テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

文字の大きさ
上 下
97 / 305
第6章 新たなる旅立ち

第84話 トラサンダー盗賊団

しおりを挟む
キモい悪代官は地獄への招待状により、アワを吹いて失神してしまったので

悪代官に連れて行かれそうになって、未だに怯えているお嬢さんに声をかける。


「ほらお嬢さん、お父さんの所に行きなさい」

「うん、ありがとうトラのおにいちゃん!とうちゃーん(泣)」

「良かった、本当に良かった。皆さま助けて頂きありがとうございました!」


何はともあれ無事で良かった

だがしかし、このままでは終われないのよ


「おいおい、勘違いしてもらっちゃあ困るぜ、俺達はトラサンダー盗賊団、命が惜しくばそこの荷物全部置いていきな」


トラサンダーという名前は誤算だったが、これも計画の内なんだ。

俺達がここにいる皆さんの仲間とか思われたら、今後ここに居る皆さんが領主にどういう扱いを受けるかなんて簡単に想像出来る
 
だから俺達は通りすがりの盗賊団という事にして、皆さんから物を奪い被害者になって貰わないと駄目なんだ。


「俺は構わない!娘を助けてくれた事に違いは無いからな、たいした物は無いが持っていってくれ」

「チッ、しょうがねぇこっちも持ってけ!」

「あいつらに渡すよりはいいか、持ってけ!」



ほっ、殴りかかられたらどうしようかと思ったぜ

差し出されたのは焼き物だな。湯飲み?とか皿とかある、詳しくないけど結構良い物のように思う。

でもこの国だと焼き物って木で出来た物と比べると壊れやすいから需要が少ないって聞いたな

あとはその辺で気絶してる兵士とキモい悪代官から金目の物を回収しないとな、だって俺達は盗賊団なんだから♪

でも回収した物は全部収納のゴミ箱行きだ。下手に売ると足がついてしまう。

ついでに兵士に鼻を殴られ血まみれの女性にこっそり回復魔法で怪我を治しておく

既に感覚が麻痺して痛みを感じて無いみたいだったから、怪我が治った事に気付くのはもう少したってからだろう。



さぁて仕上げだ!


「俺達が無事に逃げるまでこいつらを預かる、街の方には絶対来るんじゃないぞ!」

「きゃー助けてー♪」


打ち合わせ通り草むらに隠れていた、メリル、カスミ、スミレを人質にする

勿論3人にも変装用に猫マスクを被せている

でもスミレ、人質なんだから楽しそうにしちゃ駄目だよ


「そうだ白虎さん、金を入れておいた袋知らないか?どうやら落としたみたいなんだよなー」

「そこの草むらに落としたのではないですか?」

「そうかもなー、でもたいした金は入ってないからわざわざ探さなくてもいいかー、こいつらから奪った物を売れば損はしないだろうしなー

そこの草むらに金が入った袋を落としたかもしれないけど、面倒だし探さなくてもいいかー」


チラッ

どうやら何人かはこちらの意図に気付いたみたいだな

奪った品物の代金と迷惑料を入れた袋を草むらに置いて来たんだ、ちゃんと回収して貰わないと困る!



「よしみんな、逃げるぞ!」

「「「「「おー!」」」」」


このままサウスビーチに直行だ!




◇     ◇     ◇


side:とある悪代官


「イーヴォ様!お気を確かに、直ぐに医者が参りますゆえ」

「痛い、、、股が、、股がぁーーー(泣)

何故我がこのような目に遭わねばならぬのだ、トラサンダー許さんぞぉ!!

子爵様に謁見の先触れを出せ!」

「かしこまりました」







「子爵様、急な謁見にも関わらず感謝致します」

「構わぬ、だがイーヴォよそなたらしくないの、いかがした?」

「はっ、関所にてトラサンダーなる穢らわしきトラ獣人に襲撃されて、やられてしまいました。お恥ずかしい限りでございます。」

「トラサンダー、、聞かぬ名だ。目的は何だと思う?」

「関所にいた領民によると、奴らトラサンダー盗賊団だと名乗り金目の物を奪い人質をとって逃げたそうです」

「ふむ、たまたま高ランクの元冒険者あたりが盗賊に成り下がったのであろう、よくある話だ」

「それが奴ら、先祖帰りの獣人で御座いました。赤、黒、白の毛色の三人組でリーダー格の男はアカ・トラサンダーと呼ばれておりました」

「では人相書きを領内に配り指名手配しろ、先祖帰りの獣人など珍しき輩何処へ行こうとも隠れられぬよ」

「はっ、子爵様の仰せの通りに」




《指名手配/トラサンダー盗賊団》

特徴:先祖帰りのトラ獣人、赤、白、黒の毛色をした三人組

名前

アカ・トラサンダー(頭目)

シロ・トラサンダー

クロ・トラサンダー


懸賞金:1人につき金貨10枚(ただし生きている事)




◇◇◇◇◇



この日、オフューカス子爵領及び近隣の領地に指名手配されたトラサンダー盗賊団であったが

目撃情報はおろか、噂話しひとつさえ聞かれなかったという

一部の地域、住民を除いては・・・




後に山村地域では、トラのマスクを被った住民による、貧しき者達への支援活動が恒例となるのだが


それはもう少し先のおはなし





つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...