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第7章 キャラバンシティ
第142話 第1回ホルヌッセン大会と餅つき
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カーン!
「「「「「ウォーーーーー!!」」」」」
ドドドドドドドドド!!
カーン!
「「「「「ウォーーーーー!!」」」」」
ドドドドドドドドド!!
ボールが打ち上がる度に、冒険者達の気合いの入った声と足音が鳴り響く
そんな様子を観ながら俺は商会の皆と共に餅つきの準備をする。
他にも孤児院改め
現在は『池田屋こども園』という名前になったけど、そこの子供達もポップコーンと甘芋、カツサンドの露店を準備中だ。
そして今日は寒いからスープも用意した。肉屋のロンが頑張って鳥ガラで作ったスープを大量に用意してくれたからな
このスープは俺が個人的に全部買い取り、今日は特別な日だからと言って無料で配るんだ。
この街の人に今日という日を特別な物にして貰いたいという思惑もあるけど、見物人の中には金が無くて何も買えない人も多いから、せめてスープでも飲んで温まって欲しい
これで商会の好感度がもっと上がれば良いなぁ、という地道な作戦でもある(笑)
今日は俺がこの世界に来て初めて年越しをして新年を迎えた元日の朝、正月だ!
この国に正月なんて無いし年明けから何かをする習慣も無いんだけど
元日本人としては正月には何かしたい!
って事で
『第1回ホルヌッセン大会』を開催している
場所はキャラバンシティの拡張工事をしている場所になる
邪魔な木を切り終えて本格的な整地作業に入る前だったから、ホルヌッセン会場にするのにちょうど良かった♪
ちなみに石壁造りは一時中断している。
ドワーフにとって石壁造りは難しく無いけど、材料を持ってくるのに時間がかかるのと、寒いのが理由らしい
暖かくなる春までは仕事の無い冒険者が整地作業を行う事になっている。
ホルヌッセン大会がしたい!
急にそんな事を言っても出場者が集まらないだろうから、今回は暇な冒険者に参加賞を出すからと声をかけて集まって貰った。
参加賞は餅だ。
味付けは定番の醤油、大根おろし、砂糖の代わりに水飴を使った水飴醤油、芋餡、フルーツソース等々
砂糖を使わない甘い系も用意してある
ホルヌッセン大会は、今日1日で予選と決勝を行い賞品も出る
主に商会で扱ってる食べ物とか、スキルの「店」で購入した激安ワインの詰め合わせや保存食の詰め合わせとか色々用意した。
ホルヌッセンを簡単に言うと野球とゴルフを合わせた感じのスポーツで
ボールを打つ人と守る人に別れる
まずは専用の台にボールを乗せて専用のバットでボールを打ち、あらかじめ決められた目標に近いほど高得点
守備側は、板で出来たうちわみたいな物でボールを弾き飛ばして得点を下げるスポーツらしい
でも元のルールそのままでやると面倒なので、今回はバッターは参加者が交代でやって
守備側は網でボールをキャッチ出来た人に1ポイント、誰もキャッチ出来なければバッターに1ポイント入る
それを時間まで繰り返して貰う。
そんな感じで、約100人の参加者が10組に別れて午前中に予選、各組で1位の人達で午後から決勝戦を行う
審判は商業ギルドの職員だ。
俺も今朝会場に来てから職員が審判をしていて驚いたんだけど
面倒くさいけど優秀な男アルが手配したらしい、そんな事をしたらミリーさんに怒られるんじゃないかと思ったんだけど
ホルヌッセン大会は商業ギルドにもとても有益だから是非協力させて欲しいと言われた。
よく分からんけどミリーさんに怒られないなら俺は構わない
さて、ホルヌッセン大会はどうなってるかな?
俺も初めてだから上手く行くか分からなかったけど概ね順調みたいだ、目が血走ってる参加者が数人居るけど、それくらいはご愛嬌だろう(笑)
「おーい、シンさーん」
ん?
向こうから走って来るのはアルか、事務職なのになかなか良い走りをしているじゃあないか
「おう、お疲れさんそっちはどうだ?」
「多少のトラブルはありますけど概ね順調です。やはりアストレア様が視察という事で御覧になられているのが大きいと思います。
ここで活躍すれば名前を覚えて貰えるチャンスですから、今後の冒険者活動に少なくない影響があるでしょう」
「へぇー、改めて冒険者って大変なんだなぁ」
「ふふふ、皆がシンさんみたいに知識や行動力はありませんし、貴族と普通に話したり出来ませんから。
しかし、こんなに楽しい事をするなんてやはりシンさんは凄いです♪この大会だけで金貨40~50枚程度の経済効果が見込めますから、今後問い合わせもあるでしょう。
ですのでホルヌッセン大会は商会名義でレシピ登録しておきましたから、後で確認をお願いします。」
「こういうのもレシピ登録出来るのか?」
「勿論ですよ。名前やルール、参加人数、会場、賞品、参加賞、周辺で露店を出す等々、全部で17の項目を登録してます。
これで領主が公式にホルヌッセン大会を開催する場合は、該当する項目それぞれに利用料が発生し我が商会に支払われます。
個人で開催する分には適用されませんが仕方ありませんね。」
マジかよ、元世界でいう商標登録みたいな物か?
しかし露店を出す事にも利用料が発生するとかどうなのよ
問い合わせが来たら、参加賞とか賞品の無償提供とかで還元すればいいか
おっと!
こんな所で呑気に話してる場合じゃない、そろそろ餅米が蒸し上がる頃だ。
日本で俺がガキの頃は町内に子供会があって元日に子供が集まって餅つきやってたなぁ、少子化でいつの間にかやらなくなっちゃったけど
この街では神様に新年の挨拶も兼ねてるとか言って、教会の女神像の前に餅をお供えして、神聖な雰囲気も出しつつ楽しい行事として根付かせてみよう♪
つづく。
「「「「「ウォーーーーー!!」」」」」
ドドドドドドドドド!!
カーン!
「「「「「ウォーーーーー!!」」」」」
ドドドドドドドドド!!
ボールが打ち上がる度に、冒険者達の気合いの入った声と足音が鳴り響く
そんな様子を観ながら俺は商会の皆と共に餅つきの準備をする。
他にも孤児院改め
現在は『池田屋こども園』という名前になったけど、そこの子供達もポップコーンと甘芋、カツサンドの露店を準備中だ。
そして今日は寒いからスープも用意した。肉屋のロンが頑張って鳥ガラで作ったスープを大量に用意してくれたからな
このスープは俺が個人的に全部買い取り、今日は特別な日だからと言って無料で配るんだ。
この街の人に今日という日を特別な物にして貰いたいという思惑もあるけど、見物人の中には金が無くて何も買えない人も多いから、せめてスープでも飲んで温まって欲しい
これで商会の好感度がもっと上がれば良いなぁ、という地道な作戦でもある(笑)
今日は俺がこの世界に来て初めて年越しをして新年を迎えた元日の朝、正月だ!
この国に正月なんて無いし年明けから何かをする習慣も無いんだけど
元日本人としては正月には何かしたい!
って事で
『第1回ホルヌッセン大会』を開催している
場所はキャラバンシティの拡張工事をしている場所になる
邪魔な木を切り終えて本格的な整地作業に入る前だったから、ホルヌッセン会場にするのにちょうど良かった♪
ちなみに石壁造りは一時中断している。
ドワーフにとって石壁造りは難しく無いけど、材料を持ってくるのに時間がかかるのと、寒いのが理由らしい
暖かくなる春までは仕事の無い冒険者が整地作業を行う事になっている。
ホルヌッセン大会がしたい!
急にそんな事を言っても出場者が集まらないだろうから、今回は暇な冒険者に参加賞を出すからと声をかけて集まって貰った。
参加賞は餅だ。
味付けは定番の醤油、大根おろし、砂糖の代わりに水飴を使った水飴醤油、芋餡、フルーツソース等々
砂糖を使わない甘い系も用意してある
ホルヌッセン大会は、今日1日で予選と決勝を行い賞品も出る
主に商会で扱ってる食べ物とか、スキルの「店」で購入した激安ワインの詰め合わせや保存食の詰め合わせとか色々用意した。
ホルヌッセンを簡単に言うと野球とゴルフを合わせた感じのスポーツで
ボールを打つ人と守る人に別れる
まずは専用の台にボールを乗せて専用のバットでボールを打ち、あらかじめ決められた目標に近いほど高得点
守備側は、板で出来たうちわみたいな物でボールを弾き飛ばして得点を下げるスポーツらしい
でも元のルールそのままでやると面倒なので、今回はバッターは参加者が交代でやって
守備側は網でボールをキャッチ出来た人に1ポイント、誰もキャッチ出来なければバッターに1ポイント入る
それを時間まで繰り返して貰う。
そんな感じで、約100人の参加者が10組に別れて午前中に予選、各組で1位の人達で午後から決勝戦を行う
審判は商業ギルドの職員だ。
俺も今朝会場に来てから職員が審判をしていて驚いたんだけど
面倒くさいけど優秀な男アルが手配したらしい、そんな事をしたらミリーさんに怒られるんじゃないかと思ったんだけど
ホルヌッセン大会は商業ギルドにもとても有益だから是非協力させて欲しいと言われた。
よく分からんけどミリーさんに怒られないなら俺は構わない
さて、ホルヌッセン大会はどうなってるかな?
俺も初めてだから上手く行くか分からなかったけど概ね順調みたいだ、目が血走ってる参加者が数人居るけど、それくらいはご愛嬌だろう(笑)
「おーい、シンさーん」
ん?
向こうから走って来るのはアルか、事務職なのになかなか良い走りをしているじゃあないか
「おう、お疲れさんそっちはどうだ?」
「多少のトラブルはありますけど概ね順調です。やはりアストレア様が視察という事で御覧になられているのが大きいと思います。
ここで活躍すれば名前を覚えて貰えるチャンスですから、今後の冒険者活動に少なくない影響があるでしょう」
「へぇー、改めて冒険者って大変なんだなぁ」
「ふふふ、皆がシンさんみたいに知識や行動力はありませんし、貴族と普通に話したり出来ませんから。
しかし、こんなに楽しい事をするなんてやはりシンさんは凄いです♪この大会だけで金貨40~50枚程度の経済効果が見込めますから、今後問い合わせもあるでしょう。
ですのでホルヌッセン大会は商会名義でレシピ登録しておきましたから、後で確認をお願いします。」
「こういうのもレシピ登録出来るのか?」
「勿論ですよ。名前やルール、参加人数、会場、賞品、参加賞、周辺で露店を出す等々、全部で17の項目を登録してます。
これで領主が公式にホルヌッセン大会を開催する場合は、該当する項目それぞれに利用料が発生し我が商会に支払われます。
個人で開催する分には適用されませんが仕方ありませんね。」
マジかよ、元世界でいう商標登録みたいな物か?
しかし露店を出す事にも利用料が発生するとかどうなのよ
問い合わせが来たら、参加賞とか賞品の無償提供とかで還元すればいいか
おっと!
こんな所で呑気に話してる場合じゃない、そろそろ餅米が蒸し上がる頃だ。
日本で俺がガキの頃は町内に子供会があって元日に子供が集まって餅つきやってたなぁ、少子化でいつの間にかやらなくなっちゃったけど
この街では神様に新年の挨拶も兼ねてるとか言って、教会の女神像の前に餅をお供えして、神聖な雰囲気も出しつつ楽しい行事として根付かせてみよう♪
つづく。
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