テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第5章 いつかの為に

第73話 キャンプ飯

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さてと

そろそろ今日の夕食を作らねば

我が家の裏庭にキャンプ道具が出したままになっているから、せっかくだしこれを使ってキャンプ飯にしよう♪


まずはキャンプの定番ダッチオーブンを使ったパエリアだ。

本場のパエリアは米に芯が残ってるのが旨いとか言うけど、俺は普通にふっくら炊いた米の方が旨いと思う。

だから今回はダッチオーブンを使って炊き込みご飯風のパエリアにしよう!

ダッチオーブンに、米とサフランを浸けておいた水、コンソメ、トマト缶をぶち込む

あとはお好みの具材を入れればOK!

今回はお手軽に冷凍のシーフードミックスと刻んだパプリカを入れる

アサリは事前にフライパンで開かせておいて、パエリアが炊き上がってから混ぜ込む

パエリアといえば殻付きの貝が一般的かもしれんけどあれ食べにくいんだよ、だから今回は身を殻からはずしておく


次にラクレットチーズを適当にカットして鍋で溶かす。チーズフォンデュ用じゃなくて野菜や肉の上からかける用だ

これで下準備は完了、パエリアが炊き上がるのを待つだけだ。



「アニキただいま、、って何だよこれ?!」

「おぅ、ニックにスナックお帰り、これは野営の道具だよ。せっかくだから今日は2人も一緒に飯食おうぜ」

「やったー!アニキの料理は美味しいんだよね♪」

「それより2人ともそろそろ商会の本店に住むか部屋借りろよ、金はあるだろ?」

「ええーー!なんでだよここでいいよ、少し狭いけど他のやつと会う事も無いから気楽なんだ」


ニックとスナックは我が家の裏庭に俺が貸したテントで生活している

元々2人だけで稼げるようになるまでの短期間のつもりだったのだが、すっかり居着いてしまった。

ちなみに元アメジスト商会は池田屋商会の本店と呼んでいる。



「俺が貸したそのテントは簡易的なやつだから冬には向かないんだよ、雨風にも弱いしな」

「大丈夫だよ、ここに来るまでその辺の空き地で寝てたんだから」

「しょうがねぇなぁ、そこに置いてる4人用のテントをやるからそれ使えよ、それなら雨避けシートも付いてるし多少の嵐にも耐えられるからな」

「いいのかよ?!スゲェ立派な天幕に見えるけど」

「まぁ商会に所属した歓迎祝いだな」

「アニキありがとう♪やったね兄ちゃん今までのはやっぱり少し狭かったからね」



喜んで貰えて良かったが、ニックとスナックはいつのまにやら池田屋商会甘味部門に所属していたのだ。

いつの間に甘味部門が出来たのかというと

甘味部門が出来たのは俺が砂糖の代用品として作った麦芽水飴がきっかけだ

砂糖は俺が思っていたよりとても希少な物だったらしく、アストレア様に聞いたら貴族であっても簡単に手に入る物ではなかった。

しかも、原料や製法等は完全に秘匿され伯爵クラスでも詳細は知らないのだとか(驚)


それでアストレア様が自分で買う為に池田屋商会に甘味部門を設立し、麦芽水飴を作らせたいと俺に許可を求めて来たので

甘味部門を設立し商会の奴隷達に麦芽水飴を作らせている。

池田屋商会の奴隷達なら俺を裏切る事も無いからスキルの「店」で買ったものを見せても問題ない

ようするに面倒な事を丸投げしてるとも言える(汗)


そして麦芽水飴の製法を秘匿する事にした。

どう考えてもトラブルになる未来しか見えんし、トラブル回避の為に孤児院で作らせる予定も取り止めて、商会で作った麦芽水飴を提供する事にした。

俺が思っていたより甘味を売るのはヤバイ事だったみたいだ(汗)


そして、ニックとスナックは何処にも所属しないで甘味を売るのは危険だって事でミリーさんがウチの商会に所属させたんだ。

ミリーさんもニックとスナックの2人は俺が雇ってるものと思っていたから、フリーだと聞いて驚いてたなぁ

そして俺は2人を雇ってない事についてミリーさんから怒られてしまった(泣)

クレープには麦芽水飴も砂糖も一切使ってないのだが、恐るべし甘味!




おっと

そんな事を考えていたらパエリアが炊き上がったみたいだ、めっちゃ良い匂いがする♪

火から外して蒸らしておいて、あとは肉と野菜を炭火で焼きながら、タレかラクレットチーズをかけて食えばいい


「よし、ニィナみんなを呼んで、、、来なくてもみんなもう集まって待ってたのね(笑)

じゃあみんな食べようか、いただきます」

「「「「「「「いただきます!」」」」」」」


やっぱ炭火で焼くと旨い!焼き肉のタレに大根おろしを入れて食うのが好きなんだ♪

ブロッコリーにチーズの組み合わせも最高だし、ワインが進むぜ♪


「ふふふ、シンさんはなにやら美味しそうな物を食べてるのね」

「あれ?オリビエさんじゃないですか、帰ったんじゃなかったんですか?」

「ええ、そのつもりだったのだけれど楽しそうな声が聞こえたから、気になって戻って来たのよ」

「じゃあせっかくですし、一緒にどうですか?今日の料理はワインに合いますよ」

「じゃあ遠慮なく頂こうかしら、でもその前に、私シンさんが座ってる椅子がとっても気になります!!」


「椅子ですか?」


あぁ~、やっちまったな、俺が今座ってるのはキャンプ道具一式の中にあったステンレス製の折り畳み椅子だ

ステンレスはオーバーテクノロジーっぽいよなぁ、我が家の裏庭だからって油断した。


「ふふっ、シンさんそんな顔をしなくても大丈夫よ、これでも私もドワーフですからね他人に言えない技術があるのは理解しているし無理に聞き出す事もしないわよ

私が気になるのは、その椅子折り畳めるようになってるのかしら?それに座る所と背もたれが布になってて軽量化?

座り心地もこの方が良さそうね、凄くシンプルなのに今まで折り畳むなんて考えもしなかったわ!」



おぉ!

流石ドワーフ、目の付け所が職人だな!

だがこのグイグイ来る感じとても危険な予感がする

俺は急いで周りを見る

くっ、またか、また援軍は無しか!

むしろ見捨てられてるのではなかろうか?みんな視線をそらして飯を食うのに専念してるし


でも今回は助かったかも

オリビエさんがキャンプ道具を見ながら目をキラキラさせて

「この曲線素晴らしいわ♪」とか何やらぶつぶつ言いながら楽しそうにワインをグビグビ飲んでるもの


オリビエさんなら色々知られても問題無いかもしれんけど

口止め料も兼ねて早急に酒を差し入れしよう!

ドワーフなら酒の上での約束は全てを捨ててでも守ってくれそうだからな(笑)





つづく。
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