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第3章 羽ばたきの先にあるもの
第43話 だし巻き玉子とカスミとおっさんと
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最近色々あって進んでなかった『だし巻き玉子販売計画』を進めようと思う。
なんかソレっぽく言ってみたけど、作るのはうさぎ耳のカスミで販売は新たに人を雇う予定だ。
だから俺がやる事と言えばカスミに作り方を教える事だ。
俺がだし巻き玉子を作る時は、いつもは粉末の和風出汁か濃縮めんつゆを入れるんだけど、お吸い物の素とか入れて作ったりもする。
今日はお馴染みの濃縮めんつゆを入れて作ろう。
「そしたらカスミ、今からだし巻き玉子を作るから見ててくれ。」
「はい!」
「まずはキッチンペーパーに油を染み込ませてフライパンに薄く油をひいて熱する、そして卵を流し入れるんだけどフライパン全体にギリギリ行き渡る量が理想かな。
卵を入れたら豪快に混ぜながら半熟の状態で卵をフライパンの奥に集めたら、2回目の卵を流し入れる。卵を入れ過ぎたら戻して構わないよ
フライパンの奥に集めておいた卵を持ち上げて下にも卵を流す、焼けてきたら手前にくるっと巻いて行って
最後まで巻けたら奥に移動させて残りの卵を流し入れる、焼けたらさっきと同じように巻けば、だし巻き玉子の完成!さあカスミ試食してみて」
「はい!それではいただきます。もぐもぐもぐもぐ、、、ッ?!美味しいです!ご主人様凄く美味しいです!卵がこんなにフワフワになるなんて、、、」
「よしカスミ、早速作ってみよう♪」
「はい!」
カスミがだし巻き玉子を作った結果は、、、まぁ言わなくても分かるか
料理は初めてだって言ってたし、見た目は少し残念な出来だけど、焦げてないし普通に美味しく食べられる
俺が初めて作った時より上手なんだから大したもんだよ。
「申し訳ございません、ご主人様」
カスミがめっちゃ落ち込んでしまった(汗)
だし巻き玉子を作れないと罰があるとか思ってんのかなぁ?
「カスミ最初なんだからそんなに落ち込まないの、とりあえずだし巻き玉子を10個作ろうか。
落ち込むのはそれからだよ、じゃあ俺は他にやる事があるからひとりで作っといてよ」
「はい!かしこまりましたご主人様」
俺にやる事があるとかは嘘だ
俺が見てるとプレッシャーで上手く出来ないだろうからな。それに未だにカスミとは微妙な距離感があるから2人きりになるのは少し気まずかったりする。
とりあえず時間を潰すために裏庭でお茶を飲んで一服しよう。
裏庭でお茶を飲みながらぼーっとしていると、裏庭の落ち葉でも集めていたのか熊手を持ったニィナがやって来た。
「主様、如何されました?お悩みのご様子ですが」
「あぁニィナ、お悩みだよぉ~、俺には女の子の気持ちは分からんのよ」
「ふふっ、カスミの事ですか?あまり心配は要らないと思いますが」
「そうなん?でもなぁ、このままではあかん気がするやん」
「ならば主様のなさりたいようにするのが良いと思います」
「俺のやりたいように?」
「はい、私たち奴隷は常に不安なのです。残りの人生を共に過ごす主様がどのようなお考えをなさっているのか、機嫌を損ねれば捨てられるのではないかと」
「俺がみんなを捨てるなんてありえないんだが」
「主様がそのような事をなさらないのは知っています。主様はカスミに対して遠慮し過ぎです。」
「そりゃあ年頃の娘なんだから遠慮のひとつやふたつするでしょうよ」
「ふふっ、それが主様の良きところでございます。それでは私はカスミの様子を見てきます。」
えぇー?!
ちょっとニィナさーん、結局どうしたらいいか分からないままなんですけどー!
「あっ!ご主人様だー♪何してるんですかー?」
「おぅスミレ~♪俺はお茶飲んで休憩中だよ、スミレは何してんの?」
「メリルおねえちゃんのお手伝いしてるのー」
「そうか、偉いなスミレ~♪」
俺がスミレの頭をワシャワシャしてやると、スミレは尻尾をブンブン振ってとても嬉しそうだ
そんなスミレを見て俺も嬉しい♪
俺のやりたいようにか、、、
「カスミー、調子はどうだー?」
「はい、だし巻き玉子10個焼き終えました!」
おおー!3個目ぐらいからめちゃめちゃ上達してるやん!
1番綺麗に出来てるだし巻き玉子をパクッと、、もぐもぐもぐもぐ、、、
「旨っ!カスミめっちゃ上手いこと出来てるで!これを売れば人気爆発間違い無しやで♪ほれっ」
「ご、ごひゅじんひゃま?!」
なんとなくカスミのほっぺをムニムニしてみたけど、驚異のスベスベ肌やな!
「カスミ、俺は話すの下手やし何考えてるか分からん時もあるかもしれん。でもカスミとスミレを捨てるとかは絶対に無い!
それだけは分かっといて欲しいねん、だからまぁ、なんと言いますか、、、」
「ふぇ~ん(泣)」
えぇー?!
なんか微妙な雰囲気になってどうしたらいいのか分からんくなってたら、突然カスミが泣いてしまった。
これはいったいどうすればいいのー(汗)
「あぁー!ダンナがカスミを泣かしたー!」
「ちょっと待てケイト、確かに俺が原因だろうけど」
「ちっ、違う、、ヒック、ずっと捨てられる、、、ヒック、恐くて、ヒック、だがら゛わ゛た゛し゛、ヒッグ、、」
「カスミ大丈夫やから、いや何が大丈夫なんかは分からんけど、えーと、どどどどどうすればーー?!」
助けを求めるように周囲を見るけど、、、どうやら援軍は来ないらしい。
こうなったら最終手段だ!
俺はカスミをそっと抱き締めてみる。
俺はこんな事しか思い付かない朴念仁だ。
嫌がられたらもう何も出来る事が無いんだけど、、、大丈夫、、、なのかな?
メリルもやって来て笑顔で見てるから大丈夫なのだと信じたい!
ちゃんと考えてカスミとスミレを迎えたけど、何処かお気楽な気持ちがあったんだろうと思う。
親になった事が無い俺が、いきなり他人の人生に責任持つってのは難しいよ。
だがしかし
これから毎日、、、は無理かもしれんが、出来るだけ笑顔で過ごせるように努力するから
カスミもスミレも、もう少しだけ待っていて欲しい。
つづく。
なんかソレっぽく言ってみたけど、作るのはうさぎ耳のカスミで販売は新たに人を雇う予定だ。
だから俺がやる事と言えばカスミに作り方を教える事だ。
俺がだし巻き玉子を作る時は、いつもは粉末の和風出汁か濃縮めんつゆを入れるんだけど、お吸い物の素とか入れて作ったりもする。
今日はお馴染みの濃縮めんつゆを入れて作ろう。
「そしたらカスミ、今からだし巻き玉子を作るから見ててくれ。」
「はい!」
「まずはキッチンペーパーに油を染み込ませてフライパンに薄く油をひいて熱する、そして卵を流し入れるんだけどフライパン全体にギリギリ行き渡る量が理想かな。
卵を入れたら豪快に混ぜながら半熟の状態で卵をフライパンの奥に集めたら、2回目の卵を流し入れる。卵を入れ過ぎたら戻して構わないよ
フライパンの奥に集めておいた卵を持ち上げて下にも卵を流す、焼けてきたら手前にくるっと巻いて行って
最後まで巻けたら奥に移動させて残りの卵を流し入れる、焼けたらさっきと同じように巻けば、だし巻き玉子の完成!さあカスミ試食してみて」
「はい!それではいただきます。もぐもぐもぐもぐ、、、ッ?!美味しいです!ご主人様凄く美味しいです!卵がこんなにフワフワになるなんて、、、」
「よしカスミ、早速作ってみよう♪」
「はい!」
カスミがだし巻き玉子を作った結果は、、、まぁ言わなくても分かるか
料理は初めてだって言ってたし、見た目は少し残念な出来だけど、焦げてないし普通に美味しく食べられる
俺が初めて作った時より上手なんだから大したもんだよ。
「申し訳ございません、ご主人様」
カスミがめっちゃ落ち込んでしまった(汗)
だし巻き玉子を作れないと罰があるとか思ってんのかなぁ?
「カスミ最初なんだからそんなに落ち込まないの、とりあえずだし巻き玉子を10個作ろうか。
落ち込むのはそれからだよ、じゃあ俺は他にやる事があるからひとりで作っといてよ」
「はい!かしこまりましたご主人様」
俺にやる事があるとかは嘘だ
俺が見てるとプレッシャーで上手く出来ないだろうからな。それに未だにカスミとは微妙な距離感があるから2人きりになるのは少し気まずかったりする。
とりあえず時間を潰すために裏庭でお茶を飲んで一服しよう。
裏庭でお茶を飲みながらぼーっとしていると、裏庭の落ち葉でも集めていたのか熊手を持ったニィナがやって来た。
「主様、如何されました?お悩みのご様子ですが」
「あぁニィナ、お悩みだよぉ~、俺には女の子の気持ちは分からんのよ」
「ふふっ、カスミの事ですか?あまり心配は要らないと思いますが」
「そうなん?でもなぁ、このままではあかん気がするやん」
「ならば主様のなさりたいようにするのが良いと思います」
「俺のやりたいように?」
「はい、私たち奴隷は常に不安なのです。残りの人生を共に過ごす主様がどのようなお考えをなさっているのか、機嫌を損ねれば捨てられるのではないかと」
「俺がみんなを捨てるなんてありえないんだが」
「主様がそのような事をなさらないのは知っています。主様はカスミに対して遠慮し過ぎです。」
「そりゃあ年頃の娘なんだから遠慮のひとつやふたつするでしょうよ」
「ふふっ、それが主様の良きところでございます。それでは私はカスミの様子を見てきます。」
えぇー?!
ちょっとニィナさーん、結局どうしたらいいか分からないままなんですけどー!
「あっ!ご主人様だー♪何してるんですかー?」
「おぅスミレ~♪俺はお茶飲んで休憩中だよ、スミレは何してんの?」
「メリルおねえちゃんのお手伝いしてるのー」
「そうか、偉いなスミレ~♪」
俺がスミレの頭をワシャワシャしてやると、スミレは尻尾をブンブン振ってとても嬉しそうだ
そんなスミレを見て俺も嬉しい♪
俺のやりたいようにか、、、
「カスミー、調子はどうだー?」
「はい、だし巻き玉子10個焼き終えました!」
おおー!3個目ぐらいからめちゃめちゃ上達してるやん!
1番綺麗に出来てるだし巻き玉子をパクッと、、もぐもぐもぐもぐ、、、
「旨っ!カスミめっちゃ上手いこと出来てるで!これを売れば人気爆発間違い無しやで♪ほれっ」
「ご、ごひゅじんひゃま?!」
なんとなくカスミのほっぺをムニムニしてみたけど、驚異のスベスベ肌やな!
「カスミ、俺は話すの下手やし何考えてるか分からん時もあるかもしれん。でもカスミとスミレを捨てるとかは絶対に無い!
それだけは分かっといて欲しいねん、だからまぁ、なんと言いますか、、、」
「ふぇ~ん(泣)」
えぇー?!
なんか微妙な雰囲気になってどうしたらいいのか分からんくなってたら、突然カスミが泣いてしまった。
これはいったいどうすればいいのー(汗)
「あぁー!ダンナがカスミを泣かしたー!」
「ちょっと待てケイト、確かに俺が原因だろうけど」
「ちっ、違う、、ヒック、ずっと捨てられる、、、ヒック、恐くて、ヒック、だがら゛わ゛た゛し゛、ヒッグ、、」
「カスミ大丈夫やから、いや何が大丈夫なんかは分からんけど、えーと、どどどどどうすればーー?!」
助けを求めるように周囲を見るけど、、、どうやら援軍は来ないらしい。
こうなったら最終手段だ!
俺はカスミをそっと抱き締めてみる。
俺はこんな事しか思い付かない朴念仁だ。
嫌がられたらもう何も出来る事が無いんだけど、、、大丈夫、、、なのかな?
メリルもやって来て笑顔で見てるから大丈夫なのだと信じたい!
ちゃんと考えてカスミとスミレを迎えたけど、何処かお気楽な気持ちがあったんだろうと思う。
親になった事が無い俺が、いきなり他人の人生に責任持つってのは難しいよ。
だがしかし
これから毎日、、、は無理かもしれんが、出来るだけ笑顔で過ごせるように努力するから
カスミもスミレも、もう少しだけ待っていて欲しい。
つづく。
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