テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第4章 明日の為に

第52話 クレープと双子 その2

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さてさて

メリル、ケイト、カスミ、スミレが風呂に入っている間に俺とニィナで夕食作りだ!


今日の夕食は天ぷらと素うどん♪

『天ぷらうどん』では無くて、あくまでも『天ぷら』と『素うどん』だ

別々にしているのは単純に我が家のみんなが沢山食べるからっていうのもあるけど

どうせ沢山食べるなら『塩』と『天つゆ』の両方で食べたいからな

そして

うどんは製麺所で作ったのを無料で貰って来た。

経営者の特権バンザイだ♪


製麺所で働いているのは女将さんに紹介して貰って雇ったシングルマザーのママさん達

夜明けから日暮れまでの間の好きな時に3~6時間ほど働いて貰っているから、パートタイマーって感じかな。

女将さんは力仕事には向かないって言ってたけど、あのママさん達普通に素手でうどんを捏ねて、結構なコシのうどんに仕上がってるから驚きだよ。


さてと

そろそろ我が家のみんなが風呂から出てくる頃だから、俺はテーブルにうどんと天ぷらを並べていく

酒はビールと、日本酒の熱燗も用意しておきますか。


「みんなー、もう用意出来てるぞ~♪」

「やったぁー、今日の飯もスゲェ良い匂いだ♪なあダンナこれ前にも食べた事あったかな?」

「ケイトはよく覚えてるな。前に食べた天丼に乗ってたのと同じだよ。天丼は特製のタレだったけど今日は天つゆか塩のどっちかで食べてくれ

俺のお薦めは天つゆだな。舞茸は塩の方が旨いかもだけど」

「主様、早く食べましょう!!」

「おっ、おう、そうだな、それじゃあいただきます」

「「「「「いただきます!」」」」」



「うめぇー!!やっぱダンナの飯は最高だよ♪」

「ははは、そりゃあ良かったよ」

「うん、サクサクしてて凄い美味しい♪」

「おねえちゃん白くてちゅるちゅるしてるのおいしーね♪」

「うん、美味しいね♪」



どうやらうどんも好評みたいだ。麺料理は作りたいのが沢山あるんだよなぁ

そういえば最近ミリーさんに他の街でもレシピ登録して欲しいって言われている。

キャラバンシティだけ新しいレシピが多過ぎるって、色んな所から文句を言われてるんだとか

そんな文句を言われても知らんがな!

って感じだけど、ミリーさんには世話になってるから断るつもりは無い。

それに旅費を商業ギルドで出してくれるって言うし、俺も他の街を見てみたいから落ち着いたら行こうと思う。



「ねぇダンナ」

「ケイトどうした?」

「天ぷらってまだある?」

「まだ収納にたんまり入ってるけど、食うのか?」

「裏庭のニックとスナックにも持って行ってやろうと思ってさ、駄目かな?」

「そうか、沢山持って行ってやれ。それとデザートのロールケーキもついでに持って行ってくれ」

「流石ダンナ分かってるぅ~♪じゃあ持ってくね」


ケイトってああ見えて結構面倒見がいいんだよな、ケイトも孤児院出身らしいから心配なんかな?


ーー翌日ーー


「よし!今日からニックとスナックにはクレープを売って貰うんだが、初日だから客が来なくても落ち込むなよ」

「落ち込まねーよ。絶対沢山売って来てやるからな!」

「兄ちゃん、僕も頑張るよ!」

「2人とも頑張れよー」


それじゃあ俺はカスミとだし巻き玉子でも作るかな。


◇     ◇     ◇


もうすぐ昼か

そろそろニックとスナックが帰って来る頃だ。


「主様、2人が帰って来ました」

「おう、今いくよ」


俺は裏庭にやって来たのだが、ニックとスナックの2人が物凄く落ち込んでいる


「アニキごめん・・・」

「僕達色んな所に行ってみたんだけど全然売れなかったんだ。ごめんなさい」

「まぁ皆が知らない食べ物だからな、買いづらいんだろう。落ち込んでないで午後からも頑張って売って来いよ」


飯を食いに行く2人を見送るが、予想以上に落ち込んでたなぁ、大丈夫かな(汗)


「主様、いくら初日とはいえクレープがひとつも売れないというのはおかしいと思うのですが」

「売れなくて当然だろうな」

「主様は最初から売れないと予想していたのですね?」

「そうだな、クレープは客の注文を受けてから作るから、クレープを知らなければ何を売ってるのか想像も出来ないだろう。

それにウィンナーサンドと違って旨そうな匂いもしない。砂糖を使っていれば甘い匂いで客の興味も牽けたかもしれんけど、残念ながら砂糖は使ってない。

駄目押しにあの2人だ、スナックはまだいいけどニックは顔が怖いからな、何を売ってるのか分からないのに店員の顔が怖いんじゃ誰も寄ってこないだろ。

それでも無料で試食を配る事を思い付けば違っただろうけど」

「そうだとしても、主様ならあの2人でも簡単に売れる物があったのではないですか?」

「そりゃあもっと簡単に売れる物は色々あるよ、だけどさ、それじゃああの2人の為にならんだろ」

「ふふふ」

「今のは笑うとこあったか?」

「主様の素晴らしさを再確認出来た喜びの笑いでございます」

「ならいいけど、あの2人かなり落ち込んでたから後でケイトにフォローしてもらわないとな」





つづく。
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