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第6章 新たなる旅立ち

第98話 レシピ登録をしよう。

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ソレイユ様が気に入った下着も無事見つかり

私服に着替えて侯爵家を後にした俺とケイトは、このまま商業ギルドでレシピ登録に向かう事にした。

本音を言えば疲れているのでさっさと帰ってスミレのもふもふ尻尾に癒されたいのだが、面倒な事はさっさと終らせないと落ち着かない

俺は夏休みの宿題も最初の1週間で自由研究等を除いて、ほぼ終わらせてからじゃないと夏休みを楽しめないタイプだ。



ケイトと街を見ながら商業ギルドにやって来た。

侯爵領って事もあるのかキャラバンシティのギルドと比べてもかなり立派な建物だ、


ちなみに冒険者ギルドは国が管理しているので、王都以外はほぼ同じ造りの建物になっているらしい

さっそく商業ギルドの建物に入り受付に向かう


「こんにちは、池田屋商会のシンと申します。用件はこの手紙を読んで頂ければ分かると思います。どうぞ」


俺は事前にゲオルグ様から預かった手紙を渡す。


「では拝見いたしま、、す?!こっ、これは侯爵家の印!しょ、少々お待ち下さいませ(汗)」


職員さんは手紙を持ったまま走って行ってしまった。

しばらくぼーっと待っているとシュッとした見た目の、いかにも仕事出来ます!みたいな男性がやって来た。


「お待たせ致しました。あなたが池田屋商会のシンさんですね?私はギルドマスターのアルヴェロヴェールと申します。長いので気軽にアルとお呼び下さい

レシピの件はゲオルグ様からお話を伺っておりますので私の部屋へどうぞ」


部屋に案内されると既にお茶とクッキーが用意されていた。目の前の男は見た目と違ってせっかちさんなのだろうか?


「さあさあ、座ってください、まずはお茶でも飲んで落ち着いてから話をしましょう」


俺はさっさとレシピ登録して帰りたいのだが、そう言われて断る訳にもいかず仕方なくお茶を飲む事にする

ズズッ、、、味は普通だな、何のお茶かは分からんけどな

次にクッキーを食べる『ゴリッ、ゴリゴリ』かっ堅い!

なんかもう堅焼き煎餅だよ、この国はパンといいクッキーといい堅いのが好きだな

味は甘さ控えめの乾パンみたいで不味くは無いが、旨い物でも無い

口の中の水分を一瞬で全部持っていかれるし、それはケイトも同じだったようで、お茶で必死に流し込んでいる


「ふふっ、あははははは」


何故か目の前に座る男に大爆笑されている、初対面なのに失礼な奴だ!


「帰っていいか?」

「これは大変失礼致しました。お二人が食べているクッキー、実は貴族にも出す高級な物だったのですが、それをお二人が全く美味しそうに食べていなかったのが、どうにも可笑しくて我慢出来ず笑ってしまいました♪

シンさんは美味しい食べ物のレシピを次々登録している話題の人ですからね、このクッキーを食べた反応を見たかったというのもあります。その結果あなたは私の想像以上の方だと分かりました!

試す真似をして申し訳ありません、このお詫びは私がシンさんの奴隷になる事で許して頂きたい」


こいつはいきなり何を言い出すんだ?


「意味が分からないんだけど」

「簡単な話ですよ、ここでギルマスをしているより、あなたの奴隷となって働いた方がとても楽しそうだからです♪

池田屋商会では奴隷が一般の従業員と変わらぬ待遇だという事は分かっていましたからね」

「えぇーと、アルヴェ、、、」

「アルで構いませんよ」

「アルの頭がブッ飛んでるのは分かったよ、もう気にしてないし謝罪も受けとる

だがしかし

アルを俺の奴隷にするのは断る!お前を奴隷にするとスゲェー面倒な気がするからな!」

「あははははは、さすがシンさんだ!私はよく他人からお前は頭はキレるがキレ過ぎて面倒だ、なんてよく言われるのですよ

意味は分かりませんが、そのせいでギルマスなどというつまらない仕事をする事になったのですけどね」

「同じ意見の奴がいて嬉しいよ、だから早くレシピ登録してもらえるかな」

「勿論です、さっそくレシピを拝見させて頂きますね」


魚醤 、魚の三枚下ろし、マリネ 、寒天、 バルサミコ酢、魚のフライ、カマボコ、つみれ、昆布出汁

用意したレシピはこんな感じ、魚醤が出来ればそれだけで魚は美味しく食べられるから需要は増えるはず

魚醤は少しクセがあるけど、魚の頭をそのまま食べるよりは全然マシだろう。

いくつか除外したり追加したレシピもある、もう少し魚が普及しないと誰も作ろうとしないレシピもあるから

その辺は様子をみながらかな。


「ふむふむ、ざっと見ただけですけど魚醤とバルサミコ酢は難しそうですね、是非サンプルが欲しいです。寒天はよく分かりませんが、残りは魚さえあればどうにかなるでしょう」


おお!

ざっと見ただけでそこまで分かるとは、頭がキレるのは本当らしい


「アルの言う通り魚醤とバルサミコ酢は難しいと思う、俺からは頑張れとしか言えないけどサンプルはあるから」


俺は収納から魚醤を取り出して小皿に入れてアルに渡してやる


「これですかスンスン、ペロッと、ほぉー独特の香りと味ですがこの魚醤というのは魚から作られただけあって魚に合いそうですね

やはりギルマスなどという仕事より、シンさんと一緒に仕事をした方が絶対楽しそうです♪」

「だが断る!」

「あははは、やはり断られてしまいますか。それなら私が個人的にキャラバンシティで商売をして、池田屋商会になくてはならない取り引き相手となれば問題ありませんね♪」


うーむどうしよう、こいつ思った以上に面倒だ(汗)

しかも頭がキレるってのは本当みたいだし、、、


これはあれやな、考えたらあんやつや!

っていうか最近考えたらあかん事多過ぎー(泣)






つづく。
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