63 / 305
第4章 明日の為に
第54話 サクラとおっさんと桜
しおりを挟む
「ニック、スナック、今日も気をつけて行って来いよー」
「アニキ、今日こそは全部売り切ってやるからな!行くぞスナック」
「うん!」
ニックとスナックがクレープを売り出して数日
最初は全く売れなくて2人とも落ち込んでたんだが、最近ぼちぼち売れている
ただし、クレープを知らない人からすると、クレープの見た目は美味しそうに見え難いようで客数は伸び悩んでいるのだが
この状況を打開するため昨日からちょっとした作戦を始めている
作戦と言っても本当にたいした事ではない。
数日前に我が家の近くに住んでる娼婦のアンさんと知り合ったんだけど
今までは生活する時間が違っていたから顔を合わせる事もなかったが、転職の相談をされたのが切っ掛けで知り合った。
最近俺が孤児院を支援したり冒険者に依頼したりしてるのを知って、なにかしら仕事があれば雇って欲しいとお願いされたんだ。
流石に面と向かってお願いされると断り難いので、仕事については少し時間を貰って、とりあえず報酬を渡してニックとスナックからクレープを買って貰う事にした。
いわゆるサクラだな
買う時には「美味しいって噂を聞いて来た」と、少し大きな声で言いながら買うようにお願いした。
アンさん1人だけだと不安だったから、知り合いの娼婦の皆さんにも依頼して、昨日から順番に買ってくれるようにお願いしたから、最近クレープが売れ出したのはそのお陰でもある。
そんな事をしてあの2人の為にならないだろって言われるかもしれんが、普通のおっさんの俺に出来るのは
ニックとスナックだけで金を稼いで生活出来るようにするので精一杯だ。
「シンさーん、大変ですー!」
声がしたので振り返ると、サクラをお願いした娼婦のアンさんが走って来る所だった。
「アンさんどうしたんですか?」
「はぁ、はぁ、、、そっ、それがクレープ屋さんにお客様が殺到してるんです!」
「いやいや、お客なんて昨日までそんなに来てなかったじゃないですか」
「そうなんですけど、今はお客様が殺到して大変な事になってるんですよ!」
どうして急に客が殺到したのかは謎だが、俺もメリルと2人だけで干し芋を売ってた時
急に客が沢山来て大変だった事がある、懐かしいなぁ(笑)
「シンさん!考え事をしてる場合ではないですよ!」
「そうでしたね、とりあえずこれを、、、よいしょっと」
俺は収納から折りたたみ式リヤカーを出し、クレープの材料をたんまり乗せていく
「アンさんは今日からウチで雇うって事で、とりあえずクレープ屋を手伝って下さい。
それと暇な知り合いがいたら報酬は出すんで手伝って貰って構いませんので」
「えっ?雇って貰えるのは嬉しいですけど、シンさんは行かないんですか?!」
「クレープ屋はあの2人の仕事ですから、じゃあ頑張って来て下さいねー♪」
戸惑うアンさんにリヤカーを押し付け無理矢理送りだす。
俺の役割はトラブルがあった時に対処する事であって、仕事を手伝う事では無い!
客が殺到するなんて嬉しい悲鳴だからな、これも経験だ。
頑張れよ、ニック、スナック、そしてアンさん
俺はこれから我が家のみんなで花見に行くんだ♪
決して花見がしたいからあの3人に丸投げする訳ではない!
数日前に街の近くの丘の木々にピンク色の花が咲いてるのを見つけたんだ。
メリルに聞いたら春と冬の前に咲く花らしい。
双眼鏡で確認したら桜っぽい花だったから、元日本人としては花見がしたいじゃないか
という事で朝からお弁当を作っていたんだ。
おにぎり、昆布の佃煮、たまご焼き、平天の甘辛炒め、シュウマイ、海老フライ
ちなみにおにぎりは俵型だ。これは俺がガキの頃の定番の弁当を再現してみた。
何故だか昭和感があるのが実に良い!
そして今回はたまご焼きにたらこを入れて一緒に巻いてみた。焼き上がったたまご焼きを普通に切ってから
更に真ん中で斜めに切り、片方をクルっひっくり返すとハート型になる
たらこのピンク色がとてもいい感じだ♪
そしてデザートは『桜餅』
地域によって違いがあるらしいが俺が知ってるのは、あんこ餅を桜の葉の塩漬けで巻いた物だ。
桜の葉と一緒に食べると葉の塩味とあんこの甘さが合わさって旨いんだ♪
ちなみに葉っぱの真ん中にある茎みたいなのは取る事を推奨する。
桜餅は創造神様にお供えしておこう。これからもお世話になるだろうし、節目の挨拶は大事だからな。
れっつ
お花見へ♪
つづく。
「アニキ、今日こそは全部売り切ってやるからな!行くぞスナック」
「うん!」
ニックとスナックがクレープを売り出して数日
最初は全く売れなくて2人とも落ち込んでたんだが、最近ぼちぼち売れている
ただし、クレープを知らない人からすると、クレープの見た目は美味しそうに見え難いようで客数は伸び悩んでいるのだが
この状況を打開するため昨日からちょっとした作戦を始めている
作戦と言っても本当にたいした事ではない。
数日前に我が家の近くに住んでる娼婦のアンさんと知り合ったんだけど
今までは生活する時間が違っていたから顔を合わせる事もなかったが、転職の相談をされたのが切っ掛けで知り合った。
最近俺が孤児院を支援したり冒険者に依頼したりしてるのを知って、なにかしら仕事があれば雇って欲しいとお願いされたんだ。
流石に面と向かってお願いされると断り難いので、仕事については少し時間を貰って、とりあえず報酬を渡してニックとスナックからクレープを買って貰う事にした。
いわゆるサクラだな
買う時には「美味しいって噂を聞いて来た」と、少し大きな声で言いながら買うようにお願いした。
アンさん1人だけだと不安だったから、知り合いの娼婦の皆さんにも依頼して、昨日から順番に買ってくれるようにお願いしたから、最近クレープが売れ出したのはそのお陰でもある。
そんな事をしてあの2人の為にならないだろって言われるかもしれんが、普通のおっさんの俺に出来るのは
ニックとスナックだけで金を稼いで生活出来るようにするので精一杯だ。
「シンさーん、大変ですー!」
声がしたので振り返ると、サクラをお願いした娼婦のアンさんが走って来る所だった。
「アンさんどうしたんですか?」
「はぁ、はぁ、、、そっ、それがクレープ屋さんにお客様が殺到してるんです!」
「いやいや、お客なんて昨日までそんなに来てなかったじゃないですか」
「そうなんですけど、今はお客様が殺到して大変な事になってるんですよ!」
どうして急に客が殺到したのかは謎だが、俺もメリルと2人だけで干し芋を売ってた時
急に客が沢山来て大変だった事がある、懐かしいなぁ(笑)
「シンさん!考え事をしてる場合ではないですよ!」
「そうでしたね、とりあえずこれを、、、よいしょっと」
俺は収納から折りたたみ式リヤカーを出し、クレープの材料をたんまり乗せていく
「アンさんは今日からウチで雇うって事で、とりあえずクレープ屋を手伝って下さい。
それと暇な知り合いがいたら報酬は出すんで手伝って貰って構いませんので」
「えっ?雇って貰えるのは嬉しいですけど、シンさんは行かないんですか?!」
「クレープ屋はあの2人の仕事ですから、じゃあ頑張って来て下さいねー♪」
戸惑うアンさんにリヤカーを押し付け無理矢理送りだす。
俺の役割はトラブルがあった時に対処する事であって、仕事を手伝う事では無い!
客が殺到するなんて嬉しい悲鳴だからな、これも経験だ。
頑張れよ、ニック、スナック、そしてアンさん
俺はこれから我が家のみんなで花見に行くんだ♪
決して花見がしたいからあの3人に丸投げする訳ではない!
数日前に街の近くの丘の木々にピンク色の花が咲いてるのを見つけたんだ。
メリルに聞いたら春と冬の前に咲く花らしい。
双眼鏡で確認したら桜っぽい花だったから、元日本人としては花見がしたいじゃないか
という事で朝からお弁当を作っていたんだ。
おにぎり、昆布の佃煮、たまご焼き、平天の甘辛炒め、シュウマイ、海老フライ
ちなみにおにぎりは俵型だ。これは俺がガキの頃の定番の弁当を再現してみた。
何故だか昭和感があるのが実に良い!
そして今回はたまご焼きにたらこを入れて一緒に巻いてみた。焼き上がったたまご焼きを普通に切ってから
更に真ん中で斜めに切り、片方をクルっひっくり返すとハート型になる
たらこのピンク色がとてもいい感じだ♪
そしてデザートは『桜餅』
地域によって違いがあるらしいが俺が知ってるのは、あんこ餅を桜の葉の塩漬けで巻いた物だ。
桜の葉と一緒に食べると葉の塩味とあんこの甘さが合わさって旨いんだ♪
ちなみに葉っぱの真ん中にある茎みたいなのは取る事を推奨する。
桜餅は創造神様にお供えしておこう。これからもお世話になるだろうし、節目の挨拶は大事だからな。
れっつ
お花見へ♪
つづく。
407
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最弱引き出しの逆襲 ― クラス転移したのはいいけど裏切られたけど実は最強だった件
ワールド
ファンタジー
俺、晴人は普通の高校生。だけど、ある日突然、クラス全員と一緒に異世界に飛ばされた。
そこで、みんなは凄い能力を手に入れた。炎を操ったり、風を呼んだり。でも、俺だけが"引き出し"なんていう、見た目にも無様な能力を授かった。戦いになんの役にも立たない。当然、俺はクラスの笑い者になった。
だけど、この"引き出し"、実はただの引き出しではなかった。この中に物を入れると、時間が経つにつれて、その物が成長する。最初は、その可能性に気づかなかった。
でも、いつしか、この能力がどれほどの力を秘めているのかを知ることになる。
クラスメイトたちからは裏切られ、孤立無援。でも、俺の"引き出し"が、みんなが見落としていた大きな脅威に立ち向かう唯一の鍵だったんだ。知恵と工夫で困難を乗り越えて、俺は最弱から最強へと変貌する。
工夫次第で幾らでも強くなれる引き出し能力で俺は成りあがっていこう。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる