テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第5章 いつかの為に

第65話 チート無双・・・

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俺は今、ニィナと一緒に製麺所の地下室で針と糸を使いチクチク縫い物をしている

能力を使ってのチート無双はどうしたかって?

勿論チート無双を終えたからこそ針と糸で縫い物をしている。


その証拠に目の前の机には、スキャナープリンター1台

ポータブル電源1台

初心者用手作りコサージュキット各種大量

手芸用布&ゴム各種大量

しめて429mp(42900円)也!

俺が使えるチートはこれしか無い。


メリルのデザインが花をモチーフにしたものが多かったのがラッキーだったよ

コサージュなら色んな花があるし、追加で布を買って組み合わせればメリルのデザインに近づける事はそんなに難しくない

コサージュを作ってヘアゴムに縫い付ければ完成だ。


シュシュに関しても、シンプルなデザインのやつなら似たような布があるから作るのは可能だし

そして意外だったのはニィナの針捌きだろう。ミシンのごとき速さで次々縫っていくんだもの

このペースなら試しに売る分くらいはすぐ出来上がりそうだ。



「主様、質問があるのですが」

「質問はいつでも歓迎だ」

「この布の花とリボン、とても可愛くて売れる商品になるのは確実、しかしながら貴族に売れるかと言われれば難しいように思うのですが」

「まぁ今作ってるのは凄くシンプルな物だから、上級者用のコサージュは作りもしっかりしてるし何より初心者用に比べて華やかさが段違いなんだ。

そして貴族に売る時は少し用途が代わる。勿論ヘアゴムに付けてもいいけど、どちらかというとドレスの飾り用だな

貴族ってのはパーティー好きだろ?そして見栄を張りたいのも貴族、他人より目立つ為に使えるのは宝石くらいしか無いってのは既に調べてある

しかしここで問題になるのが爵位

自分より爵位が上の貴族より高価な宝石を身に付ければ何かと揉める原因になる

そこでこのコサージュの出番だ!

ドレスに付けるも良し!小さいものなら髪飾りとして使うも良し!しかも布だから宝石と比べて激安。何か言われても職人が頑張ったと言えばいい」


「なるほど、値段が安い物だからこそ、その努力を褒める事は出来ても嫌味を言えば自らを貶める事にしかならないという事ですね。
しかしそれだと安いからという理由で売れないのではありませんか?」

「だから売るのは下級貴族に限定する。下級貴族なら裕福じゃない所も多いだろ?

だけど他人より綺麗に着飾って目立ちたいのは同じ、手頃な値段で自分を引き立たせるアイテムがあるなら買わないという選択肢は無い!」

「まさかそんな方法が、、、」



コサージュは手作りすれば1個数百円で出来るがなかなか馬鹿に出来ない

元世界でも入学式や卒業式でいつもの『オカン』が、よそ行きの服にコサージュを1個付けて来るだけで『母さん』と呼びたくなるくらいにはコサージュの力は偉大だ!

結婚式なんかでも上手にコサージュを使って着飾ってる女性を見ると、素敵だなぁって思う。

そういうのを何回も見てる俺でさえ毎回素敵だなって思うんだから、この世界の貴族にも充分通用するだろう。

貴族に売る時はスワロフスキーとかプラスチック製の真珠を模した玉とか付けて高値で、、、売るのは止めよう。

異世界小説だと『ガラス玉』を売るだけでトラブルになるってのは、まさに異世界テンプレだからな。


「主様、魔道具でしょうか?あの箱が気になるのですが」

「あぁスキャナーか、これでメリルの描いたデザインをスキャンしてからサイズを修正して印刷

印刷したデザインを切り絵の要領で切り抜いたら布の上に置く

そしたら布用の塗料を『プシュー』っとすれば、ほら簡単に布に絵が描ける♪
これなら櫛にも絵が描けるんだ。」

「おっ?!おお!!」

「この方法で池田屋商会のロゴを作って商品に印刷してブランド化すれば、さらなる儲けが、、、って流石にそこまでやるのは時期尚早か

ただでさえウチの商会は正式な立ち上げ前なのに既に儲けが凄いから、これ以上やるとマジで王族が出て来そうだからな(汗)」


「もし本当に王族が出て来ても、引くつもりは無いのでしょう?」

「当然だ!今回に限定して言えば王族との関係がどうなろうと構わん、だけどそうならないようにするのが『俺達』の役目だろ?」

「ふふっ、主様の御心のままに」

「そろそろ帰ろう、今日の夕食はニィナが好きそうな八宝菜にしようか?」

「八宝妻、、、ですか?」

「その発音だとなんとなく危険な意味になる気がするぞ

『八宝菜』多くの野菜を使ったって意味の野菜炒めだよ」

「多くの野菜?!主様帰りましょう!さあ早く!!私が背負って走ります故!!」

「待て待て、早く帰っても夕食の時間にならないと食べないからな」

「それはそれ、でございます!失礼します」

「おい?!ニィナま、わぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



オリンピアンも真っ青な速さで走り出すニィナに背負われながらも、大量に作ったコサージュ等は忘れずに収納に入れていく。

ニィナよ、己の欲求に素直なのは全然構わないけれど、俺は普通に歩いて帰りたかったぞ







つづく。
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