テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織

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第3章 羽ばたきの先にあるもの

第36話 平和な朝と奴隷の事

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朝、目が覚めると

いつもと変わらぬ部屋だった。

良いねぇ変わらぬ日常ってのは

年をとると急な変化に弱いんだよ(悲)


さて今日の朝食のメニューはどうすっかなぁ、、、などと考えながら部屋を出ると


「「「おはようございます、ご主人様!」」」

「おっ、おぅ?!みんなおはよう」


ドアの前に、ニィナ、カスミ、スミレの3人が並んでいて挨拶してくれた。

わざわざ待ってなくてもいいんだけど、奴隷紋のせいで俺の言う事には絶対服従だから、俺から何かお願いする時は慎重に言わなければならない

ニィナは大人だからいいけど、カスミとスミレは子供だから発言には気をつけてやらないと駄目なんだ。


ちなみに奴隷から解放するにはそれなりの金と王様の許可がいる。

奴隷を管理する大臣と面談してから、王様が許可すれば奴隷から解放出来るらしいけど

言葉は悪いが奴隷ごときに王様の許可が必要とは思えないが、この国の法律ではそうなっているから仕方ない

『王様が絶対!』

のこの国でわざわざ奴隷解放する馬鹿はいない、自分の為に王様に時間を割いて貰うなど畏れ多いからだ。


何が言いたいかというと、俺には奴隷解放は無理って事だ。

ニィナは捕虜から奴隷になったから少し特殊だけど、借金奴隷も借金の返済義務違反をした犯罪者だから、借金を返せば奴隷から解放されるという簡単な話にはならない。

せめて俺の奴隷で良かったと思って貰えるようにはしたい。



「あっあの、私達は何をすればよいでしょうか?」


おっと!

すっかり考え込んでしまって、うさぎ耳のカスミが不安そうに俺に質問をしている。


「そうだなぁ、とりあえず朝食作るの手伝ってくれ」

「かしこまりました」

「今朝は簡単に出来るトマトソースのパスタにしよう。パスタはとりあえず2キロ茹でるから、ニィナお湯沸かしてくれ」

「承知しました。」

「カスミにはソースを温めてもらおうかな。ソースを鍋に入れて焦げないように底からゆっくり混ぜればいいよ」

「はい!」


うーん、ソース温めるだけなんだけど凄い気合いだな。


「主様、お湯が沸きました」

「サンキュー、お湯に塩を入れてパスタ投入!ニィナこれゆっくり混ぜといて

そんでスミレにはこの砂時計の砂が全部下に落ちたら教えて欲しい。パスタは茹で時間が重要なんやけど、出来るかな?」

「あい!」


犬耳のスミレも気合い充分♪


「それじゃあみんな任せた」


俺はその間にダラダラする!

パスタは5分くらいで茹で上がるから他に出来る事もないしな。


「ダンナおはよう」

「おにいちゃん、おはよう」

「2人ともおはよう」


ケイトとメリルが2階から降りてきた。なんだかんだこの2人仲良いんだよな、護衛で常に一緒にいるからかもしれんけど


「砂、全部落ちたー!」

「おぅ、スミレありがとうな」


なんとなくスミレの頭をワシャワシャしてやると尻尾がブンブン振れてとても可愛い♪


「ニィナ、パスタをザルにあげてお湯をきって、あとは各自好きな量を取ってソースかけてくれ」


俺は自分の皿にパスタを盛りつけてテーブルで待ってると、みんな普通の量を皿に取って持ってくるのだが、スミレも皆と同じ量を皿に盛っているではないか!

あの小さな体に入るのか?

実は自分が食べれる量を知らないなんて事は、、、あるな!

腹いっぱい好きなだけ食べる事なんて無かったかもしれんし、そういうのも経験しないと分からんか


「みんな揃ったな、それじゃあいただきます」

「「「「「いただきます」」」」」


なんだか急に我が家の人数が増えて学生寮の食堂みたいだな。

そうなると俺は教師のポジションか?

そんな事を考えていたらあっという間にスミレがパスタを完食していた。マジであの量を食ったのか?!

ただ少し苦しそうではあるな

スミレ用に小さい皿を用意するべきだろうか?



「ねぇおにいちゃん、パスタは売っちゃ駄目?」

「パスタかぁ、それなら作るところからやろうか」

「どういう事?」

「仕事が無い人を雇ってパスタ作って貰って、売るのも任せれば俺達は何もせずに儲かるって事だよ」

「あははははは、やっぱダンナはスゲェーや!何もせずに儲けるなんてさ
あっ!でも知らない奴を雇うのはなぁ」

「その辺もちゃんと考えてあるよ、うまくいけばこの街の雇用問題も少しは改善するかもな」

「ねぇおにいちゃん、全然分からないんだけど」

「まっ、直ぐに分かるよ。うまく行くかはやってみないと分からないけどな。片付けたらさっそく女将さんのとこに行くぞぉー」


◇     ◇     ◇


みんなでやって来ました女将さんの宿


「女将さんおはようございます。」

「おはようさん、おや?誰かと思えば話題の旦那じゃないか♪」

「ちょっと女将さんそういうのやめて下さいよ」

「ははは、話題なのは事実だからねぇ、それに随分と賑やかになってるじゃないか」

「おかげさまで商売が順調でまだまだ人手が足りないんですよ、そこで女将さんにお願いがあるんです」

「あんたがあたしにお願いなんて珍しいね、あたしに出来る事なら何でも言いな」

「実は新しい食べ物を作ろうと思ったんですけど人手が足りなくて、そこで女将さんに信用出来る人を集めて貰えないかと思いまして」

「また食べ物かい?!あんたの中にはどんだけ知らない食べ物が詰まってるんだい」


女将さんに呆れられてしまった、解せぬ!


「それで、人は集められそうですか?」

「何人か心当たりはあるけど、全員女だから力仕事にゃ向かないよ?」

「構いません、ちなみにその人たちは子持ちですか?」

「ああ、旦那が死んでひとりで子育てしてる女ばかりだね、たまにある商会の雑用と小物を作って広場で売るぐらいしか仕事が無いから、あんたが雇ってくれるならありがたいねぇ」

「雇うのは実際会ってから決めますけど、その人達の保証人に女将さんがなって下さい。何かあれば女将さんが責任を取る事になるって、表向きにはそういう事にしといて欲しいんですけど」

「ん?、、、なるほど考えたねぇ、何かあれば仕事を紹介したあたしに直接迷惑がかかるって事だね
あたしが言うのもなんだけど馬鹿は何処にでもいるからね、そのぐらいしてちょうどいいよ」

「それじゃあ人集めお願いしますね」

「任せときな、いい女を集めとくよ!」



これで従業員は大丈夫っと。

次は大事なパスタマシンだな、パスタマシンと言っても元世界でもお馴染みの手動で生地を伸ばしたり麺の形にカットするやつだ。

2本のローラーの間に生地を通すだけのシンプル構造だから、この街の鍛冶屋とか大工さんでも作れると思うんだよ

業務用のデカイのがあれば仕事も楽になるしな

そうと決まれば、いざ職人街へ!






つづく。
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