47 / 305
第3章 羽ばたきの先にあるもの
第41話 ポップコーン
しおりを挟む
トウモロコシを購入し我が家に帰ってくると、ちょうど肉まんを蒸してる最中で厨房に水蒸気が立ち込めていた。
スキルの「店」で買った竹製の蒸籠の前で、尻尾をゆらゆらさせながら犬耳のスミレが砂時計とにらめっこしている姿は、控えめに言って可愛い過ぎるよ♪
スミレにはまだ細かい作業が難しいから、砂時計担当として頑張って貰っているんだ。
「砂、落ちたよー!」
ふふっ
スミレの元気な声を聞くだけで、なんだかとっても癒されるぅー♪
我が家に来て数日は、カスミもスミレも栄養状態が悪かったのか少し元気がなかったけど、声を聞く限り大丈夫そうだ。
「主様、昼食の用意が出来ました」
「ありがとうニィナ、それじゃあみんなで食べようか、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
「あーんっ、モグモグモグモグ、旨い!初めて作ったけど上手く出来るもんだな」
「旨いよダンナ!それにこの白パンがスゲェ柔らかい!貴族はこんな旨いもん食ってんのかよ」
「えっ?!これ白パンなんですか?」
白パンと聞いてカスミか凄く驚いてるけれど、肉まんと白パンって同じなの?
「おにいちゃん、これって白パンなの?」
「俺も白パンなんて見たことないから、これが白パンかどうか分からないんだよなぁ。
俺の故郷じゃ饅頭とか蒸しパンって呼んでたよ。肉を入れた饅頭だから肉まんって名前だと思うんだ」
「ねぇ、これは売ってもいい?」
「ああ構わないよ、パスタの作業場が出来たらそっちで生地仕込んで貰おうと思ってるんだ」
そういえば孤児院の横にパスタの作業場を作るのは今日からだった。忘れないようにビールを差し入れに行きますか!
◇ ◇ ◇
さっそくやって来ました孤児院横の作業現場。
孤児院の院長さんとドワーフのオリビエさんも居るから挨拶しとくか
「院長さん、オリビエさんこんにちは、2人とも来てたんですね」
「こんにちはシンさん、材料も良いものを揃えたから期待して貰っていいわ。
それに職人達の気合いの入り方が違うのよ、うちの馬鹿があれだけ騒いでた酒が飲めるってね♪」
「ははは、ちゃんと差し入れで持って来たんで遠慮なく飲んで下さい。あれでよければ幾らでも、、、って訳にはいきませんけど、沢山仕入れた時には売りますよ」
「本当に?!こうしちゃいられないわ、ドワーフの誇りにかけて最高の作業場にして見せるから!」
オリビエさんはそう言うと腕をぐるんぐるん回しながら行ってしまった。恐るべしドワーフの酒に対する情熱!
「院長さんも作業中はご迷惑をおかけします。」
「とんでもありません、孤児院の修復費用も出して頂いたのに、なんとお礼を言えば良いのか」
「気にしないでください、ウチで雇う予定の人達の子供を預かって貰うんですから当然ですよ」
「そう言って頂けると助かります。それでシンさんに相談がありまして、宜しいでしょうか?」
「構いませんよ、何でしょうか?」
「実は最近小麦の値が上がり利益が減っているのです。それでパン以外で何か作れる物は無いかと思いまして」
「それなら俺が持ってる小麦を少しお譲りしますよ、安い時に沢山買ったのがありますから」
というのは嘘で、スキルの「店」で買った物だけどな。
実はこの世界の小麦は元世界の小麦と品質はそれほど変わらない
ただし製粉技術がイマイチだし、不純物を取り除くという考えがあまり無いせいで小麦の価値は低い。
柔らかくて美味しいパンのレシピが販売されて、大きな商会はパンを作ったらしいが、今のところ孤児院で作るパンが1番美味しいみたい
噂じゃ貴族が食べる白パンより美味しいとかなんとか、マジで白パンって何なんだろう?
孤児院には俺が石臼やら粉振るいやらを提供しているし、直接パン作りも指導したからな
とは言え、孤児院の収入をパンだけに頼るのは良くないだろう。
今回のように小麦の値が上がったり不作になると、最悪の場合収入がゼロになってしまう。
孤児院には別の収入源が必要だなって事で、俺は先程買ったトウモロコシに鑑定を使用する、あんま使わないから忘れがちなんだよな(笑)
いざ、鑑定!
出た!
名前 モロコシ
種類 爆裂種(ポップコーン用)
爆裂種だったのは嬉しいけど、ちゃんとポップコーン用なのね。
「院長さん、今から新しい商品を作るので試食してみて下さい、それでここで作るか決めましょう」
俺は早速準備に取り掛かる。
底の深いフライパンに油と塩を入れ乾燥したトウモロコシを投入、竹かごを蓋代わりに被せる
ポップコーンは膨らんで凄い量になるから中の空間を広くする為だ。
火をつけたら焦げないようにひたすら揺すり続ける。うぉーーー!
ガサガサガサガサガサガサ!
「、、、ポン!、、、ポン!、、ポンポン!、、、、ポポン!、ポンポンポンポンポンポン!、、ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン!」
おお!
初めて作ったけどちゃんとポップコーンになってる♪
孤児院の子供達も音に気付いてさっそく集まってきた。
音に驚いてビビってる子や興味津々な子もいて反応は様々だ、こういう子供のリアクション見るのって楽しいな♪
「ねぇおにいちゃん、また美味しいの作ってるの?」
俺は最近孤児院によく来るから子供達とも仲良くなったんだ。
まぁ来る度にホットケーキとか作ってやってるからかもしれんが
「ようし皆、今からポップコーン配るから並んでー」
ポップコーンを配るとみんなシャクシャク音をさせながらバクバク食べている。表情を見るかぎりこれは売れるぜ!
その後、俺は子供達にせがまれて腕がパンパンになるまでポップコーンを作るのだった(汗)
つづく。
スキルの「店」で買った竹製の蒸籠の前で、尻尾をゆらゆらさせながら犬耳のスミレが砂時計とにらめっこしている姿は、控えめに言って可愛い過ぎるよ♪
スミレにはまだ細かい作業が難しいから、砂時計担当として頑張って貰っているんだ。
「砂、落ちたよー!」
ふふっ
スミレの元気な声を聞くだけで、なんだかとっても癒されるぅー♪
我が家に来て数日は、カスミもスミレも栄養状態が悪かったのか少し元気がなかったけど、声を聞く限り大丈夫そうだ。
「主様、昼食の用意が出来ました」
「ありがとうニィナ、それじゃあみんなで食べようか、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
「あーんっ、モグモグモグモグ、旨い!初めて作ったけど上手く出来るもんだな」
「旨いよダンナ!それにこの白パンがスゲェ柔らかい!貴族はこんな旨いもん食ってんのかよ」
「えっ?!これ白パンなんですか?」
白パンと聞いてカスミか凄く驚いてるけれど、肉まんと白パンって同じなの?
「おにいちゃん、これって白パンなの?」
「俺も白パンなんて見たことないから、これが白パンかどうか分からないんだよなぁ。
俺の故郷じゃ饅頭とか蒸しパンって呼んでたよ。肉を入れた饅頭だから肉まんって名前だと思うんだ」
「ねぇ、これは売ってもいい?」
「ああ構わないよ、パスタの作業場が出来たらそっちで生地仕込んで貰おうと思ってるんだ」
そういえば孤児院の横にパスタの作業場を作るのは今日からだった。忘れないようにビールを差し入れに行きますか!
◇ ◇ ◇
さっそくやって来ました孤児院横の作業現場。
孤児院の院長さんとドワーフのオリビエさんも居るから挨拶しとくか
「院長さん、オリビエさんこんにちは、2人とも来てたんですね」
「こんにちはシンさん、材料も良いものを揃えたから期待して貰っていいわ。
それに職人達の気合いの入り方が違うのよ、うちの馬鹿があれだけ騒いでた酒が飲めるってね♪」
「ははは、ちゃんと差し入れで持って来たんで遠慮なく飲んで下さい。あれでよければ幾らでも、、、って訳にはいきませんけど、沢山仕入れた時には売りますよ」
「本当に?!こうしちゃいられないわ、ドワーフの誇りにかけて最高の作業場にして見せるから!」
オリビエさんはそう言うと腕をぐるんぐるん回しながら行ってしまった。恐るべしドワーフの酒に対する情熱!
「院長さんも作業中はご迷惑をおかけします。」
「とんでもありません、孤児院の修復費用も出して頂いたのに、なんとお礼を言えば良いのか」
「気にしないでください、ウチで雇う予定の人達の子供を預かって貰うんですから当然ですよ」
「そう言って頂けると助かります。それでシンさんに相談がありまして、宜しいでしょうか?」
「構いませんよ、何でしょうか?」
「実は最近小麦の値が上がり利益が減っているのです。それでパン以外で何か作れる物は無いかと思いまして」
「それなら俺が持ってる小麦を少しお譲りしますよ、安い時に沢山買ったのがありますから」
というのは嘘で、スキルの「店」で買った物だけどな。
実はこの世界の小麦は元世界の小麦と品質はそれほど変わらない
ただし製粉技術がイマイチだし、不純物を取り除くという考えがあまり無いせいで小麦の価値は低い。
柔らかくて美味しいパンのレシピが販売されて、大きな商会はパンを作ったらしいが、今のところ孤児院で作るパンが1番美味しいみたい
噂じゃ貴族が食べる白パンより美味しいとかなんとか、マジで白パンって何なんだろう?
孤児院には俺が石臼やら粉振るいやらを提供しているし、直接パン作りも指導したからな
とは言え、孤児院の収入をパンだけに頼るのは良くないだろう。
今回のように小麦の値が上がったり不作になると、最悪の場合収入がゼロになってしまう。
孤児院には別の収入源が必要だなって事で、俺は先程買ったトウモロコシに鑑定を使用する、あんま使わないから忘れがちなんだよな(笑)
いざ、鑑定!
出た!
名前 モロコシ
種類 爆裂種(ポップコーン用)
爆裂種だったのは嬉しいけど、ちゃんとポップコーン用なのね。
「院長さん、今から新しい商品を作るので試食してみて下さい、それでここで作るか決めましょう」
俺は早速準備に取り掛かる。
底の深いフライパンに油と塩を入れ乾燥したトウモロコシを投入、竹かごを蓋代わりに被せる
ポップコーンは膨らんで凄い量になるから中の空間を広くする為だ。
火をつけたら焦げないようにひたすら揺すり続ける。うぉーーー!
ガサガサガサガサガサガサ!
「、、、ポン!、、、ポン!、、ポンポン!、、、、ポポン!、ポンポンポンポンポンポン!、、ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン!」
おお!
初めて作ったけどちゃんとポップコーンになってる♪
孤児院の子供達も音に気付いてさっそく集まってきた。
音に驚いてビビってる子や興味津々な子もいて反応は様々だ、こういう子供のリアクション見るのって楽しいな♪
「ねぇおにいちゃん、また美味しいの作ってるの?」
俺は最近孤児院によく来るから子供達とも仲良くなったんだ。
まぁ来る度にホットケーキとか作ってやってるからかもしれんが
「ようし皆、今からポップコーン配るから並んでー」
ポップコーンを配るとみんなシャクシャク音をさせながらバクバク食べている。表情を見るかぎりこれは売れるぜ!
その後、俺は子供達にせがまれて腕がパンパンになるまでポップコーンを作るのだった(汗)
つづく。
520
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる