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第3章 羽ばたきの先にあるもの
第41話 ポップコーン
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トウモロコシを購入し我が家に帰ってくると、ちょうど肉まんを蒸してる最中で厨房に水蒸気が立ち込めていた。
スキルの「店」で買った竹製の蒸籠の前で、尻尾をゆらゆらさせながら犬耳のスミレが砂時計とにらめっこしている姿は、控えめに言って可愛い過ぎるよ♪
スミレにはまだ細かい作業が難しいから、砂時計担当として頑張って貰っているんだ。
「砂、落ちたよー!」
ふふっ
スミレの元気な声を聞くだけで、なんだかとっても癒されるぅー♪
我が家に来て数日は、カスミもスミレも栄養状態が悪かったのか少し元気がなかったけど、声を聞く限り大丈夫そうだ。
「主様、昼食の用意が出来ました」
「ありがとうニィナ、それじゃあみんなで食べようか、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
「あーんっ、モグモグモグモグ、旨い!初めて作ったけど上手く出来るもんだな」
「旨いよダンナ!それにこの白パンがスゲェ柔らかい!貴族はこんな旨いもん食ってんのかよ」
「えっ?!これ白パンなんですか?」
白パンと聞いてカスミか凄く驚いてるけれど、肉まんと白パンって同じなの?
「おにいちゃん、これって白パンなの?」
「俺も白パンなんて見たことないから、これが白パンかどうか分からないんだよなぁ。
俺の故郷じゃ饅頭とか蒸しパンって呼んでたよ。肉を入れた饅頭だから肉まんって名前だと思うんだ」
「ねぇ、これは売ってもいい?」
「ああ構わないよ、パスタの作業場が出来たらそっちで生地仕込んで貰おうと思ってるんだ」
そういえば孤児院の横にパスタの作業場を作るのは今日からだった。忘れないようにビールを差し入れに行きますか!
◇ ◇ ◇
さっそくやって来ました孤児院横の作業現場。
孤児院の院長さんとドワーフのオリビエさんも居るから挨拶しとくか
「院長さん、オリビエさんこんにちは、2人とも来てたんですね」
「こんにちはシンさん、材料も良いものを揃えたから期待して貰っていいわ。
それに職人達の気合いの入り方が違うのよ、うちの馬鹿があれだけ騒いでた酒が飲めるってね♪」
「ははは、ちゃんと差し入れで持って来たんで遠慮なく飲んで下さい。あれでよければ幾らでも、、、って訳にはいきませんけど、沢山仕入れた時には売りますよ」
「本当に?!こうしちゃいられないわ、ドワーフの誇りにかけて最高の作業場にして見せるから!」
オリビエさんはそう言うと腕をぐるんぐるん回しながら行ってしまった。恐るべしドワーフの酒に対する情熱!
「院長さんも作業中はご迷惑をおかけします。」
「とんでもありません、孤児院の修復費用も出して頂いたのに、なんとお礼を言えば良いのか」
「気にしないでください、ウチで雇う予定の人達の子供を預かって貰うんですから当然ですよ」
「そう言って頂けると助かります。それでシンさんに相談がありまして、宜しいでしょうか?」
「構いませんよ、何でしょうか?」
「実は最近小麦の値が上がり利益が減っているのです。それでパン以外で何か作れる物は無いかと思いまして」
「それなら俺が持ってる小麦を少しお譲りしますよ、安い時に沢山買ったのがありますから」
というのは嘘で、スキルの「店」で買った物だけどな。
実はこの世界の小麦は元世界の小麦と品質はそれほど変わらない
ただし製粉技術がイマイチだし、不純物を取り除くという考えがあまり無いせいで小麦の価値は低い。
柔らかくて美味しいパンのレシピが販売されて、大きな商会はパンを作ったらしいが、今のところ孤児院で作るパンが1番美味しいみたい
噂じゃ貴族が食べる白パンより美味しいとかなんとか、マジで白パンって何なんだろう?
孤児院には俺が石臼やら粉振るいやらを提供しているし、直接パン作りも指導したからな
とは言え、孤児院の収入をパンだけに頼るのは良くないだろう。
今回のように小麦の値が上がったり不作になると、最悪の場合収入がゼロになってしまう。
孤児院には別の収入源が必要だなって事で、俺は先程買ったトウモロコシに鑑定を使用する、あんま使わないから忘れがちなんだよな(笑)
いざ、鑑定!
出た!
名前 モロコシ
種類 爆裂種(ポップコーン用)
爆裂種だったのは嬉しいけど、ちゃんとポップコーン用なのね。
「院長さん、今から新しい商品を作るので試食してみて下さい、それでここで作るか決めましょう」
俺は早速準備に取り掛かる。
底の深いフライパンに油と塩を入れ乾燥したトウモロコシを投入、竹かごを蓋代わりに被せる
ポップコーンは膨らんで凄い量になるから中の空間を広くする為だ。
火をつけたら焦げないようにひたすら揺すり続ける。うぉーーー!
ガサガサガサガサガサガサ!
「、、、ポン!、、、ポン!、、ポンポン!、、、、ポポン!、ポンポンポンポンポンポン!、、ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン!」
おお!
初めて作ったけどちゃんとポップコーンになってる♪
孤児院の子供達も音に気付いてさっそく集まってきた。
音に驚いてビビってる子や興味津々な子もいて反応は様々だ、こういう子供のリアクション見るのって楽しいな♪
「ねぇおにいちゃん、また美味しいの作ってるの?」
俺は最近孤児院によく来るから子供達とも仲良くなったんだ。
まぁ来る度にホットケーキとか作ってやってるからかもしれんが
「ようし皆、今からポップコーン配るから並んでー」
ポップコーンを配るとみんなシャクシャク音をさせながらバクバク食べている。表情を見るかぎりこれは売れるぜ!
その後、俺は子供達にせがまれて腕がパンパンになるまでポップコーンを作るのだった(汗)
つづく。
スキルの「店」で買った竹製の蒸籠の前で、尻尾をゆらゆらさせながら犬耳のスミレが砂時計とにらめっこしている姿は、控えめに言って可愛い過ぎるよ♪
スミレにはまだ細かい作業が難しいから、砂時計担当として頑張って貰っているんだ。
「砂、落ちたよー!」
ふふっ
スミレの元気な声を聞くだけで、なんだかとっても癒されるぅー♪
我が家に来て数日は、カスミもスミレも栄養状態が悪かったのか少し元気がなかったけど、声を聞く限り大丈夫そうだ。
「主様、昼食の用意が出来ました」
「ありがとうニィナ、それじゃあみんなで食べようか、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
「あーんっ、モグモグモグモグ、旨い!初めて作ったけど上手く出来るもんだな」
「旨いよダンナ!それにこの白パンがスゲェ柔らかい!貴族はこんな旨いもん食ってんのかよ」
「えっ?!これ白パンなんですか?」
白パンと聞いてカスミか凄く驚いてるけれど、肉まんと白パンって同じなの?
「おにいちゃん、これって白パンなの?」
「俺も白パンなんて見たことないから、これが白パンかどうか分からないんだよなぁ。
俺の故郷じゃ饅頭とか蒸しパンって呼んでたよ。肉を入れた饅頭だから肉まんって名前だと思うんだ」
「ねぇ、これは売ってもいい?」
「ああ構わないよ、パスタの作業場が出来たらそっちで生地仕込んで貰おうと思ってるんだ」
そういえば孤児院の横にパスタの作業場を作るのは今日からだった。忘れないようにビールを差し入れに行きますか!
◇ ◇ ◇
さっそくやって来ました孤児院横の作業現場。
孤児院の院長さんとドワーフのオリビエさんも居るから挨拶しとくか
「院長さん、オリビエさんこんにちは、2人とも来てたんですね」
「こんにちはシンさん、材料も良いものを揃えたから期待して貰っていいわ。
それに職人達の気合いの入り方が違うのよ、うちの馬鹿があれだけ騒いでた酒が飲めるってね♪」
「ははは、ちゃんと差し入れで持って来たんで遠慮なく飲んで下さい。あれでよければ幾らでも、、、って訳にはいきませんけど、沢山仕入れた時には売りますよ」
「本当に?!こうしちゃいられないわ、ドワーフの誇りにかけて最高の作業場にして見せるから!」
オリビエさんはそう言うと腕をぐるんぐるん回しながら行ってしまった。恐るべしドワーフの酒に対する情熱!
「院長さんも作業中はご迷惑をおかけします。」
「とんでもありません、孤児院の修復費用も出して頂いたのに、なんとお礼を言えば良いのか」
「気にしないでください、ウチで雇う予定の人達の子供を預かって貰うんですから当然ですよ」
「そう言って頂けると助かります。それでシンさんに相談がありまして、宜しいでしょうか?」
「構いませんよ、何でしょうか?」
「実は最近小麦の値が上がり利益が減っているのです。それでパン以外で何か作れる物は無いかと思いまして」
「それなら俺が持ってる小麦を少しお譲りしますよ、安い時に沢山買ったのがありますから」
というのは嘘で、スキルの「店」で買った物だけどな。
実はこの世界の小麦は元世界の小麦と品質はそれほど変わらない
ただし製粉技術がイマイチだし、不純物を取り除くという考えがあまり無いせいで小麦の価値は低い。
柔らかくて美味しいパンのレシピが販売されて、大きな商会はパンを作ったらしいが、今のところ孤児院で作るパンが1番美味しいみたい
噂じゃ貴族が食べる白パンより美味しいとかなんとか、マジで白パンって何なんだろう?
孤児院には俺が石臼やら粉振るいやらを提供しているし、直接パン作りも指導したからな
とは言え、孤児院の収入をパンだけに頼るのは良くないだろう。
今回のように小麦の値が上がったり不作になると、最悪の場合収入がゼロになってしまう。
孤児院には別の収入源が必要だなって事で、俺は先程買ったトウモロコシに鑑定を使用する、あんま使わないから忘れがちなんだよな(笑)
いざ、鑑定!
出た!
名前 モロコシ
種類 爆裂種(ポップコーン用)
爆裂種だったのは嬉しいけど、ちゃんとポップコーン用なのね。
「院長さん、今から新しい商品を作るので試食してみて下さい、それでここで作るか決めましょう」
俺は早速準備に取り掛かる。
底の深いフライパンに油と塩を入れ乾燥したトウモロコシを投入、竹かごを蓋代わりに被せる
ポップコーンは膨らんで凄い量になるから中の空間を広くする為だ。
火をつけたら焦げないようにひたすら揺すり続ける。うぉーーー!
ガサガサガサガサガサガサ!
「、、、ポン!、、、ポン!、、ポンポン!、、、、ポポン!、ポンポンポンポンポンポン!、、ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン!」
おお!
初めて作ったけどちゃんとポップコーンになってる♪
孤児院の子供達も音に気付いてさっそく集まってきた。
音に驚いてビビってる子や興味津々な子もいて反応は様々だ、こういう子供のリアクション見るのって楽しいな♪
「ねぇおにいちゃん、また美味しいの作ってるの?」
俺は最近孤児院によく来るから子供達とも仲良くなったんだ。
まぁ来る度にホットケーキとか作ってやってるからかもしれんが
「ようし皆、今からポップコーン配るから並んでー」
ポップコーンを配るとみんなシャクシャク音をさせながらバクバク食べている。表情を見るかぎりこれは売れるぜ!
その後、俺は子供達にせがまれて腕がパンパンになるまでポップコーンを作るのだった(汗)
つづく。
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