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第2章 胎動
第25話 集う仲間
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「どうかわたくしめを奴隷商にお売り下さいませ。」
えぇー?!
どゆことー?
ニィナの衝撃発言により混乱したが、なんとか持ちこたえた俺を誰か褒めて欲しい。
「理由を聞かせてくれないと、その我儘を叶える事は出来ないよ」
「それは当然の事かと思います。
私の故郷は人族と争っておりましたが、先の戦に敗れ我が主君は討死、私は捕虜となり、拷問の末にある貴族の奴隷となりました。
その貴族は拷問が趣味のようで私の他にも幾人かの女子の奴隷がおりました。あるものは拷問による傷が原因で命を落とし、またあるものは舌を噛んで自ら命を絶ちました。
私もいつ命果てるやもしれぬ日々を送っておりましたが、いつの日か主君の仇を討てるのならば、畜生に成り果てる事も厭わぬと。
されど我が身は病に侵され奴隷商に売られる事になりました。たとえ此の身が朽ち果てようと、我が魂は必ずや怨敵の喉笛を喰い千切らんと誓ったのです。
しかしながらついに此の命もここまでかと思うた時、主様に助けられたのでございます。
私が受けた屈辱の日々は決して忘れる事が出来ません。復讐をする事でしか前に進めぬのでございます。
そんな復讐に囚われた私がいては、いずれ主様を危険にさらし、覇道の邪魔になるのは明白。
病の治った今ならばそれなりの値で売れるはずです。私が受けた恩はそのようなはした金では到底足りはしませぬが、どうか私の事は路傍の石を拾ったとでも思いお捨てになって下さい。」
待て待て待て!
俺はどこの戦国武将やねん!
しかも覇道って意味が分からんし、臣下に焼き討ちされる未来しか見えんわ!!
「確かに病が治ったなら、高く売れるだろうな」
「はっ!ダークエルフは高く売れると聞き及んでおります故どこぞの貴族に売って頂いても構いません。」
「だが断る!!」
「はっ?えっ?!いやしかし」
フハハハハハ、死ぬまでに1度は言いたいセリフを言ってやったぜ♪
「ニィナひとりで俺の覇道を邪魔出来ると思われるなんて低く見られたもんだよ(悲)
それに、復讐でもなんでも前に進めるなら構わない、世の中には何をしたって前に進めない奴もいるんだからな
なぁニィナ
一緒にその貴族に復讐しよう
ニィナを傷つけたクソ貴族から全てを奪ってやろう
生きてる事を後悔させてやろう
それでさ
みんなでそいつを見ながら笑ってやろうよ」
「・・・」
「復讐は虚しいだけとか、何も産み出さないとか言う奴もいるけど、てめぇーの価値観押し付けんじゃねぇ!って俺は思うよ
だから
一緒に復讐しよう
復讐のやり方は任せて欲しいけどな。ちなみにどうやって復讐するかは何も思い付いてない!」
「、、、主様」
「それにいくらニィナが売ってくれって言っても、ニィナはもう仲間なんだ、俺は仲間は絶対売らん!」
「ふふっ、どうやら私はとんでもない御方を主にしたようですね」
「嫌か?」
「最高です♪」
「それじゃあ改めてよろしくな、ニィナ!」
「末長くよろしくお願いします。主様♪」
はぁ~、良かった!
こういうの苦手だよ、でも終わり良ければなんとやらだな(笑)
「おにいちゃんただいまー」
おっ!
メリルとケイトが帰ってきたか
「奥方様、ケイト殿お帰りなさいませ。改めまして、この度主様の護衛役を勤めさせて頂くニィナと申します。」
「えっと、メリルは奥さんではないからな」
「そうなのですか?失礼致しました。それではお嬢様とお呼びします。」
「うーん、硬いなぁ俺達はもう仲間なんだからもっと気楽に接してくれよ」
「そのような事畏れ多うございます。」
「それじゃあ今日は新たな仲間の歓迎会って事で飯食おう。同じ釜の飯を食えばもう仲間だ、仲間どうしで敬語は失礼にあたるぜ?」
「私のような者には勿体なきお言葉、不肖ニィナ慎んでお請け致します。」
「まだ硬いけど、まぁいいか。そんな事よりケイトはなんで部屋の隅にいるんだよ?」
「・・・言われてない」
「ん?よく聞こえなかったんだが」
「グスン、あたし仲間だって言われてないもん」
「なんだよそれで拗ねてたのか、ケイトは俺達と同じ土鍋の飯を食っただろ?俺達はもう仲間だと思ってたんだけど違ってたのか」
「そうだよ、ケイトはもう仲間だよ」
「っ?!、、、ダンナ゛ァ゛ー゛、お嬢ぉ~(泣)」
「だから俺に抱き付いて鼻水を付けるんじゃあない!」
「「あはははははは♪」」
こうして俺達にまた新たな仲間が加わった。
ふと見ると
楽しそうに笑うニィナの頬に一筋の汗が光っているのを見付け、、、
俺はニィナの喜ぶ姿を想像しながら歓迎会の料理を考えるのだった♪
つづく。
えぇー?!
どゆことー?
ニィナの衝撃発言により混乱したが、なんとか持ちこたえた俺を誰か褒めて欲しい。
「理由を聞かせてくれないと、その我儘を叶える事は出来ないよ」
「それは当然の事かと思います。
私の故郷は人族と争っておりましたが、先の戦に敗れ我が主君は討死、私は捕虜となり、拷問の末にある貴族の奴隷となりました。
その貴族は拷問が趣味のようで私の他にも幾人かの女子の奴隷がおりました。あるものは拷問による傷が原因で命を落とし、またあるものは舌を噛んで自ら命を絶ちました。
私もいつ命果てるやもしれぬ日々を送っておりましたが、いつの日か主君の仇を討てるのならば、畜生に成り果てる事も厭わぬと。
されど我が身は病に侵され奴隷商に売られる事になりました。たとえ此の身が朽ち果てようと、我が魂は必ずや怨敵の喉笛を喰い千切らんと誓ったのです。
しかしながらついに此の命もここまでかと思うた時、主様に助けられたのでございます。
私が受けた屈辱の日々は決して忘れる事が出来ません。復讐をする事でしか前に進めぬのでございます。
そんな復讐に囚われた私がいては、いずれ主様を危険にさらし、覇道の邪魔になるのは明白。
病の治った今ならばそれなりの値で売れるはずです。私が受けた恩はそのようなはした金では到底足りはしませぬが、どうか私の事は路傍の石を拾ったとでも思いお捨てになって下さい。」
待て待て待て!
俺はどこの戦国武将やねん!
しかも覇道って意味が分からんし、臣下に焼き討ちされる未来しか見えんわ!!
「確かに病が治ったなら、高く売れるだろうな」
「はっ!ダークエルフは高く売れると聞き及んでおります故どこぞの貴族に売って頂いても構いません。」
「だが断る!!」
「はっ?えっ?!いやしかし」
フハハハハハ、死ぬまでに1度は言いたいセリフを言ってやったぜ♪
「ニィナひとりで俺の覇道を邪魔出来ると思われるなんて低く見られたもんだよ(悲)
それに、復讐でもなんでも前に進めるなら構わない、世の中には何をしたって前に進めない奴もいるんだからな
なぁニィナ
一緒にその貴族に復讐しよう
ニィナを傷つけたクソ貴族から全てを奪ってやろう
生きてる事を後悔させてやろう
それでさ
みんなでそいつを見ながら笑ってやろうよ」
「・・・」
「復讐は虚しいだけとか、何も産み出さないとか言う奴もいるけど、てめぇーの価値観押し付けんじゃねぇ!って俺は思うよ
だから
一緒に復讐しよう
復讐のやり方は任せて欲しいけどな。ちなみにどうやって復讐するかは何も思い付いてない!」
「、、、主様」
「それにいくらニィナが売ってくれって言っても、ニィナはもう仲間なんだ、俺は仲間は絶対売らん!」
「ふふっ、どうやら私はとんでもない御方を主にしたようですね」
「嫌か?」
「最高です♪」
「それじゃあ改めてよろしくな、ニィナ!」
「末長くよろしくお願いします。主様♪」
はぁ~、良かった!
こういうの苦手だよ、でも終わり良ければなんとやらだな(笑)
「おにいちゃんただいまー」
おっ!
メリルとケイトが帰ってきたか
「奥方様、ケイト殿お帰りなさいませ。改めまして、この度主様の護衛役を勤めさせて頂くニィナと申します。」
「えっと、メリルは奥さんではないからな」
「そうなのですか?失礼致しました。それではお嬢様とお呼びします。」
「うーん、硬いなぁ俺達はもう仲間なんだからもっと気楽に接してくれよ」
「そのような事畏れ多うございます。」
「それじゃあ今日は新たな仲間の歓迎会って事で飯食おう。同じ釜の飯を食えばもう仲間だ、仲間どうしで敬語は失礼にあたるぜ?」
「私のような者には勿体なきお言葉、不肖ニィナ慎んでお請け致します。」
「まだ硬いけど、まぁいいか。そんな事よりケイトはなんで部屋の隅にいるんだよ?」
「・・・言われてない」
「ん?よく聞こえなかったんだが」
「グスン、あたし仲間だって言われてないもん」
「なんだよそれで拗ねてたのか、ケイトは俺達と同じ土鍋の飯を食っただろ?俺達はもう仲間だと思ってたんだけど違ってたのか」
「そうだよ、ケイトはもう仲間だよ」
「っ?!、、、ダンナ゛ァ゛ー゛、お嬢ぉ~(泣)」
「だから俺に抱き付いて鼻水を付けるんじゃあない!」
「「あはははははは♪」」
こうして俺達にまた新たな仲間が加わった。
ふと見ると
楽しそうに笑うニィナの頬に一筋の汗が光っているのを見付け、、、
俺はニィナの喜ぶ姿を想像しながら歓迎会の料理を考えるのだった♪
つづく。
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