは良かったんだけど、人気が出過ぎて大変らしい
ローテーションを組んでちゃんと休めるようにはしているのだが、人を増やさないと駄目か?
後日アルに相談してみよう。
「ニックにスナックも準備は出来てるか?」
「勿論だよアニキ♪昨日から兄ちゃんと準備してたからバッチリだよ」
「あの会長、わざわざ花を見に行く意味が分からないのですが。勿論花は綺麗ですし観賞用として部屋に飾ったりもしますけど、皆で行く事なのでしょうか?」
「まあ行けば分かる、としか説明のしようが無いんだけどな」
「、、、そうですか」
アンさんの疑問は当然だろう、花見って3対7くらいで、花を見る以外の事が目的だったりするからなぁ
準備も出来たし
お花見に、れっつらごー♪
つづく。
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