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第6章 新たなる旅立ち
第104話 熊耳婦人服店
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いざ、熊耳婦人服店へ!
ドアを開けると店内は婦人服というより普通の服屋だな
シャツやワンピースといった洋服があって、どちらもこの国では珍しいデザインだ。
店内のレイアウトもなんとなく日本っぽさが感じられる気がする
ただ、どことなく古いというかレトロというか全体的に昭和っぽいんだよな、俺と同じで昭和生まれの人だろうか?
木札にも書いてあった熊耳婦人服店という店名も、平成生まれの人がわざわざ婦人服店とは書かない気がする
店内を見る限り婦人服は見当たらないし、日本で婦人服店を経営してたのかな?
「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?」
「ええと、何か探してるわけじゃ無いんだけど、見るだけでもいいですか?」
「勿論です、ごゆっくりどうぞ」
声をかけて来た店員の外見はこの国の人だから日本人かどうかは分からんな
小さいけど立派な店だし普通に暮らしてるっぽいから、わざわざ危険を犯してまで日本人を探さなくてもいいか
奴隷になってるとかだったら、、、俺は見て見ぬフリをして帰るだろうな
俺に人助けの趣味など無い!
とりあえず普通に服を見よう。
「カスミは服に興味好あんの?」
「はい♪ご主人様に貰った服やコサージュを見て思ったんです、ドレスとは別に普段から着れる可愛い服があれば良いのにって」
「そうかぁ、じゃあキャラバンシティに帰ったら服作ってみるか?」
「えっ?!わっ私が服を作っていいんですか?」
「いいに決まってるやん、布とか道具とか必要な物はだいたいあるから、そうやな、製麺所に部屋余ってるからそこを作業場にしもええな」
「ご主人様ありがとうございます♪」
「せっかくやしカスミに似合う服買っていこうか、、、この襟付きのワンピースっぽいのどうや?」
「似合ってるでしょうか?」
「ええとこのお嬢さんみたいで、よう似合ってるで♪」
「それじゃあ私この服が、、、ほっ、欲しいです」
「っ?!、、、ニッ、ニィナ聞いたか!」
「はい、カスミがあの服が欲しいと確かに聞きました」
そうか、俺の聞き間違いではなかったんやな、遠慮と我慢ばっかりして自分を押し殺してたカスミが
はじめて自分の意思で服が欲しいって、、、
俺のカスミとスミレへの接し方が合ってんのかは正直分からん、俺より器用なやつやったらもっと上手いことやるんかもしれん
でも
少しずつでも前に進んでるんやったら、それはカスミが成長してる証拠やと思う。
俺みたいな不器用なおっさんと一緒におっても成長してくれるなんて、こんな嬉しい事、他には無いのとちがうやろか
「ご主人様、大丈夫ですか?!」
「だっ大丈夫やカスミ、目にゴミが入っただけやから」
「主様は私が見ていますので、カスミは他に欲しい服を選んで来なさい」
「いえ、私はこの服だけで充分です」
「それやったらメリルとスミレに似合う服選んでくれるか」
「はい♪」
「主様、嬉しいのは分かりますが我慢して下さい」
「しょうがないやろ、目にゴミが入って痛いんやから(泣)でも嬉しいなぁ♪」
『ムニッ』
む゛っ?!
急に息が、、、
「む゛う゛ぅぅ、、ぷはぁっ!はぁ、はぁ、、、ニィナ、急に俺の顔に胸を押し付けるなよ、死ぬかと思ったぞ!」
「申し訳ありません、主様のそのようなお顔を他人に見られたく無かったので」
今この店内に客は俺達だけだ、店員のお姉さんはいるけど見て見ぬフリをしてくれている
空気の読めるお姉さん、ありがとう!
だからわざわざ胸を押し付けなくてもよかったと思うよ
「まあ、お陰で涙が止まったから結果的には良かったよ」
「主様」
「どうした?」
「わっ、私にも、、、服を選んで頂く事は可能でしょうか?」
「おっ、おう、勿論や!ニィナはどんなんが似合うかなぁ」
俺は女心なんてよく分からん朴念仁だ、でもここで余計な事を言ってはいけない事ぐらいは分かる
わざわざ俺が服を選ぶ理由までは分からんけど、ニィナが嬉しそうだから今はこの笑顔を見ているのが正解だと思う
「ご主人様この服でどうでしょうか?」
「ええやん♪メリルとスミレによう似合いそうや
それでニィナには、、、このシャツとスカートがええと思うんやけど」
「ではこれにします♪」
「他の見て決めなくて良いのか?」
「これが良いので構いません」
「そうか、あとはケイトの分やけど難しいなぁ、ケイトってワンピースとか着るかな?」
「なんとも言えませんね、ケイト殿は基本的に動きやすい服しか着ませんから」
「とりあえずお揃いのワンピースにしとくか、念の為にシンプルなシャツも買ってこう
すいませーん、お会計お願いします」
「はーい、たくさん買って頂いてありがとうございます、金額はえぇーと、、、てっ店長ー!!」
お店の店員でもこの程度の計算が出来ないとは
店の奥から店長さんが出て来たけどこの人が熊耳さんかな?
見た目はやはりこの国の人だけど
「またですか、だからいつも言ってるでしょう計算の練習をしなさいと」
「でも1度にこんなに沢山買う人なんていませんし」
「従業員の教育不足でお待たせして申し訳ございません、あらっ?本当に沢山お買いになられるのね」
「良いデザインの服が沢山ありましたからね、襟付きのワンピースなんて初めて見ましたし、良い買い物が出来て良かったですよ」
「えっ?」
「え?」
何故か店長さんが驚いたようなよく分からないリアクションをしたので俺もつられて声を出しちゃったけど、何か変な事言ったかな?
「いえ!ごめんなさいぼぅーっとしてしまって、えぇーっとお会計ですね、沢山買って頂いたので端数はおまけして大銀貨3枚になります」
「ありがとうございます♪大銀貨3枚ですね、はいどうぞ」
「ちょうどですね、ありがとうございました♪」
「服も買ったし、帰るか」
「「はい♪」」
「お客さまー、お待ちくださーい!」
店を出て歩いてるとさっきの店長さんが追いかけて来た。
「どうしたんですか?」
「渡すのを忘れていました、これレシートです」
「わざわざありがとうございます」
「・・・もしかして、あなたは日本人ですか?」
え?
えぇーーーー!!
つづく。
ドアを開けると店内は婦人服というより普通の服屋だな
シャツやワンピースといった洋服があって、どちらもこの国では珍しいデザインだ。
店内のレイアウトもなんとなく日本っぽさが感じられる気がする
ただ、どことなく古いというかレトロというか全体的に昭和っぽいんだよな、俺と同じで昭和生まれの人だろうか?
木札にも書いてあった熊耳婦人服店という店名も、平成生まれの人がわざわざ婦人服店とは書かない気がする
店内を見る限り婦人服は見当たらないし、日本で婦人服店を経営してたのかな?
「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?」
「ええと、何か探してるわけじゃ無いんだけど、見るだけでもいいですか?」
「勿論です、ごゆっくりどうぞ」
声をかけて来た店員の外見はこの国の人だから日本人かどうかは分からんな
小さいけど立派な店だし普通に暮らしてるっぽいから、わざわざ危険を犯してまで日本人を探さなくてもいいか
奴隷になってるとかだったら、、、俺は見て見ぬフリをして帰るだろうな
俺に人助けの趣味など無い!
とりあえず普通に服を見よう。
「カスミは服に興味好あんの?」
「はい♪ご主人様に貰った服やコサージュを見て思ったんです、ドレスとは別に普段から着れる可愛い服があれば良いのにって」
「そうかぁ、じゃあキャラバンシティに帰ったら服作ってみるか?」
「えっ?!わっ私が服を作っていいんですか?」
「いいに決まってるやん、布とか道具とか必要な物はだいたいあるから、そうやな、製麺所に部屋余ってるからそこを作業場にしもええな」
「ご主人様ありがとうございます♪」
「せっかくやしカスミに似合う服買っていこうか、、、この襟付きのワンピースっぽいのどうや?」
「似合ってるでしょうか?」
「ええとこのお嬢さんみたいで、よう似合ってるで♪」
「それじゃあ私この服が、、、ほっ、欲しいです」
「っ?!、、、ニッ、ニィナ聞いたか!」
「はい、カスミがあの服が欲しいと確かに聞きました」
そうか、俺の聞き間違いではなかったんやな、遠慮と我慢ばっかりして自分を押し殺してたカスミが
はじめて自分の意思で服が欲しいって、、、
俺のカスミとスミレへの接し方が合ってんのかは正直分からん、俺より器用なやつやったらもっと上手いことやるんかもしれん
でも
少しずつでも前に進んでるんやったら、それはカスミが成長してる証拠やと思う。
俺みたいな不器用なおっさんと一緒におっても成長してくれるなんて、こんな嬉しい事、他には無いのとちがうやろか
「ご主人様、大丈夫ですか?!」
「だっ大丈夫やカスミ、目にゴミが入っただけやから」
「主様は私が見ていますので、カスミは他に欲しい服を選んで来なさい」
「いえ、私はこの服だけで充分です」
「それやったらメリルとスミレに似合う服選んでくれるか」
「はい♪」
「主様、嬉しいのは分かりますが我慢して下さい」
「しょうがないやろ、目にゴミが入って痛いんやから(泣)でも嬉しいなぁ♪」
『ムニッ』
む゛っ?!
急に息が、、、
「む゛う゛ぅぅ、、ぷはぁっ!はぁ、はぁ、、、ニィナ、急に俺の顔に胸を押し付けるなよ、死ぬかと思ったぞ!」
「申し訳ありません、主様のそのようなお顔を他人に見られたく無かったので」
今この店内に客は俺達だけだ、店員のお姉さんはいるけど見て見ぬフリをしてくれている
空気の読めるお姉さん、ありがとう!
だからわざわざ胸を押し付けなくてもよかったと思うよ
「まあ、お陰で涙が止まったから結果的には良かったよ」
「主様」
「どうした?」
「わっ、私にも、、、服を選んで頂く事は可能でしょうか?」
「おっ、おう、勿論や!ニィナはどんなんが似合うかなぁ」
俺は女心なんてよく分からん朴念仁だ、でもここで余計な事を言ってはいけない事ぐらいは分かる
わざわざ俺が服を選ぶ理由までは分からんけど、ニィナが嬉しそうだから今はこの笑顔を見ているのが正解だと思う
「ご主人様この服でどうでしょうか?」
「ええやん♪メリルとスミレによう似合いそうや
それでニィナには、、、このシャツとスカートがええと思うんやけど」
「ではこれにします♪」
「他の見て決めなくて良いのか?」
「これが良いので構いません」
「そうか、あとはケイトの分やけど難しいなぁ、ケイトってワンピースとか着るかな?」
「なんとも言えませんね、ケイト殿は基本的に動きやすい服しか着ませんから」
「とりあえずお揃いのワンピースにしとくか、念の為にシンプルなシャツも買ってこう
すいませーん、お会計お願いします」
「はーい、たくさん買って頂いてありがとうございます、金額はえぇーと、、、てっ店長ー!!」
お店の店員でもこの程度の計算が出来ないとは
店の奥から店長さんが出て来たけどこの人が熊耳さんかな?
見た目はやはりこの国の人だけど
「またですか、だからいつも言ってるでしょう計算の練習をしなさいと」
「でも1度にこんなに沢山買う人なんていませんし」
「従業員の教育不足でお待たせして申し訳ございません、あらっ?本当に沢山お買いになられるのね」
「良いデザインの服が沢山ありましたからね、襟付きのワンピースなんて初めて見ましたし、良い買い物が出来て良かったですよ」
「えっ?」
「え?」
何故か店長さんが驚いたようなよく分からないリアクションをしたので俺もつられて声を出しちゃったけど、何か変な事言ったかな?
「いえ!ごめんなさいぼぅーっとしてしまって、えぇーっとお会計ですね、沢山買って頂いたので端数はおまけして大銀貨3枚になります」
「ありがとうございます♪大銀貨3枚ですね、はいどうぞ」
「ちょうどですね、ありがとうございました♪」
「服も買ったし、帰るか」
「「はい♪」」
「お客さまー、お待ちくださーい!」
店を出て歩いてるとさっきの店長さんが追いかけて来た。
「どうしたんですか?」
「渡すのを忘れていました、これレシートです」
「わざわざありがとうございます」
「・・・もしかして、あなたは日本人ですか?」
え?
えぇーーーー!!
つづく。
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