テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第5章 いつかの為に

第71話 準備

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ガゼル親方が帰ったので俺はさっそくスキルの「店」で買った蒸留器で酒場のエールを蒸留してみる事にした。

親方に蒸留器を作って貰うように頼んだけど、やはり比較する物が必要だろう。

という事でさっそく蒸留器を使って蒸留をしてみると、案外簡単に出来た。

元々教材用とか実験用の製品みたいだし少量って 事も関係してるのかもしれない

2リットルほど蒸留出来たところで樽に入れれば完成だ。

この段階では残念ながら旨くなるのかが全然分からないので、1年後のお楽しみだな♪



親方の蒸留器が出来る前にやったのには理由がある

そろそろ他の街に行ってレシピ登録をしようと思っているからだ。

旅の準備もあるし、旅から帰って来たら商会で本格的に活動をする予定で忙しくなりそうだしな。



旅に出る前に、まずは移動手段の確保

既に馬車に乗るという選択肢は無い!

街で知り合った商人に街の中を少しだけ馬車に乗せて貰ったのだが、楽しいのは最初の15分だけだった。

ゴムタイヤもサスペンションもクッションも無いんだから乗り心地は良い筈もなく、早々に馬車を断念した(悲)

それに移動速度の遅さも原因だった。

馬車で1日に移動出来るのが15~20キロ程度、スピードは歩くのと同じか少し速いくらいだけど

馬もこまめな休息が必要な為に結果的に歩くよりだいぶ短い距離しか移動出来ない

馬も安くはないから無理はさせられないってのもあるだろう。


以前にも発酵パンのレシピ登録をしに隣街に行った事がある、今回はそことは別の街に行くのだが

その時はスキルの「店」で自転車を買って乗って行ったんだ。

60キロ程の距離だったとはいえ普通に行くと大変なんだが俺は生活魔法が使える

生活魔法には『火・水・氷・風・雷・光』があり、通常はこの中のどれか1個使えれば凄いらしいが俺は全部使える

まあ創造神様から直接与えられたっぽいから特別なんだろう。

その中で使うのが『風魔法』だ。

威力は業務用の送風機ぐらいあって殺傷能力は無いがなかなかの風力がある

それを自転車に乗ってある程度勢いを付けたら風魔法で背中を押す!

すると30キロぐらいのスピードを保って走れるから、原付とほぼ同じスピードでの移動が可能になる事が判明した。

前回はこの方法で隣街に日帰りで行って来た。


今回はみんなで行くから新たに電動アシスト自転車を購入、そこに折り畳み式リヤカー2台を強引に連結する。

俺の中では元世界にあったようなバイクタクシーの『トゥクトゥク』のイメージだ。


それだけだとパワー不足なのでスキルの「店」でモーターとバッテリーを購入し、
リヤカーの左右のタイヤに1個ずつモーター取り付けて、仕上げに風魔法を受ける為の帆代わりの布を取り付ければ完成だ!

勿論荷台にはスキルの「店」で購入した座席と日除けのシートも取り付けてある

これで30キロぐらいのスピードは出るだろう。



よし次!

次は野営の準備だがこれはキャンプ道具セットをそのまま購入した。

テントは4人用を2個にバーベキューセット、炭、テーブル、イス、その他細々した物が沢山あるが用途が分からない物も多い

何かしらの便利グッズなのだろうが、俺もキャンプはしたことあるけどテントとガスコンロくらいしか持ってなかったからなぁ

テントは組み立てたまま収納しておけばすぐに使えるからとても便利だ。


おっ!

メタルマッチ発見♪

『メタルマッチ』とは、マグネシウムの棒を擦って火花をおこして火をつける便利グッズ

濡れても使えるから災害時にも使えるマジで便利なグッズだ。

男はキャンプも好きだけどキャンプ道具にもテンション上がる生き物なんだ♪


次は『焚き火台』

キャンプ場で地面で直接火をおこしちゃ駄目な時に使うやつで、焚き火台と言ってるけど風避けと網が付いてて料理も出来る♪

ガションガションと折り畳んでコンパクトになるからソロキャンパーに良いらしい

最近じゃあ常に焚き火台を使うのが常識なのかな?

せっかくだし今日は裏庭でキャンプ道具を使って飯作ろう。

炭に火をつけるのって意外と難しいんだよ、テントも数回組み立てる練習をした方がいいだろう。

絶対にぶっつけ本番などしてはいけない!


こんな感じで俺は我が家の裏庭でテンション高くテントを張ったり、キャンプグッズをいじっていてるのだが

その間俺の横ではずっとニィナが居たけれど

多少の興味はあっても、ほぼテンションは上がっていない

くっ!

異世界でも女性はキャンプ道具に興味無しか

まあこの世界では野営なんて仕方なくやるものだし、テンションが上がるわけないよな



「あっ!ダンナこんな所にいたのかよぉ、探したんだぞ、ってなんだよこれ?!」

「おぅケイト、これは野営の道具だよ実際使って試してみようと思ってな、ケイトも冒険者だったなら野営したことあるだろ?その時の道具と比べてどうだ?」

「そりゃあるけどさぁ、ダンナが冒険者にどんなイメージを持ってるのか知らないけど、こんな良い道具を持ってるやつなんて貴族か大商会の商人ぐらいだよ

ふつうは雨避けの外套羽織って堅いパンかじるだけだから」

「そうなんか、とにかく快適な野営にしてやるから期待しててくれ」

「そこは心配してないよ、って忘れてた!親方の奧さんが来てたんだ!それでダンナを呼びに来たんだよ」

「おいおい、それは忘れちゃいかんだろ!」


俺は急いで家に戻るとオリビエさんが待っていた。


「オリビエさんすみませんお待たせしました」

「シンさんこんにちは、急に来たのだから気にしないで、それよりもシンさんにお話があります!」



なんかオリビエさんがスゲェ恐い顔をしているのだが、、、(汗)





つづく。
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