136 / 303
第7章 キャラバンシティ
第118話 ドワーフ移住計画
しおりを挟む
「こんにちはー!親方さーん居ますかー?」
「・・・」
キャラバンシティの拡張について聞く為に親方さんの工房に来た、返事が無いのはいつもの事
でも今日は奥の作業場で音がするから仕事中って事だ、だから邪魔はしたくない
仕事中なら呼んでも聞こえないだろうし、ここに来る人はどうやって声をかけてるんだろうか?
休憩時間を把握してんのかな?
「さて、ニィナどうしようか」
「待つのが1番かと思います」
「だよなぁ」
「あら、とても良いお酒の匂いがすると思ったらやっぱりシンさんだったのね♪」
声のした方を見ると2階からオリビエさんが降りて来て、何やら不思議な事を言われたのだが
「マジですか?!スンスン・・・匂うかな?」
「うふふ、ドワーフにしか分からない程度の匂いだから気にしなくて大丈夫よ、それに話したい事もあるから来てくれてちょうどいいわ」
「それなら良かった、のか?
それは置いといて、今日伺ったのはキャラバンシティの拡張についてです、ドワーフが主導して行っているとミリーさんから聞いたんですけど」
「まさに私がシンさんと話したい話題ね、街の拡張については里のドワーフ達が移住してくるから家を建てる場所と、大麦畑と葡萄畑を作る場所を確保する為
人族だと街の拡張は大変らしいけれど、私達ドワーフにとって門と普通の石壁を作る程度は、職人見習いがやるような仕事だからさして苦労は無いのよ」
普通の石壁っていう事は普通ではない石壁があんのかよ!!
恐るべしドワーフ!
「以前話していたウィスキーとワイン用の畑を作るんですね、それにしては広過ぎやしませんか?」
「全てのドワーフが満足出来る量を作るんだもの、まだまだ狭いくらいよ!」
待て待て待て、全てのドワーフが満足出来る量ってどれだけ必要なんだ?
天文学的な数字になる気がするんだけど・・・
「里のドワーフっていったい何人移住してくるんですか?」
「美味しいお酒を作るって言ったら最初はほぼ全員だったのだけど、流石にその数の家を無計画に建てるわけに行かないから、まずはお酒造り優先で20人が移住予定ね」
「えぇーと、里に残ってる皆さんは将来的には全員移住予定なのでしょうか?」
「勿論よ♪」
いやいやいや、美味しい酒って言ってもまだ出来ても無いのに普通移住しないでしょうよ!
このままではドワーフの国が出来る勢いだよ(汗)
まさか移住するのに街を拡張してまで来るとか思わんだろ
「とっ、とりあえず俺は苗の準備をしておきますね(汗)」
「そっちはお願いね、お酒の熟成場所の選定もしないといけないし、蒸留装置だったかしら?
それも作らないといけないしで、忙しいのよ♪」
忙しいと言いつつもオリビエさんの目はキラキラしていて、とても楽しそうに笑っている
新しい玩具を貰った少年のようだ
ドタドタドタドタドタドタ!
「オリビエーー!他に仕事は無いんかーー?」
「あら、もう仕事が終わったの?」
「おう!なんじゃ、お前さんも来てたんか」
「親方さんお邪魔してます」
「うむ、それでオリビエ、もう仕事は無いんか?」
「ありませんよ、あなたが朝から頑張ったお陰ですけど、いつもこれくらい仕事をしてくれれば、もっと稼ぎが増えるんですけど」
「しょうがないじゃろ、昨日は久し振りに旨い酒と旨い料理を食べて力が余っとるんだ、やはり良い仕事には旨い酒はかかせんな!ガハハハハハハハハ」
流石ドワーフだな、会話だけ聞くと完全にアル中のオヤジなんだけど、ドワーフの肝臓はマジで鉄製なんじゃないかな(笑)
「そうだ、お二人に聞きたい事があったんですよ、このスプーンの素材って分かりますか?」
俺が取り出したのはステンレス製のスプーン、以前から気になっていたステンレスの価値を聞く事にしたからだ。
「ん?材質って鉄じゃ、、、無いな、表面は硝子のようにツルツルで、しかもピカピカに輝いとる、これは金属なのか?」
「俺も詳しく無いんですけど、鉄とクロムを混ぜた合金ですね」
「クロム?聞いた事が無いな」
「ふふふ、やっとこの金属の正体を教えて貰えたわ♪シンさんの家で見てからずっと気になっていたのよ」
「そうなんですか?それなら聞いてくれれば良かったのに」
「そうも行かないでしょう、シンさんには色々秘密があるみたいなのに、下手にその事を聞けば二度とビールが飲めなくなるかもしれないのよ」
「そうじゃぞ、ワシでも聞かんな」
「気を使わせてしまったみたいですいません、確かに俺には秘密がありますけど他人に言いふらしたりしなければ、質問くらいは構いませんよ、勿論答えられない事もありますけど」
「そうなの?!それなら折り畳める椅子の材質が気になるわね、ステンレスの椅子ともうひとつ違う金属が使われていた椅子があったの、それが気になるのよ!」
そういえばキャンプ道具を買った時にあったな、ステンレス製の椅子とアルミ製の椅子が、しかしよく見てるなぁ
「あの椅子に使われてたのはアルミニウムで、原料はボーキサイトっていう鉱石ですね、残念ながらアルミニウムの作り方は分からないんですけど」
「充分よ、原料が分かったんだから、それでこの事はどこまで話して良いのかしら?わざわざそのスプーンを見せたと言う事は、ある程度周りに知られるのを覚悟しての事でしょうから」
「理解が早くて助かります、俺の事を黙っていて貰えれば、お二人の判断で全てを話して貰って構いませんよ、俺には金属加工の知識は無いですから」
「お前さん、そんな事を言いつつまた何か儲けの算段でもしてるんじゃないのか?」
「やだなぁ、完全に専門外ですよ」
「まあいい、ステンレスにアルミニウムか、これが量産出来れば金属鎧に革命が起きるぞ!まずは信用出来る知り合いに話して鉱脈探しからじゃな♪」
この世界でステンレスは未知の金属だったか、ドワーフでも知らないんだから一般人がステンレスを見ても少し見た目の違う鉄って認識なんだろう
この世界の便利な道具は基本的に魔道具だし、そりゃあ見たくらいじゃ騒ぎにならんか
疑問が1つ解消されて清々しい気分だ、新しい下着を履いた時のようにな♪
つづく。
「・・・」
キャラバンシティの拡張について聞く為に親方さんの工房に来た、返事が無いのはいつもの事
でも今日は奥の作業場で音がするから仕事中って事だ、だから邪魔はしたくない
仕事中なら呼んでも聞こえないだろうし、ここに来る人はどうやって声をかけてるんだろうか?
休憩時間を把握してんのかな?
「さて、ニィナどうしようか」
「待つのが1番かと思います」
「だよなぁ」
「あら、とても良いお酒の匂いがすると思ったらやっぱりシンさんだったのね♪」
声のした方を見ると2階からオリビエさんが降りて来て、何やら不思議な事を言われたのだが
「マジですか?!スンスン・・・匂うかな?」
「うふふ、ドワーフにしか分からない程度の匂いだから気にしなくて大丈夫よ、それに話したい事もあるから来てくれてちょうどいいわ」
「それなら良かった、のか?
それは置いといて、今日伺ったのはキャラバンシティの拡張についてです、ドワーフが主導して行っているとミリーさんから聞いたんですけど」
「まさに私がシンさんと話したい話題ね、街の拡張については里のドワーフ達が移住してくるから家を建てる場所と、大麦畑と葡萄畑を作る場所を確保する為
人族だと街の拡張は大変らしいけれど、私達ドワーフにとって門と普通の石壁を作る程度は、職人見習いがやるような仕事だからさして苦労は無いのよ」
普通の石壁っていう事は普通ではない石壁があんのかよ!!
恐るべしドワーフ!
「以前話していたウィスキーとワイン用の畑を作るんですね、それにしては広過ぎやしませんか?」
「全てのドワーフが満足出来る量を作るんだもの、まだまだ狭いくらいよ!」
待て待て待て、全てのドワーフが満足出来る量ってどれだけ必要なんだ?
天文学的な数字になる気がするんだけど・・・
「里のドワーフっていったい何人移住してくるんですか?」
「美味しいお酒を作るって言ったら最初はほぼ全員だったのだけど、流石にその数の家を無計画に建てるわけに行かないから、まずはお酒造り優先で20人が移住予定ね」
「えぇーと、里に残ってる皆さんは将来的には全員移住予定なのでしょうか?」
「勿論よ♪」
いやいやいや、美味しい酒って言ってもまだ出来ても無いのに普通移住しないでしょうよ!
このままではドワーフの国が出来る勢いだよ(汗)
まさか移住するのに街を拡張してまで来るとか思わんだろ
「とっ、とりあえず俺は苗の準備をしておきますね(汗)」
「そっちはお願いね、お酒の熟成場所の選定もしないといけないし、蒸留装置だったかしら?
それも作らないといけないしで、忙しいのよ♪」
忙しいと言いつつもオリビエさんの目はキラキラしていて、とても楽しそうに笑っている
新しい玩具を貰った少年のようだ
ドタドタドタドタドタドタ!
「オリビエーー!他に仕事は無いんかーー?」
「あら、もう仕事が終わったの?」
「おう!なんじゃ、お前さんも来てたんか」
「親方さんお邪魔してます」
「うむ、それでオリビエ、もう仕事は無いんか?」
「ありませんよ、あなたが朝から頑張ったお陰ですけど、いつもこれくらい仕事をしてくれれば、もっと稼ぎが増えるんですけど」
「しょうがないじゃろ、昨日は久し振りに旨い酒と旨い料理を食べて力が余っとるんだ、やはり良い仕事には旨い酒はかかせんな!ガハハハハハハハハ」
流石ドワーフだな、会話だけ聞くと完全にアル中のオヤジなんだけど、ドワーフの肝臓はマジで鉄製なんじゃないかな(笑)
「そうだ、お二人に聞きたい事があったんですよ、このスプーンの素材って分かりますか?」
俺が取り出したのはステンレス製のスプーン、以前から気になっていたステンレスの価値を聞く事にしたからだ。
「ん?材質って鉄じゃ、、、無いな、表面は硝子のようにツルツルで、しかもピカピカに輝いとる、これは金属なのか?」
「俺も詳しく無いんですけど、鉄とクロムを混ぜた合金ですね」
「クロム?聞いた事が無いな」
「ふふふ、やっとこの金属の正体を教えて貰えたわ♪シンさんの家で見てからずっと気になっていたのよ」
「そうなんですか?それなら聞いてくれれば良かったのに」
「そうも行かないでしょう、シンさんには色々秘密があるみたいなのに、下手にその事を聞けば二度とビールが飲めなくなるかもしれないのよ」
「そうじゃぞ、ワシでも聞かんな」
「気を使わせてしまったみたいですいません、確かに俺には秘密がありますけど他人に言いふらしたりしなければ、質問くらいは構いませんよ、勿論答えられない事もありますけど」
「そうなの?!それなら折り畳める椅子の材質が気になるわね、ステンレスの椅子ともうひとつ違う金属が使われていた椅子があったの、それが気になるのよ!」
そういえばキャンプ道具を買った時にあったな、ステンレス製の椅子とアルミ製の椅子が、しかしよく見てるなぁ
「あの椅子に使われてたのはアルミニウムで、原料はボーキサイトっていう鉱石ですね、残念ながらアルミニウムの作り方は分からないんですけど」
「充分よ、原料が分かったんだから、それでこの事はどこまで話して良いのかしら?わざわざそのスプーンを見せたと言う事は、ある程度周りに知られるのを覚悟しての事でしょうから」
「理解が早くて助かります、俺の事を黙っていて貰えれば、お二人の判断で全てを話して貰って構いませんよ、俺には金属加工の知識は無いですから」
「お前さん、そんな事を言いつつまた何か儲けの算段でもしてるんじゃないのか?」
「やだなぁ、完全に専門外ですよ」
「まあいい、ステンレスにアルミニウムか、これが量産出来れば金属鎧に革命が起きるぞ!まずは信用出来る知り合いに話して鉱脈探しからじゃな♪」
この世界でステンレスは未知の金属だったか、ドワーフでも知らないんだから一般人がステンレスを見ても少し見た目の違う鉄って認識なんだろう
この世界の便利な道具は基本的に魔道具だし、そりゃあ見たくらいじゃ騒ぎにならんか
疑問が1つ解消されて清々しい気分だ、新しい下着を履いた時のようにな♪
つづく。
281
お気に入りに追加
868
あなたにおすすめの小説
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる