テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
169 / 303
第7章 キャラバンシティ

第150話 新体制の恩恵

しおりを挟む
新たな仲間が加わり新体制となった池田屋商会

人材の確保や報酬の管理等をする、人事責任者のアル

牛の世話と乳製品を作る、乳製品部門の責任者、ライラとアリア

乳製品部門にはまだ子牛が2頭しか居らず始動出来ないので、ライラとアリアには商会の各部署を順番に手伝って貰う。


そして

新たな仲間達が加わったお陰で、我が池田屋商会が新体制で動き始めた事による良い効果がさっそく出始めた。


優秀だけど面倒くさい男アルによって、従業員の適性に合わせた職場の移動が行われた。

これにより各職場の作業効率が上がり乳製品部門にも数人まわせるようになった。

ひとまず人を増やさないでやって行けるのは助かる

商売が順調だからと勢いだけで規模を大きくして、その後景気の低迷でリストラや最悪破産するという有名企業を俺は元世界で幾つも見たからな

勢いに任せた急速な事業の拡大は破滅フラグだ!

と言いつつ、俺も流れに任せてここまで商会を大きくして来たんだけどな(笑)

でも今の従業員の数なら、万が一商会が潰れても俺の個人資産で養う事が可能だ。従業員に最後まで責任を持つのは経営者の義務だと俺は思う。


話が逸れたけど、本店の従業員にレシピを渡して研究中だったカツサンドに使うトンカツソースがついに完成した♪

少し前に一応完成はしていたけど、イマイチ味にパンチが無くて改良中のところ、アルにも手伝わせたら見事完成させてしまった。

くっ!

優秀な男は何をやらせても優秀だというのか?!

何気にアルはシュッとしていてイケメンだからな、優秀でイケメンなんて理由は無いけどイラッとするじゃないか、今度みんなでアルの弱点を探してやろう!


とにかくトンカツソースが完成したのは良かった♪そこは素直にアルに感謝だな

今は豚肉の部位毎に食べ比べをしてカツサンドに合う部位を検討したり、脂身は全部切り落とすのか?少し残すのか?

他にも値段の設定等々やる事が多い


優秀な男は他にも、仕事が無くて暇な冒険者を池田屋商会の専属冒険者として契約した。

そうする事で商会で使う肉を定期的に狩って来て貰い、カツサンドの安定供給を可能にし、雇用の創出も出来て一石二鳥!

しかし、仕事の無い冒険者ってのは優秀じゃないから仕事が無いわけで、そこは人数でカバーするんだとか

報酬の一部を無料食事券にする事で経費を抑えられるし、冒険者からも喜ばれたらしい

ウチの商会は食べ物が美味しい!で有名だからな、そのうち食事目当てで優秀な冒険者が集まって来るかもしれんが、今は考えないでおこう。


こうやって考えると良い事ばかりだけど、仕事の効率が上がったお陰で困る事も出てきた

それは、売り物に出来ない肉や野菜の切れ端が大量に出る事だ。この問題は飲食店なら避けて通れない

当然ながら無駄には出来ないので従業員の賄い料理等に再利用するのだが、毎日大量に出る為にどうしても消費しきれず、俺の収納に保管して日々増えていく一方だったけど

そこで考え付いたのが

『会長の試作料理』という名前で余った食材で作った料理を昼限定のランチメニューとして提供する事にした。

今はまだ宿屋限定だけど好評なら露店でも売れるように考え中だ。


そしてわざわざ『試作』と名付ける事により、正式なメニューでは無いという事を強調して

『真似して自分達の所で売り出すなら今ですよ~♪』

という他の飲食店に対してのメッセージでもある。

他の店のメニューを真似したりされたりなんて日常茶飯事だけど、大商会になったウチのメニューを堂々と真似るのは流石に躊躇われるらしい

これで料理を真似して材料をウチの商会から仕入れてくれれば、食材の無駄が無くなるし、他の店も儲かって皆happy♪

上手く行かなくても、ウチの商会は損しないのが最高やな!




ライラとアリアが来た事による恩恵もあった。

二人は山村で育っただけあって山の事に詳しく、暇があれば山に入り商会で使えそうな山菜を探して採って来てくれるのだが

なんとその中に、よもぎがあったんだ!

よもぎ餅に使うあの、よもぎがあったんだ!


大事な事なので2回言いました。


これで俺の好きな、よもぎ餅が作れる

出来立てのよもぎ餅は最高に旨いんだよ♪




はたして、よもぎ餅が草餅なのか?

草餅がよもぎ餅なのか?

そんな事はもはや些細な事だ!


俺がこの世界に転生したのも、きっとよもぎ餅をこの世界に伝える為に違いない!

よもぎ餅を初めて作った人が誰だか知らないけども、見てて下さい

この世界には俺が必ず、よもぎ餅を広めて見せーる!!





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。  運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。  憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。  異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。

剣しか取り柄がないという事で追放された元冒険者、辺境の村で魔物を討伐すると弟子志願者が続々訪れ剣技道場を開く

burazu
ファンタジー
剣の得意冒険者リッキーはある日剣技だけが取り柄しかないという理由でパーティーから追放される。その後誰も自分を知らない村へと移住し、気ままな生活をするつもりが村を襲う魔物を倒した事で弓の得意エルフ、槍の得意元傭兵、魔法の得意踊り子、投擲の得意演奏者と様々な者たちが押しかけ弟子入りを志願する。 そんな彼らに剣技の修行をつけながらも冒険者時代にはない充実感を得ていくリッキーだったのだ。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...