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第4章 明日の為に
第49話 双子のニックとスナック
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シスターさん渾身の、幻の左アッパーを食らって見事に宙を舞い意識を失った男ニック15歳と
その場にいた弟のスナック15歳の双子
俺はニィナとシスターさんとスナックの4人で協力して、ニックを製麺所の2階に運び床に寝かせている
製麺所は完成したばかりで2階にはまだ何も無い
汚れてもいないから床に寝かせても問題無いだろう。
シスターさんから事情を聞いたところ、この双子も孤児院出身で手伝いに呼ばれたのだが
双子揃って団体行動が苦手で、孤児院にいる時も喧嘩ばかりしていた問題児の教科書のような双子、主に兄のニックがという注釈が付くがな
気の弱い弟が虐められてその相手をニックがボコボコにして以来、孤児院では周りから浮いてしまったのだとか
孤児院を卒業して冒険者になったらしいが
パーティメンバーと揉めてパーティは解散、簡単な採取依頼を受けて食い繋いでいた所をシスターさんに声をかけられたらしい。
俺は他人の事情とか全く興味無いし働かなくてもトラブルを起こそうとも、俺の関係無い所でなら全然構わない
その結果飢え死にしようがトラブルが原因で袋詰めにされて川に浮かぶ事になろうが、どうぞご自由にだ!
だがしかし
働かないのに売り物のポップコーンを貪り食ってたのは許さん!
たとえそれが空腹に耐えかねての事だとしてもだ
ポップコーンを食ってるのをシスターさんに注意された挙げ句クソババアなんて呼んで返り討ちにあってんだから、こいつの根性も相当ひん曲がっている。
「んっ、、んん、、あれ?」
「おっ?目が覚めたかクソガキ」
「誰がガキだ!いててっ、俺はもう成人して大人なんだぞ、あっ!さっきはよくもやりやがったなクソババア!」
「あたしはまだピチピチの23歳だよ!」
「やっぱりババアじゃねぇか!」
ペチンッ!
「大人やったら口の聞き方はちゃんとせんかい!」
「いてぇーなこの野郎!」
「誰がこの野郎やねん」
ペチッ!ペチッ!ペチペチペチペチペチペチ
「だから俺の頭をペチペチ叩くんじゃねぇ!」
「腐った貴族みたいな事してる奴を叩いて何が悪いねん』
ペチッ!
「腐った貴族・・・うわぁーーー!!」
「ふんっ!」
ドシンッ!
「ぐぁっ!」
こちらに向かって殴りかかって来たニックを、俺は柔道の背負い投げで投げ飛ばした。
俺が日本で高校生だった時、体育の授業で柔道があったんだが、同じくらいの体重の奴が居なかったせいで柔道部の奴とずっと組まされたんだ。
おかげで俺はそれなりに柔道が上手くなった。体重も軽くて冷静さも失ってるガキを容易く投げ飛ばすくらいの腕前はある。
それにシスターさんをババア呼ばわりするこいつにイラッとして、つい関西弁で怒ってしまったのは大人気なかったかなと思わなくもない
「おいニック、大丈夫か?」
「うるせぇー、げほぉっげほぉっ」
「ここで働きたくないのは構わんけど、腐った貴族みたいな事してお前は犯罪奴隷にでもなる気なのかよ?」
「俺だってこんな事、、、うわぁーー(泣)」
うーむ
ニックが泣いてしまった。
泣きたいのは俺の方なのだが。俺はずっと黙って見ていた弟のスナックに話かける
「スナックはどうしたいんだ?無理に働く必要は無いけど、ここでトラブルを起こすなら兵士に引き渡さなきゃならないぞ」
「ぼっ僕も兄ちゃんも他の人と同じ事をするのが昔から苦手なんだ、でもどうしたらいいのか分かんなくて、、、」
何処の世界にも団体行動が苦手な奴っているよな、そんな俺も団体行動は苦手だ。
今は自分のやりたいように出来るからなんとかやっていけてるだけだ。
「シスターさん、この2人俺に預からせて下さい」
「えっ?!それはどういう事なのでしょう?」
「心配しなくても2人だけで食っていけるように鍛えてみるだけですよ」
「そういう事なら、でも2人は成人してますし私が口を出せる事では」
「ニックとスナック、お前達2人だけで出来る仕事を教えてやるけどどうする?」
「ぼっ、僕は教えて欲しいです!」
「誰がてめぇーなんかに、、、ヒィッ?!」
ニックは相変わらずだな、だがそんな口の聞き方は許さん!
主にニィナがな(笑)
ニィナはさっき梅酒を仕込んでいた時に、梅に穴を空けるのに使った竹串をニックの首筋に押し当てている
詳しくは知らないが、ニィナの実力なら竹串で心臓を串刺しにするのも容易いのだろう。
「これ以上我が主への暴言は許しません、あなたの選択肢は2つ、我が主に従うかこの場から立ち去るかです」
「それでどうするよニック、俺はどっちでも構わんよ
でもなニック
世の中ってのは冷たいとこだぞ、子供のうちはなんだかんだで大人が助けてくれる事もあるかもしれん
だけど成人して大人になったら、大人なんだからって理由で急に助けてくれなくなるんだよ、大人は自分でどうにか出来るだろうってな
大人になったからって、今まで出来なかった事が急に出来るようにはならないのにな」
「ち゛く゛し゛ょ゛ー」
ペチッ
「涙は大事な時までとっとけ馬鹿野郎が」
つづく。
その場にいた弟のスナック15歳の双子
俺はニィナとシスターさんとスナックの4人で協力して、ニックを製麺所の2階に運び床に寝かせている
製麺所は完成したばかりで2階にはまだ何も無い
汚れてもいないから床に寝かせても問題無いだろう。
シスターさんから事情を聞いたところ、この双子も孤児院出身で手伝いに呼ばれたのだが
双子揃って団体行動が苦手で、孤児院にいる時も喧嘩ばかりしていた問題児の教科書のような双子、主に兄のニックがという注釈が付くがな
気の弱い弟が虐められてその相手をニックがボコボコにして以来、孤児院では周りから浮いてしまったのだとか
孤児院を卒業して冒険者になったらしいが
パーティメンバーと揉めてパーティは解散、簡単な採取依頼を受けて食い繋いでいた所をシスターさんに声をかけられたらしい。
俺は他人の事情とか全く興味無いし働かなくてもトラブルを起こそうとも、俺の関係無い所でなら全然構わない
その結果飢え死にしようがトラブルが原因で袋詰めにされて川に浮かぶ事になろうが、どうぞご自由にだ!
だがしかし
働かないのに売り物のポップコーンを貪り食ってたのは許さん!
たとえそれが空腹に耐えかねての事だとしてもだ
ポップコーンを食ってるのをシスターさんに注意された挙げ句クソババアなんて呼んで返り討ちにあってんだから、こいつの根性も相当ひん曲がっている。
「んっ、、んん、、あれ?」
「おっ?目が覚めたかクソガキ」
「誰がガキだ!いててっ、俺はもう成人して大人なんだぞ、あっ!さっきはよくもやりやがったなクソババア!」
「あたしはまだピチピチの23歳だよ!」
「やっぱりババアじゃねぇか!」
ペチンッ!
「大人やったら口の聞き方はちゃんとせんかい!」
「いてぇーなこの野郎!」
「誰がこの野郎やねん」
ペチッ!ペチッ!ペチペチペチペチペチペチ
「だから俺の頭をペチペチ叩くんじゃねぇ!」
「腐った貴族みたいな事してる奴を叩いて何が悪いねん』
ペチッ!
「腐った貴族・・・うわぁーーー!!」
「ふんっ!」
ドシンッ!
「ぐぁっ!」
こちらに向かって殴りかかって来たニックを、俺は柔道の背負い投げで投げ飛ばした。
俺が日本で高校生だった時、体育の授業で柔道があったんだが、同じくらいの体重の奴が居なかったせいで柔道部の奴とずっと組まされたんだ。
おかげで俺はそれなりに柔道が上手くなった。体重も軽くて冷静さも失ってるガキを容易く投げ飛ばすくらいの腕前はある。
それにシスターさんをババア呼ばわりするこいつにイラッとして、つい関西弁で怒ってしまったのは大人気なかったかなと思わなくもない
「おいニック、大丈夫か?」
「うるせぇー、げほぉっげほぉっ」
「ここで働きたくないのは構わんけど、腐った貴族みたいな事してお前は犯罪奴隷にでもなる気なのかよ?」
「俺だってこんな事、、、うわぁーー(泣)」
うーむ
ニックが泣いてしまった。
泣きたいのは俺の方なのだが。俺はずっと黙って見ていた弟のスナックに話かける
「スナックはどうしたいんだ?無理に働く必要は無いけど、ここでトラブルを起こすなら兵士に引き渡さなきゃならないぞ」
「ぼっ僕も兄ちゃんも他の人と同じ事をするのが昔から苦手なんだ、でもどうしたらいいのか分かんなくて、、、」
何処の世界にも団体行動が苦手な奴っているよな、そんな俺も団体行動は苦手だ。
今は自分のやりたいように出来るからなんとかやっていけてるだけだ。
「シスターさん、この2人俺に預からせて下さい」
「えっ?!それはどういう事なのでしょう?」
「心配しなくても2人だけで食っていけるように鍛えてみるだけですよ」
「そういう事なら、でも2人は成人してますし私が口を出せる事では」
「ニックとスナック、お前達2人だけで出来る仕事を教えてやるけどどうする?」
「ぼっ、僕は教えて欲しいです!」
「誰がてめぇーなんかに、、、ヒィッ?!」
ニックは相変わらずだな、だがそんな口の聞き方は許さん!
主にニィナがな(笑)
ニィナはさっき梅酒を仕込んでいた時に、梅に穴を空けるのに使った竹串をニックの首筋に押し当てている
詳しくは知らないが、ニィナの実力なら竹串で心臓を串刺しにするのも容易いのだろう。
「これ以上我が主への暴言は許しません、あなたの選択肢は2つ、我が主に従うかこの場から立ち去るかです」
「それでどうするよニック、俺はどっちでも構わんよ
でもなニック
世の中ってのは冷たいとこだぞ、子供のうちはなんだかんだで大人が助けてくれる事もあるかもしれん
だけど成人して大人になったら、大人なんだからって理由で急に助けてくれなくなるんだよ、大人は自分でどうにか出来るだろうってな
大人になったからって、今まで出来なかった事が急に出来るようにはならないのにな」
「ち゛く゛し゛ょ゛ー」
ペチッ
「涙は大事な時までとっとけ馬鹿野郎が」
つづく。
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