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第6章 新たなる旅立ち
第96話 可愛いは正義!
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ゲオルグ様が戻って来るまで、部屋には俺とケイトと執事のおっさんだけになってしまった。
やる事が無いからケイトと一緒に皿に残ったポテチを食べている、さすがに酒を飲むわけにもいかないし暇だねぇ
「お父さまぁ~?」
とりあえずぼーっとしてたら部屋のドアが開いて女の子がひょっこり顔だけ出して部屋を覗いている
お父様って事はゲオルグ様の娘さんだろうか?
「ミレイユ様どうされました?旦那様は席を外しておられますので、ここにはお客様しかいませんよ」
「お客様?んー、騎士団の人ですか?」
「はじめましてミレイユ様、私は商人のシンと申します。隣は護衛のケイトです。」
「はじめまして、ミレイユです。」
部屋に入って来て挨拶をするミレイユ様は5~6歳くらいか?シンプルなワンピースのような服で髪を頭のうしろで纏めている
the貴族!って感じのフリフリでド派手なドレスだったらガッカリするところだったけど
ゲオルグ様なのか奥さんの趣味なのかは分からないけど、なかなか良いセンスをしている♪
今居る応接室も凄くシンプルで余計な物が無いし、質実剛健って感じだな
「「あっ!」」
俺は執事のおっさんのところに向かうミレイユ様の後ろ姿を見て、思わず声を出してしまった。
驚いたのはケイトも同じだったようで
それはミレイユ様の髪を纏めているのが赤いリボンの付いたヘアゴムだったからだ。
おそらくキャラバンシティでメリル達が売った物だろう。
この国にヘアゴムがあるとは聞いた事が無いから間違いないと思う。
「御2人とも如何されました?」
「あっ、いえ」
「シン殿待たせたな」
「お父様ぁー♪」
「おおっ、ミレイユ来ていたのか」
「おかえりなさいゲオルグ様、可愛い娘さんですね、リボンの付いた髪留めがよくお似合いです。」
「そうか!やはりシン殿もこの髪留めが似合っていると思うか♪
実を言うとワシはこのように女子供が喜ぶ物に疎くてな、この髪留めも知り合いの商人が娘にとくれた物なのだ、それをとても喜んでくれてな
妻や他の娘達にもと思ったのだが、どうやらなかなか手に入らん物らしい、伸び縮みする不思議な紐が使われておるから何処かの高名な職人が作ったのやもしれん」
おぅふ!
それは俺が作った1個銅貨1枚程度のお安い物ですとは流石に言いづらい(汗)
「ミレイユ様こっちに来てみて」
俺がどうしようか悩んでいるとケイトがミレイユ様を手招きしている、何するんだろ?
「なぁにぃ?」
「じゃーん♪」
「あっ!イチゴが付いてるー♪」
「気に入った?ならミレイユ様にあげるよ」
「いいの?!」
ミレイユ様はケイトの持ってるイチゴの付いたヘアゴムとゲオルグ様を交互に見つめている
ふふっ、本当はすぐに受け取って髪につけたいんだろうなぁ
「良いのかケイト殿、見たところそれはミレイユが付けている物と同じ職人が作った物であろう?」
「構わないよ、あたしの髪が短くてこれは付けられないから」
「そうか、ミレイユお礼を」
「はい!ケイトさんありがとうございます、お母様に見せてくるね♪」
ミレイユ様はよほど嬉しかったのか、イチゴの付いたヘアゴムを受け取ると走って部屋を出て行ってしまった。
しかしケイトはミレイユ様の存在を知っててヘアゴムを用意したのかな?
ケイトはAランク冒険者だから貴族の事もそれなりに知ってそうではある。
チラッ
「なっ、何だよダンナ」
「可愛い子の笑顔が見たいのは、俺だけじゃなかったんだなと思っただけだよ」
「いっ、いいだろ(汗)」
「ゴホンッ、それでケイト殿本当に良かったのか?あれはなかなか手に入らぬのであろう」
「ゲオルグ様、実はあの髪留め池田屋商会で作って試しに売った物なのです。お試しだったので作った数が少なくご迷惑をおかけしてしまったみたいで、申し訳ありません」
「なんと?!レシピだけでなくあのような物まで作っていたのか!」
コンコン、ガチャ
「失礼します、あなた!池田屋商会の方が来られているのなら、どうして私に教えて下さらないの!
あら?、、、初めて見る顔だけれど騎士団の方かしら?てっきり池田屋商会の方が来られていると思ったのだけれど」
突然部屋に入って来たのはゲオルグ様の奥さん、でいいのか?
見た目は20代後半くらいでゲオルグ様とはかなり年の離れた夫婦に見える
貴族なら年齢差はあまり関係なさそうだけど
それにしても今の俺の服装は騎士団に見えるらしい、まあ狙い通りだな♪
「ソレイユ、客人に失礼であろう。こちらは池田屋商会会長のシン殿と護衛のケイト殿だ。
シン殿、妻のソレイユだ」
「そちらの方が池田屋商会の会長さんなの?!
あなた!
いつから我が家は池田屋商会の会長自ら足を運んで頂けるような関係になったのかしら?わたし何も聞いていないのだけれど(怒)」
「いっ、いつからと言うてもワシも今日初めて会ったばかりなのだが(汗)」
「あなた!今、社交界でアストレアさんが注目の的になっているのは知っていますよね?そこに池田屋商会が関係している事も
公爵家ですら欲しいと思っても手に入らない物を売っているのが池田屋商会なのですよ!
アストレアさんったら同じ派閥の方達には美容品なんかもお譲りしているのに、他の派閥の方達には数が少ないからといっさいお譲りにならないんですのよ、わたしもう悔しくて(泣)」
おおっ!
アストレア様は俺が売った美容品等を使って色々やってるみたいだけど、そのしわ寄せが俺に来てますよぉーー(汗)
つづく。
やる事が無いからケイトと一緒に皿に残ったポテチを食べている、さすがに酒を飲むわけにもいかないし暇だねぇ
「お父さまぁ~?」
とりあえずぼーっとしてたら部屋のドアが開いて女の子がひょっこり顔だけ出して部屋を覗いている
お父様って事はゲオルグ様の娘さんだろうか?
「ミレイユ様どうされました?旦那様は席を外しておられますので、ここにはお客様しかいませんよ」
「お客様?んー、騎士団の人ですか?」
「はじめましてミレイユ様、私は商人のシンと申します。隣は護衛のケイトです。」
「はじめまして、ミレイユです。」
部屋に入って来て挨拶をするミレイユ様は5~6歳くらいか?シンプルなワンピースのような服で髪を頭のうしろで纏めている
the貴族!って感じのフリフリでド派手なドレスだったらガッカリするところだったけど
ゲオルグ様なのか奥さんの趣味なのかは分からないけど、なかなか良いセンスをしている♪
今居る応接室も凄くシンプルで余計な物が無いし、質実剛健って感じだな
「「あっ!」」
俺は執事のおっさんのところに向かうミレイユ様の後ろ姿を見て、思わず声を出してしまった。
驚いたのはケイトも同じだったようで
それはミレイユ様の髪を纏めているのが赤いリボンの付いたヘアゴムだったからだ。
おそらくキャラバンシティでメリル達が売った物だろう。
この国にヘアゴムがあるとは聞いた事が無いから間違いないと思う。
「御2人とも如何されました?」
「あっ、いえ」
「シン殿待たせたな」
「お父様ぁー♪」
「おおっ、ミレイユ来ていたのか」
「おかえりなさいゲオルグ様、可愛い娘さんですね、リボンの付いた髪留めがよくお似合いです。」
「そうか!やはりシン殿もこの髪留めが似合っていると思うか♪
実を言うとワシはこのように女子供が喜ぶ物に疎くてな、この髪留めも知り合いの商人が娘にとくれた物なのだ、それをとても喜んでくれてな
妻や他の娘達にもと思ったのだが、どうやらなかなか手に入らん物らしい、伸び縮みする不思議な紐が使われておるから何処かの高名な職人が作ったのやもしれん」
おぅふ!
それは俺が作った1個銅貨1枚程度のお安い物ですとは流石に言いづらい(汗)
「ミレイユ様こっちに来てみて」
俺がどうしようか悩んでいるとケイトがミレイユ様を手招きしている、何するんだろ?
「なぁにぃ?」
「じゃーん♪」
「あっ!イチゴが付いてるー♪」
「気に入った?ならミレイユ様にあげるよ」
「いいの?!」
ミレイユ様はケイトの持ってるイチゴの付いたヘアゴムとゲオルグ様を交互に見つめている
ふふっ、本当はすぐに受け取って髪につけたいんだろうなぁ
「良いのかケイト殿、見たところそれはミレイユが付けている物と同じ職人が作った物であろう?」
「構わないよ、あたしの髪が短くてこれは付けられないから」
「そうか、ミレイユお礼を」
「はい!ケイトさんありがとうございます、お母様に見せてくるね♪」
ミレイユ様はよほど嬉しかったのか、イチゴの付いたヘアゴムを受け取ると走って部屋を出て行ってしまった。
しかしケイトはミレイユ様の存在を知っててヘアゴムを用意したのかな?
ケイトはAランク冒険者だから貴族の事もそれなりに知ってそうではある。
チラッ
「なっ、何だよダンナ」
「可愛い子の笑顔が見たいのは、俺だけじゃなかったんだなと思っただけだよ」
「いっ、いいだろ(汗)」
「ゴホンッ、それでケイト殿本当に良かったのか?あれはなかなか手に入らぬのであろう」
「ゲオルグ様、実はあの髪留め池田屋商会で作って試しに売った物なのです。お試しだったので作った数が少なくご迷惑をおかけしてしまったみたいで、申し訳ありません」
「なんと?!レシピだけでなくあのような物まで作っていたのか!」
コンコン、ガチャ
「失礼します、あなた!池田屋商会の方が来られているのなら、どうして私に教えて下さらないの!
あら?、、、初めて見る顔だけれど騎士団の方かしら?てっきり池田屋商会の方が来られていると思ったのだけれど」
突然部屋に入って来たのはゲオルグ様の奥さん、でいいのか?
見た目は20代後半くらいでゲオルグ様とはかなり年の離れた夫婦に見える
貴族なら年齢差はあまり関係なさそうだけど
それにしても今の俺の服装は騎士団に見えるらしい、まあ狙い通りだな♪
「ソレイユ、客人に失礼であろう。こちらは池田屋商会会長のシン殿と護衛のケイト殿だ。
シン殿、妻のソレイユだ」
「そちらの方が池田屋商会の会長さんなの?!
あなた!
いつから我が家は池田屋商会の会長自ら足を運んで頂けるような関係になったのかしら?わたし何も聞いていないのだけれど(怒)」
「いっ、いつからと言うてもワシも今日初めて会ったばかりなのだが(汗)」
「あなた!今、社交界でアストレアさんが注目の的になっているのは知っていますよね?そこに池田屋商会が関係している事も
公爵家ですら欲しいと思っても手に入らない物を売っているのが池田屋商会なのですよ!
アストレアさんったら同じ派閥の方達には美容品なんかもお譲りしているのに、他の派閥の方達には数が少ないからといっさいお譲りにならないんですのよ、わたしもう悔しくて(泣)」
おおっ!
アストレア様は俺が売った美容品等を使って色々やってるみたいだけど、そのしわ寄せが俺に来てますよぉーー(汗)
つづく。
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