105 / 305
第6章 新たなる旅立ち
第91話 池田屋商会臨時開店!
しおりを挟む
目が覚めるとそこは浜辺だった
浜辺で昼寝をしてたから当然だ。
波の音を聞きながらの昼寝はなかなか気持ち良いものだな、そして他のみんなも気持ち良さそうに寝ている
起こすのも悪いからぼーっと海を見てるのだが
おや?
あの浅瀬にある木の杭と網はタコヤーさんに教えた簀立てか?
もう出来てるとか仕事早いなぁ
あれもちーちゃんさんが送ってくれた物だから魚は問題なく捕れるだろうと思う。
「シンさーん」
「タコヤーさん、もう簀立てを作ったんですね」
「はい、潮の満ち引きを利用するという事でしたので、日暮れ頃に潮が引きますので急ぎました。魚が捕れるといいのですが」
「そこはやってみないと分かりませんからね」
「それと、他の仕掛けなんですけど、朝から仕掛けていたカニ篭を1個だけ引き上げてみたんです、そしたら見事に入ってたんですけど、、、どんな獲物でも欲しいという事でしたので樽に入れて保管してますが」
なんだろうこの微妙な感じ、カニ篭だからカニが捕れたと思うが、初めてカニを見たんだとしたら結構衝撃か?
「それって表面が堅くてハサミのあるやつですか?」
「いえ、まったく真逆の凄くウネウネグネグネしてヌルッとしてて足が沢山ありました」
タコかな?カニ篭でタコが捕れるとは
「そのヌルッとしてるやつも含めて全部引き取りますので、気にせずどんどん捕っちゃって下さい」
「そうおっしゃるのならこちらは構わないのですが」
「おーい、シンさーん!!」
また誰かが俺を呼んでるよ、今日は忙しいな
「君達は、昨日冒険者ギルドで保存食売った冒険者じゃないか、何か用かい?」
「「「「シンさん、すいましゃっした!!」」」」
お前達は高校球児か!ってそれはもういいか
「いきなり謝られても困るんだが」
「そっそうですよね、実は昨日シンさんから買った保存食、何でか分からないんですけど他の冒険者達に知られてしまいまして
それでそいつら保存食買う為に商業ギルドに集まって、ちょっとした騒ぎになってるんです」
「そいつらにも保存食売って欲しいって事かい?」
「すいません、もう売り切れてるかもしれないとは言ったんですけど(汗)」
はっきり言って面倒くさい、俺は自分の意思で自由に商売がしたいのであって、他人から言われて商売する気は無い!
でもこのままにしとくのも、ほんの少~しだけど罪悪感があるんだよな、どうしようか
「ねぇ、おにいちゃん」
「メリル起きたのか、どうしたの?」
「また面倒くさいとか思ってたんでしょ?」
おぅふ!さすがメリルさんよく分かってらっしゃる(汗)
「今から露店の準備とか無理じゃないかなぁ~、許可も必要だし」
「それなら大丈夫です、商業ギルドが許可出すらしいんで!」
「あの!シンさんが良ければエモンズ商会でお手伝いさせて頂きます。露店ならウチで準備しますので」
くっ!
外堀が埋められてしまったか、だがこちらにはまだ内堀があるんだ、籠城作戦だ!
「あの、質問なんですけど売るのは保存食じゃないと駄目なんですか?」
メリル?!何故そんな質問をするんだ?
「えっ?あぁ、多分他の物でもいいと思うよ、旨い物が食いたいだけだろうから」
「それじゃあ、タコヤーさん今ある魚全部持って来て下さい」
「今あるのは、あのヌルッとしたやつですけどいいんですか?」
「大丈夫です、わたしとおにいちゃんならどんな物でも売って見せます!そうだよねおにいちゃん♪」
あっという間に内堀も埋まったけど
メリルにこんな良い笑顔で言われて断る選択肢など無い!
「しゃーない、みんな起きろーって既に起きてるのかよ!
池田屋商会臨時開店だ!」
「やっぱお嬢とダンナはそうでなくっちゃ♪」
「ふふっ、この街の領主に主様の凄さを見せつけてやりましょう♪」
「ご主人様、私も頑張ります!!」
「スミレも頑張るー♪」
「みんな、頼りにしてるよ!それじゃあタコヤーさんは露店と魚の準備を、冒険者の君達にも商品を売るの手伝って貰うから」
「「「「ありがとしゃしゃっす!!」」」」
お前達はもう高校球児でいいんじゃねぇかな(笑)
◇ ◇ ◇
という訳で
急いで浜辺である程度の仕込みをしてから商業ギルド前の通りにやって来たのだが
通りが沢山の人で超混雑している(汗)
とにかく今は準備だ!
今までの経験を活かして通りの左右に別れて4つ店を出す事にした。こうする事で1つの店に客が集中するのを避ける狙いだ。
まず、冒険者達に売って貰うのは蒸しただけの『ジャガイモ』、シンプルに塩のみで食べる
実はこのジャガイモ、眠れる森のエルフからお礼として山ほど贈られてきた物だ。
まさに雑草の如く育つらしいので、俺達だけでは消費しきれない程貰ったんだ。
ここでジャガイモの旨さを広めれば、ジャガイモも売れるようになるだろ。
この蒸しジャガイモは1個銅貨1枚で、お一人様2個までだ。これを通りの左右に1店ずつ出す。
次に毎度お馴染みウィンナーサンド、他の街じゃあそれほど知られてないからちょうど良いだろう。
最後は割り箸に刺した、お好み焼きのような物だ。
作り方は、小麦粉に卵、昆布でとった出汁と魚醤
タコヤーさんが持ってきたタコと刻んだキャベツを入れ、鉄板全体に薄めに伸ばす。
焼けたらクルクルっと巻いてから切って、それに割り箸を刺せば、『お好み焼き串?』の完成だ。
昔1度だけ屋台で見たことがあるのを真似してみたが上手く出来たな
濃いめの出汁が効いてるからソースは無しでも旨いように作っている。
これで準備完了
池田屋商会臨時開店だ!
つづく。
浜辺で昼寝をしてたから当然だ。
波の音を聞きながらの昼寝はなかなか気持ち良いものだな、そして他のみんなも気持ち良さそうに寝ている
起こすのも悪いからぼーっと海を見てるのだが
おや?
あの浅瀬にある木の杭と網はタコヤーさんに教えた簀立てか?
もう出来てるとか仕事早いなぁ
あれもちーちゃんさんが送ってくれた物だから魚は問題なく捕れるだろうと思う。
「シンさーん」
「タコヤーさん、もう簀立てを作ったんですね」
「はい、潮の満ち引きを利用するという事でしたので、日暮れ頃に潮が引きますので急ぎました。魚が捕れるといいのですが」
「そこはやってみないと分かりませんからね」
「それと、他の仕掛けなんですけど、朝から仕掛けていたカニ篭を1個だけ引き上げてみたんです、そしたら見事に入ってたんですけど、、、どんな獲物でも欲しいという事でしたので樽に入れて保管してますが」
なんだろうこの微妙な感じ、カニ篭だからカニが捕れたと思うが、初めてカニを見たんだとしたら結構衝撃か?
「それって表面が堅くてハサミのあるやつですか?」
「いえ、まったく真逆の凄くウネウネグネグネしてヌルッとしてて足が沢山ありました」
タコかな?カニ篭でタコが捕れるとは
「そのヌルッとしてるやつも含めて全部引き取りますので、気にせずどんどん捕っちゃって下さい」
「そうおっしゃるのならこちらは構わないのですが」
「おーい、シンさーん!!」
また誰かが俺を呼んでるよ、今日は忙しいな
「君達は、昨日冒険者ギルドで保存食売った冒険者じゃないか、何か用かい?」
「「「「シンさん、すいましゃっした!!」」」」
お前達は高校球児か!ってそれはもういいか
「いきなり謝られても困るんだが」
「そっそうですよね、実は昨日シンさんから買った保存食、何でか分からないんですけど他の冒険者達に知られてしまいまして
それでそいつら保存食買う為に商業ギルドに集まって、ちょっとした騒ぎになってるんです」
「そいつらにも保存食売って欲しいって事かい?」
「すいません、もう売り切れてるかもしれないとは言ったんですけど(汗)」
はっきり言って面倒くさい、俺は自分の意思で自由に商売がしたいのであって、他人から言われて商売する気は無い!
でもこのままにしとくのも、ほんの少~しだけど罪悪感があるんだよな、どうしようか
「ねぇ、おにいちゃん」
「メリル起きたのか、どうしたの?」
「また面倒くさいとか思ってたんでしょ?」
おぅふ!さすがメリルさんよく分かってらっしゃる(汗)
「今から露店の準備とか無理じゃないかなぁ~、許可も必要だし」
「それなら大丈夫です、商業ギルドが許可出すらしいんで!」
「あの!シンさんが良ければエモンズ商会でお手伝いさせて頂きます。露店ならウチで準備しますので」
くっ!
外堀が埋められてしまったか、だがこちらにはまだ内堀があるんだ、籠城作戦だ!
「あの、質問なんですけど売るのは保存食じゃないと駄目なんですか?」
メリル?!何故そんな質問をするんだ?
「えっ?あぁ、多分他の物でもいいと思うよ、旨い物が食いたいだけだろうから」
「それじゃあ、タコヤーさん今ある魚全部持って来て下さい」
「今あるのは、あのヌルッとしたやつですけどいいんですか?」
「大丈夫です、わたしとおにいちゃんならどんな物でも売って見せます!そうだよねおにいちゃん♪」
あっという間に内堀も埋まったけど
メリルにこんな良い笑顔で言われて断る選択肢など無い!
「しゃーない、みんな起きろーって既に起きてるのかよ!
池田屋商会臨時開店だ!」
「やっぱお嬢とダンナはそうでなくっちゃ♪」
「ふふっ、この街の領主に主様の凄さを見せつけてやりましょう♪」
「ご主人様、私も頑張ります!!」
「スミレも頑張るー♪」
「みんな、頼りにしてるよ!それじゃあタコヤーさんは露店と魚の準備を、冒険者の君達にも商品を売るの手伝って貰うから」
「「「「ありがとしゃしゃっす!!」」」」
お前達はもう高校球児でいいんじゃねぇかな(笑)
◇ ◇ ◇
という訳で
急いで浜辺である程度の仕込みをしてから商業ギルド前の通りにやって来たのだが
通りが沢山の人で超混雑している(汗)
とにかく今は準備だ!
今までの経験を活かして通りの左右に別れて4つ店を出す事にした。こうする事で1つの店に客が集中するのを避ける狙いだ。
まず、冒険者達に売って貰うのは蒸しただけの『ジャガイモ』、シンプルに塩のみで食べる
実はこのジャガイモ、眠れる森のエルフからお礼として山ほど贈られてきた物だ。
まさに雑草の如く育つらしいので、俺達だけでは消費しきれない程貰ったんだ。
ここでジャガイモの旨さを広めれば、ジャガイモも売れるようになるだろ。
この蒸しジャガイモは1個銅貨1枚で、お一人様2個までだ。これを通りの左右に1店ずつ出す。
次に毎度お馴染みウィンナーサンド、他の街じゃあそれほど知られてないからちょうど良いだろう。
最後は割り箸に刺した、お好み焼きのような物だ。
作り方は、小麦粉に卵、昆布でとった出汁と魚醤
タコヤーさんが持ってきたタコと刻んだキャベツを入れ、鉄板全体に薄めに伸ばす。
焼けたらクルクルっと巻いてから切って、それに割り箸を刺せば、『お好み焼き串?』の完成だ。
昔1度だけ屋台で見たことがあるのを真似してみたが上手く出来たな
濃いめの出汁が効いてるからソースは無しでも旨いように作っている。
これで準備完了
池田屋商会臨時開店だ!
つづく。
277
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~
裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】
宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。
異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。
元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。
そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。
大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。
持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。
※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる