110 / 305
第6章 新たなる旅立ち
第96話 可愛いは正義!
しおりを挟む
ゲオルグ様が戻って来るまで、部屋には俺とケイトと執事のおっさんだけになってしまった。
やる事が無いからケイトと一緒に皿に残ったポテチを食べている、さすがに酒を飲むわけにもいかないし暇だねぇ
「お父さまぁ~?」
とりあえずぼーっとしてたら部屋のドアが開いて女の子がひょっこり顔だけ出して部屋を覗いている
お父様って事はゲオルグ様の娘さんだろうか?
「ミレイユ様どうされました?旦那様は席を外しておられますので、ここにはお客様しかいませんよ」
「お客様?んー、騎士団の人ですか?」
「はじめましてミレイユ様、私は商人のシンと申します。隣は護衛のケイトです。」
「はじめまして、ミレイユです。」
部屋に入って来て挨拶をするミレイユ様は5~6歳くらいか?シンプルなワンピースのような服で髪を頭のうしろで纏めている
the貴族!って感じのフリフリでド派手なドレスだったらガッカリするところだったけど
ゲオルグ様なのか奥さんの趣味なのかは分からないけど、なかなか良いセンスをしている♪
今居る応接室も凄くシンプルで余計な物が無いし、質実剛健って感じだな
「「あっ!」」
俺は執事のおっさんのところに向かうミレイユ様の後ろ姿を見て、思わず声を出してしまった。
驚いたのはケイトも同じだったようで
それはミレイユ様の髪を纏めているのが赤いリボンの付いたヘアゴムだったからだ。
おそらくキャラバンシティでメリル達が売った物だろう。
この国にヘアゴムがあるとは聞いた事が無いから間違いないと思う。
「御2人とも如何されました?」
「あっ、いえ」
「シン殿待たせたな」
「お父様ぁー♪」
「おおっ、ミレイユ来ていたのか」
「おかえりなさいゲオルグ様、可愛い娘さんですね、リボンの付いた髪留めがよくお似合いです。」
「そうか!やはりシン殿もこの髪留めが似合っていると思うか♪
実を言うとワシはこのように女子供が喜ぶ物に疎くてな、この髪留めも知り合いの商人が娘にとくれた物なのだ、それをとても喜んでくれてな
妻や他の娘達にもと思ったのだが、どうやらなかなか手に入らん物らしい、伸び縮みする不思議な紐が使われておるから何処かの高名な職人が作ったのやもしれん」
おぅふ!
それは俺が作った1個銅貨1枚程度のお安い物ですとは流石に言いづらい(汗)
「ミレイユ様こっちに来てみて」
俺がどうしようか悩んでいるとケイトがミレイユ様を手招きしている、何するんだろ?
「なぁにぃ?」
「じゃーん♪」
「あっ!イチゴが付いてるー♪」
「気に入った?ならミレイユ様にあげるよ」
「いいの?!」
ミレイユ様はケイトの持ってるイチゴの付いたヘアゴムとゲオルグ様を交互に見つめている
ふふっ、本当はすぐに受け取って髪につけたいんだろうなぁ
「良いのかケイト殿、見たところそれはミレイユが付けている物と同じ職人が作った物であろう?」
「構わないよ、あたしの髪が短くてこれは付けられないから」
「そうか、ミレイユお礼を」
「はい!ケイトさんありがとうございます、お母様に見せてくるね♪」
ミレイユ様はよほど嬉しかったのか、イチゴの付いたヘアゴムを受け取ると走って部屋を出て行ってしまった。
しかしケイトはミレイユ様の存在を知っててヘアゴムを用意したのかな?
ケイトはAランク冒険者だから貴族の事もそれなりに知ってそうではある。
チラッ
「なっ、何だよダンナ」
「可愛い子の笑顔が見たいのは、俺だけじゃなかったんだなと思っただけだよ」
「いっ、いいだろ(汗)」
「ゴホンッ、それでケイト殿本当に良かったのか?あれはなかなか手に入らぬのであろう」
「ゲオルグ様、実はあの髪留め池田屋商会で作って試しに売った物なのです。お試しだったので作った数が少なくご迷惑をおかけしてしまったみたいで、申し訳ありません」
「なんと?!レシピだけでなくあのような物まで作っていたのか!」
コンコン、ガチャ
「失礼します、あなた!池田屋商会の方が来られているのなら、どうして私に教えて下さらないの!
あら?、、、初めて見る顔だけれど騎士団の方かしら?てっきり池田屋商会の方が来られていると思ったのだけれど」
突然部屋に入って来たのはゲオルグ様の奥さん、でいいのか?
見た目は20代後半くらいでゲオルグ様とはかなり年の離れた夫婦に見える
貴族なら年齢差はあまり関係なさそうだけど
それにしても今の俺の服装は騎士団に見えるらしい、まあ狙い通りだな♪
「ソレイユ、客人に失礼であろう。こちらは池田屋商会会長のシン殿と護衛のケイト殿だ。
シン殿、妻のソレイユだ」
「そちらの方が池田屋商会の会長さんなの?!
あなた!
いつから我が家は池田屋商会の会長自ら足を運んで頂けるような関係になったのかしら?わたし何も聞いていないのだけれど(怒)」
「いっ、いつからと言うてもワシも今日初めて会ったばかりなのだが(汗)」
「あなた!今、社交界でアストレアさんが注目の的になっているのは知っていますよね?そこに池田屋商会が関係している事も
公爵家ですら欲しいと思っても手に入らない物を売っているのが池田屋商会なのですよ!
アストレアさんったら同じ派閥の方達には美容品なんかもお譲りしているのに、他の派閥の方達には数が少ないからといっさいお譲りにならないんですのよ、わたしもう悔しくて(泣)」
おおっ!
アストレア様は俺が売った美容品等を使って色々やってるみたいだけど、そのしわ寄せが俺に来てますよぉーー(汗)
つづく。
やる事が無いからケイトと一緒に皿に残ったポテチを食べている、さすがに酒を飲むわけにもいかないし暇だねぇ
「お父さまぁ~?」
とりあえずぼーっとしてたら部屋のドアが開いて女の子がひょっこり顔だけ出して部屋を覗いている
お父様って事はゲオルグ様の娘さんだろうか?
「ミレイユ様どうされました?旦那様は席を外しておられますので、ここにはお客様しかいませんよ」
「お客様?んー、騎士団の人ですか?」
「はじめましてミレイユ様、私は商人のシンと申します。隣は護衛のケイトです。」
「はじめまして、ミレイユです。」
部屋に入って来て挨拶をするミレイユ様は5~6歳くらいか?シンプルなワンピースのような服で髪を頭のうしろで纏めている
the貴族!って感じのフリフリでド派手なドレスだったらガッカリするところだったけど
ゲオルグ様なのか奥さんの趣味なのかは分からないけど、なかなか良いセンスをしている♪
今居る応接室も凄くシンプルで余計な物が無いし、質実剛健って感じだな
「「あっ!」」
俺は執事のおっさんのところに向かうミレイユ様の後ろ姿を見て、思わず声を出してしまった。
驚いたのはケイトも同じだったようで
それはミレイユ様の髪を纏めているのが赤いリボンの付いたヘアゴムだったからだ。
おそらくキャラバンシティでメリル達が売った物だろう。
この国にヘアゴムがあるとは聞いた事が無いから間違いないと思う。
「御2人とも如何されました?」
「あっ、いえ」
「シン殿待たせたな」
「お父様ぁー♪」
「おおっ、ミレイユ来ていたのか」
「おかえりなさいゲオルグ様、可愛い娘さんですね、リボンの付いた髪留めがよくお似合いです。」
「そうか!やはりシン殿もこの髪留めが似合っていると思うか♪
実を言うとワシはこのように女子供が喜ぶ物に疎くてな、この髪留めも知り合いの商人が娘にとくれた物なのだ、それをとても喜んでくれてな
妻や他の娘達にもと思ったのだが、どうやらなかなか手に入らん物らしい、伸び縮みする不思議な紐が使われておるから何処かの高名な職人が作ったのやもしれん」
おぅふ!
それは俺が作った1個銅貨1枚程度のお安い物ですとは流石に言いづらい(汗)
「ミレイユ様こっちに来てみて」
俺がどうしようか悩んでいるとケイトがミレイユ様を手招きしている、何するんだろ?
「なぁにぃ?」
「じゃーん♪」
「あっ!イチゴが付いてるー♪」
「気に入った?ならミレイユ様にあげるよ」
「いいの?!」
ミレイユ様はケイトの持ってるイチゴの付いたヘアゴムとゲオルグ様を交互に見つめている
ふふっ、本当はすぐに受け取って髪につけたいんだろうなぁ
「良いのかケイト殿、見たところそれはミレイユが付けている物と同じ職人が作った物であろう?」
「構わないよ、あたしの髪が短くてこれは付けられないから」
「そうか、ミレイユお礼を」
「はい!ケイトさんありがとうございます、お母様に見せてくるね♪」
ミレイユ様はよほど嬉しかったのか、イチゴの付いたヘアゴムを受け取ると走って部屋を出て行ってしまった。
しかしケイトはミレイユ様の存在を知っててヘアゴムを用意したのかな?
ケイトはAランク冒険者だから貴族の事もそれなりに知ってそうではある。
チラッ
「なっ、何だよダンナ」
「可愛い子の笑顔が見たいのは、俺だけじゃなかったんだなと思っただけだよ」
「いっ、いいだろ(汗)」
「ゴホンッ、それでケイト殿本当に良かったのか?あれはなかなか手に入らぬのであろう」
「ゲオルグ様、実はあの髪留め池田屋商会で作って試しに売った物なのです。お試しだったので作った数が少なくご迷惑をおかけしてしまったみたいで、申し訳ありません」
「なんと?!レシピだけでなくあのような物まで作っていたのか!」
コンコン、ガチャ
「失礼します、あなた!池田屋商会の方が来られているのなら、どうして私に教えて下さらないの!
あら?、、、初めて見る顔だけれど騎士団の方かしら?てっきり池田屋商会の方が来られていると思ったのだけれど」
突然部屋に入って来たのはゲオルグ様の奥さん、でいいのか?
見た目は20代後半くらいでゲオルグ様とはかなり年の離れた夫婦に見える
貴族なら年齢差はあまり関係なさそうだけど
それにしても今の俺の服装は騎士団に見えるらしい、まあ狙い通りだな♪
「ソレイユ、客人に失礼であろう。こちらは池田屋商会会長のシン殿と護衛のケイト殿だ。
シン殿、妻のソレイユだ」
「そちらの方が池田屋商会の会長さんなの?!
あなた!
いつから我が家は池田屋商会の会長自ら足を運んで頂けるような関係になったのかしら?わたし何も聞いていないのだけれど(怒)」
「いっ、いつからと言うてもワシも今日初めて会ったばかりなのだが(汗)」
「あなた!今、社交界でアストレアさんが注目の的になっているのは知っていますよね?そこに池田屋商会が関係している事も
公爵家ですら欲しいと思っても手に入らない物を売っているのが池田屋商会なのですよ!
アストレアさんったら同じ派閥の方達には美容品なんかもお譲りしているのに、他の派閥の方達には数が少ないからといっさいお譲りにならないんですのよ、わたしもう悔しくて(泣)」
おおっ!
アストレア様は俺が売った美容品等を使って色々やってるみたいだけど、そのしわ寄せが俺に来てますよぉーー(汗)
つづく。
281
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~
裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】
宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。
異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。
元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。
そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。
大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。
持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。
※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる