テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第6章 新たなる旅立ち

第78話 異世界土下座

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朝、目が覚めると

俺の右側にウサギ耳のカスミ、左側に犬耳のスミレの獣人姉妹が気持ち良さそうに寝ていて

スミレの隣には警棒を握りながら眠るダークエルフのニィナがいるのだが、、、

ニィナさん、警棒を握りながらは怖いっす(汗)


隣のテントには、以前はスラム街で暮らしていたメリル

そのメリルの護衛兼雑用係に雇っている、元冒険者のケイトの2人がいる。


俺達は今、旅初日に到着した野営地でテントを張ってキャンプしている

4人用のテント2つに別れたのだが、この部屋割りはどうなんだろう?

奴隷とその主人だから当然の部屋割りなのか?

3人が嫌がってないなら構わないんだけど、カスミとスミレに挟まれた状態では動けないのが問題だな

むむ?

スミレがもぞもぞ動き出した。


「ん~、むにゃむにゃ、、、ごしゅじんひゃまおはようごじゃいます」

「はい、スミレおはよう」

「ご主人しゃま、いい匂い~」


いい匂い?スンスン、、、分からん、もしや加齢臭か?!

今は20歳だからそれは無いか、体臭って自分では分からないって言うし気を付けないと、臭くて嫌われたら絶対泣いてしまう。


「2人とも起きろー、飯作るぞー」

「はっ、はい!ご主人様おはようございます!」

「主様 、おはようございます」

「ニィナ、カスミおはよう、カスミ慌てなくていいよ、俺はスープ作るからカスミは鳥肉お願いな、ニィナはメリルとケイトを呼んで来てくれ」


さて今朝のメニューはビア缶チキンでサンドイッチだ

街を出る前に肉屋のロンから立派な鳥を貰ったからそれを使う。鳥の種類は、、、なんだか分からんけど旨そうな鳥だ!


先ずは鳥に塩コショウとオリーブオイルを全体に塗る、足の先っぽは焦げ易いからアルミホイルを巻いて

そしたら半分くらい残しておいた缶ビールを鳥に突き刺す、それをバーベキューコンロの上に倒れないように固定したら

蓋をして蒸し焼きにする、約1時間ってとこかな

この時ビールをケチると途中で蒸発しきって缶が燃えるから注意だ。

焼き上がれば骨を外して軽く焼いた食パンにレタスと一緒に挟んでお好みでタルタルソースをかければ完成♪

鳥肉は昨夜のうちに既に焼いてあるから後は骨を外してほぐすだけだ、朝から鳥肉を焼いてられないからな

俺の収納は時間停止機能があるから熱々のままだ、その鳥肉をカスミがほぐしている間にスープを作る

今朝はコンソメに薄切りベーコンと溶き卵だけのシンプルスープ


「ご主人様出来ました!」

「カスミありがとう、じゃあ皆食べようか、いただきます」

「「「「「いただきます!」」」」」


あーんっと、もぐもぐもぐもぐ、うん旨い!

ビールの効果だろうか、鳥肉がしっとりしててすげぇ柔らかい、久々に食べる食パンも旨いし

サウスビーチの街で登録するレシピは食パンにしようかな?

他にはジャムパンなんかもいいかもしれん。

でもパンのレシピばかりだと目新しさに欠けるし別のが良いだろうか?

レシピ登録するのはいいんだけど、アストレア様の事を考えるとキャラバンシティより話題になるレシピは避けないと駄目っぽいしなぁ、なかなか悩むとこだよ。



ズザザァーーーー!


「申し訳御座いませんでしたーーーーーーーーーーー!!」


なになになに?!

テントの前で朝食を食べてたら、急に中年のおじさんが走って来て、そのままの勢いで滑りながら土下座して謝罪してきたのだけど

これが噂のスライディング土下座か?!

っていうかこの世界にも土下座あるんだな


「なあ、あんたは」「謝罪の前に説明が先だと思いますが」


おお!

またニィナが間に入ってくれているのはありがたいんだけど

土下座のおじさんに向かって殺気を剥き出しにするのは止めて欲しい、見てる俺もちょっと怖いんだよ(汗)


「これは重ね重ね申し訳御座いませんでした!実は昨夜あなた方に御迷惑をおかけしたのは私の甥でございまして、あの2人の首を差し出しますので、この度の事はどうか御許し頂けませんでしょうか?」


昨日水を売れとか、メリル達を売るとか言って絡んで来たバカ2人組か

許す気は無いが首を差し出されても困る。


「許すとかの前に首はいらないんだけど」

「そういう事でしたら、奴隷墜ちでも戦場に送るでも貴方様のお好きなように致して下さい、ですのでどうか連座での処分だけは御許し下さい!」

「その前にあの2人は何なんだ?あいつらの実力でこの人数に絡んで来るとか自殺願望でもあんのか?」

「そっ、それはお恥ずかしい話しなのですが、昨夜飲んだ酒がいつもより酒精が強かったらしく、酔って気が大きくなっていたのだと思われます」

「よし、あの2人は奴隷墜ちにしろ!」

「はっ、はい、仰せのままに!」


俺がこの世で最も嫌いな事の1つは、酒に酔ってトラブルを起こす奴だ!

酔っていたからとか、覚えて無いとか何の言い訳にもならん!

それでなくともあの2人の所業は首を斬り飛ばされても文句は言えないぐらいの事だからな、甘い対応は出来ない!

だがしかし、、、



「あんた商人だよな、拠点は何処だ?」

「サウスビーチで御座いますが」

「そりゃあ丁度良い、俺達もサウスビーチに行く途中なんだ。

あの2人を奴隷墜ちにした上であんたが責任持って管理してくれ。サウスビーチに着いたら迷惑料を貰いに行くからあの2人を使ってしっかり稼いどけ!

それで今回の事は手打ちって事でどうだ?」


「それで構いません、寛大な対応感謝致します」

「そういやあんたの名前は」

「申し遅れました、わたくしエモンズ商会の会長をしております、マスヤー・K・エモンズと申します。」


ん?

マスヤー・K・エモンズ

マスヤ・キ・エモンズ

ますやきえもん、、、ず

枡屋喜右衛門?


ふっふっふっ

何の因果か枡屋喜右衛門とはな♪


「俺は池田屋商会の会長をしているシンだ、覚えといてくれ」

「池田屋商会?まさか、、、キャラバンシティの池田屋商会で御座いますか?ピスケス伯爵の御用商会の?」

「そうだけど」

「申し訳御座いませんでしたーーーーーーーーーーーーーーー!!」


また土下座されたんだけど

どゆことーー?!



改めて話を聞いた結果

ピスケス伯爵の御用商会というのは、俺の想像を遥かに越えて凄い事だったようで

関係無い商隊の奴らまで土下座をしてきて、それを止めさせるのが大変だった(汗)


サウスビーチに着くまで池田屋商会の名前は出さないようにしよう。


トラブルも無事解決?したし旅の再開だ!

テントを片付けてトゥクトゥク自転車に乗り込む


「しゅっぱーつ」

「「「「「おー!」」」」」





つづく。
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