テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
116 / 303
第6章 新たなる旅立ち

第102話 潮干狩り

しおりを挟む
「よし、みんな準備は良いか?」

「ねぇダンナ、準備は良いけど今から畑でも作るの?」

「ここで畑を作っても何も育たないだろうな(笑)今から貝を掘るんだよ、まあ見ててくれ」


俺は潮が引いた干潟の適当な所に行き、持っている鍬を降り下ろす。

せいっ!

ザクッ

よし!綺麗に突き刺さった、後はテコの原理で柄をもって土を掘り起こせば、、、

出たー!

誰も貝なんて採らないからか1発目でデカイのが来た。15センチくらいの立派なハマグリだ♪


「シンさん、その石はそれほど価値があるのですか?」

石?

なるほど、貝を石だと思っていたから誰も食べてなかったのか

そうすると貝の美味しさが広まるとちょいとマズイかな?

俺達が貝を掘るぐらいは問題無いけど、もし街の人が殺到して貝を掘りまくったら全滅するかもしれん

ゲオルグ様に頼んで貝を掘るのは許可制にしないと駄目かな?

貴重な資源は豊富なうちに対策を考えておかないと手遅れになってしまう。


「タコヤーさん、これは貝という生き物でとても美味しいのですが、当分の間秘密にして下さい!対価は何か考えますので」

「対価など不要ですよ、シンさんにはお世話になりっぱなしなんですから」

「そうですか、まあ今は一緒に貝を掘りましょう、道具も貸しますから」


「それじゃあ、ニィナとケイトは沖に向かってガンガン掘ってくれ、俺達は近場で掘るから」

「かしこまりました、ではケイト殿参りましょうか」

「おー!」


よっしゃガンガン掘るぜ!

ザクッザクッ、、、ザクッザクッ、、ザクッザクッ、、、ザクッザクッ


ふぅ~、それにしてもちょっと掘っただけで既にバケツが一杯だよ、どの貝も1個が大きいってのもあるけど

「おにいちゃん、これってさっきの貝と違うけどどうかな?」

「どれどれ、、、おぉ!メリル良いの見付けたな♪これはアサリって言うんだ、スープにすると旨いよ」

「そうなんだ、じゃあ沢山見付けて明日の朝食だね♪」


さて、カスミとスミレはどうかな

わぁお!既に貝の山が出来てる(汗)

獣人は身体能力が高いとは聞いてたけど、カスミはともかくスミレも凄まじいな


「おーい、カスミー、スミレー、沢山捕れたしそれくらいで充分だよー」

「「はーい」」


大漁大漁♪我が家は大食いってわけじゃないから、これだけあれば当分貝には困らんだろ


「タコヤーさんもお疲れ様、大漁じゃないですか♪」

「ええ、大漁なのですがこの石、、、貝でしたね、とても食べれるようには見えないのですが」

「まあ、見た目は石ですからね、1個開けてみましょうかパカッ、、、とこんな感じです」

「おお?!本当に石では無かったのですね、それにしても海の生き物というのは見た目が凄い物ばかりですね」

「ははは、見慣れないと気持ち悪くてもしょうがないですよ」

「これも焼いて食べるのでしょうか?」

「煮ても焼いても美味しいですけど、生きたままひと晩くらい綺麗な海水に浸けて砂出ししないと食べられませんよ」

「やはり、美味しく食べるにはそれなりの知識が必要なのですね」


とはいえ、俺もこれ以上の知識は無いんだけどな(笑)


「おーい、ダンナァー」


ニィナとケイトも帰って来たか


「2人ともどうだった?」

「見てよ!スゲェ格好いいやつ見付けたんだぁ♪」


嬉しそうにやって来たケイトが手に持ってるのは、体長60センチくらいあるスゲェ巨大な海老だった。


「マジかよ!しかもそれ伊勢海老じゃね?いや、ここはサウスビーチだからサウス海老か?まあどっちにしても旨いやつだよ、やったな♪」

「えへへ♪」

「ニィナはどうだった?」

「はい、貝は沢山捕れているようでしたので違う物をと思い、岩場に行ってみたら少し見た目の異なる貝が居ました、いかがでしょうか?」

「どれどれ、、、サザエ!

ニィナ、これは日本酒にとても合うやつだ、皆には内緒で頼む!」

「ふふっ、かしこまりました♪」


ニィナが持って来たサザエも当然のように巨大だった、みんなに内緒にする必要は無いんだけど

こうやってちょっとした秘密を共有する事で絆が少しでも深まればいいなぁと思ってみたり

奴隷解放出来ない以上は、生涯一緒に居る事になるだろうからこういう些細な事の積み重ねが大切だと俺は思ってる


それにしても思わぬ収穫で大満足やな♪


サザエはゲオルグ様に頼んで侯爵家で徹底管理してもらおう

貴重な資源は俺がまもーる!







つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

処理中です...