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第3章 羽ばたきの先にあるもの
閑話 動き出す貴族
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side :とある伯爵夫人
「奥さまー!奥さまー!」
「何ですかシンシア大きな声を出して、はしたないわよ!」
「申し訳ございません。キャラバンシティからワイバーンで荷物が届きました。」
「あの街には確かミリアリアがいたわね、あの子がわざわざワイバーンを寄越すなんて何事かしら?シンシア荷物を開けて頂戴」
「かしこまりました。中身は瓶が2本、中に液体が入っていますが酒の類いではなさそうです。あとは三角形の棒?と軟膏らしき物が入っていて手紙も同封されています。」
「手紙を見せて頂戴、、、ふむふむ、あの街周辺の穀物は不作だったかしら?」
「今年はどこも平年並みか豊作と記憶しています。不作は無いかと」
「そう、、、シンシア『特・イ号案件』の可能性があるわ、あの街の穀物を扱う商会とは直ちに契約を切りなさい」
「奥さま、『特、イ号案件』というと作物の不当な買い占め、それが重罪という事は庶民でも知っている事でございます。そのような事があるのでしょうか?」
「詳しい事は分からないけれど、本当だとしたらお兄様、、、ライブラ公爵がどうにかなさるでしょ。
それより、届けられた品を見てみましょう、手紙には美容品と書いてあるわ♪」
「美容品でごさいますか?」
「ええそうよ、髪の毛専用の石鹸に爪を磨く棒、手をスベスベにする薬らしいわね。
あの子がわざわざワイバーンで送って来るのだから本物なのでしょうけど、使うのはさすがに勇気が要るわね
そうだわ、シンシアこの棒使ってみなさいよ、これは爪を綺麗にする物だから危険は無いわ」
「かしこまりました」
「シンシア待って頂戴今説明書を読むから、三角形の棒に1、2、3と数字が書いてあるかしら?」
「はっ、はい書いてあります!」
「先ずは1と書いてある面で爪を磨くみたいね、次に2、そして3が仕上げらしいわよ、シンシア早く磨いてみなさい」
「はい、先ずは1、、、次が2、、、3が仕上げ、、、
っ?!
奥さま!!爪が、爪が、、、」
「どうしたのシンシア?!爪が割れた?」
「いえ、爪がツルツルでピカピカになってます」
「見せて!、、、っ?!本当に爪がピカピカに、、、」
「奥さま?」
「シンシア!今からキャラバンシティに向かいます、急ぎ準備なさい!」
「おっ奥さま?!いけません、旦那様が王都に行っておられる間に奥さまが領地を離れるなど」
「ぐぬぬぬっ!なら旦那様を今すぐ呼び戻しなさい!我がピスケス家の一大事です!!
この品々は他の貴族に知られてしまえば、貴族の勢力図が一気に変わってしまう恐れがあります!
それから今すぐ暗部をあの街に潜入させなさい!そしてこの品を手に入れた商人を見張らせて、ちょっかいを出す輩がいれば即排除させなさい!」
「はい!かしこまりました(汗)」
◇ ◇ ◇
side:???
ふぅー、これでしばらく暇になるな
あのジジイも余計な事をしなけりゃこんな事にならなかったのに馬鹿なジジイだ
数日前
ある商人を見張る為に、奥様の命令でキャラバンシティまで馬をとばしてきた。
件の商人はここじゃ有名人らしく直ぐに居所を突き止めたが、既にやっかい事に巻き込まれていやがった。
アメジスト商会の馬鹿が暗殺計画を立てていたからだ。
たまたま俺の部下の部下の、、、まぁウチの暗部の下っ端が、直接暗殺依頼を持ちかけられた事で
どうすれば良いかって報告が上がって来て発覚した。
その下っ端には依頼を受けるように指示をしておいた。
適当な理由を付けて俺が対処するまでの時間を稼がせる為だ。
暗殺の依頼をしてきたアメジスト商会のジジイを消すのは容易いが、後々面倒事になるのは避けたい
そこで奴の商会で働いてる従業員を数人買収する事にした。最近経営が苦しくなっていて賃金が未払いらしく買収は簡単だった。
そいつらにジジイが近々隠し財産を持って逃げるつもりだという噂を流させると同時に
商人達に奴が売ってる小麦には混ぜ物がしてあると教えてやる
ジジイの商会の小麦には俺が密かに忍び込み混ぜ物をしておこうとしたのだが、、、
既に混ぜ物がしてあるじゃねぇか!あのジジイとんだ悪党だったって事か、こっちとしちゃあ好都合だがな♪
翌日商人達は混ぜ物がしてある小麦を発見して怒り心頭
あとは放っておけば自然と事が動く筈だったのだが
まさかあれほど上手く行くとは思わなかった。
ドワーフや関係無い冒険者達まで来るのは完全に予想外だった。
とにかくこれで例の商人を監視しつつ奥様が来るのを待つだけだ。
この街は干し芋やら旨い食い物が多いからな、楽しく過ごせそうだ♪
「奥さまー!奥さまー!」
「何ですかシンシア大きな声を出して、はしたないわよ!」
「申し訳ございません。キャラバンシティからワイバーンで荷物が届きました。」
「あの街には確かミリアリアがいたわね、あの子がわざわざワイバーンを寄越すなんて何事かしら?シンシア荷物を開けて頂戴」
「かしこまりました。中身は瓶が2本、中に液体が入っていますが酒の類いではなさそうです。あとは三角形の棒?と軟膏らしき物が入っていて手紙も同封されています。」
「手紙を見せて頂戴、、、ふむふむ、あの街周辺の穀物は不作だったかしら?」
「今年はどこも平年並みか豊作と記憶しています。不作は無いかと」
「そう、、、シンシア『特・イ号案件』の可能性があるわ、あの街の穀物を扱う商会とは直ちに契約を切りなさい」
「奥さま、『特、イ号案件』というと作物の不当な買い占め、それが重罪という事は庶民でも知っている事でございます。そのような事があるのでしょうか?」
「詳しい事は分からないけれど、本当だとしたらお兄様、、、ライブラ公爵がどうにかなさるでしょ。
それより、届けられた品を見てみましょう、手紙には美容品と書いてあるわ♪」
「美容品でごさいますか?」
「ええそうよ、髪の毛専用の石鹸に爪を磨く棒、手をスベスベにする薬らしいわね。
あの子がわざわざワイバーンで送って来るのだから本物なのでしょうけど、使うのはさすがに勇気が要るわね
そうだわ、シンシアこの棒使ってみなさいよ、これは爪を綺麗にする物だから危険は無いわ」
「かしこまりました」
「シンシア待って頂戴今説明書を読むから、三角形の棒に1、2、3と数字が書いてあるかしら?」
「はっ、はい書いてあります!」
「先ずは1と書いてある面で爪を磨くみたいね、次に2、そして3が仕上げらしいわよ、シンシア早く磨いてみなさい」
「はい、先ずは1、、、次が2、、、3が仕上げ、、、
っ?!
奥さま!!爪が、爪が、、、」
「どうしたのシンシア?!爪が割れた?」
「いえ、爪がツルツルでピカピカになってます」
「見せて!、、、っ?!本当に爪がピカピカに、、、」
「奥さま?」
「シンシア!今からキャラバンシティに向かいます、急ぎ準備なさい!」
「おっ奥さま?!いけません、旦那様が王都に行っておられる間に奥さまが領地を離れるなど」
「ぐぬぬぬっ!なら旦那様を今すぐ呼び戻しなさい!我がピスケス家の一大事です!!
この品々は他の貴族に知られてしまえば、貴族の勢力図が一気に変わってしまう恐れがあります!
それから今すぐ暗部をあの街に潜入させなさい!そしてこの品を手に入れた商人を見張らせて、ちょっかいを出す輩がいれば即排除させなさい!」
「はい!かしこまりました(汗)」
◇ ◇ ◇
side:???
ふぅー、これでしばらく暇になるな
あのジジイも余計な事をしなけりゃこんな事にならなかったのに馬鹿なジジイだ
数日前
ある商人を見張る為に、奥様の命令でキャラバンシティまで馬をとばしてきた。
件の商人はここじゃ有名人らしく直ぐに居所を突き止めたが、既にやっかい事に巻き込まれていやがった。
アメジスト商会の馬鹿が暗殺計画を立てていたからだ。
たまたま俺の部下の部下の、、、まぁウチの暗部の下っ端が、直接暗殺依頼を持ちかけられた事で
どうすれば良いかって報告が上がって来て発覚した。
その下っ端には依頼を受けるように指示をしておいた。
適当な理由を付けて俺が対処するまでの時間を稼がせる為だ。
暗殺の依頼をしてきたアメジスト商会のジジイを消すのは容易いが、後々面倒事になるのは避けたい
そこで奴の商会で働いてる従業員を数人買収する事にした。最近経営が苦しくなっていて賃金が未払いらしく買収は簡単だった。
そいつらにジジイが近々隠し財産を持って逃げるつもりだという噂を流させると同時に
商人達に奴が売ってる小麦には混ぜ物がしてあると教えてやる
ジジイの商会の小麦には俺が密かに忍び込み混ぜ物をしておこうとしたのだが、、、
既に混ぜ物がしてあるじゃねぇか!あのジジイとんだ悪党だったって事か、こっちとしちゃあ好都合だがな♪
翌日商人達は混ぜ物がしてある小麦を発見して怒り心頭
あとは放っておけば自然と事が動く筈だったのだが
まさかあれほど上手く行くとは思わなかった。
ドワーフや関係無い冒険者達まで来るのは完全に予想外だった。
とにかくこれで例の商人を監視しつつ奥様が来るのを待つだけだ。
この街は干し芋やら旨い食い物が多いからな、楽しく過ごせそうだ♪
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