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第7章 キャラバンシティ
第161話 愛と宿命と自転車 その5
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現在俺は、我が家で夕食を食べ終えてまったりしている
今日商会にやって来たレオニードとニコライは、結局何をしに来たのかよく分からんうちに酔っぱらってご機嫌で帰って行った。
砂糖の方はいいとして、奴等に復讐するってのはなかなか難しい
短期決戦になったせいで良い案が何も思いつかない
考えてたのは長期的な物ばかりだから、血を流さない方法ってのも難しいんだよ
いっその事フェンリルのリリーにでもお願いして奴等を拉致して、地獄への招待状(股間に直接唐辛子スプレー噴射)をくれてやろうかな
サーーーーーーーーーー
ん?
音に気付いて窓の外を見ると珍しく雨か、この世界に来て数ヶ月、雨が降ったのは1~2回だったかな?
ザーーーーーーーーーー!!
それにしてもスゲェ勢いで降って来たな(驚)
「ダンナァ、洗い物終わったよぉ」
「おう、ご苦労さんケイト」
「ねぇダンナァ、たまには食後の酒が飲みたいんだけど、駄目?」
「ん~、しゃあねぇなぁ、たまには良いか」
「やったぁー♪」
ピピピピピピ!ピピピピピピ!
っ?!
この頭に鳴り響く音は、、、
《運営からのお知らせ》
本日、大雨の影響により川の水位が上昇し、氾濫の危険があります。
同時に土砂災害に警戒し、川には近付かないようお願い致します。
なお、自然現象に運営は一切関与しておりませんので、ご了承下さい。
わぁお!
いきなりステータス等を見るための光る板が出現したと思ったら、運営からのメッセージだった。
この世界に来た初日にも運営からのメッセージが来たっけ、懐かしいな
それにしても川の氾濫か、キャラバンシティから川までは距離があるし、街の方が高い位置にあるから問題は無いと思うんだけど
山の斜面が崩れる事もあるし、一応ミリーさんに報告しといた方がいいかもな
「ケイト、すまんが俺はこれから商業ギルドに行ってくるよ」
「なんか急用?」
「ああ、雨の勢いが増して来て川の水が溢れるかもしれんから、一応注意しに行こうと思ってな」
「主様!そういう事であれば私がお供致します。」
「ニィナはもう少し我が家で謹慎だから駄目だよ」
「ぐっ!」
「心配しなくても、あたしもダンナと行くからニィナは大人しく酒でも飲んでなよ」
「おにいちゃん、今から出かけるの?」
「商業ギルドに行くだけだから直ぐ帰るよ」
「わん♪」
「ん?リリーも一緒に来てくれるのか?」
「わふっ♪」
なんだかんだでリリーも我が家に馴染んでるんだよな、理由はほぼ毎日我が家に夕食を食べに来るからだけど(笑)
そのお陰かイセガミさんもよく我が家に来るようになって、たまにお藤さんから料理を教わってたり
メリル、カスミ、スミレとあやとりとか、昔懐かしの遊びをしてるのを見かける事がある
女の子が喜ぶ遊びなんておっさんには分からんからな、スゲェ助かるよ
「それじゃあイセガミさん、リリーを借りて行きますね」
「はい、気を付けて。」
「よし、ケイト行くか!」
「あいよぉ」
ガチャ
ザザザザザザザザザザ!!
「「あっ!」」
うーむ、ケイトと一緒に声が出るくらい短時間でまた雨の勢いが増していて、スゲェ恐いんだけど(汗)
だからこそ、対策をしているのか確認に行かないと駄目だな
「ケイト、かっぱ着た方がいい、ほれ」
俺は急いでスキルの「店」でかっぱを購入してケイトに投げ渡す
「おっと!これがかっぱ?」
「雨避けの服だよ」
「、、、本当だ!この服全然濡れないよ♪」
「リリーは濡れないように俺のかっぱの下に入っててくれよ」
「わん♪」
「それじゃあ、ケイトは自転車に2人乗りするの初めてだったな、後ろに乗ってくれ」
「よいしょっと」
「それじゃあ、出発!」
チリンチリン♪シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、キコ、キコ、キコ
あれっ?
自転車から変な音がするけど、雨のせいか?それとも泥か?
今はそんな事気にしている場合じゃないな、商業ギルドに急がねば!
キコキコキコキコキコキコ!
ふぅ~
雨のせいで商業ギルドに来るのも苦労したけど無事到着した。
ギルドの中に入ると職員さん達が動き回っていて凄く忙しそうだ、もしかしたら魔道具で各地の状況なんかが送られて来てるのかもしれん
「あっ!シン殿じゃないですか、こんな時間にどうしたんですか?」
「こんばんはウェンディさん。雨の勢いが凄いんで災害対策とかちゃんとしてるのかなと思いまして」
「えっと、それは雨の被害が既に出ているという事でしょうか?」
「いえ、被害が出たかどうかは分かりませんけど、川の水が溢れる可能性は高いと思いますよ、他にも山の斜面が崩れるとか」
「っ?!シン殿こちらへ!!」
「えっ?ちょっとウェンディさん(汗)」
ウェンディさんに腕を捕まれ引きずられるようにミリーさんの部屋まで連れて来られた。
ウェンディさんって華奢なのに力はとても強かったんですね(汗)
ガチャ
「ミリアリア様!川の水が溢れる可能性があります!」
「ウェンディこの忙しい時に根拠の無い情報は不要よ!、、、あらシン君、それにケイトさんもどうしたの?」
「先程の情報はシン殿からです!」
「シン君、それはどういう事なのか教えて頂戴!」
「えぇーと、キャラバンシティの近くにある川は地形を考えると水が溢れる可能性が高いです。それに今の雨の勢いなら土石流や山の斜面が崩れる可能性もあります」
「なんですって!」
はっきり言って地形がどうのとかはデタラメだ。
だけど運営がわざわざお知らせして来たって事は、かなり危険な状況なのは間違い無いだろう。
もし川の水が溢れなくても、その時は俺が頭を下げれば済む事だ。被害が未然に防げて人命が助かるなら多少の嘘なんてどうでもいい
「ミリーさん、とりあえず川に近付かなければ大丈夫だと思いますよ。様子を確認に行くのも止めた方がいいです。」
「それならアストレア様の命令という事にして街の門は閉じたままの方がよさそうね」
「それが良いと思います。」
「あぁー!!」
「ミリーさんどうしたんですか?!」
「どうしよう、オフューカス子爵がまだ外に居るのよ」
「そういえば、オフューカス子爵は川の中州でキャンプしてましたね、流石にこの雨では避難してるでしょ」
「・・・ねぇシン君、そう思う?本当にあのブタ子爵が避難してると思う?」
おーい、流石にミリーさんがブタ子爵って言うのはどうかと思いますよ
「街には避難してないんですね?」
「ええ、あのブタが街に居て気付かない、なんて事は有り得ないもの」
まったく世話の焼けるブタだな、こんな雨なのに外でキャンプなんて危険な事くらい分かるだろうに
しかも、川の中州なんて晴れでも一夜を過ごすのは避ける場所だってのに・・・
でもこれって放っておいたら勝手に川に流されてこの世から消えてくれるんじゃないだろうか?
うーむ、駄目だな
それだとニィナと約束した復讐にはならない。それに奴等に金銭で雇われただけの忠義も何も無いメイドさんも居るもしれんし
人命は優先せねばならん!
「ミリーさん、俺ちょっと行ってオフューカスに避難するように言って来ます!」
「ちょっとシン君、また雨が強くなってるのに危険よ!」
「ダンナ待ってよー!あたしも行くからー!!」
「うぉん!」
突然部屋から飛び出した俺のうしろで、ミリーさんとケイトとリリーが何か言ってるけど構っていられない、今は一刻を争うんだ!
川の水が溢れたら俺だって危険だからな
まったく俺とオフューカスの相性は最悪だぜ!
つづく。
今日商会にやって来たレオニードとニコライは、結局何をしに来たのかよく分からんうちに酔っぱらってご機嫌で帰って行った。
砂糖の方はいいとして、奴等に復讐するってのはなかなか難しい
短期決戦になったせいで良い案が何も思いつかない
考えてたのは長期的な物ばかりだから、血を流さない方法ってのも難しいんだよ
いっその事フェンリルのリリーにでもお願いして奴等を拉致して、地獄への招待状(股間に直接唐辛子スプレー噴射)をくれてやろうかな
サーーーーーーーーーー
ん?
音に気付いて窓の外を見ると珍しく雨か、この世界に来て数ヶ月、雨が降ったのは1~2回だったかな?
ザーーーーーーーーーー!!
それにしてもスゲェ勢いで降って来たな(驚)
「ダンナァ、洗い物終わったよぉ」
「おう、ご苦労さんケイト」
「ねぇダンナァ、たまには食後の酒が飲みたいんだけど、駄目?」
「ん~、しゃあねぇなぁ、たまには良いか」
「やったぁー♪」
ピピピピピピ!ピピピピピピ!
っ?!
この頭に鳴り響く音は、、、
《運営からのお知らせ》
本日、大雨の影響により川の水位が上昇し、氾濫の危険があります。
同時に土砂災害に警戒し、川には近付かないようお願い致します。
なお、自然現象に運営は一切関与しておりませんので、ご了承下さい。
わぁお!
いきなりステータス等を見るための光る板が出現したと思ったら、運営からのメッセージだった。
この世界に来た初日にも運営からのメッセージが来たっけ、懐かしいな
それにしても川の氾濫か、キャラバンシティから川までは距離があるし、街の方が高い位置にあるから問題は無いと思うんだけど
山の斜面が崩れる事もあるし、一応ミリーさんに報告しといた方がいいかもな
「ケイト、すまんが俺はこれから商業ギルドに行ってくるよ」
「なんか急用?」
「ああ、雨の勢いが増して来て川の水が溢れるかもしれんから、一応注意しに行こうと思ってな」
「主様!そういう事であれば私がお供致します。」
「ニィナはもう少し我が家で謹慎だから駄目だよ」
「ぐっ!」
「心配しなくても、あたしもダンナと行くからニィナは大人しく酒でも飲んでなよ」
「おにいちゃん、今から出かけるの?」
「商業ギルドに行くだけだから直ぐ帰るよ」
「わん♪」
「ん?リリーも一緒に来てくれるのか?」
「わふっ♪」
なんだかんだでリリーも我が家に馴染んでるんだよな、理由はほぼ毎日我が家に夕食を食べに来るからだけど(笑)
そのお陰かイセガミさんもよく我が家に来るようになって、たまにお藤さんから料理を教わってたり
メリル、カスミ、スミレとあやとりとか、昔懐かしの遊びをしてるのを見かける事がある
女の子が喜ぶ遊びなんておっさんには分からんからな、スゲェ助かるよ
「それじゃあイセガミさん、リリーを借りて行きますね」
「はい、気を付けて。」
「よし、ケイト行くか!」
「あいよぉ」
ガチャ
ザザザザザザザザザザ!!
「「あっ!」」
うーむ、ケイトと一緒に声が出るくらい短時間でまた雨の勢いが増していて、スゲェ恐いんだけど(汗)
だからこそ、対策をしているのか確認に行かないと駄目だな
「ケイト、かっぱ着た方がいい、ほれ」
俺は急いでスキルの「店」でかっぱを購入してケイトに投げ渡す
「おっと!これがかっぱ?」
「雨避けの服だよ」
「、、、本当だ!この服全然濡れないよ♪」
「リリーは濡れないように俺のかっぱの下に入っててくれよ」
「わん♪」
「それじゃあ、ケイトは自転車に2人乗りするの初めてだったな、後ろに乗ってくれ」
「よいしょっと」
「それじゃあ、出発!」
チリンチリン♪シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、キコ、キコ、キコ
あれっ?
自転車から変な音がするけど、雨のせいか?それとも泥か?
今はそんな事気にしている場合じゃないな、商業ギルドに急がねば!
キコキコキコキコキコキコ!
ふぅ~
雨のせいで商業ギルドに来るのも苦労したけど無事到着した。
ギルドの中に入ると職員さん達が動き回っていて凄く忙しそうだ、もしかしたら魔道具で各地の状況なんかが送られて来てるのかもしれん
「あっ!シン殿じゃないですか、こんな時間にどうしたんですか?」
「こんばんはウェンディさん。雨の勢いが凄いんで災害対策とかちゃんとしてるのかなと思いまして」
「えっと、それは雨の被害が既に出ているという事でしょうか?」
「いえ、被害が出たかどうかは分かりませんけど、川の水が溢れる可能性は高いと思いますよ、他にも山の斜面が崩れるとか」
「っ?!シン殿こちらへ!!」
「えっ?ちょっとウェンディさん(汗)」
ウェンディさんに腕を捕まれ引きずられるようにミリーさんの部屋まで連れて来られた。
ウェンディさんって華奢なのに力はとても強かったんですね(汗)
ガチャ
「ミリアリア様!川の水が溢れる可能性があります!」
「ウェンディこの忙しい時に根拠の無い情報は不要よ!、、、あらシン君、それにケイトさんもどうしたの?」
「先程の情報はシン殿からです!」
「シン君、それはどういう事なのか教えて頂戴!」
「えぇーと、キャラバンシティの近くにある川は地形を考えると水が溢れる可能性が高いです。それに今の雨の勢いなら土石流や山の斜面が崩れる可能性もあります」
「なんですって!」
はっきり言って地形がどうのとかはデタラメだ。
だけど運営がわざわざお知らせして来たって事は、かなり危険な状況なのは間違い無いだろう。
もし川の水が溢れなくても、その時は俺が頭を下げれば済む事だ。被害が未然に防げて人命が助かるなら多少の嘘なんてどうでもいい
「ミリーさん、とりあえず川に近付かなければ大丈夫だと思いますよ。様子を確認に行くのも止めた方がいいです。」
「それならアストレア様の命令という事にして街の門は閉じたままの方がよさそうね」
「それが良いと思います。」
「あぁー!!」
「ミリーさんどうしたんですか?!」
「どうしよう、オフューカス子爵がまだ外に居るのよ」
「そういえば、オフューカス子爵は川の中州でキャンプしてましたね、流石にこの雨では避難してるでしょ」
「・・・ねぇシン君、そう思う?本当にあのブタ子爵が避難してると思う?」
おーい、流石にミリーさんがブタ子爵って言うのはどうかと思いますよ
「街には避難してないんですね?」
「ええ、あのブタが街に居て気付かない、なんて事は有り得ないもの」
まったく世話の焼けるブタだな、こんな雨なのに外でキャンプなんて危険な事くらい分かるだろうに
しかも、川の中州なんて晴れでも一夜を過ごすのは避ける場所だってのに・・・
でもこれって放っておいたら勝手に川に流されてこの世から消えてくれるんじゃないだろうか?
うーむ、駄目だな
それだとニィナと約束した復讐にはならない。それに奴等に金銭で雇われただけの忠義も何も無いメイドさんも居るもしれんし
人命は優先せねばならん!
「ミリーさん、俺ちょっと行ってオフューカスに避難するように言って来ます!」
「ちょっとシン君、また雨が強くなってるのに危険よ!」
「ダンナ待ってよー!あたしも行くからー!!」
「うぉん!」
突然部屋から飛び出した俺のうしろで、ミリーさんとケイトとリリーが何か言ってるけど構っていられない、今は一刻を争うんだ!
川の水が溢れたら俺だって危険だからな
まったく俺とオフューカスの相性は最悪だぜ!
つづく。
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