103 / 305
第6章 新たなる旅立ち
第89話 タコヤー・K・エモンズ
しおりを挟む
朝、目が覚めるとそこは見知らぬ部屋だった。
当然だな、ここはサウスビーチの街で商業ギルドに用意して貰った宿代わりの家なんだから
久しぶりにひとりで寝る夜は気を使わなくていいけど、寂しさもあるんだよなぁ
さてと、朝食を作りに行くか
「「「おはようございますご主人様」」」
「おっと?!、、、ニィナ、カスミ、スミレおはよう」
まさか旅先でも待ってるとは思わんかった。
だが俺を驚かせた2人には倍返しだ!
「カスミ、スミレ、こっちおいで、ほれっ」
ぎゅぅぅ♪
カスミとスミレをぎゅっと抱きしめてやる
、、、ん?
何故か反応が無いと思ったら2人とも泣きそうな顔をして俺を見ている
「カスミ、スミレどうした?」
「なっ何でも、、ありません、、、」
もしかしたら俺を父親と重ねているのだろうか?
まだまだ甘えたい年頃だろうからな
だがしかし
所詮俺は赤の他人でしかない、そもそも親になった事も無いのに親代わりが出来るような器用な人間でも無い
だから
俺は俺なりに、たんまり愛情を注いでやるだけだ!
それをどう受け止めるかは2人の自由だけどな
せめて言いたいことは遠慮せず言える関係にはなりたい
「カスミ、スミレ、あんま遠慮ばっかりせんでええ、もっと自分の好きなようにしてええねんで、、、俺もふたりには遠慮せんようにするから、ほれっ」
さっきからずっと泣きそうな2人を、改めて力いっぱいギュッとして頭をわしゃわしゃしてやる
今はこれが俺の精一杯だ。
ムニッ
ん?
なんだか背中にムニッと柔らかい感触が、、、ってニィナしかいないよ!
まあいいか、たまにはこんな時間も必要なのかもしれん
◇ ◇ ◇
朝食も食べ終えてまったりタイムを満喫中。
この街で登録するレシピはどうしようかなぁ?
海辺の街だから魚や貝を使ったレシピがいいんだけど
「ダンナァ、商業ギルドの人が来てるよぉ」
「分かった、通してくれ」
「シンさん、おはようございます。朝から申し訳ありません、今ギルドにエモンズ商会のタコヤーさんが来られてシンさんにお会いしたいという事なのですが、いかがいたしましょう」
エモンズ商会と言えば、旅の初日に会ったマスヤー・K・エモンズが会長をしている商会だったな
時間的にはまだマスヤーさんはこの街に到着してないと思うけど、別件か?
「タコヤーさんって、会長のマスヤーさんとはどういう関係なんですか?」
「はい、タコヤーさんは会長の息子さんで、タコヤー・K・エモンズさんとおっしゃいます」
「分かりました、お会いするのでギルドに行きましょう」
商業ギルドの職員さんと一緒に、商業ギルドの応接室にやって来た。
目の前には20代前半くらいの青年が座っていて、少し日に焼けて小麦色になった肌がいかにも南国の人って感じがする。
「お初にお目にかかります。わたくしエモンズ商会のタコヤー・K・エモンズと申します。あなたが池田屋商会会長のシン様で間違い無いですか?」
「間違い無いよ、それで要件は?」
「実は、昨日父からの手紙が早馬にて届けられました。内容はシン様御一行に大変失礼な事をしてしまったと
そして父が戻る前にシン様が到着したら丁重にもてなすようにと、他の皆様の特徴も細かく書かれており、たまたま見かけた商会の者が知らせてくれましたので、失礼を承知でギルドに頼み朝から面会を求めた次第です。
父に代わり謝罪致します。大変申し訳ありませんでした。」
「それは俺とマスヤーさんの問題だから、タコヤーさんが謝罪する必要はありませんよ」
「いいえ、私はシン様に謝罪しなくていけないのです。昨日シン様は屋台で魚を挟んだパンをお買いになられましたよね?」
「あぁ、あの危険なパンか、、、まさかあれって」
「お察しの通り、あれはエモンズ商会で出している屋台です。最近エモンズ商会では新しい食べ物の開発をしているのですが
あれは幹部のひとりがお客の反応を見る為に試しに売っていたそうです。
まさかあのような物を売っているとは知らなかったとはいえ大変申し訳ありませんでした。」
うーむ
エモンズ商会には迷惑料を貰えばそれで終わりだったんだけど
せっかくだからこの街の食の改善の為に、タダ働きしてもらうか
「タコヤーさんに質問なんだけど、この街で魚はどうやって食べてるんですか?」
「魚ですか?貴族以外で食べる方はほとんど居ないと思いますが」
なっ、なんだと?!海辺の街で魚を食べないとかなんなんだ!
「昨日の屋台は魚を使ってましたよね?」
「あれはたまたま潮溜まりにいた魚だったらしいです。そもそも魚を手で捕まえるのは大変ですし、人を沢山雇って魚を捕まえさせる事が出来る貴族や一部のお金持ち以外は、わざわざ魚を捕まえて食べようとする人はほとんど居ないと思います」
魚なら網とか釣り竿とかあるけど、そっち方面も発展途中か?!
すげぇー面倒くさいわぁ~、この際全部放置でいいんじゃねぇかな
『ピロロロロン、ピロロロロン』
あっ?!
もはや毎度お馴染みのあの音が頭に鳴り響いた
(おーい、魚捕る方法くらい教えたりぃや、ウチは鉄火巻き言うのが食べたいなぁ、網とか必要なもんは無料で送るから頼んだで♪
ちょっと、ちーちゃん勝手に何してるのよ!
すいませんが、あの子がキャラバンシティにいるので保護をお願いしますね、それと私は海鮮丼を所望します。それでは頑張ってくださいね)
あぁ~、なんかもうカオスだな
神様達がめっちゃ普通に喋って来たし、そして前にも言われたけどあの子って誰?もう少し詳しい情報が欲しいのですけど、、、
これはキャラバンシティに戻ってから考えよう
創造神様の友達?からのお願いだから無視する訳にいかないよなぁ
頑張りますから、これからも色々とお願いしますよ。
つづく。
当然だな、ここはサウスビーチの街で商業ギルドに用意して貰った宿代わりの家なんだから
久しぶりにひとりで寝る夜は気を使わなくていいけど、寂しさもあるんだよなぁ
さてと、朝食を作りに行くか
「「「おはようございますご主人様」」」
「おっと?!、、、ニィナ、カスミ、スミレおはよう」
まさか旅先でも待ってるとは思わんかった。
だが俺を驚かせた2人には倍返しだ!
「カスミ、スミレ、こっちおいで、ほれっ」
ぎゅぅぅ♪
カスミとスミレをぎゅっと抱きしめてやる
、、、ん?
何故か反応が無いと思ったら2人とも泣きそうな顔をして俺を見ている
「カスミ、スミレどうした?」
「なっ何でも、、ありません、、、」
もしかしたら俺を父親と重ねているのだろうか?
まだまだ甘えたい年頃だろうからな
だがしかし
所詮俺は赤の他人でしかない、そもそも親になった事も無いのに親代わりが出来るような器用な人間でも無い
だから
俺は俺なりに、たんまり愛情を注いでやるだけだ!
それをどう受け止めるかは2人の自由だけどな
せめて言いたいことは遠慮せず言える関係にはなりたい
「カスミ、スミレ、あんま遠慮ばっかりせんでええ、もっと自分の好きなようにしてええねんで、、、俺もふたりには遠慮せんようにするから、ほれっ」
さっきからずっと泣きそうな2人を、改めて力いっぱいギュッとして頭をわしゃわしゃしてやる
今はこれが俺の精一杯だ。
ムニッ
ん?
なんだか背中にムニッと柔らかい感触が、、、ってニィナしかいないよ!
まあいいか、たまにはこんな時間も必要なのかもしれん
◇ ◇ ◇
朝食も食べ終えてまったりタイムを満喫中。
この街で登録するレシピはどうしようかなぁ?
海辺の街だから魚や貝を使ったレシピがいいんだけど
「ダンナァ、商業ギルドの人が来てるよぉ」
「分かった、通してくれ」
「シンさん、おはようございます。朝から申し訳ありません、今ギルドにエモンズ商会のタコヤーさんが来られてシンさんにお会いしたいという事なのですが、いかがいたしましょう」
エモンズ商会と言えば、旅の初日に会ったマスヤー・K・エモンズが会長をしている商会だったな
時間的にはまだマスヤーさんはこの街に到着してないと思うけど、別件か?
「タコヤーさんって、会長のマスヤーさんとはどういう関係なんですか?」
「はい、タコヤーさんは会長の息子さんで、タコヤー・K・エモンズさんとおっしゃいます」
「分かりました、お会いするのでギルドに行きましょう」
商業ギルドの職員さんと一緒に、商業ギルドの応接室にやって来た。
目の前には20代前半くらいの青年が座っていて、少し日に焼けて小麦色になった肌がいかにも南国の人って感じがする。
「お初にお目にかかります。わたくしエモンズ商会のタコヤー・K・エモンズと申します。あなたが池田屋商会会長のシン様で間違い無いですか?」
「間違い無いよ、それで要件は?」
「実は、昨日父からの手紙が早馬にて届けられました。内容はシン様御一行に大変失礼な事をしてしまったと
そして父が戻る前にシン様が到着したら丁重にもてなすようにと、他の皆様の特徴も細かく書かれており、たまたま見かけた商会の者が知らせてくれましたので、失礼を承知でギルドに頼み朝から面会を求めた次第です。
父に代わり謝罪致します。大変申し訳ありませんでした。」
「それは俺とマスヤーさんの問題だから、タコヤーさんが謝罪する必要はありませんよ」
「いいえ、私はシン様に謝罪しなくていけないのです。昨日シン様は屋台で魚を挟んだパンをお買いになられましたよね?」
「あぁ、あの危険なパンか、、、まさかあれって」
「お察しの通り、あれはエモンズ商会で出している屋台です。最近エモンズ商会では新しい食べ物の開発をしているのですが
あれは幹部のひとりがお客の反応を見る為に試しに売っていたそうです。
まさかあのような物を売っているとは知らなかったとはいえ大変申し訳ありませんでした。」
うーむ
エモンズ商会には迷惑料を貰えばそれで終わりだったんだけど
せっかくだからこの街の食の改善の為に、タダ働きしてもらうか
「タコヤーさんに質問なんだけど、この街で魚はどうやって食べてるんですか?」
「魚ですか?貴族以外で食べる方はほとんど居ないと思いますが」
なっ、なんだと?!海辺の街で魚を食べないとかなんなんだ!
「昨日の屋台は魚を使ってましたよね?」
「あれはたまたま潮溜まりにいた魚だったらしいです。そもそも魚を手で捕まえるのは大変ですし、人を沢山雇って魚を捕まえさせる事が出来る貴族や一部のお金持ち以外は、わざわざ魚を捕まえて食べようとする人はほとんど居ないと思います」
魚なら網とか釣り竿とかあるけど、そっち方面も発展途中か?!
すげぇー面倒くさいわぁ~、この際全部放置でいいんじゃねぇかな
『ピロロロロン、ピロロロロン』
あっ?!
もはや毎度お馴染みのあの音が頭に鳴り響いた
(おーい、魚捕る方法くらい教えたりぃや、ウチは鉄火巻き言うのが食べたいなぁ、網とか必要なもんは無料で送るから頼んだで♪
ちょっと、ちーちゃん勝手に何してるのよ!
すいませんが、あの子がキャラバンシティにいるので保護をお願いしますね、それと私は海鮮丼を所望します。それでは頑張ってくださいね)
あぁ~、なんかもうカオスだな
神様達がめっちゃ普通に喋って来たし、そして前にも言われたけどあの子って誰?もう少し詳しい情報が欲しいのですけど、、、
これはキャラバンシティに戻ってから考えよう
創造神様の友達?からのお願いだから無視する訳にいかないよなぁ
頑張りますから、これからも色々とお願いしますよ。
つづく。
291
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる