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第5章 いつかの為に
第68話 商会と従業員 その2
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アメジスト商会で働いていた奴隷の譲渡手続きが終わり、正式に俺の奴隷になったので
そこで新しい主人として挨拶のついでに、ガリガリに痩せている奴隷達と信頼関係を築くべく旨い飯を振る舞う事にした。
奴隷との信頼関係に旨い飯、それすなわち異世界テンプレだ!
奴隷達はろくな食事をしてないだろうから、用意したのは胃に優しいように卵と細かく刻んだ野菜たっぷりの雑炊だ。
「ではみなさん食事を用意したので遠慮無く食べて下さい、量はたっぷりあるんで慌てて食べなくていいですからね~」
奴隷達を食堂っぽい部屋に連れていき椅子に座らせて食事を配ったのだが、誰も食べようとしない
しかも表情が暗いし、、、いや、ここに来た時から表情は暗かったんだけど食事を出したら更に暗くなってしまった。
もしや雑炊は禁忌の食べ物とか無いよな?
世界が違うからその可能性もゼロと言えないから怖いんだよ。さてどうしたもんか
「あっあの、、、発言しても宜しいでしょうか?」
猫耳?の女性がものすごーく遠慮しながら聞いて来た。
「構わないよ、どうした?」
「あの、わっ、私達は何処かに売られてしまうのでしょうか?」
何故そうなる?!
俺が新しい主人だってさっき言ったばかりでしょうが
「皆さんを売ったりしませんから安心して下さい、でも何故そのように思うのか理由を教えて欲しいのですが」
「・・・」
これは困ったな、普通はどういう風に奴隷に接するのか俺は全く知らない。
ニィナやカスミにスミレは奴隷だけど、おそらく特殊なケースだから参考にならないだろうしなぁ
「あのご主人様、私に話をさせて貰えませんか?」
「カスミが話すの?それならニィナでもよくない?」
「いいえ主様、ここはカスミに任せるのが良いと思います。」
「うぬぬぬっ!仕方ない、カスミ無理は絶対あかんで!何かあったらすぐ戻ってくるんやで!」
「ご主人様、話すだけなので大丈夫だと思いますけど、、、」
そう言うとカスミは奴隷達の所に行ってしまった。
「ふふっ、シン君が皆を大事にしてるのは知ってたけれど、随分心配するのね」
「ミリーさん、そりゃあ心配もしますよ!カスミは年頃の娘ですし、最近やっと表情も明るくなってきたんですから」
「そこまで大事にされるとあの子に嫉妬しちゃうわね、私も誰かに大事にされたいわぁ」
「ミリーさんなら大事にしてくれる男なんていっぱいいるでしょ?」
「シン君も女性なら誰でも良い訳では無いでしょ?」
「それは当然です!、、、それよりあっちはなんか揉めてませんか?」
ミリーさんと話している間にカスミと奴隷達がなんか揉めてるように見える
一応奴隷達が話しやすいように離れた所に移動していたのだが、なんとなく会話は聞こえるけど詳しい内容までは分からない
どうやらカスミが奴隷である事に驚いてるみたいだ。奴隷紋を確認しない限りカスミが奴隷だと思う奴はいないだろう。
それは良いんだけど、奴隷の何人かが泣き崩れているのは何故だ?
同じ奴隷でもカスミと自分の境遇の違いに悲観してんのか?
話が終わったらしいカスミが戻ってきた。
「カスミ大丈夫やったか?」
「ごひゅじんひゃま?!」
「シン君、そんなに頬を触っていたらカスミちゃんが話せないわよ」
「すまんカスミ、それで話は聞けた?」
「はい!」
カスミの話を要約すると、奴隷達は何処かに売られる前の最期の晩餐だと思ったようだ。
しかも今まで見た事もない旨そうな食事だったせいで、鉱山か変態貴族に売られると思ったらしく
カスミが俺の事を『奴隷を大事にする素晴らしい主人だ』と言っても信じてくれず
カスミが自分の奴隷紋を見せる事でようやく信じたくらいだ。その結果安心して泣き崩れたらしい
「色々と誤解があったみたいだけど、そろそろ食事は食べて貰えるのかな?」
「あの、ご主人様、このような豪華な食事を本当に食べて宜しいのでしょうか?」
「勿論遠慮なく食べてよ、それにウチじゃあこれが普通というか質素なメニューだから」
「これが質素?」
「皆様、我らの主人がお困りですので早く食べて下さい。」
「「「「「はい!」」」」」
あれれー?
ニィナが言ったらみんな1発で言うこと聞いてるやん、最初からニィナに任せとけば良かったんじゃなかろうか?
「うっ、旨い!なんだよこの旨さは」
「ほんとだね野菜も沢山入ってるし、これ卵かな?わたし卵なんて子供の頃以来だよ」
雑炊はどうやら好評みたいだ、これ食べて問題なければ明日から普通の食事にするか
「「「「「ご主人様!」」」」」
「おっ、おう、皆どうした?」
「我ら奴隷一同、ご主人様の恩に報いるべく、この命果てるまで一所懸命に働きますのでどうか宜しくお願い致します!」
「あぁうん、これから宜しく」
「「「「「はい!!」」」」」
どうやら奴隷達から信頼は得られたみたいだが、意図せず忠実な臣下が増えてる気が、、、
これどっかの戦国武将みたいに破滅への階段登ってないよな(汗)
つづく。
そこで新しい主人として挨拶のついでに、ガリガリに痩せている奴隷達と信頼関係を築くべく旨い飯を振る舞う事にした。
奴隷との信頼関係に旨い飯、それすなわち異世界テンプレだ!
奴隷達はろくな食事をしてないだろうから、用意したのは胃に優しいように卵と細かく刻んだ野菜たっぷりの雑炊だ。
「ではみなさん食事を用意したので遠慮無く食べて下さい、量はたっぷりあるんで慌てて食べなくていいですからね~」
奴隷達を食堂っぽい部屋に連れていき椅子に座らせて食事を配ったのだが、誰も食べようとしない
しかも表情が暗いし、、、いや、ここに来た時から表情は暗かったんだけど食事を出したら更に暗くなってしまった。
もしや雑炊は禁忌の食べ物とか無いよな?
世界が違うからその可能性もゼロと言えないから怖いんだよ。さてどうしたもんか
「あっあの、、、発言しても宜しいでしょうか?」
猫耳?の女性がものすごーく遠慮しながら聞いて来た。
「構わないよ、どうした?」
「あの、わっ、私達は何処かに売られてしまうのでしょうか?」
何故そうなる?!
俺が新しい主人だってさっき言ったばかりでしょうが
「皆さんを売ったりしませんから安心して下さい、でも何故そのように思うのか理由を教えて欲しいのですが」
「・・・」
これは困ったな、普通はどういう風に奴隷に接するのか俺は全く知らない。
ニィナやカスミにスミレは奴隷だけど、おそらく特殊なケースだから参考にならないだろうしなぁ
「あのご主人様、私に話をさせて貰えませんか?」
「カスミが話すの?それならニィナでもよくない?」
「いいえ主様、ここはカスミに任せるのが良いと思います。」
「うぬぬぬっ!仕方ない、カスミ無理は絶対あかんで!何かあったらすぐ戻ってくるんやで!」
「ご主人様、話すだけなので大丈夫だと思いますけど、、、」
そう言うとカスミは奴隷達の所に行ってしまった。
「ふふっ、シン君が皆を大事にしてるのは知ってたけれど、随分心配するのね」
「ミリーさん、そりゃあ心配もしますよ!カスミは年頃の娘ですし、最近やっと表情も明るくなってきたんですから」
「そこまで大事にされるとあの子に嫉妬しちゃうわね、私も誰かに大事にされたいわぁ」
「ミリーさんなら大事にしてくれる男なんていっぱいいるでしょ?」
「シン君も女性なら誰でも良い訳では無いでしょ?」
「それは当然です!、、、それよりあっちはなんか揉めてませんか?」
ミリーさんと話している間にカスミと奴隷達がなんか揉めてるように見える
一応奴隷達が話しやすいように離れた所に移動していたのだが、なんとなく会話は聞こえるけど詳しい内容までは分からない
どうやらカスミが奴隷である事に驚いてるみたいだ。奴隷紋を確認しない限りカスミが奴隷だと思う奴はいないだろう。
それは良いんだけど、奴隷の何人かが泣き崩れているのは何故だ?
同じ奴隷でもカスミと自分の境遇の違いに悲観してんのか?
話が終わったらしいカスミが戻ってきた。
「カスミ大丈夫やったか?」
「ごひゅじんひゃま?!」
「シン君、そんなに頬を触っていたらカスミちゃんが話せないわよ」
「すまんカスミ、それで話は聞けた?」
「はい!」
カスミの話を要約すると、奴隷達は何処かに売られる前の最期の晩餐だと思ったようだ。
しかも今まで見た事もない旨そうな食事だったせいで、鉱山か変態貴族に売られると思ったらしく
カスミが俺の事を『奴隷を大事にする素晴らしい主人だ』と言っても信じてくれず
カスミが自分の奴隷紋を見せる事でようやく信じたくらいだ。その結果安心して泣き崩れたらしい
「色々と誤解があったみたいだけど、そろそろ食事は食べて貰えるのかな?」
「あの、ご主人様、このような豪華な食事を本当に食べて宜しいのでしょうか?」
「勿論遠慮なく食べてよ、それにウチじゃあこれが普通というか質素なメニューだから」
「これが質素?」
「皆様、我らの主人がお困りですので早く食べて下さい。」
「「「「「はい!」」」」」
あれれー?
ニィナが言ったらみんな1発で言うこと聞いてるやん、最初からニィナに任せとけば良かったんじゃなかろうか?
「うっ、旨い!なんだよこの旨さは」
「ほんとだね野菜も沢山入ってるし、これ卵かな?わたし卵なんて子供の頃以来だよ」
雑炊はどうやら好評みたいだ、これ食べて問題なければ明日から普通の食事にするか
「「「「「ご主人様!」」」」」
「おっ、おう、皆どうした?」
「我ら奴隷一同、ご主人様の恩に報いるべく、この命果てるまで一所懸命に働きますのでどうか宜しくお願い致します!」
「あぁうん、これから宜しく」
「「「「「はい!!」」」」」
どうやら奴隷達から信頼は得られたみたいだが、意図せず忠実な臣下が増えてる気が、、、
これどっかの戦国武将みたいに破滅への階段登ってないよな(汗)
つづく。
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