テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
168 / 305
第7章 キャラバンシティ

第149話 集う仲間達 その2

しおりを挟む
オフューカス子爵領の山村で出会い、商会にスカウトしたライラとアリアという双子の兄と妹がやって来た。

2人は俺が池田屋商会の会長だと知らなかったようで、俺が会長だと教えると凄く驚き

そして

2人とも何故か俺に土下座をしていてとても困った状況になっている

2人の立場になってライトノベル風に例えてみると

『運良く仕事が見つかってラッキー♪と思っていたら、実は雇い主が魔王だったので怖くて今すぐ逃げ出したいけど、魔王から幹部として頑張ってと言われて、凄く嬉しいのと恐怖でどうしていいのか分からなくなったので、とりあえず土下座してみた件』

という感じだろうか(笑)



「2人ともとりあえず土下座は止めてくれよ」

「まさかシンさんがこのように立派な商会の会長様とは知らず(汗)」

「まあ建物は立派だけど、池田屋商会が出来たのは最近だから歴史も伝統も何も無いんだよな、従業員も元娼婦に孤児院出身者に奴隷ばかりなんだ

隣に居るニィナも奴隷だしな、俺だってついこの前まで露店で商売してた村出身の成り上がりだし、だから2人がそこまで気を使う必要は無いよ」

「・・・」


俺の話を聞いた2人は驚いているのか呆れているのかよく分からない表情をしている


「とにかくそんな感じだから楽にしてくれよ、これから2人には牛を育てて貰うんだし、食べて欲しい菓子があるんだ

牛のミルクがどういう風に使われるか知らないのは駄目だからな」


2人にはなんとかソファに座って貰い、俺は収納からクリームチーズ入りのスイートポテトをテーブルに出していく


「シンさん、これは貴族向けのお菓子でしょうか?だとすると牛のミルクなんて使ったら不敬罪で罰せられませんか?」


なんと牛のミルクは不敬になるのか?改めて貴族ってのは面倒な奴等だな!


「うーん、貴族が欲しがれば売るけど、今のところ露店とか孤児院で売る予定だよ、とにかく食べて、質問はそれからだな」

「「いただきます」」


2人の反応はどうだろう、クリームチーズは苦手な人もたまに居るからなぁ、ちょっとドキドキするぜ


「凄い、、、こんなに甘くて美味しい食べ物があるなんて、、、」

「シンさん、このお菓子本当に露店で売るんですか?平民が買える値段では儲けが出ませんよね?」

「そこは問題無いよ、このお菓子は砂糖を使ってないし、原料の芋って野菜は安く手に入るんだよ、あとは新鮮な牛のミルクがあれば街の人でも買える値段に出来る!」

「シンさん、、、本当に俺とアリアに期待して雇ってくれたんですね」

「当たり前だろ、牛のミルクは料理にもお菓子にも沢山使うからな、先ずは、ミルク、チーズ、バター、の3種類を安定生産するのが目標だ!」

「そんなに沢山、、、そっそうだ、忘れる所だった、シンさんから貰ったお金で子牛を買って来たんです。オスとメス一頭ずつです、まさか池田屋商会がこんなに大きな商会だと知らなかったんで余計な事だったかもしれませんけど」

「それで牛を連れてたのか!ありがとう、牛は沢山欲しいから助かるよ。

今こちらでも牛の手配はしてるんだ、ドワーフに頼んで牛舎を建てて立派な牧場を作る予定だから楽しみにしててくれ♪

それと悪いんだけどウチは人手不足でさ、テキーランの栽培は後回しになっちゃうんだよ

今は牧場に割ける人すら居ないしさ、だから今から2人が良いと思う人を探して雇っておいてよ、後でウチの人事担当者を紹介するから」

「牧場?!俺達が人を雇う?!えっ、あ、あのシンさん?!」


おぅふ、流石に1度に説明し過ぎたかな(汗)

ライラが完全にキャパオーバーしている


「あっ、あの、シンさんに貰ったお金、旅の支度と牛の購入で少し使ったんですけど、残りをお返しします。」

「それは2人の3ヶ月分の報酬だから返す必要はないよ」

アリアが差し出してきたパンパンに膨らんだ背負い袋を確認すると、俺が渡した金がほぼ手付かずのまま入っていた

牛ってそんなに安いんかな?



「流石にこんな大金貰えません、それにシンさんが大銀貨をこんなに渡すから凄く重かったです。」

「ん?、、、あぁそうか、俺は収納持ちだからすっかり忘れてたよ、確かにこんなにあったら持ち運ぶのが大変だよな

分かった、今度から金貨で払うよ、そうすれば持ち運びが楽になるだろ?」

「ぷぷっ、あははははははははは、ねぇ兄さん聞いた?金貨ですって

あははははは、確かに持ち運びが楽になるわ♪でも金貨なんて持ってたら怖くて外に行けないけど、あはははははは♪」



おお!

意外にウケた♪


ライラは笑って良いのか戸惑ってるけど、アリアは爆笑してるよ

俺はなかなか良い人材をスカウトしたのかもしれん


必要な仲間は揃った

ここからが

俺とみんなの商人英雄伝説の幕開けや♪






つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

最弱引き出しの逆襲 ― クラス転移したのはいいけど裏切られたけど実は最強だった件

ワールド
ファンタジー
俺、晴人は普通の高校生。だけど、ある日突然、クラス全員と一緒に異世界に飛ばされた。 そこで、みんなは凄い能力を手に入れた。炎を操ったり、風を呼んだり。でも、俺だけが"引き出し"なんていう、見た目にも無様な能力を授かった。戦いになんの役にも立たない。当然、俺はクラスの笑い者になった。 だけど、この"引き出し"、実はただの引き出しではなかった。この中に物を入れると、時間が経つにつれて、その物が成長する。最初は、その可能性に気づかなかった。 でも、いつしか、この能力がどれほどの力を秘めているのかを知ることになる。 クラスメイトたちからは裏切られ、孤立無援。でも、俺の"引き出し"が、みんなが見落としていた大きな脅威に立ち向かう唯一の鍵だったんだ。知恵と工夫で困難を乗り越えて、俺は最弱から最強へと変貌する。 工夫次第で幾らでも強くなれる引き出し能力で俺は成りあがっていこう。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

処理中です...